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スターバックス見る中国の大都市活力

スターバックスが多い地域は活力が高い? 中国主要都市商業競争力

 スターバックスの店舗数、可処分所得、観光客の1人当たり消費額、域内総生産
等は、ある地域の商業や消費の活発さをはかる指標となっている。
 「西安には40店以上のスターバックスがあるが、これは絶対足りない、400店必
要かも」西安市の王永康書記は2017年初め、都市の開放度、商業活力は「スターバ
ックス算法」でまとめられると述べた。
 商業の雰囲気、人口活力、外資からの人気度、経済開放度、これら抽象的な指標
があるが、スターバックスはその一例にすぎない。中国はアメリカに次ぐ世界第2
の市場として、2600以上のスターバックスの店舗が存在するが、それは「スターバ
ックス都市図鑑」として明確に見てとれる。
 21世紀経済研究院が取りまとめたところ、スターバックスの店舗数、可処分所得、
観光客の1人当たり消費額、域内総生産等は、ある地域の商業や消費の活発さをは
かる指標となることがわかった。
 国内トップ都市である上海はスターバックスの店舗数が最も多い地方でもあり、
500店を超えるスターバックスはこの都市の商業活力を示している。
 一方、西部地域の都市である西安と上海との差は、現在のGDPだけでなく、各種1
人当たり経済指標においても、現在のスターバックス店舗数でもあらわれている。
 上海に近い蘇州は、省都ではないものの、各種経済指標は全国上位にランクイン
しており、スターバックスの店舗数も全国4位である。
 一方、重慶は直轄市として、ここ数年の経済成長等各種指標では上位にあるが、
スターバックス店舗数は主要都市の中で目立った数になっていない。
 2016年の重慶の観光客数は延べ4.51億人に達し、今回の統計の全ての都市のトッ
プであったが、1人当たり消費額はわずか586元だった。どのようにして1人当たり
消費をふやすかが都市の商業活力をさらに喚起する重要な一歩である。
▽スターバックス店舗数と各種経済指標
 都市 スターバックス店舗数 GDP(億元) 第三次産業付加価値額(億元)
都市常住住民一人当たり可処分所得(元) 社会小売品小売総額(億元) 観光業
総収入(億元) 観光客数(延べ億) 1人当たり消費額(元)
上海 539 27466.15 19362.34 57692 10946.57 3868.38 3.8 1017.99
北京 231 24899.3 19995.3 57275 11005.1 5020 2.855 1761
杭州 125 11050.49 6768.26 52185 5176.2 2571.84 1.41 1824
深セン 109 19492.6 11785.8 48695 5512.7 1371 1.24 11.5
広州 101 19610.9 1344 50940.7 8472.8 3217.05 1.85 1738.94
成都 94 12170.2 6463.3 35902 5647.4 2502.25 2.003 1249.25
南京 78 10503 6133.31 44009.4 5088.2 1900 1.12 1696
武漢 68 11912.6 6294.94 35383 5610.6 2496.15 2.3321 1070
天津 60 17885.3 9661.3 34047 5635 3192 1.91 1671
西安 40 6257.18 3827.36 35630 3730.7 1213.81 1.5 809
重慶 39 17558 8500.36 29610 2228 2645.21 4.51 586
蘇州 124 15400 7975.8 54400 4937 2059.53 1.14 1806.6
〈スターバックス都市図鑑〉
 現在、スターバックスは中国120以上の都市に2600店以上ある。スターバックス
のデータによると、今後5年で毎年500店を新規開店するとともに、200都市以上を
カバーする。つまり、今後5年のスターバックスの中国国内における開店速度は、
これまでの18年間の総和に近く、新規に80都市をさらにカバーすることになる。
