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米中貿易戦争と学習環境の悪化

米中貿易戦争 アメリカの大学は中国人留学生に依存

 中国人学生の多くがますますアメリカに学びに行っている。
 アメリカは中国人留学生が真っ先に選ぶ留学先だ。彼らは多額の学費を払い、最
高学府へと進む。アメリカの外国人留学生のうち中国人は3分の1を占める。
 しかし、アメリカ国内での外国人留学生を制限しようとするあつれきが、特に中
国人留学生に対し高まっている。米中二国間の貿易分野における摩擦がその原因の
一つとなっている。
 中国はアメリカに留学する学生への渡航警告を発出した。
 アメリカ政府は、特定の学生や学者層が知的財産権の盗取や国家安全を危険にさ
らす疑いがあるとしている。昨年、スパイ活動や知的財産権の盗取の懸念から、ア
メリカ国務省は幾つかの課程で学ぶ中国人学生のビザを短縮した。
 前週、中国教育部は、中国人留学生と学者向けに、アメリカへ留学する前にリス
ク評価の強化をするよう注意喚起を行った。アメリカでは、中国人留学生のビザ審
査期間の延長、有効期限短縮、ビザ拒否率の上昇といった状況が出ており、中国人
留学生の正常なアメリカへの留学あるいはアメリカでの学修に影響していると中国
側は見ている。
 アナリストは、目下の日増しに強まる貿易戦争の中でアメリカに圧力をかけるた
め、中国は学生がアメリカへ留学することを取りやめさせたいのだと見ている。
 中国政府の統計では、中国政府の奨学金を受けてアメリカに留学する学生のビザ
拒否率は、2019年第1四半期は13.5%だが、2018年は3.2%だった。この数字の増加は
顕著だが、アメリカへ留学する中国人留学生総数のうちのほんのわずかである。
 過去10年で、アメリカで学ぶ中国人大学生の数は2倍以上増加した。2017―2018
年度において、36万人の中国人学生がアメリカで勉強し、アメリカ学術機関の重要
な収入源になっている。
 2015年、外国から留学してきた学生の学費は公立大学の授業料収入の28%に当た
り、約3分の1は中国から来ており、かなり大きな収入となっている。
 中国の学生とその家庭の、アメリカ経済に対する貢献は持続的にふえてきている。
国際教育者協会(NAFSA)は、2017―2018年度、学費と生活費を含めて130億ドルに
達すると予測している。
 中国人学生にとり、アメリカへの留学は非常に魅力的な選択肢である。
 「中国の教育システムは諸外国ほどではないと中国の保護者は考えている」。
(ミシガン大学中国研究センター主任)
 なお、中国に留学するアメリカ人学生はるかに少なく、2017―2018年度は1万2000
人に満たない。
〔BBCリアリティーチェックチーム2019年6月13日〕

中国の小中学生の宿題時間 世界水準の3倍

 中国の小中学生の宿題をする時間は日本の3.7倍、韓国の4.8倍である。
 今年(2017年)になってから、「宿題をする」「子供につき合って宿題をする」
ことは大いに注目すべき教育問題となっている。
 発表された最新の「中国中小学宿題圧力報告」によると、中国では、保護者の
91.2%が子供につき合って宿題をした経験を持ち、そのうち、毎日つき合っている
保護者は78%にも達する。
 この報告は小中学人工知能教育プラットフォーム「阿凡題」で発表された。この
報告のサンプルは、プラットフォーム上の億近いユーザーとオフラインの百近い実
店舗ユーザーに由来する調査研究データである。
 過去3年間で、中国の小中学生が宿題をする時間は1日平均で3.03時間から2.82時
間に短縮した。そうだとしても、今年の最新データは依然として世界水準の3倍に
近い。例えば、同じアジアの国の中でも、中国の小中学生が宿題をする時間は日本
の3.7倍、韓国の4.8倍で、その他欧米の国と比べてその差は明らかである。
 特に注目すべきは、中国の一、二線都市と三、四線都市の子供は持っている教育
資源は異なるものの、宿題をするという問題の上では、「同病相哀れむ」と表現で
きることだろう。このうち、湖北省黄岡と上海の生徒の宿題をする時間は1日平均
で最長3時間を超え、全国トップに位置する。
 さらに、つき合って宿題をするのも親子関係の一大問題となっている。「宿題を
する」ことが原因で親子が対立したことのある家庭は75.79%だった。
 「することが多くて、一つの宿題をするとこれをやってあれをやってとなる」
「ぐずぐずして、半日かかっても幾つかの設問しかできない」「ばか過ぎて、何を
教えてもできない」は、多くの調査を受けた保護者が言うことだ。つき合って宿題
をすることは幸福感が下がる原因の一つになっている。
 このほか、学年が高くなればなるほど保護者がつき合って宿題をする時間は長く
なり、7%の中高学年の保護者は毎日つき合って宿題をする時間が4時間を超えている。
 宿題に束縛されるのはやはり先生である。報告によると、65.39%の中国の先生は
教壇から教えるのが好きだが、毎日40.37%の時間を宿題の添削に費やしている。
 「インターネット+教育」か、はたまた破局の道か、現在開発中の人工知能技術
による宿題添削ロボットが、教師を宿題の添削を繰り返す環境から解放するだろう
と報告では予想している。
〔中国青年報2017年12月22日〕