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中国国内の観光市場の混乱

一部地域観光市場を管理強化 3部門協議

 国家観光局、公安部、工商総局の3部門合同でのテレビ電話会議において、国家
観光局の李金早局長は、目下各省市の観光分野における総合的協調構造は不完全で
あり、観光市場の秩序は根本的に改善されていないと指摘、「一部の地域観光市場
は混沌としており、反社会勢力の浸透したものもある」と語った。
 また、当会議において、2015年は不当な低価格設定、違法日帰り旅行等市場を乱
す行為を観光市場を管理する上での重点として位置づけ、3部門合同にて四半期作
業協議メカニズムを確立し、各地での作業を後押ししていくことが示された。
 国家観光局は下半期、「観光経営サービス悪質情報管理弁法」を制定し、健全な
観光と信頼のおける情報の公開制度を確立し、背信行為の記録を公開するとしてい
る。〔新京報2015年6月11日〕

雲南、海南等での観光詐欺が深刻

 5日、国家観光局は、3件の観光関連案件の取り締まり状況を報告した。
 張家界の観光ガイドの揚某欣は刃物で観光客に買い物をするよう脅迫し、観光ガ
イド証が無効とされ、警察の立件調査を受けた。関連旅行会社の湘西中旅は5万元
の罰金、6カ月の業務停止となった。
 昆明緑分国際旅行社は、買い物先が火災で焼失しているにもかかわらず旅程に含
めたという虚偽宣伝、虚偽案内行為で、観光客へ4996元の賠償、1万元の罰金が科
された。
 国家観光局は5月以来、雲南、湖南、海南、湖北等に捜査チーム9組を派遣し、不
当な低価格設定のツアー等の問題について秘密裏に捜査を行い、目下の捜査状況を
取りまとめた。さらに、公安、工商等各部門と共同で関連行為の取り締まりを行う。
 国家観光局が最近受理した観光に関する投書通報では、不当な低価格設定により、
強制的に買い物をさせる、あるいは実質的に買い物をさせるという投書がトップで
あった。
〈投書量は、上海、雲南が上位〉
 今年の労働節期間において、雲南等では、観光ガイドが観光客を脅迫し、強制的
に買い物をさせる事件が相次いで発生した。
 このため、国家観光局は5月9日、投書通報プラットホームを開設し、全国から観
光市場の違法案件通報を集中的に受理した。
 5月31日現在、プラットホームで受理した有効投書通報は154件、そのうち、不当
な低価格設定により、強制的に買い物をさせる、あるいは実質的に買い物をさせる
というのが34%とトップであった。
 地域別では、投書通報が比較的集中したのは、上海、雲南、江蘇、北京、広東、
河南、湖南、山東、四川、浙江等であった。
 通報事項別では、旅行会社や観光ガイドが88件で57%、ネット旅行会社が25件で
16%、観光地が22件で14%、買い物店、保険、遊覧船会社、違法日帰り旅行が16件で
11%、観光ホテルが3件で2%を占めた。
〈観光参考価格を研究発表〉
 国家観光局監督管理司の彭志凱司長は5日、不当な低価格設定ツアーについて、
第一弾の特別検査を取りまとめた。
 目下の状況から見ると、雲南、海南等では、不当な低価格設定で旅行詐欺を起こ
す現象が深刻である。
 観光市場の秩序において存在する市場支配、虚偽広告、価格詐欺、違法経営、恐
喝ぼったくり、消費の強制等の際立った問題について、国家観光局、公安局、工商
総局の3部門は先日共同で「観光市場の秩序整頓、規範化に関する通知」を発し、
不当な低価格設定、違法日帰り旅行等の観光市場の秩序を乱す行為を管理すること
を、今年旅行市場の混乱を管理する突破口とする。
 国家観光局は判明した典型事例を通じて、不当な低価格設定の背後にある落とし
穴を暴き、質の高い観光商品ランキングをつくり、観光サービスの口コミ評価を展
開し、観光客の理性的な消費に対する宣伝指導を強化する。同時に、観光目的地の
観光参考価格を研究制定し、時期を見て社会に発表する。
〈調査 捜査チームがガイドにリベートを聞き出す〉
 5月初め、国家観光局は捜査チーム9組を雲南、湖南、海南、湖北等に秘密裏に派
遣した。各チームは3人組で、お互いに助け合い、恋人や兄弟に扮して行動した。
 5月12日、国家観光局のある捜査チームは3泊4日の昆明―シーサンパンナ観光ツ
アーに参加した。捜査チームは3人編成で、映儒(仮名)が姉、残り2人は恋人に扮
した。
 旅程によると、この1人299元のツアー行程は盛りだくさんで、野象谷、森林公園、
瀾滄江遊覧、タイ族の村を見学とあった。
 しかし、旅程は翌日に全て変わった。映儒によると、朝、観光ガイドがバスの中
で旅程の変更を説明した。野象谷、森林公園は半日に短縮され、その後数日は自費
参加を除けば買い物となった。
 映儒は女性の同僚とともに、観光ガイドに規則違反と強制的な買い物等について
質問し、別の男性の同僚が超小型ビデオカメラで証拠を撮った。
 「観光ガイドは、バスの中では地域の風土や人々の生活の紹介もしないで、ずっ
と玉細工を売っていて、観光客をばかにする話をし、観光客がしつこく安さを追い
求めると観光局に処罰されるなどと言っていた」(映儒)
 玉細工店では、捜査チームの男性が恋人と装う女性の同僚に6万元の玉細工を買
うそぶりを見せると、観光ガイドはずっとついて回って紹介し、もっと安くできる
かもしれないと話した。このようにして、捜査チームは観光ガイドと玉細工店の間
の利益配分の事実を聞き出した。
〈解明 どのようにして不当な低価格設定というリスクを見分けるか?〉
 国家観光局の関係者は、「不当な低価格設定」に関し、目下権威を持った正しい
言い方はないという。しかし、業界内での分析や観光客の投書の状況をもとにすれ
ば、「不当な低価格設定」というのには幾つかのはっきりとした特徴がある。それ
は、価値が見合っていない、経営コストが安い、虚偽の価格で観光客を集める、虚
偽の宣伝で消費を誘導する、不公正な競争で観光市場を乱すである。
 市場でよく見られる「零負団費」(買い物のリベートを見越してツアー代金を安
価に抑える)ツアーは明らかな「不当な低価格設定」旅行である。
 「仮に、ツアー価格が観光名所の入場料よりも高くないのであれば、それは間違
いなく不当なものである」この関係者は、観光客が観光路線を選択する際、ひたす
ら安いものを狙ってはいけないと注意を促す。
 ツアー代で稼げないのであれば、どうやって安くしているのか?
 北京観光協会のある専門家によると、旅行会社が旅行商品をつくるとき、利益が
ツアー本体で出なければ、買い物や自費参加等でもうけるという。
 旅行法が出てから、このような状況は抑制されてはきているものの、一部の旅行
会社は危険を冒して不当な低価格設定のツアーを出している。その中のリベートの
もうけは相当なもので、ある商品でのリベートは200%に達するだけでなく、市場で
は粗悪品を優良品として、にせものを本物として販売している状況も珍しくなく、
観光客がだまされたと投書することが後を絶たない。
 「現在、国内路線の旅行会社の大部分に不当な低価格設定のツアー問題が存在す
る」この専門家は、これと目下の国内旅行市場の下落傾向とは関連するとしている。
〔新京報2015年6月6日〕
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