 21世紀経済研究院はスターバックスが分布する上位12都市(上海、北京、杭州、
蘇州、深セン、広州、成都、南京、武漢、天津、西安、重慶)について分析を行っ
た。このうち11都市は直轄市、省都、副省級都市であり、蘇州だけが例外である。
 この12都市のスターバックスの店舗総数は1608店で、現在の中国のスターバック
ス店舗総数の61.8%を占める。この12都市のGDP総額は、2016年には17.63兆と全国
GDPの26%を占めた。
▽上海
 上海の539店のスターバックスは全国の他の都市をはるかにリードし、スターバ
ックスに包囲されている都市でもある。
 米サイエンスメディアのクオーツのデータによると、2013年、スターバックスの
上海における店舗数は284店だったが、21世紀経済研究院がスターバックスオフィ
シャルサイトや大衆点評のデータをまとめたところ、現在、上海市のスターバック
ス店舗数は既に539店に達している。
 つまり、3年間で、スターバックスは上海の店舗数を89.79%増加させたことにな
る。これは、この都市の経済発展レベル、商業活力と対外開放度とが密接に関係し
ている。
▽北京
 北京市は231店で店舗数2位だが、この数は上海とは非常にはっきりとした差がある。
 スターバックス店舗数が100店を超す都市を見渡すと、長江デルタ、珠江デルタ
の、中国の経済が最も活発な地域に位置している。
▽蘇州
 蘇州は省会都市でも副省級都市でもないが、多くのスターバックス店舗がある。
これは上海に近いという地理的要素のほか、外向型経済構造と人口構成が若いとい
った別の重要要素もある。
▽成都
 西部地域に位置する成都市は、スターバックス店舗数が94店と全国7位である。
この数字と2016年の成都市のGDPの全国順位は近く、成都の西部地域の中心都市と
しての地位にマッチしている。
▽西安
 西安市は40店で11位である。21世紀経済研究院のアナリストが各種経済指標を総
合比較した結果、スターバックス店舗数及び当該都市の経済がマッチしており、別
の角度から言えば、西安にスターバックスをもっとふやすには、多方面の経済指標
を高める必要がある。
▽重慶
 重慶は西安に次いで、現在39店ある。21世紀経済研究院は、重慶の「都市、農村
が大きく、山が多く、ダムが巨大」という基本的な地理条件にあることと関係して
いると見ている。
〈商業不動産と産業活力が都市の商業活力を決める〉
 スターバックスの店舗数はある都市の商業活力の一面を反映するにすぎないが、
このほかどのような指標で都市の商業活力をはかることができるだろうか。
 21世紀経済研究院は、都市住民の平均年収、商業不動産とA級オフィスビル数、
飲食収入が全社会消費品小売総額に占める割合、旅行データなどが参照可能な指標
であると見ている。
 まず、1人当たり収入という指標である。比較する12都市では、1人当たり平均年
収ランキングはGDPと比較的強い一致傾向が見られた。
 5都市の1人当たり平均年収は5万元以上、上海、北京、杭州、広州、蘇州は1人当
たり平均年収がより高い地域であり、つまり、現地住民は消費能力がより高く、こ
の5都市のスターバックスの平均店舗数は100店を超えている。
 商業不動産とA級オフィスビル数は、都市における資本の人気度を反映している。
 2016年末現在、上海市には都市複合商業施設が189店あり、そのうち商業施設建
設面積10万平方メートル以上が68店である。
 上海市のA級オフィスビルのストックは641万平方メートルに達し、北京を除いた
12都市において第2位だった。21世紀経済研究院は、上海市の発達した金融業はA級
オフィスビルの主要な借り主で、この種の業界の人たちがスターバックスの膨大な
消費者層を構成していると見ている。上海の陸家嘴地区の金融会社組織のオフィス
ビルでは、あちこちでスターバックスを目にする。
 しかし、このオフィスビルの指標は蘇州や杭州には通用しない。この2都市のス
ターバックス店舗数はそれぞれ120店を突破しているが、ショッピングセンターやA
級オフィスビルのストックは多くないし、園区経済、インターネット企業が主体の
産業構造であり、別の消費者層を生み出している。
 他の都市のうち、成都はA級オフィスビルのストックは全国的にリードしていな
