CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

中国の経済減速と各種指標への影響

今年の銀行業の不良債権率は1.5%超も ここ3年は利益率減

 7月21日、KPMGは「2015年の中国銀行業調査報告」を発表し、2014年の第1四半期
以降、不良債権総額は四半期ごとに平均0.0875%増加し、増加の勢いは加速してい
ると指摘した。
 報告では、相応な経済刺激策がなければ不良債権はさらに増加し、不良債権率は
2015年には1.5%の水準を超えると予想されると指摘した。
 銀監会が発表した「中国銀行業運行報告」によると、商業銀行の2014年末の総資
産は134.8兆元で、2013年末より16.0兆元増加し、前期比13.5%増となった。総負債
は125.1兆元で、2013年末より14.3兆元増加し、前期比12.9%増となった。
 KPMGの報告によると、2014年の中国銀行業の総資産、総負債の規模はさらに拡大
している。増加速度は鈍化し、利益は持続的に増加し、増加の勢いは失い、増加幅
は以前ほどではなくなっている。
 利率が市場に委ねられ、インターネット金融が従来型の金融業界に衝撃を与え、
2014年下半期以降のA株市場の上昇で資金が大量に株式市場に流れ込むことで、銀
行預金残高が減少した。経済構造調整の痛みで、経済の下方圧力が増大し、不良債
権や返済期限が到来した融資が増加している。
 KPMGパートナーの李淑賢氏は、監督機関の資本の拡充要求、純利益の伸びの鈍化
によって、純利益の増加速度が資本の増加速度よりおくれをとることになり、ここ
3年近くの商業銀行の平均総資本利益率(ROA)、平均資本利益率(ROC)は下落が
続いていると見ている。
 不良債権では、2015年3月末、中国国内の商業銀行の第1四半期の不良債権総額は
9825億元で、2014年同期より3364億元増、2014年末より1399億元増、直近の不良債
権率は1.39%に達し、前年同期より0.35%増となった。
 KPMGパートナーの王立鵬氏によると、KPMGは過去18カ月において銀行業顧客から
110件を超える不良債権資産ポートフォリオの運用を請け負ったが、その残存元本
残高(OPB)総計は1000億元を上回った。
 「銀行業の貸し付けリスクが日々激化することが最近常態化し、銀行は貸し付け
前評価、貸し付け中の管理、貸し付け後の管理といった全体的なリスク警戒や管理
体系を構築すべきで、それがないと持続可能な発展にはならない」
 今年5月1日、「ペイオフ制度」が正式に実施された。
 報告では、ペイオフ制度は、一方では金融体系の安定性、預金者利益の保護、銀
行業の適度な競争の促進を図るものであるが、一方では、コストがかかり、モラル
ハザードを招き、銀行にさらにリスクをしょわせ、情報の非対称性による逆選抜の
問題を招くと見ている。
 これらの影響に対応し、李淑賢氏は、商業銀行は業務戦略を適時に調整、預金構
造を適度に調節し、ペイオフ制度がもたらす変化やチャンスに積極的に対応するこ
とを提案している。〔和訊網2015年7月21日〕

今年既に地方債1.2兆元発行 同じ期限の国債利率を上回る

 16日、湖南省財政庁により総額422億元の2015年湖南省政府一般債券(1―4期)
が発行された。同日、発行総額約201億元の2015年寧波市政府の対象投資者向け置
換一般債券(1―4期)及び置換専門債券(1―4期)が発行された。
 今年以降の地方債券発行総額は既に1.2兆元に近い。
 公告によると、湖南省の政府一般債券の期限は3年、5年、7年、10年で、落札利
率は2.83%、3.14%、3.48%、3.50%で、どれも募集利率範囲の下限にとどまった。
 寧波市の今回の対象投資者向け置換一般債券及び置換専門債券は3年、5年、7年、
10年の4期限で、それぞれ期限が同じであれば利率は同じで3.26%、3.61%、4%、4.03%、
これまで対象投資者向け地方債発行利率は同じ期限の国債より約50bp前後上回ると
いう慣例が継続された。
 Windの統計によると、5月18日に2015年地方債発行が正式に開始されて以来、7月
16日までに既に発行された地方債総量は237期、1.197兆元に達している。
〔中国証券報2015年7月17日〕

中国の外貨準備残高 ここ2年間で減少を更新

 中国人民銀行(中央銀行)が14日に発表したデータによると、6月末現在、中国
の外貨準備残高は3.69兆ドルで、第1四半期(1―3月)の3.73兆米ドルから400億米
ドル減少した。4四半期連続減少し、2013年第3四半期以来の最低水準となったもの
の、ここ1年で最も小さい減少幅となった。
〈企業の海外投資増が外貨準備を減らしている〉
 中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副研究員は、外貨準備残高の大幅
減少は、輸出減退による外貨減少や、上半期における企業の海外直接投資が増加し、
資本収支のうちの外国への資金流出が増大したことによるものだとしている。
 税関総署が先日発表したデータによると、2015年上半期、中国の輸出入総額は
11.53兆元で、前年同期比6.9%減となった。そのうち、輸出がわずか0.9%増である
のに対し、輸入は15.5%減と大幅減となった。
 「上半期の輸入の減少幅が輸出を大きく上回り、貿易収支の黒字が依然として増
加していることを考えると、対外投資の増加が外貨を減少させている可能性はさら
に大きい。」(劉向東副研究員)
 上半期、人民元建ての対外直接投資は1670億元で、昨年の倍近く、一昨年の6倍
以上となった。
〈中央銀行の預金準備引き下げ 新規に1兆元の融資増〉
 中央銀行のデータによると、6月末、広義のマネーサプライ(M2)残高は133.34
兆元、前年比11.8%増で、増加の伸びは前月末より1.0ポイント増となった。上半期、
新規融資は6.56兆元増で、前年同期より5371億元増加した。そのうち、6月は新規
融資が1.27兆元増加した。
 中央銀行調査統計司の盛松成司長は、6月のM2増の要因は、中央銀行による最近
数次にわたる預金準備率引き下げが貨幣乗数を引き上げ、貨幣の派生的能力が強化
され、貨幣供給が相応に増加するとともに、利下げによって市場利率が下がり、融
資需要を刺激したためと見ている。〔新京報2015年7月15日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━