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ITがもたらす成長エンジンと浙江省の飛躍

ネット消費がGDPを救う 2015年2%押し上げる

 過去5年間において、最も驚かせた成長といえば、不動産ではなく、ネット消費
指数だ。全体で12.1倍に拡大した。
 5月21日、国内初のネット消費指数である「新供給――〓蟻網絡消費指数」(以
下、ネット消費指数)が正式に発表された。
 この指数は、華夏新供給経済学研究院と〓蟻金服が共同で21産業、337都市、4.5
億のネット取引データを集めて取りまとめた全国初のネット消費指数で、水準指数、
規模指数、産業指数、消費グレードアップ指数、地域指数等から成る。
 データによると、2011年1月―2016年4月の5年間で、ネット消費規模指数は12.1
倍に拡大し、その対前期比の伸びは、社会消費品小売総額の対前期比の伸びの2倍
以上を維持した。同期の1人当たりの指標では、ネットショッピング利用者数は右
肩上がりで、1人当たりネット消費水準指数は2011年1月の96.0から2016年4月の12
2.2
に27%増となった。
 ネット消費には最終消費支出とGDPを押し上げる効果がある。国家統計局が発表
した2014年、2015年の全国ネット消費支出金額によると、2015年の全国ネット消費
支出はGDP成長率を2ポイント押し上げた。全国ネット消費支出のGDPの伸びに対す
る貢献率は29.1%で、最終消費の伸びに対する貢献率は43.6%だった。
 華夏新供給経済学研究院の賈康院長は、ネット消費は経済を安定に推移させる
「バラスト」だと指摘する。
 注目すべき点としては、この5年間における今後1―4カ月間、ネット消費規模指
数と水準指数の前年同期比は財新PMIの前年同期比と正の相関があり、しかも今後4
カ月の相関係数は最も大きい、この相関関係は国家統計局のPMIにも同様に存在す
ることである。
 仮に、このような相関程度で時間が推移する中でも安定していれば、ネット消費
指数はマクロ経済予測や金融市場発展の一定の参考となるだろう。
 無視できない特徴としては、この5年間で、飲食娯楽等のサービス型ネット消費
規模指数が70.2倍に拡大、月平均で7.0%増となったことや、サービス型ネット消費
金額の占める割合が2011年の4.3%から2016年4月の25%に上昇したことである。
 ネット消費はまさに実物型からサービス型へ、生存型から発展型、享受型へとグ
レードアップしている。
 ネット消費別に見ると、この5年間で、バッグや食品等の実物型ネット消費金融
が占める割合は2011年の95.7%から2016年4月の75%に下がり、レストラン(実店舗
での消費)、旅行、教育、生活サービス等サービス消費の年成長率は70%以上と新
たな成長分野となった。
 地方別に見ると、ネット消費の段階では、経済が発展した省であればあるほど、
享受型消費がより高くなっている。
 北京、上海、江蘇では、享受型ネット消費水準(化粧品、スポーツ娯楽等消費)
が生存型ネット消費水準(食品、日用品等)を上回った。享受型ネット消費水準指
数が高い上位5省は北京、上海、浙江、江蘇、広東で、下位5省は貴州、河南、山西、
寧夏、甘粛だった。
 都市部居住者はネットを楽しみ、農村部でもネットショッピング利用者数はます
ますふえている。過去5年間で、三、四線都市のネット消費者数は増加し続けてい
る。その中でも、三、四線都市のユーザー取引者数が占める割合は2011年の55%か
ら2015年の63%に増加した。
 農村市場は、中国の消費の潜在力を掘り起こす「新たなブルーオーシャン」とな
っている。
注)〓は、うまへんに(虫)
〔21世紀経済報道2016年5月21日〕

