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中国人観光客離れが加速する香港

香港を訪れる中国人旅行者減で「厳しい冬」が到来

 香港旅行業のある管理者層の業界関係者によると、今年上半期、中国から香港を
訪れる団体ツアーは3分の1近くまで減少する可能性があり、中国経済の減速の影響
を受ける小売業と香港経済はまた打撃を受けるとしている。
 ロイター通信社のホームページに掲載された1月21日の報道によると、中国から
の旅行客は香港を訪れる旅行客の4分の3を占め、旅行業は香港GDPの5%を占めている。
 去年、香港を訪れた旅行者は過去10年間で初めて減少し、香港入国団体旅行者協
会の謝淦廷主席はロイター通信社に対し、今年、香港を訪れる旅行者はさらに減少
し、中国人旅行客は為替の影響により、日本、韓国などの為替レートの安い国に向
かうだろうと表明した。
 「下落は引き続き続く。厳しい冬はまだ始まったばかりだ」謝淦廷主席はこのよ
うに表明した上で、2015年中国の旅行客が半減少したのに続き、2016年上半期は最
悪60%減少すると見積もっている。
 政府のデータによると、2015年香港を訪れた旅行客は2.5%減少し5932万人で、2003
年SARSの爆発的流行以来、初めて香港を訪れる旅行客が減少した。
 旅行客の減少は奢侈品小売業に影響を与え、その中には周大福、カルティエ親会
社のリシュモン、バーバリーも含まれる。入手可能な最新のデータでは、11月、香
港全体の小売販売額は9か月連続の下降となり、ここ13年来で最も長い下降期間と
なった。
 報道によると、時価総額で中国最大の宝石小売商である周大福は、1月、旅行業
が落ち目にあるため、本年度は5―6店舗を閉鎖するとしている。
 里昴証券の報告では、今後5年間、香港とマカオを訪れる中国の旅行客は平均し
て3%増加すると予測している。
 「中国旅行客が香港で買い物ツアーをしないことが、香港旅行業の成長減速を導
いた主要因の一つである」里昴証券は最近の報告で「我々は2016年もこの状況が続
くと考える」としている。〔参考消息2016年1月22日〕

香港ディズニー赤字転落 中国人観光客減が主因

 観光客減少と不動産価格下落等で香港経済が振るわない。3年連続で黒字を続け
ていた香港ディズニーランドは昨年、1億香港ドル強の赤字となった。
 香港ディズニーランドは2014年に最も多くの黒字を上げ、香港経済に約132億香
港ドル分のGDPをもたらした。これは香港の年間GDPの0.62%に相当する。
 2015会計年度、香港ディズニーランドの業務収入は51.14億香港ドル、純損失は
1.48億香港ドル(約1.23億元)だった。香港ディズニーランドは2005年9月に営業
を開始し、7年連続赤字の後黒字を出し始め、以後成長を維持していた。
 中国人観光客数の減少が赤字転落の重要な原因である。
 香港観光客数減少の趨勢は2015年下半期からますます進み、12月単月の観光客総
量は前期比10.7%減だった。ディズニーランドの入場客減少の原因も同様で、12月、
中国人観光客数は前期比15.5%減だった。一方、海外からの観光客は6%増だった。
 香港を訪れる観光客の1人当たり消費額は2014年から減少し始め、2015年は約9%
減だった。〔第一財経日報2016年2月18日〕

今年の香港経済は上向くと予想

 2015年、香港の小売業は3.7%のマイナス成長となった。一部の金融機関では、今
年の香港小売業の動向は引き続き悪い方向に行くが、インフラ業等のおかげで、香
港経済は今年比較的よくなるだろうと考えている。
〈小売業のマイナス成長〉
 これまで、香港経済の核の一つである小売業は比較的速い速度で成長してきたが、
2015年は明らかに伸び悩んだ。
 香港政府の統計データによると、2015年12月の小売業売上総額は約437香港ドル
となり、10カ月連続で下落した。2014年12月と比較してみると8.5%の大幅な減少と
なった。2015年1年間における小売業売上総額は4752億香港ドルとなり、2014年と
比較すると3.7%の下落となった。
 香港統計処の報道官は、香港小売業の見通しは、短期的にはインバウンド旅行業
の不調の影響を受けると指摘し、香港政府は直近の資本市場の動向、世界経済の先
行き、アメリカの量的緩和終了等の外的要因の消費意欲に与えるマイナスの影響を
注視し、香港小売業の動向が経済全体、雇用市場に与える影響に引き続き留意する
としている。
 インフラ業、金融業の成長により、2015年の香港経済は比較的よい成長体制を維
持した。
 香港大学が1月初めに発表した報告によると、2015年第4四半期(10―12月)の香
港経済は実質2%成長で、2015年は2.4%の成長となった。その中で2015年第4四半期
の香港の個人消費支出は3.1%増、政府の消費支出も3%増だった。しかし、輸出は
3.5%減、投資総額も4.9%減だった。香港の失業率は3.3%をキープしており、全体的
に見れば理想的な状態となっている。
〈経済はいい方向に向かう〉
 それぞれの大手金融機関から見れば、2016年、香港経済は比較的いい方向に向かう。
 香港大学が発表した報告によると、2016年第1四半期(1―3月)は経済成長を引
っ張る個人消費と政府の消費支出が2.8%から3%に成長するが、輸出と投資は依然と
して下降し続け、輸出が4.9%減、投資が5.1%減となる。2016年第1四半期の香港経
済は実質1.8%成長する。2016年の経済成長速度は2%に下がり、2015年より低い水準
になる。
 ハンセン銀行のシニアエコノミストの黄咏詩氏は、以下のように見ている。
 今年初めは、国際的な原油生産国の減産問題がコンセンサスに達せず、加えて、
株式市場、特に中国株式市場には激震が走り、海外金融市場は異常に揺れ動く。し
かし、原油価格が供給の変化によって下降し香港に有利に働けば、経済成長を押し
上げるだけでなく、インフレ圧力も軽減することができる。
 その一方で、金融市場の大きな余波は商業景気及び消費意欲を減退させ、香港経
済に暗い影を落とすかもしれない。外部環境のとてつもなく大きい不確実性から見
て、1月の波乱状態は2016年の経済成長が2015年に及ばないことを暗示しているか
もしれず、ハンセン銀行は当面、経済の下押しリスクは増加しており、香港の2016
年年間の経済成長を2.4%と予測する。
 シティバンクグループの報告は以下のとおり。
 2016年香港経済は2%成長が予測され、2015年の予測数字である2.5%より低くなる。
中国要因のほか、全世界の貿易活動の緩やかな回復とインバウンド旅行客の増加速
度の低下は、香港経済の圧力となる。全体的に見て、今年各業界は試練に遭遇する。
香港の小売業及びホテル業界の経営環境は圧迫され、失業率は2015年の3.3%から
3.7%まで増加する。しかし、香港の大型インフラは引き続き推進され、経済の大幅
下落とまではいかないだろうと予測される。
〔中国証券報2016年2月18日〕

