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不動産高騰と地方へ向かう人の流れ
64.4%が一線都市を離れることを検討 不動産高が原因
戸籍政策が厳しくなる傾向、不動産価格上昇等の影響を受け、一線都市における
若者の生活への締めつけが強まっている。そして、「1.5都市」や二線都市の台頭、
中西部都市の政策主導による急成長、故郷への思いに若者が影響されてきている。
先日、中国青年報社社会調査センターがインターネットを通じて、2000人の現在
あるいは以前、北上広深(北京、上海、広東、深セン)で仕事あるいは勉強してい
るか、したことがある人を対象にアンケート調査を実施した。
それによると、既に北上広深から離れたか離れることを検討する回答者は71.0%
に達し、故郷が県級市や中部地域にある回答者は北上広深から離れたいと最も強く
思っていた。回答者が北上広深から離れたか離れたいと考える最も重要な原因は不
動産高(64.4%)だった。現在居住している一線都市から離れるとして、回答者に
最も人気のある都市は、北上広深以外の省都や直轄市(46.7%)だった。回答者の
32.4%は、一線都市から離れたことはあったがまた戻ってきていた。
〈故郷が県級市にある回答者は北上広深から離れたい気持ちが最も強い〉
馮謙(仮名)は、4年前に北京大学卒業後、河北省石家荘に戻り、銀行で仕事を
していた。国内一流大学の大学院卒という学歴を持つ彼は、以前は北京に残って仕
事をしたいと思っていた。
「当時、私のもとには大手企業からのオファーが数件あり、中央企業での実習の
チャンスもあった、もし、戸籍の問題を解決できたら残れたが、それははっきりと
は言えなかった。私の専攻はいい仕事を探せないが、よくよく考えて、河北省に帰
ることを決め、しかし、実家の県には帰らず、省都にとどまることにした」。
馮謙によると、自分の同級生の中には、卒業後二線都市に行く人もいたが、当時
北京にとどまることを選んだ人は、そこで戸籍を取得したり家を買ったりしていな
ければ、離れることを検討し始めているという。
今回の調査に参加した回答者のうち、23.3%の人は既に北上広深を離れており、
47.7%は離れることを検討中、この両者を合わせると71.0%である。21.5%はそのよ
うなことを考えたことがなく、7.5%は答えたくないだった。
〈どのような回答者が北上広深から離れたがっているか?〉
都市レベル別では、故郷が県級市の回答者は北上広深から離れたい気持ちが最も
強く、既に離れたか離れることを検討している割合は80.2%に達した。その次以降
の結果は、省都以外の地級市(76.3%)、郷鎮あるいは農村(75.9%)、北上広深以
外の省都あるいは直轄市(75.4%)、北上広深(31.3%)の回答者だった。
地域別に見ると、故郷が中部地域の回答者は北上広深から離れたい気持ちが最も
強く、既に離れたか離れることを検討している割合は77.6%に達した。その次以降
は、故郷が西部地域(73.9%)、最後が東部沿海地域(62.9%)の回答者だった。
石家荘で仕事をして1年後、馮謙は家を買い、結婚した。現在の仕事や生活につ
いては比較的満足しているという。
「家計はよくないし、もし当時北京にとどまっていたら、生活は安定できないか
もしれない。現在の一線都市の不動産価格を改めて見ると、私は当時この選択をし
てよかったと思う。現在、大気汚染が気になることを除けば、ほかのものはまあま
あいいし、私が買った不動産も既にかなり高騰している」。
〈回答者が北上広深を離れる深い原因は何か?〉
調査によると、回答者が北上広深を離れたか離れることを検討する最も重要な原
因は不動産高(64.4%)で、次が生活コスト高(46.9%)だった。その次が、深刻な
大気汚染(39.7%)、仕事の大変さ(36.8%)、戸籍取得の困難さ(36.3%)、交通
渋滞(32.3%)だった。
学歴別に見ると、大学院生の学歴の回答者は、戸籍取得の困難さが2位で、生活
コスト高より上位だった。4年制大学以下の高等教育の学歴を持つ回答者は、戸籍
取得の困難さが4位で、仕事の大変さより上位だった。中学以下の学歴の回答者は、
仕事の大変さが1位だった。
中山大学を卒業した李文君(仮名)は深センの企業で実習をしているが、彼の両
親は既に彼らが住む江蘇省無錫で家を買っていた。
「私は今後も一線都市にとどまりたいが、戸籍問題が解決できないし、不動産価
格も私の家で何とかできる範囲を超えている。現在、多くの都市では不動産購入に
制限をかけているから、故郷でまず不動産を買った。一線都市での仕事に疲れたり、
あるいはとどまれなくなったら、地方に戻っても居場所がある」。
調査によると、北上広深から離れたいと考える回答者の上記以外の原因は、職業
の将来展望が明るくない(16.1%)、両親の世話(12.9%)、孤独(12.8%)、結婚
や恋愛(9.6%)、出産育児(7.4%)等だった。
〈一線都市を離れるとして、最も人気な都市は北上広深以外の省都や直轄市〉
一線都市を離れたとして、最も行きたい場所はどこか?
