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権利擁護と安心安全な生活のために

国家賠償 依然として基準は低く、賠償難易度は高い

 最近、冤罪案件の名誉回復、国家賠償の申請のニュースがしばしば新聞に載って
いる。
 今年6月1日、冤罪により13年10カ月入獄させられていた雲南巧家県の家政婦毒殺
事件の当事者である銭仁鳳は、当地の裁判所に国家賠償955万元余りを請求した。
 今年の両会(人民代表大会・人民政治協商会議)での最高人民法院及び最高人民
検察院の関連報告によると、2015年各級裁判所の結審した国家賠償案件は5439件、
決定賠償金額は2.4億元である。
 「中華人民共和国国家賠償法」の関連規定によると、国家賠償基準は国の前年度
の従業員日給により計算される。2010年の国家賠償の日割り賠償金はたった125.43
元であったが、平均給与の増加により、国家賠償日割り基準は2016年、242.3元に
達した。賠償基準はこの7年間で約2倍となっているものの、国家賠償の数は依然と
して高くない。
 無罪の公民が自由を剥奪されて監獄に入れられ、自己の生活と家族に別れを告げ、
精神的にこうむった被害は言うに及ばない。「国家賠償法」は2回の改定を経て精
神的損害賠償内容を追加しているが、実際のオペレーション上に存在する問題は多い。
 現行の法律規定に従うと、精神損害を及ぼした場合、被害者のためにその影響を
除去し、名誉を回復させ、謝罪を行うだけでよく、精神傷害により重大な結果を引
き起こした場合にのみ、相応の精神損害慰謝料が支払われることになっている。ど
のような状況が「重大な結果」となるかについて、関連法律では確定基準を設けて
いない。
 これまで国家賠償の獲得に成功した判例から見ると、被害者が最終的に手に入れ
た精神損害慰謝料は往々にしてみずからが賠償請求時に提出した金額とはかけ離れ
ており、被害者の精神損害は十分に重視されていない。
 被害者が冤罪で受けた損失は日々の収入にとどまらず、さらに多くの代償が必要
となることが多い。
 しかし、現在の国家賠償制度は被害者の基本的な生活補償しか行わず、被害者が
被害を受ける前の収入レベルを考慮せず、被害者が自由を失ったことにより受けた
その他経済損失も賠償されない。
 また、1日8時間の平均日給標準をもって24時間人身の自由を制限される被害者の
損失を計算することは不合理である。
 賠償基準が低いことのほか、国家賠償には賠償を受けることが難しいという状況
がある。
 2015年結審された国家賠償案件総数は過去最高を記録したが、本当に国家賠償を
獲得した案件は多くない。
 広東省を例にとると、2015年結審した国家賠償案件は478件であるが、最終的に
賠償金額が決定されたのは102件のみである。新疆の2015年結審した国家賠償案件
は95件、最終的に賠償金額が決定されたのは19件である。河北省の陳瑞武は2011年
に冤罪が晴らされたが、国家賠償を申請し立件されてから4年たっても賠償結果が
得られていない。
 国家賠償は公民の権利が公の権力に侵害されたときに受けることのできる救済制
度であるが、被害者の苦痛を完全に拭い去ることはできない。この程度の補償を受
けることがこれほどに困難であってはならない。
▽2015年一部の省の国家賠償状況
  国家賠償申請件数 賠償実際額
 江蘇    490 ――    陝西 101 463
 広東    478 4553.63   新疆 95 284.7
 湖南    416 1722.1   山西 93 200.5
 山東    309 1259.7   天津 85
 四川    297 305.91   甘粛 84 142.23
 内モンゴル 144 ――    寧夏 49 63.8
 広西    141 ――    河北 47 347
 湖北    127 87.76    海南 35 43.17
 福建    123 1018.38   浙江 20 952
 貴州    106 966.26   青海 7 20
▽国家賠償標準(元/日)
 2010年 125.43
 2011年 142.33
 2012年 162.65
 2013年 182.35
 2014年 200.69
 2015年 219.72
 2016年 242.3
〔網易2016年6月7日〕

インターネットセキュリティー事件によるユーザー損失は年915億元

 中国インターネット協会が6月23日に公布した「2016中国インターネットユーザ
ー権益保護調査報告」では、2015年下半期から今年上半期までの1年間で、中国ネ
ットユーザーが迷惑情報、詐欺情報、個人情報の漏えい等で受けた被害の経済的損
失は915億元に達するとしている。
 12321ネットワーク不良・迷惑情報通報受理センターの〓智超副主任によると、
2016年上半期から、中国ネットユーザーが毎週受け取る迷惑メールは平均18.9通、
迷惑SMSは20.6通、迷惑電話は21.3件であり、うち、迷惑電話はネットユーザーが
最も反感を感じる迷惑要素となっている。
 76%のネットユーザーがこれまでに「なりすましの銀行、インターネット会社、
テレビ局等による当せん詐欺のホームページ」に遭遇したことがあり、なりすまし
の警察、社会保険等の部門による詐欺及びSNS上の詐欺状況が増加傾向にあり、37%
のネットユーザーが各ネット詐欺による経済損失をこうむっている。
 報告によると、ネットユーザーの54%が個人情報漏えい状況が深刻であると感じ
ており、84%は個人情報漏えいによる悪影響を感じたことがあるとしている。
 ここ1年で中国のネットユーザーが迷惑・詐欺情報、個人情報漏えい等により受
けた経済損失は1人当たり平均133元であり、前期比9元増となっている。また、こ
れにより消耗する時間は1人当たり平均3.6時間である。うち、9%の経済損失は1000
元以上となっている。
 専門家は次のとおり注意喚起をしている。
1) ネットユーザーは各種ホームページまたは機構に自身の身分情報を残す際には
 警戒をしなければならず、インターネット上に個人情報を開示し過ぎることはで
 きる限り避けること。
2) また、各種パスワードを設定する際には誕生日等容易に解読される情報をでき
 る限り避けること。
3) 携帯アプリのダウンロードは必ず正規ストアを通じで行うようにし、ホワイト
 リストを確認した後にダウンロードを行い、出所不明のソフトウエアを気軽にダ
 ウンロードしないこと。
注)〓は、「赤」におおざと
〔青島財経日報2016年6月24日〕
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