消費が外国に流れ、周大福の中国での売り上げは3割減

 経済の減速や中国人観光客の減少がブレーキとなり、春節商戦のピークである香
港の小売を低迷させている。
 周大福珠宝集団が先日発表した春節休暇小売データによると、今年1月25日―2月
14日の春節期間において、グループの小売価格は29%減、固定為替レート換算で25%
下落、店舗販売は年ベースで28%減だった。そのうち、周大福の中国本土での小売
価格は30%減、店舗販売は31%減、店舗販売量29%減だった。
 周大福集団によると、中国の小売価格及び店舗販売の伸びの下落要因は、主に春
節期間において、中国人顧客が海外旅行をすることによって休日消費が外に流れた
こと、経済の減速と昨今の株価の変動が奢侈品消費の意欲を弱体化させていること
である。
 このほか、香港及びマカオの小売価格及び店舗販売が減少している要因は、香港
を訪れる中国人観光客の減少及び、中国、香港双方の小売市場が弱くなっているこ
とである。
 2015年12月末現在、香港の小売市場全体は3.7%減、4752億香港ドルまで下がり、
市場総商品販売数量は0.3%減だった。今年の春節休暇期間における中国本土からの
香港旅行ツアー数は前期比7割減で、ここ十数年来の最大の下落幅となり、短期的
には回復の兆しはない。
 周大福集団によると、前会計年度の第4四半期の小売環境は試練が立ちはだかり、
販売成績は第3四半期よりも落ち込む結果となった。春節休暇期間の周大福のジュ
エリー、黄金製品の中国本土での販売はそれぞれ30%減、33%減だった。香港・マカ
オでは3%減、25%減だった。
 春節休暇期間、化粧品チェーン小売のササ・インターナショナルも販売の試練に
遭遇しており、2月8日―14日、グループの香港、マカオ市場の販売は20%減、店舗
販売は19%減だった。〔北京商報2016年2月19日〕

2015年中国・香港間貿易総額は8.3%減

 商務部台港澳司が発表した最新の統計では、2015年、中国本土と香港との貿易額
は3443.4億米ドルで、前期比8.3%減、中国本土の対外貿易総額の8.7%を占めた。
 内訳は、中国の対香港輸出は3315.7億米ドルで前期比8.7%減だった。香港からの
輸出は127.7億米ドルで同1.2%増だった。香港は中国本土にとり4番目の貿易パート
ナーであり、3番目の輸出相手である。
 2015年、中国が承認した香港企業の投資プロジェクトは1万3146件で、前期比
12.3%増、香港資本導入額は実質ベースで863.9億米ドル、前期比6.3%増だった。
 2015年12月末現在、中国本土が承認した香港資本のプロジェクトは累計で38万6213
件で、香港資本導入額は実質ベースで8333.3億米ドルだった。実質ベースの外資導
入額の統計によると、香港資本は中国本土が吸収した対外投資総額の50.7%を占め
る。〔新華網2016年2月18日〕

2015年中国・マカオ間貿易総額は25%増

 商務部台港澳司が発表した最新の統計では、2015年、中国本土とマカオとの貿易
額は47.8億米ドルで、前期比25.1%増だった。内訳は、中国の対マカオ輸出は45.9
億米ドルで前期比27.4%増だった。マカオからの輸出は1.9億米ドルで同12.7%減だ
った。
 2015年、中国本土が承認したマカオ企業の投資プロジェクトは566件で、前期比
48.9%増、マカオ資本導入額は実質ベースで8.9億米ドル、前期比60.8%増だった。
 2015年12月末現在、中国本土が承認したマカオ資本のプロジェクトは累計で1万
4398件で、マカオ資本導入額は実質ベースで127.9億米ドルだった。実質ベースの
外資導入額の統計によると、マカオ資本は中国本土が吸収した対外投資総額の0.8%
を占める。
 2015年12月、中国とマカオとの貿易額は4.1億米ドルで、前期比8.8%減、前四半
期比4.6%減だった。〔新華網2016年2月18日〕
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