調査によると、全体的に、回答者に最も人気があるのは北上広深以外の省都や直
轄市(46.7%)で、次が省都以外の地級市(27.1%)だった。その他の選択としては、
北上広深(16.2%)、県級市(6.6%)、郷鎮あるいは農村(2.4%)だった。
地域別では、全体の順序と比較すると、もし現在住んでいる一線都市から離れる
として、故郷が東部沿海地域の回答者が北上広深を選択する順位は2位、故郷が西
部地域の回答者が県級市を選択する順位は3位だった。
学歴別では、全体の順序と比較すると、中等専門学校以下の学歴の回答者が県級
市を選択する順位は3位で、北上広深より前だった。
李旭は山東省イ坊市のある県に住んでいる。北京で9年自動車修理の仕事をした
後、昨年、ある中古自動車会社の山東省青島市の支社で仕事をすることになった。
李旭の妻も北京での店員の仕事をやめ、県都の故郷に戻り、2人目の子供を産んだ。
李旭は毎日朝6時過ぎには家を出て出勤するが、車で大体40分ぐらいかかり、夜
は早くても8時にならなければ帰れない。このような状況であっても県都で仕事を
探さないのは、「県都ではこのような雇用機会はないし、収入が低過ぎて、家族を
養えない」からである。
現在、李旭は北京のある大学の遠隔教育を受けており、4年制大学卒の資格を取
るつもりである。「大都市で生活したことがあると、やはりその環境にとても憧れ
るし、観念や人生計画でもよい影響を多く受ける」
李旭は、夫婦2人で働いて、節約し、貯金があったため、北京やその周辺で家を
買いたいと思っていた。「しかし、以前の仕事では社会保障の重要性がわかってい
なくて、資格もなかった、現在はさらに難しくなっている」
調査によると、回答者の32.4%は、以前一線都市を離れたことがあったがまた戻
ってきていた。
都市別では、故郷が北上広深以外の省都あるいは直轄市の回答者では、以前一線
都市から離れたが戻ってきた割合が最も高く40.4%に達した。次に、故郷が北上広
深(32.5%)、省都以外の地級市(29.5%)、県級市(28.9%)、郷鎮あるいは農村
(24.1%)の回答者だった。
学歴別では、高校あるいは中等専門学校卒業の回答者では、以前一線都市から離
れたが戻ってきた割合が最も高く35.2%に達した。次に、4年制大学あるいは短期大
学(32.7%)、中学以下(27.8%)、大学院生(27.0%)の回答者だった。
ことし28歳の〓氷はかつて上海で5年間不動産販売の仕事をして、2年前に故郷の
河南省のある県に戻り結婚して定住した。最近、彼女はまた上海に戻り、タオバオ
店での仕事を見つけた。
「故郷の友人は、私がこのことを決めたことはおかしいと感じている。確かに私
は若くないし、家で何年も休んでいて、仕事をまた新しく探すことも難しい。けれ
ども、家の複雑な人間関係や、少ない収入やつまらない生活に我慢ができなくなり、
しゅうとめとの関係も私が上海に行くきっかけとなった」
〓氷によると、夫も彼女の選択を支持したという。「彼は長期的に外で働いて、
私がここで安定するのを待ち、彼もここで仕事を探す」。
回答者の出身地のうち、12.3%が北上広深、29.2%が他の省の省都あるいは直轄市、
28.8%が省都以外の地級市、17.7%が県級市、11.4%が郷鎮あるいは農村、0.6%がそ
の他の都市だった。
地域分布では、東部沿海地域出身の回答者が33.1%、中部地域が43.1%、西部地域
が18.9%、その他の地域が4.9%だった。
回答者の学歴では、大学院が8.2%、大学が81.3%、高校が9.6%、中学以下が0.9%
だった。(敬称略)
注)〓は、「羽」の下に「隹」
〔中国青年報2017年4月11日〕
内陸6都市は次なる住宅不動産成長地域
先日、鏈家研究院が発表した「内陸6都市住宅消費ビッグデータ報告」によると、
成都、重慶、武漢、長沙、合肥、南京等6内陸都市では中国の住宅消費不動産投資
