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グローバル化とネットが変える正月準備

生鮮食品が正月用品 90後が主力消費者に

 「我が子よ我が子、そんなに食いしん坊にならないで。旧暦の12月8日を過ぎた
ら、もう次は新年が来るから」。
 正月用品の販売の急加熱で、正月用品としての生鮮食品がより新たな寵児となっ
た。最新調査によると、90後(90年代生まれ)が主力消費群となり、広州ソーセー
ジが地方の特産の中でも先頭を切って、飛ぶように売れている。
 大手生鮮食品のネット通販プラットフォーム「毎日優鮮」の最新発表「2018年生
鮮食品正月用品消費トレンド報告」によれば、旧暦12月に入って以降、正月用品の
生鮮食品販売量が日増しに徐々に上昇、半数を超える家庭が既に正月用品を購入し
始めている。
 正月用品の生鮮食品を購入するユーザーは80後、90後群に集中し、そのうち90後
が最大の割合を占め37.6%に達した。
 90後が正月用品としての生鮮食品の主力消費群であることは全くもって意外なこ
とではない。彼らはインターネットとともに成長をした世代であり、彼らが結婚生
活を営むようになって、生鮮食品購入のかたい需要が生まれている。
 もはや父の世代のようにオフラインのスーパー、食料品市場を正月用品の生鮮食
品を購入する場所としたりはしないどころか、精選品を買うのになれ、すぐ配達さ
れるネット通販を正月用品の購入チャネルとしている。
 生鮮食品全体を見ると、果物、肉類、乳製品が売れ筋トップ3となっている。果
物の人気は継続して高く、25.7%を占めている。
 最も人気のある十大生鮮食品の正月用品ランキングのうち、コルラ香梨、広州ソ
ーセージ、黒豚正月ギフトセット、チリチェリーが上位にランクインしている。
 実際、正月用品の生鮮食品は近年販売強化され、それは各ネット通販プラットフ
ォームで明らかに見てとれる。
 ネット通販の京東の昨年の正月用品販売期間のデータでは、生鮮食品消費量は2016
年同時期と比較し1日当たり4倍近く増加している。
 地方特産品は依然として正月の人気商品である。「毎日優鮮」のデータによれば、
今年の春節は地方の特産品の中でも広州ソーセージの販売量が最多で、重慶奉節の
ネーブルオレンジ、浙江舟山のタチウオ、新疆アクゾノーベルのリンゴが続いた。
〔新華網2018年2月8日〕

正月用品に海外商品激増 二線都市済南の課題

 春節が近づき、正月用品商戦に入った。ここ数年、多くの人の買物リストの中に
海外商品が多く入り、各種輸入商品がショッピングカートに投げ込まれている。
 ある機関が発表したデータによると、越境EC市場の普及の恩恵で、海外商品が正
月用品市場に占める割合は63%に達した。二線都市の輸入正月用品需要は激増し、
新年限定商品や贈答用お菓子、酒類が輸入正月用品準備の重点となった。
 伝統的な正月用品から輸入商品まで、消費水準向上の傾向を証明している。国の
特恵関税政策が進み、これも一定程度、春節の輸入正月用品消費熱を刺激している。
これと同時に、越境ECも、これをチャンスに正月用品市場からシェアを奪っている。
〈50トンの輸入海産物が完売〉
 徐意評氏は最近忙しく、手元の電話でやりとりしている、「年末になって、多忙
をきわめている。現在、非常にはっきり感じているのは、最近の販売は絶好調で、
輸入正月用品を共同購入する企業もある」
 徐意評氏は山東環港網絡科技有限会社の創業者兼CEOで、越境ECは同社の業務の
一つである。済南で越境ECブランド「あなたの世界」を立ち上げ、昨年には「漢峪
金谷」にO2O体験店を開いた。
 「昨年、輸入海産物を約50トン準備したが、基本的に全部売れた」徐意評氏は6
日、取材に対し、商品の注文は1月より前に入り、「1月に注文されても、多くはな
くなっていた」と話す。
 徐意評氏によると、これらの輸入海産物は「寧波保税区の製品検査倉庫から出し、
