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中国の高度専門人材養成の課題

アメリカの低水準の基礎教育が世界一流の高等教育を支えられるのはなぜか

 中国の学生は基礎がしっかりしており、苦労に耐えながらも勤勉で、学習能力が
高いと一般に考えられている。しかし、中国の科学者は、国際的な学術舞台では、
全体的に地位が高くない。
 アメリカの基礎教育は世界でも競争力が低いと思われているが、アメリカの科学
者の革新的な成果は尽きない。
 実際、アメリカの学生の基礎が低いのは、アメリカの小中学校の教育方法と直接
に関係がある。
 アメリカの教育界は、ギリシャのソクラテスの「産婆術」教育思想の影響を深く
受けている。教育は「助産」過程であると力説され、教師は「助産婦」で、人々が
教育を受けるのは、「イド(自我)」を探して自身を完全なものにするためである。
 つまり、知識は他者が伝授できるものではなく、学生が思考と実践の過程でみず
から悟っていくものであると考えられている。
 そのため、大学、中学校あるいは小学校にかかわらず、アメリカの教室では、教
師は学生に知識のポイントを講釈することはめったになく、継続的にさまざまな課
題を出して、学生が自身で結論を出せるように導く。学生が読書し、思考し、レポ
ートを書く量はとても多いが、何かを暗唱するよう要求されることはめったにない。
 アメリカの学校教育は観察、発見、思考、弁論、体験と悟りの過程であり、学生
はこの過程で課題を発見し、課題を提起し、課題について思考し、資料を探し、結
論を得るスキルと知識を次第に身につけていく。
 学習する内容がたとえ深さ、難しさ、広さが十分でないとしても、学生が自身で
悟った知識のポイントは生涯忘れないばかりか、往々にして一を聞いて十を知るこ
とができるようになる。
 双方を比較すると、中国の学校教育は、孔子の「学びて時にこれを習う(学問を
して折にふれてこれを復習し身につける)」という思想の影響を深く受けている。
教師は知識のポイントを何度も何度も学生に教えて、学生は絶えず暗唱して復習す
ることで生涯忘れない記憶とするよう要求される。
 このような教育方法は伝統的な人文経典に対する教育には有効である。しかし、
現代の自然科学と社会科学の教育についていうと、その弊害は火を見るよりも明ら
かである。学生の基礎知識は一般に比較的しっかりしているが、これによって思想
と思考が束縛され、革新的な意識を育成する機会は失われている。
 教育の目的と教育方法について考えても、中国とアメリカの「教育の有効性」に
関する理解には相当大きな差異が存在する。
〈中国の教育が直面する挑戦〉
 現代の中国についていうと、教育の有効性を高める鍵は、いかに価値観の教育を
教育の全ての過程に自然に溶け込ませるかである。
 これは大きな挑戦である。なぜなら、統一的な大学入試システムは基礎教育への
制約と影響を与え、社会外部の環境変化によって、教育の過程が次第に入試訓練に
対処するための過程へと転換させられているからだ。
 現在、この過程は低年齢化に向かっている。「スタートラインで負けることがで
きない」という対抗心理のために、児童の早期の知的発達の開発に歴史上最も熱狂
的な段階に入っている。ますます多くの子供が教育から楽しみを享受できずに、楽
しくない時間だけは何度も前倒しされている。
 一枚の卒業証書以外に、教育から人々が精神的な楽しみと心の平和を得ることは
ますます難しくなっている。社会に反して行動するのはますます厳しくなっている。
 政府もこの問題の重要性に気がついており、大学入試による新入生募集制度の改
革を通じて、徐々にこの局面を転換しようと決意している。
 しかし、現下の世論、教育の公平に対する国民の理解と憂慮、及び信頼の欠乏と
いった社会的、文化的心理が、教育課程における「選抜過程の掌握と選抜結果の公
正性」といった非論理性の追求を更に強化し、改革への抵抗力が強まり、改革の効
果が弱まる可能性がある。
 ほかにも、直接、貯蓄を投資に転換できないのと同様に、登校しているからとい
って必ずしもよい教育を受けていることを意味しない。学生が持つしっかりした基
礎知識をいかにしてイノベーティブな思想の源泉と支えの提供へと転換するかは、
中国の教育界が直面する別の厳しい挑戦である。
〔2019年4月9日陳志武(著名な華人エコノミスト、イェール大学終身金融学教授、
香港大学経済学学者教授)〕

成都にアリババビッグデータ学院 5年間で2000人の高度専門人材を養成

 2017年5月23日、成都信息工程大学とアリババクラウドは、「成都信息工程大
学・アリババビッグデータ学院」を共同で設立することを発表した。四川から、全
国、世界を見据えた新型モデルのビッグデータ学院をつくり上げる。
 アリババクラウドは、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AI産業全体
の養成を重視している。全国で3カ所目のアリババと高等教育機関との連名による
ビッグデータ人材を育成する教育機関であり、全国初の、四大生と大学院生を養成
するビッグデータ学院でもある。
 アリババビッグデータ学院は、国家教育部の工学の新学科建設の呼びかけに反応
し、5年で2000人のクラウド、ビッグデータクラウドセキュリティー及びAI方面で
の高度専門人材を養成し、国内の一流の学校運営レベルに到達するよう、四川及び
中西部地域のビッグデータ、クラウドの産業発展のための知識を送り込む。
 同時に、アリババビッグデータ学院では、アリババクラウドのACF基礎認証とACP
専門認証を導入する。ACF基礎認証、ACP専門認証はアリババクラウドが進めるグロ
ーバルビッグデータ人材認証計画であり、業界内では比較的高い認知度がある。認
証を持った人材を雇用することで、企業は高効率、確実、熟練したアリババクラウ
ドでの創造的なビッグデータの応用構築が可能である。
 同学院の関係者によると、学院は2018年から四大生の募集を開始し、大学入試の
出願状況により合格ラインを定め、第1期生は同年9月に入学する。第1期の大学院
生も2018年秋に入学する。
 2015年に恵科教育とアリババクラウド大学協力計画(AUCP、Alibaba Cloud University
Cooperation Program)を開始して以来、アリババクラウドはクラウドビッグデー
タの人材養成を続けてきた。現在、既に浙江大学、復旦大学、上海交通大学等を含
む全国の200高等教育機関とコース、養成等のさまざまな方法での協力を展開して
いる。
 このほか、グローバルビッグデータ人材認証計画を推進し、ビッグデータ人材の
ステップアップの全プロセスをカバーし、広く企業の認知度を得ている。
 今後3―5年で、中国は180万人のビッグデータ人材が必要と予想され、目下まだ1
50万人不足している。
〔中国網2017年5月24日〕