がふえ始め、環渤海、長江デルタ、珠江デルタの三大経済圏に次ぐ規模になっている。
人口規模では、内陸6都市の人口が全国に占める割合は三大経済圏を上回り、各
都市の人口の流入データも良好である。しかも、内陸6都市の不動産と収入の比率
は15を割っている。
GDPでは、内陸6都市のGDP比は、環上海都市圏11.1%に次ぎ、環深セン8.9%、環北
京都市圏7.8%を上回る。2007年以降、内陸6都市のGDP成長率は一線都市、全国平均
よりも高く、経済は急成長した。
不動産取引では、2016年の内陸6都市の不動産取引総量は180万を上回り、全国総
取引量の1割を占め、三大都市圏を明らかに上回った。そのうち、内陸6都市の新築
住宅取引量は120.8万で、2015年比27.4%増だった。
比較すると、ここ数年来、北京、上海、深センの新築住宅取引量は下降傾向とな
っている。
内陸6都市の都市化過程はとても良好で、大きな成長空間がいまだにある。
鏈家研究院の楊現領院長は、地域の発展段階からして、この6都市の不動産市場
には大きな成長空間があり、今後三大経済圏にかわり、次なる不動産市場消費地域
になると見ている。〔21世紀経済報道2017年4月13日〕
中国の80後、90後の7割が家持ち 世界最高
今現在、諸外国で不動産価格が高騰し、どれだけの若者がマイホーム購入の夢を
かなえるのか?
英HSBCの最近の調査によると、調査を行った9カ国中、70%の中国のミレニアム世
代は住宅を持っており、トップだった。一方、イギリス、アメリカ、フランス等西
洋諸国ではその割合は31%、35%、41%だった。
不動産価格が相対的に高過ぎるので、36%の若者は住宅購入の際に両親の援助を
受けている。UAEでは、50%のミレニアム世代が住宅購入の際に両親の援助を受けて
おり、9カ国中トップだった。
不動産購入ということにさまざまな感情が入りまじるが、依然として91%の中国
人の若者は今後5年以内に住宅を購入したいと考えている。
▽各国ミレニアム世代の住宅取得率
中国 70% アメリカ 35%
メキシコ 46% カナダ 34%
フランス 41% イギリス 31%
(平均) 40% オーストラリア 28%
マレーシア 35% UAE 26%
注)この調査は2016年末にSMBCがカンターTNSに委託して行ったもので、対象者は
世界9カ国約9000名の1981年から1998年までのミレニアム世代。中国のサンプルの
うち、都市、都市近郊、農村地域の回答者の割合は85%、14%、1%。
▽5年以内の不動産購入意向
マレーシア 94% カナダ 82%
メキシコ 94% アメリカ 80%
中国 91% UAE 80%
オーストラリア 83% イギリス 74%
(平均) 83% フランス 69%
▽不動産購入時の両親援助の割合
フランス 26% (平均) 36%
マレーシア 29% カナダ 37%
オーストラリア 30% 中国 40%
アメリカ 32% メキシコ 41%
イギリス 35% UAE 50%
▽お金をためるために両親と同居する割合
UAE 6% カナダ 21%
フランス 14% マレーシア 23%
中国 20% オーストラリア 25%
(平均) 20% イギリス 27%
メキシコ 21% アメリカ 28%
▽賃金上昇と不動産価格
2016年不動産価格上昇率 2017年の実質賃金上昇率(予想)
イギリス 7.5% 1.9%
カナダ 7.4% 0.9%
オーストラリア 5.4% 1.6%
メキシコ 5.2% 1.9%
アメリカ 4.8% 1.9%
中国 3.6% 4%
マレーシア 3.2% 3.9%
フランス 0.6% 1.5%
UAE △5.4% 0.5%
注)各国の不動産上昇率は全国各地域の平均値。
〔新京報2017年4月12日〕
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