CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

農業の現代化で農村への恩恵の期待

インターネット+農業政策 農業ネットビジネスの試験展開開始

 近日、農業部は「農業電子商務試点方案」を配布し、北京、河北、吉林、黒龍江、
江蘇、湖南、広東、海南、重慶、寧夏等の10省区市で農業ネットビジネスを試験的
に展開する。
 株式市場の農業銘柄は年末年始の資本市場において関心の的となっている。業界
人は、農業の重要政策は今年も引き続き農業の現代化に収束されるだろうと予測し
ている。
 このような背景のもと、農業の現代化の重要部分をなす農業ネットビジネスは継
続して政策の恩恵を受けるため、インターネット+農業の関連株には注目する価値
がある。
〈農業電商試点方案発布〉
 1月19日に農業部弁公庁は「農業電子商務試点方案」を配布し、2016年、北京、
河北、吉林、黒龍江、江蘇、湖南、広東、海南、重慶、寧夏等の10省区市で農業ネ
ットビジネスを試験的に展開する。
 方案によると、北京、河北、吉林、湖南、広東、重慶、寧夏等の7省区市では新
鮮な農産品を、吉林、黒龍江、江蘇、湖南等の4省では農業の生産手段を、北京、
海南では観光農園を重点に置き、農業ネットビジネスを試験的に展開する。
 まず、大まかには、農産品ネットビジネスの標準システム、全工程低温配送シス
テム、農産品・農業用物資品質安全トレーサビリティー・モニタリングシステム、
観光農業旅行商品品質管理システム、「基地+都市社区」と呼ばれる新鮮な農産品
を直接配送できるモデル、農業用物資オンライン販売モデル等の一連の運営モデル
と制度基準を採用する。
 そして、農業ネットビジネスの迅速かつ健全な発展を推進するため、モデルケー
スや経験を普及、活用できるようにする。
 「第13次五カ年計画」の意見の中で、農業に関して明確に「大々的に農業の現代
化を推進する」と記された。つまり、農業の現代化の重要部分をなす農業ネットビ
ジネスは継続して政策の恩恵を受けるということである。
〈インターネット+農業の関連株への注目〉
 インターネットの波が農村の消費市場を席巻するにつれ、物流、ブロードバンド、
交通等のインフラの迅速な完成、農村ネットビジネスの爆発的発展の到来は農業を
現代化させるブースターとなっている。
 さらに、インターネット+農業は、農業分野の中で最も活発な株式銘柄である。
政府から12年連続で発布された「一号文件」はどれも「三農」を主題としており、
株式市場の農業銘柄は年末年始の資本市場で盛り上がるテーマとなっている。A株
市場でのインターネット+農業の関連株は上昇に転じる活性剤となろう。
 長江証券研究所の報告では、国内で農村のインフラ改善及び農村ネットビジネス
業務の政策が継続的に強化されるにつれて、農村ネットビジネス市場は敷居が低く
なっている。
 一方で、政府が農村のネット回線、道路等のインフラ改善に尽力し、2015年末に
はブロードバンド開通率が95%にまで到達し、整備された道路は92%以上になった。
それにより、ネットビジネスの見えない情報が可視化され、物流コストを下げるこ
とが可能となった。
 もう一方で、購入販売協同組合が全国に分布する農村物資の仕入れと販売に関す
るとシステムと店舗を、中国郵便が低銭都市や農村各地を網羅した物流配送網を、
農業用物資のリーディングカンパニーが既に完璧な農業用物資の販売システムと物
流拠点を持っている。
 それと同時に、実体店舗の商品供給が各地の隅々まで浸透されてはいないこと、
農民の収入レベルが上昇していくことを加味すれば、ネットビジネスが普及するに
つれて、農村居住者の消費には比較的大きな伸びしろが存在することがわかる。
 2014年、国内農村のネット購買額は約1800億元規模となっており、2016年は4600
億元にまで上ると予測されている。
 農業の現代化の重要部分をなすのは、農村ネットビジネスが直面している広大な
発展空間である。
 伝統的な農村のルートでは、工業品を地方へ、農産品を都市へ流通させるには多
くの問題があった。ネットビジネスの介入で、農村のサプライチェーンシステムの
再構築、流通ポイントの短縮、情報の障壁を取り除くことができれば、農村、都市
部の消費者によりよい買い物ができるサービスを提供することになる。
〔中国証券報2016年1月20日〕