浙江省発展のパワー バトンはIT経済へ

 IT経済が、今まさに中国東部の強省――浙江省の経済遺伝子を変化させている。
新旧経済成長パワーの転換期、IT経済が省の経済成長を牽引するバトンを引き継いだ。
 政府は第13次五カ年計画綱要において「国家IT経済パイロット・モデル地区の建
設を模索する」としており、さらなる政策的支援が浙江省にもたらされる見通しだ。
 過去5年間で浙江省のIT経済の主要業務収入は5.8兆元を突破した。昨年、IT経済
の付加価値は3309.5億元、浙江省GDP成長率を7.1ポイント上回り、浙江省GDPの7.72%
を占めた。この数字の背景には個々の企業の急速な発展がある。
 浙江力太科技有限公司(以下力太科技)は、工場の物聯網(IoT)分野において10
年もの間その方法を模索している。
 李善通総経理は「高精細カメラやネットワーク端末によって工場の設備データを
収集し、クラウドへ転送することによって生産指揮センター、グループ本部、生産
ラインをつなぎ、生産効率を上げ、人手を生産や管理から解放するよう努めてい
る」と語った。
 5年前、年商わずか200万元であった力太科技は、今や万向集団、養生堂を初め100
余りの中国有名製造企業を顧客に抱えている。20余りの特許を有し、IoTデータ端
末の自主開発という優位性によって、中国最大の工場IoTソリューションプロバイ
ダーとなった。
 力太科技同様、杭州華三通信技術有限公司、海康威視、浙江大華技術股フェン有
限公司、寧波均勝電子股フェン有限公司等、急成長を遂げたIT企業は、浙江省で今
なお成長を続けている。
 例えば、浙江杭州国家ハイテク産業開発区では、目下1300余りのソフトウエア企
業、200余りの重点IT企業が集積している。
 浙江省でIT経済が発展した原因として、浙江大学管理学院の呉暁波院長は、IT産
業がベースプラットホームとなり、第1、2、3次産業を網羅する状況下において、
浙江省のIT経済の新分野の出現には、電子商取引、ビックデータ、クラウドコンピ
ューティング等分野における企業インフラ、さらに政府による正確な産業発展ビジ
ョンも不可欠だったと見ている。
 2013年12月、経済をアップグレードさせるために新たなパワーが急ぎ必要であっ
た浙江省は、IT経済へとかじを切った。IT産業は、浙江省2014年政府作業報告にお
いて、省が発展に力を入れる7大兆元クラス産業の第一とされ、浙江省は中国で初
めてIT経済を戦略として掲げた省となった。
 浙江省が制定した「IT経済発展計画」では、2020年までにIT経済の浙江省経済に
おける主導的地位はほぼ確立され、IT経済の核心産業による主要業務収入は3兆元
を超えるとした。
 第13次五カ年計画期間において、IT経済を浙江省経済の「短距離レースにおける
スパートの爆発力」また「中長距離レースにおけるエネルギー蓄電池」とすること
は、浙江省にとって重要な発展のシナリオである。
 浙江省政府諮問委員会の史晋川副主任は、浙江省経済は現在、従来の成長パワー
の減退と新たな成長パワーの増進とが交差する地点にあり、IT経済に代表される新
たな推進力が第13次五カ年計画期間における浙江省経済の新たなエンジンとなり、
今後もさらに多くのチャンスを浙江省にもたらすと見ている。
 最新のデータによると、2016年第1四半期(1―3月)、浙江省IT経済の中核産業
による生産額は前年同期比13.7%増、金額にして718.9億元増加した。浙江省IT経済
の5年間のバトンレースは既に始まっている。〔中国新聞網2016年5月26日〕

浙江 都市、農村のシームレスな結合加速

 2015年、浙江省の都市部居住者の可処分所得と農村部の1人当たり純収入の比率
は2.07対1で、全国最低となった。
 専門家はこのことについて、浙江の都市、農村の境界はますます曖昧になってき
ており、収入、インフラ、人々の資質、社会管理でまさにシームレスな結合の実現
を加速していると評価する。
 この変化は農民の所得の持続的な安定成長による。工業が農業に報いる、これは
農民の収入増の重要な要素である。
 新昌県羽林街道新岩村の求呂霞さんは、1999年、現地の中財管道科技股フェン有
限公司で働き始めた。当時の月収は600元強だが、現在は5000元強にまでふえた。
 新昌県では既に2万世帯の農民が都市で働いており、年収は1人当たり4.44万元で
ある。
 国家統計局浙江調査総隊の調査によると、2009―2015年の6年間で浙江全体の農
民1人当たり収入が倍増した。そのうち、給与所得は2015年、1万3087元に達し、62%
を占めた。
 浙江は土地資源が乏しく、省委員会、省政府はあらゆる手段で農民の増収ルート
を開拓している。
 国内最大の映画村である横店影視城は2015年、171の国内外の映画、テレビの撮
影が行われ、1518万人の観光客を受け入れた。村の小さな裁縫屋さんが舞台衣装を
制作し、左官、大工が大道具、小道具となった。
 「中国初のネットショップ村」と言われる義烏市青岩劉村では、2015年、ネット
取引額は40億元に達し、村民は「荷積み員」「出荷員」となった。
 「美しい山河は金山銀山」だとして浙江省委員会が期を継いで「生態省建設」を
着実に実施し、浙江農民を本当に富ませた。
 麗水は浙江南西部の僻地山岳地域の市で、生態環境品質が省内一である上に、農
民の1人当たり純収入の伸びも4年連続で省内一である。淳安県の楓樹嶺鎮下姜村で
は、旧正月の除夜になっても観光客がいる。
 今現在、観光は既に浙江の「金の看板」となっており、観光部門が近年何度も実
施している全国の観光客向け調査でも、農村部の旅行で最もいい場所として、浙江
はいつも上位にある。
 農民収入の成長持続を保障すると同時に、浙江では全国初の新型都市農村住民合
作医療保険制度がつくられ、老後の都市、農村一体化がなされた。農村部住民、都
市部無業者等が保険に加入した。
 ここ5年間、浙江の基礎養老年金は最低標準の毎月60元から120元まで上がり、新
型農村合作医療は1人当たり資金調達標準が237元から661元まで上がり、農村の最
低生活保障標準は毎月245元から570元まで上がった。
 2014年から、さらに都市と農村をカバーした統一の大病医療保険制度をつくり、
15疾病の特殊薬品使用を支払い範囲に含めた。現在までで、省全体で既に9万人以
上の患者に10億元以上の大病医療保険基金が支払われ、農民が「病気で困窮する」
問題を基本的に解決した。
 2015年までに、浙江は全国に先駆けて世帯当たり年収4600元以下の絶対的貧困現
象をなくした。僻地の農村であっても、公共バスの到達、道路の舗装整備、スーパ
ー開店を実現させた。〔新華網2016年5月25日〕
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