北京・上海・広州向けへの出荷が非常に多く、早目に注文していた。多くの商品が
必要で、現在はもう全部売れた」
 輸入商品は、消費者の正月用品の贈答品の選択肢の一つとなった。徐意評氏が話
すこれらの輸入海産物の贈答セットは、「1番高いもので599元、中には現地包装で
輸入されたカニ、エビ、魚等が入っている」
 「輸入正月用品は人々の選択肢をさらに多くし、かつ包装や品質もよく、価格も
非常に庶民的、キャンペーンを行っているものもある」(徐意評氏)
 価格が日に日に「庶民的」になるということは、一方で、「年末における輸入商
品量が多くなり、基本的に価格が抑えられる」ということである。
 徐意評氏によると、もう一方では、業界にとってのいい政策があり、販売熱を刺
激する。輸入海産物も恩恵を受けた一つである。
 「今年、輸入海産物の関税が下がれば、価格減少幅はさらに大きくなる。これは
朗報でもあるが、さすがにここ数年で下がったことはない」徐意評氏は取材に対し、
「輸入海産物の一部の税が下がり、価格はまだまだ下がるはずだ」と話す。
 「しかし、今年の春節にはこの政策が間に合わなかった」徐意評氏は、今年の中
秋節や来年の春節時までには価格がはっきりすると予想している。
〈価格を抑えたい〉
 ここ数年「海外ネット通販」の政策は多くの微調整を経たが、これも消費者がさ
らに正規のルートで輸入商品を購入することを誘導している。
 徐意評氏は、「海産物の税金が下がったことは一つのシグナルで、今後、みんな
が輸入商品を買えば、もっと安くなるかもしれず、我々の仕入れ価格ももっと安く
なる」と見ている。
 国家の関連政策は、幾つかの良好な輸入商品を越境ECのようなモデルで導入する
ことを求めており、「価格を抑えたいというのは、消費者にさらに多くの輸入商品
を買わせることである。ここ数年の模索では、これが一番よい方法である」(徐意
評氏)
 注目すべき点としては、特恵関税政策が進むことも、一定程度輸入商品消費熱を
刺激するということである。
 商務部の高峰報道官が月例記者会見で述べたところによると、現在、中国は既に
24カ国・地域と16の自由貿易協定を締結している。既に締結した自由貿易協定では、
中国と自由貿易パートナーとの貨物貿易自由化のレベルは高く、最終的にはゼロ関
税になる商品数の割合は基本的に90%以上である。
 「今現在、中国が既に発効し実施している自由貿易協定は15件で、23カ国・地域
に及び、ゼロ関税の輸入商品約8000種類を網羅する。現在、上記自由貿易協定の枠
組みのもと、中国の総輸入額の3分の1の商品は自由貿易協定の特恵関税待遇を享受
しており、そのうちの大部分は最終消費財である」(高峰報道官)
 具体的には、ASEANのドリアン、ライチ、ドラゴンフルーツ等の熱帯果樹の輸入
関税は15%―30%から関税ゼロになった。アイスランドのサーモンの輸入関税は10%
―12%から関税ゼロになった。ジョージアとチリの赤ワインは輸入関税が14%―30%
から関税ゼロになった。
 このほか、スイスの一部化粧品の輸入関税は既にゼロになった。一部の腕時計の
輸入関税は50%に下がり、かつここ数年で関税ゼロになる。韓国の冷蔵庫、炊飯器、
マッサージ機、美顔器等の商品の輸入関税は40%まで下がり、数年後に関税ゼロに
なる。これらは中国の消費者の選択を豊かにしている。
〈二線都市に外国商品〉
 春節が近づくにつれ、多くの市民が正月用品を準備する際、輸入商品は「春節の
雰囲気」の重要構成部分となっている。
 済南のある企業で働く郭静さんは家族へたくさんの海外グルメを購入した。それ
は、アメリカのクルミ、ドイツのビール、デンマークのクッキー、チリの輸入チェ
リーで、「合わせて1斤、40元以上というのは新年なら納得できる、新年だからお
いしいものを食べたい」
 郭静さんのように、輸入食品を「正月用品購入」の選択肢に入れる済南の市民は
少なくない。ここ数年、輸入正月用品も目新しいことからさらに日常的なものにな