2015年 四川省の観光農業収入は1000億元超え

 四川省農業局によると、2015年、四川省の観光農業と農村旅行企業数は3.1万件
に上り、訪れた旅行客は延べ3.2万人、全体の営業収入は前年比34%増の1008億元に
なった。
 四川省農業局の塗建華副局長によると、「第12次五カ年計画」以来、四川省は、
農民合作社、家族経営農場、農業関連企業、旅行会社といった4大観光農業新型経
営体の育成に力を入れ、農民の仕事がグリーンツーリズムとなるよう支持し、農民
合作社、家庭経営農場、農業関連企業に対し観光農業の発展を激励した。
 近年、四川省では、豊かな農業資源と蓄積された農耕文化を利用し、観光農業景
勝地を建設したり、観光農場の育成を行うことにより、観光農業の転換と高度化を
推進した。2015年、観光農業の成長が四川省全体で前年比14.8%増の1043万人の就
業を生み出し、四川省全体の農民の平均収入は82.1元増額した。
 2015年末までに、四川省では、大規模な観光農場を2000件近く、農業という産業
の特徴を強調し、農耕文化色が強い、農業をテーマとした公園や、農業観光区、農
業科学に関する観光区など2000余りの観光農業地がつくられ、中国で初めて省の基
準となる「農業主題公園建設規範」が公布されている。〔新華網2016年1月20日〕

