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青空を取り戻す北京の大気改善

227日青空だった2018年 北京の大気質

 北極を南下し、シベリアを通過し、冷たい空気が到来する時期になった過去1年
で、北京の空は青くなり、大気は爽やかになった。
〈227日青空だった2018年〉
 青い空に白い雲、呼吸も爽やかで、北京にいる自分はこれまでよりいい空気の中
にいる。
 最新のデータによると、2013―2018年、北京の大気質の基準到達日数が増加し、
重度汚染日数が年々減少している。
 2018年、北京市は年間で227日大気質が基準到達し、2013年より51日多かった。
そのうち、1級(優)日数が72日で、2013年に比べ31日増加した。2級(良)日数が
155日で、2013年に比べ20日増加した。
 また、北京市の大気重度汚染日数が持続的に減少している。2013―2018年、北京
市の大気重度汚染日数は58日から15日まで減少し、2018年は2013年のわずか4分の1
となった。さらに、年間で初めて3日以上連続での重度汚染はなかった。
 大気質が優の日数の割合が上昇を続ける背後には、主に大気汚染物質の年間平均
濃度が減少を続けていることがある。
 2018年、北京市の微小粒子状物質(PM2.5)の年平均の濃度は1平方メートル当た
り51マイクログラムで、2017年同期比で12.1%減少した。
 2013年と比べ、2018年の北京市の主要汚染物質の年平均濃度は著しく減少した。
二酸化硫黄(SO2)、PM2.5、浮遊粒子状物質(PM10)、二酸化窒素(NO2)はそれ
ぞれ77.8%減、42.7%減、27.8%減、25.0%減だった。中でも、SO2の減少幅は最も多
く、2年連続で濃度が1桁を維持した。
 2015年と比べ、2018年の北京市の主要汚染物質の年平均濃度は著しく減少した。
SO2、PM2.5、PM10、NO2はそれぞれ57.1%減、37.0%減、23.5%減、16.0%減だった。
 しかし、大気質の改善は1日でもたらされたものではない。2018年、北京市のSO2
は国家基準(1立方メートル当たり60マイクログラム)に到達し、はるかに下回っ
たが、NO2、PM10、PM2.5等では国家基準とは依然として一定の開きがある。
 中でも、NO2は国家基準(1立方メートル当たり40マイクログラム)に更に近づい
たが、依然として5%上回った。PM10は国家基準(1立方メートル当たり70マイクロ
グラム)を11%上回った。PM2.5は国家基準(1立方メートル当たり35マイクログラ
ム)を46%上回った。
 国家基準との開きはこのデータから明らかで、現段階でのPM2.5は依然として北
京市における主要大気汚染物質である。
▽2013―2018年大気質レベル日数分布
 優 良 基準到達
2013年 41 135 176
2014年 39 133 172
2015年 52 134 186
2016年 68 130 198
2017年 66 160 226
2018年 72 155 227
▽2018年主要汚染物濃度減少幅
基準年 PM2.5 SO2 No2 PM10
2013年 42.7% 77.8% 25.0% 27.8%
2015年 37% 57.1% 18% 23.5%
〈195日連続PM2.5重度汚染なし〉
 PM2.5は、ここ数年の北京市大気汚染改善作業の重点となっている。
 2013―2018年の6年間でPM2.5汚染の優良日数は明らかに増加し、重度汚染日数は
大幅に減少している。2018年、北京市は195日連続PM2.5重度汚染の発生がなく、2013
年の87日をはるかに超えた。
 月ごとの変化を見てみると、気象条件の影響を受け、2018年3月と11月は、北京
市の大気汚染レベルが明らかに高くなっている。一方、1月、8月、9月のPM2.5の月
平均濃度はそれぞれ1立方メートル当たり34、35、30マイクログラムで、大気質年
間評価基準に達している。