り、選択肢はさらに多くなった。
 「オリーブオイル贈答セットを50、60元で買って、バナナ飲料は1瓶買えばもう1
瓶プレゼント、価格はまあまあ」済南市民の張さんは記者の取材に対し、このよう
に答えた。
 6日午後、済南市〓源大通りの輸入商品直営店を取材した。入り口の商品棚には
販促商品が並べられていて、スペイン・オリーブ油が119元から69元、オランダの
ミックスフルーツ飲料が6.9元から3.9元などで、手に取る消費者もいた。
 海外ショッピングプラットフォーム「洋碼頭」が発表した2018年海外正月用品地
図では、「海外正月用品」はもはや一線都市の消費者に専属するものではなく、北
京、上海、広州、深センのほか、重慶、天津、南京、武漢、杭州は、海外正月用品
ショッピングランキング上位5都市に入る二線都市になった。
 全体的に二線都市の消費力は著しく上昇し、2016年同期の輸入正月用品購入より
27%増加した。
 若者は、前もって輸入正月用品を実家に送ってから帰る。統計によると、輸入正
月用品を購入する層のうち、4割の消費者は正月用品を直接実家に送ることを選択
している。
 この背景のもと、総合ネット通販プラットフォームも越境ショッピングのビジネ
スチャンスを囲い込んでいる。タオバオ、京東、アマゾン等のネット通販プラット
フォームにある「正月用品」には人気輸入商品が少なくなく、輸入正月用品プロモ
ーションも続々と行われている。6日、京東ネット通販プラットフォームを見ると、
「中外名酒高級品デー」等が開設されていた。
 注目すべき点として、海外企業がこのチャンスをかりて、中国市場拡大を図って
いることである。中国の伝統的な祝日に合わせるべく、外国ブランドの多くは中国
要素を加えようとしているか、中国の若い消費者の喜びそうなものに合わせ、中国
要素との融合を重視している。
〈「非実験都市」だから仕方ない〉
 総合ネット通販プラットフォームは輸入正月用品に力を入れているが、「現地の
小売にとって、我々がやっている商品運営の方向性は庶民の好みに合わせたいとい
うことである」徐意評氏は取材に対し、このように話した。
 今後の発展について、各方面でも政策を期待している。「政策が原因で、済南は
「非実験都市」であり、関連人材、技術が相対的に欠如している」(徐意評氏)
 これまで国家の関連部委が承認した、越境EC輸入業務の実験が展開可能な実験都
市は、天津、上海、杭州、寧波、鄭州、広州、深セン、重慶、福州、平潭の10都市
だった。
 この1月1日から、越境小売輸入政策の活用範囲は合肥、成都、大連、青島、蘇州
の5都市にまで拡大した。つまり、この5都市では、上記10実験都市が享受している
のと同等の越境小売輸入政策を享受できる。
 済南総合保税区のある輸入商品代理店責任者の周莉氏は取材に対し「実験都市の
資格を持てば、自前の保税倉庫を開設でき、越境ショッピングの機能を実現できる
が、例えば済南では、鄭州、杭州等の都市の保税倉庫を利用して出荷することしか
できない」
 「済南は基本的に2015年下半期から輸入商品店人気があらわれたが、2016年上半
期までで多くのところは支え切れなくなっている、その主な原因は、済南が非実験
都市だからである」(周莉氏)
 徐意評氏も同様に「「非実験都市」だから、現在この方面での発展速度は少し遅
い」と率直に言う。
 済南のある越境EC業界関係者によると、今後のトレンドは、やはり越境ECがもっ
と自由に発展できるようにすることである。現在、越境ECの発展を非常に重視して
おり、今後は全国で推進することもあり得る。
 「我々はその他都市で数年やったが、もし今後開放され、済南が実験都市になれ
ば、自前の技術、人材の優位性で、済南で急成長を図りたい」(徐意評氏)
注)〓は、さんずいに「楽」
〔経済導報2018年2月7日〕
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