「一号文件」に農業問題再び 農業供給側改革が重点か

 公表日が近くなり、2016年の中央一号文件に大いに関心が集まっている。(編集
部注:既に公表済み)
 これまでの慣例により、近日発表される2016年中央一号文件も農業発展問題が注
目されるのではないだろうか。既に12年連続「三農」をテーマとする中央一号文件
が発表されている。
 業界内では、中央が提案している供給側改革の目標に合わせ、2016年、中央一号
文件は農業供給側改革の強化、また、農業の現代化に注目し、農業の六次産業化
(一二三産業融合)発展の推進となるのではないかと見られている。
〈農業供給側改革を重点〉
 毎年発表されている年初1回目の文書の注目テーマは、国家が当面重視し速やか
に解決すべき問題である。2016年は第13次五カ年計画開始年であり、市場からは今
年の中央一号文件に特に関心が集まっている。
 2015年12月25日に閉幕した中央農業工作会議でも、中央は初めて「農業供給側構
造改革」を提案し、2016年と第13次五カ年計画期間の農業、農村工作の道筋を示した。
 この会議では、「農業供給側構造改革の強化」と、それ以前に中央の上層が強調
した供給側構造改革の継承が強調された。
 会議では、農業供給体系の品質と効率の向上を図り、農産品の供給数が充足し、
品目や品質が消費者の需要に合うようにして、真に構造が合理的で、保障された農
産品をしっかり供給させると指摘している。
 専門家は、農業供給側改革とは「在庫をなくし、コストを下げ、不足を補う」だ
としている。
 これはつまり、「過大な農産品の在庫の消化の加速、穀物加工の転換の加速。適
度な規模での経営の発展、化学肥料や農薬の不合理な使用の減少、社会サービス等
の展開を通じた、生産コスト減、農業の利益効率や競争力の向上。農業インフラ等
農業供給の弱点の強化、市場で不足している農産品の生産増」である。
 「今年の一号文件は、農業供給側改革というテーマの重点的にするべきだ」
 ネット通販企業「一ムー田」(「ムー」はなべぶたに「田」)の高海燕副総裁兼
研究院院長は取材に対し、目下農業産業発展を制約している主要因はやはり農業生
産水準、農業市場の効率であり、さらに、農業市場主体の発展、農業生産の核心的
資源(土地)の分配制度等々の縛りがあるとしている。
 同様に、農村六次産業化の発展も農業供給側の構造改革の重点である。間もなく
発表される2016年中央一号文件において、農業六次産業化の発展も重要な内容とし
て強調されるのではないかとされている。
 「農村の六次産業化発展推進政策は、2016年の中国一号文件の中の重要な部分と
して提起されるのではないか」中国社会科学院農村発展研究所研究院の李国祥氏は
言う。
 実際、中央農村工作会議が開催された前日(2015年12月23日)に開催された国務
院常務会議の席上、農村六次産業化発展の推進体制を進める一連の政策が発表され
た。それは主に2点に及んでいる。
 第1に、農村サービス業支援で、具体的には、大規模農地の委託管理、農産品の
加工、倉庫物流等市場化サービスの発展。農業と観光、健康な老後等との融合促進
の深化。商業化運営が可能な農村のサービス業の民間資本開放。
 第2に、リーディングカンパニーへの政策支援強化である。
 会議では、利益を互いに結びつける枠組みを整備すべく、リーディングカンパニ
ーと国家支援政策とをつなぐ奨励の枠組みを強化することと、中央財政が農業の産
業融合発展の資金支援を手当てし、産業融合発展プロジェクトに傾斜配分すること
が提案された。
 「農村の六次産業化政策の重点はリーディングカンパニーの支援の促進で、リー
ディングカンパニーのリーダーシップの発揮である」李国祥氏は、中国の農業で一
貫して直面している非効率で競争力が低いという課題に対し、農村六次産業化の促
進は収益と競争力向上の重要な方法であるとしている。
 農村六次産業化発展の推進は今後、政策の注目点になり、一連の政策支援が出さ
れることが見込まれる。
 関係各部委が率先して制定した「農村一二三産業融合発展推進のための指導意
見」が少し前に国務院から出されている。
〈農業の現代化の新しい風穴〉
 中央政府が12年連続で発表している「三農」を主体にした中央一号文件のうち、
2013年から既に3年連続で農業の現代化推進強化が中央一号文件のテーマとなって
いる。第13次五カ年計画の意見においても、農業部分で明確に「農業の現代化の強
力な推進」とある。
 したがって、アナリストは、2016年中央一号文件は農業の現代化に重点が置かれ
ると予想している。
 現代農業が注目されている中、農業ネットビジネスが市場で注目されるようにな
っている。そして、農業の現代化の関連産業は発展の黄金時代を迎え、農業の現代
化は新しい風穴となっている。
 実際、技術力が低い粗放型の成長が、現下の中国農業発展において直面する主要
な課題の一つである。
 「農業市場だけでいえば、農産品の成長の緩慢さと人々の食品消費需要の急速な
発展が主要な矛盾点である」
 高海燕氏が「一ムー田」で4年間農産品ネット通販を経営してきて感じたことは、
農産品の生産能力、品質水準、商品化能力、ブランド化能力と、消費市場の急速な
発展とがつり合っていないということである。
 専門家は、農業の現代化の本質は農業生産の効率向上であり、それには農業機械
化、農業生産技術の科学化、農業産業化、農業情報化などがあると解説する。
 そのうち、農業情報化は従来型農業から現代型農業への発展の重要な技術的手段
であり、農村ネットビジネス、農業ビッグデータ、物のインターネット(IoT)等
の現代のITを通じて、従来型農業生産方式やビジネスモデルを改造し、農業生産・
経営改革を向上させる。
 事実上、国家は農村ネットビジネス推進を非常に重視しており、今年より、国務
院及び各部委が相次いで農村ネットビジネス支援策を出している。
 2015年5月15日、商務部は「「インターネット+流通」行動計画」を発表し、電
子商取引の農村進出を第一目標とした。
 2015年11月9日、国務院弁公庁は「農村の電子商取引発展加速促進に関する指導
意見」を発表した。
 2015年11月17日、財政部は「農業総合開発、有力・特色農業産業支援、農業産業
化促進に関する指導意見」を発し「インターネット+農業」の発展を奨励し、有力
で特色のある農産品の電子商取引プラットフォーム建設を積極的に支援した。
 11月23日、国務院は「新消費の牽引作用を積極的に発揮し、新供給新動力の育成
形成を加速する指導意見」を発表し、民間資本が農業ネットビジネスプラットホー
ム建設に参加することを支援し、オフライン産業プラットホームの発展とオンライ
ンネット商取引プラットホームとの結合を促進した。
 「インターネットと電子商取引は、当面と今後、農業の現代化を推進する重要な
生産力である」高海燕氏は、まさに、中国農業が工業化時代の成果と情報化時代の
ツールを運用して、曲がりくねった道をショートカットで進むことを実現する絶好
の時期であるとしている。
 実際、政府はさらに多くの支援計画を立案しており、各種民間資本も農業ネット
ビジネス分野への進出を加速し始めている。ある機関の統計によると、2015年9月
末現在、公開されている農村ネットビジネス投資案件は30件以上に上り、総融資額
は15億元で、高額融資事例も少なくない。
 しかし、高海燕氏は、真に、インターネットとネットビジネスが農業・農村・農
民と融合するには、主に二つの基本的な問題を解決する必要があると見ている。
 その一つは、農業生産者と農業経営者のインターネット能力、つまり、リテラシ
ーの問題である。
 もう一つは、インターネットインフラ建設、いわゆる都市と農村のデジタル化の
格差問題で、また、たとえネット接続の利便性が向上したとしても、ネット接続の
コストを下げる必要も出てくる。
 「農業従業者と農民が使い始めれば、インターネットとネットビジネスの農業・
農村・農民の活用効率が大いに向上することになるはずである」(高海燕氏)
〔中国企業報2016年1月18日〕
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━