 空間分布から見ると、2018年北京市のSO2、PM2.5、PM10の濃度は依然として南高
北低の傾向がある。うち、北京市西南エリアポイントのPM2.5濃度が北京全市で最
も高く、1立方メートル当たり69マイクログラム、北京市東北エリアの濃度が最も
低く、1立方メートル当たり41マイクログラムであった。
 しかし、2013―2018年、北京市各エリアのPM2.5濃度の下降は顕著であり、南北
の濃度差も引き続き減少しつつあることが明らかに見てとれる。
 これらの成績は、都市の細分化管理、エリア連携による予防強化等の重要措置と
切り離すことができない。これら全ては、まず汚染源の把握から開始する必要がある。
〈2回の根源解析と3回の取組行動〉
 エネルギー構造の絶え間ない変化により、汚染濃度の減少が顕著であるとともに、
関連汚染源にも一定の変化があらわれている。2018年、北京市は新たなPM2.5根源
解析を完了し、青空保護作戦に科学的な支えを提供した。
 2014年に完了した北京大気PM2.5根源解析の結果によると、外地からの流入比率
が28%―36%を占め、市内の機動車が31.1%、石炭燃焼が22.4%、工業が14.3%、粉じ
んが14.1%を占めた。
 2018年に発表された新たなPM2.5根源解析の結果では、北京市の現在のPM2.5の根
源において、交通手段、粉じん、工業、石炭燃焼によるものがそれぞれ45%、16%、
12%、3%となっている。交通手段の占める割合が高く、石炭燃焼は主な根源からほ
ぼ外れている。
 これに鑑み、2018年の北京市は排出削減工程の堅持と排出削減管理をともに重点
を置き、大型ディーゼル車、粉じん、揮発性有機物の管理という三大攻略行動を突
出させている。
 交通手段管理面において、2018年、北京市は、4.7万台の自動車排ガス規制が
「国3基準」のディーゼルトラックの廃棄・移転を推し進め、新エネルギー車累計20
数万台を普及させ、大型ディーゼル車のクローズループ管理メカニズムの実施に刷
新した。
 2018年4月20日から、基準を超えた車約14.5万台が「ブラックリスト」データバ
ンクに入れられた。2018年に北京全市で検査された大型ディーゼル車は延べ216.8
万台で、延べ32.5万台が処罰された。これは2017年の処罰数の5.6倍である。
 粉じん根源管理面において、2018年、北京市は56社に対し北京での入札資格を30
―180日停止させた。また、グリーンエコロジカルエリアの拡大を継続し、北京全
市の森林カバー率を43.5%にした。北京全市の粉じん減少量は8月以降同期比16%減
となっている。
 このほか、北京市大気質の向上は揮発性有機物の制御と大きな関係がある。
 2018年、一般製造と汚染企業656社を順番に移転させ、521社の「散・乱・汚」企
業のダイナミックな取締りを行った。陶器製品製造等の3つの業界の排出許可証の
申請・発行を順番に推し進め、市レベルと国レベルのグリーン工場は累計でそれぞ
れ26社と22社に達し、71社の重点業界工業企業揮発性有機物の改善、320社の2000
トン以上のガソリンスタンドのオンラインモニター改造を完了した。
 しかし、大気環境改善の道のりは依然として遠く、任務は重いことを正視しなけ
ればならない。継続的で大規模なシステム管理を行ってはいるが、現在の排出量は
依然として環境容量を超えており、大気質はまだ気象条件の影響を抜け出せておら
ず、秋冬の大気汚染が起こりやすく、頻発する状況はいまだ根本的な変化が得られ
ていない。
 2019年、北京市は引き続きPM2.5の管理に注目し、法的・精神的な共同ガバナン
スに重点を置き、排出削減工程と排出削減管理をともに強化し、ディーゼルトラッ
ク、粉じん、揮発性有機物汚染管理にスポットを当て、大気汚染改善の細分化管理
レベルをアップさせ、市民の青空獲得感を引き続き増強させていく。
〔新京報2019年1月4日〕
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