いが、不動産コンサルタントDTZの統計によると、金融、サードパーティーサービ
スプロバイダー、インターネット企業、科学技術企業が成都のA級オフィスビルの
重立った借り主である。
 これらの層は、スターバックスを日常的に消費する主要顧客層で、つまり、成都
になぜこれだけ多くのスターバックスの店舗があるかを説明できる。
 ショッピングセンターストック(万平方メートル) A級オフィスビルストック
(万平方メートル) スターバックス店舗数
上海 234.8169 641.5682 539
成都 531.0677 173.5398 94
北京 1219 930.2079 231
蘇州 280 144 124
重慶 329.4 155.7 39
広州 172.5 468 101
天津 173.2 138.4 60
杭州 119.2 199.8 125
南京 101.54 130 78
西安 269 154 40
深セン 258.53 343.74 108
武漢 215.7 159.1 68
〈観光客1人当たり消費レベルは重要参考〉
 観光消費において、観光客1人当たり消費レベルは、ある都市の観光産業の競争
力の基準を反映しており、先述12都市の2016年観光客延べ人数及び1人当たり消費
レベルにも大きな差があった。
 観光客延べ人数では、2016年の観光客延べ人数が2億を超える5都市は、上海、北
京、成都、武漢、重慶だった。重慶は延べ4.51億人の観光客数でトップでもあり、
4億の壁を突破した唯一の都市でもある。観光客数は重慶観光市場の人気度を証明
している。
 しかし、観光客の1人当たり消費では、12都市のうち、10都市の観光客の1人当た
り消費額は1000元以上だが、西安と重慶は100元台にすぎない。
 西安市は1人当たり観光消費ランキングの後ろから2番目で、2016年観光客1人当
たり消費額(延べ人数)は809元だった。一方、重慶の1人当たり586元の観光消費
は12都市中最も低かった。
 逆に、スターバックス店舗数が120店を超えている杭州や蘇州では、GDPは上海や
北京に比べて高くないが、1人当たり観光消費は上位2位であるとともに、12都市中
唯一の1人当たり1800元を超える都市だった。蘇州、杭州の観光競争力は、強大な
商業活力を構成している。
〔21世紀経済報道2017年6月8日〕

2016年 浙江ネット小売額1兆元を超える

 浙江省商務庁の情報によると、2016年浙江はネット小売額1兆306.74億元、前期
比35.43%増となり、電子商取引が正式に浙江の兆レベル産業に仲間入りした。
 統計によると、2016年の浙江省全体の各種の正常経営しているアクティブなネッ
ト店舗は87.92万店で、各種電子商取引サービス企業は3200社以上、電子商取引産
業基地は301カ所だった。
 浙江省商務庁の徐高春副庁長によると、電子商取引の急速な発展が消費方式の転
換と消費のレベルアップを促進し、新興業態を生み出し、新しい投資ブームを引き
起こしている。「電子商取引は浙江経済の転換、レベルアップの新たなエンジンと
なっている」
 「2016年、浙江は越境電子商取引輸出額319.26億元を実現した。数は多くはない
が、今後の発展の方向を代表するものである」(徐高春副庁長)
 このほか、2016年浙江省にある電子商取引専門村は506、淘宝鎮は51、大きくぬ
きんでて全国トップである。
 年間のネット小売総額のうち、農産品のネット小売額は396.19億元に達し、「農
村電子商取引の主要な発展は三農問題を解決し、農民の所得向上を助けるとてもよ
い手段となっている」(徐高春副庁長)
 浙江省商務庁電子商務処の蘆成南処長によると、目下の浙江の電子商取引の幾つ
かのデータは全国をリードしているが、物流や人材等では課題もある。
 「新しい経済分野では、多くの企業の実務人材の養成は高等教育機関を上回って
いる。浙江は電子商取引企業の優位を利用し、人材資源、教学モデル等の要素を統
合し、浙江に電子商取引分野の高度人材を集積させ、浙江の電子商取引の発展を支
援するとともに、浙江のネット通販人材を全国や世界に送り出す」(徐高春副庁長)
〔新華網2017年6月21日〕
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