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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.315 2005年7月19日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:鉄道の電気化・高速化】
●北京―上海間鉄道電気化改造スタート 所要時間6時間に短縮
●鉄道来年6回目のスピードアップ  列車時速200キロメートルに

┏【自動車】
●中国の自動車の市場価格 世界の市場価格より約20%高
●中国の自動車輸出の急速な成長で黒字 外貨獲得手段へ

┏【国内政策】
●農村向け小口ローン業務を模索 郵政貯蓄資金の心機一転

┏【環境】
●黄河水質汚染調査 水質汚染による被害者は1.6億人

┏【社会】
●鄭和の故郷雲南で西洋航海600周年式典

┏【経済データ】
●外国為替(7月18日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:鉄道の電気化・高速化】…………………………………………………
●北京―上海間鉄道電気化改造スタート 所要時間6時間に短縮
 関心を持たれた北京―上海間鉄道電気化改造工事が1日、正式にスタートした。
 改造後の北京―上海間の列車運行は時速200キロになり、乗客線と貨物線が分
離される。北京―上海間の距離は1453キロメートルで、現在では最速の頭文字
「Z」の特急列車でも所要12時間近く必要だが、改造後は最大で半分に短縮され
る。

 調査によると、今回の改造工事は1年間をかけて現行路線に対して電力網を架
設して、電気化鉄道とする。それと同時に、通信、信号機、機関車システムに対
しても改造する。総投資額は40億元に達する見込み。
 改造工事期間中、北京―上海線の旅客運行列車は中断せず、工事は列車の運行
量の比較的少ない時間帯で行う。
 そのほか、改造完成後は二階建ての貨物輸送列車を運行して、物流量を増加さ
せる。

 また、先月、ドイツのボンバーディア社と南車四方社との合弁会社が鉄道部と
の間で時速200キロの電気化列車車輌20台を中国に提供することに合意した。
 この合弁会社は昨年も鉄道部と高速列車車輌20台、総額7億ドルの契約に締結
している。

 これらの時速200キロメートルに達する高速列車は、北京―上海間、北京―瀋
陽間など5つのスピードアップ改造路線に投入される見込み。〔新京報7月2日〕

●鉄道来年6回目のスピードアップ  列車時速200キロメートルに
 中国全国の鉄道は来年6回目のスピードアップを実施する。今年10月に予定し
ていたスピードアップは技術的な原因で実施しない。

 鉄道部関係者によると、全国鉄道の第6回目スピードアップは来年4月か10月に
実施する見込み。今年は準備期間に充てる。
 第6回目のスピードアップは、北京―ハルビン、北京―上海、北京―広州、連
雲港―西寧、蘭州―ウルムチ、青島―済南、武漢―九江、浙江省杭州市―江西省
株洲市などの路線で実施する。

 スピードアップ後、列車の時速は200キロに達する見込み。
 例えば、北京から上海に着くT109号列車を例にすると、現在の運行時間は13時
間32分であるが、北京―上海間の距離を1453キロとして計算すると、第6回目の
スピードアップ実施後は北京から上海までの所要時間は7時間余りしかかからな
いことになる。

 先日、鉄道部の胡亜東副部長が鉄道部党校に出向き、第2次試験に参加する60
人の優秀な運転手に対し、来年の時速200キロ列車の運行開始及び第6回目のスピ
ードアップを円滑に実施するために努力するよう激励した。

 全国鉄道における第6回目の広範囲スピードアップ後、時速120キロ以上の路線
距離は22000キロ余りに達し、そのうち5300キロ余りは時速200キロに達するとい
う。

〈過去5回の鉄道スピードアップ〉
 第1回スピードアップ、1997年4月1日
 第2回スピードアップ、1998年10月1日
 第3回スピードアップ、2000年10月21日
 第4回スピードアップ、2001年11月21日
 第5回スピードアップ、2004年4月18日
〔北京娯楽信報7月7日〕

……【自動車】…………………………………………………………………………
●中国の自動車の市場価格 世界の市場価格より約20%高
 東風自動車有限公司(以下、東風有限)の中村克己総裁が中国の自動車の市場
価格動向を予想した際、中国の自動車の市場価格は世界市場価格より約20%高く
なっていると述べた。

 中村総裁によると、昨年、一部の自動車が15%近くに値下がったが、目下の中
国の市場価格は相変わらず高いという。
 東風有限が生産したティーダの12―16万元というのは、日本の市場価格と主に
税金部分での差異が生じているという。日本の市場価格には税金が含まれていな
いが、中国の価格には12%以上の税金が含まれているため、日本の市場価格は中
国の市場価格より低くなっている。
 車の部品の面から見ると、中国の自動車には天窓、バックミラーあるいはその
他類似のものが必要であるが、それらは日本のティーダにはないものである。
 したがって、総合的に言うと、中国市場におけるティーダの価格は日本市場価
格より低い。このような状況のもとでは、自動車製造メーカーに言わせれば、値
下げが難しいというよりその意味がなくなっているという。

 中国と日本の自動車のコストの比較について、中村総裁は、材料におけるコス
ト構造から見ると、税金の関係で中国は日本より高く、人件費コストなどは中国
は日本より安くなると述べている。
 当面、自動車製造業で普遍的に直面している原材料価格値上がりの難題をいか
に対応するべきかについては、中村総裁は、乗用車についていえば、東風有限に
は2つの方法があると説明している。
 一つは現地化である。一部の特殊部品は依然として輸入に依存するしかないが、
現地部品の完成車に占める比率がふえれば、車自体のコストが下げられる。
 もう一つは、技術コストの削減である。東風有限の目標は、一歩ずつの努力を
通して、3年以内で原材料値上げによる影響を半減させるという。
〔毎日経済新聞7月6日〕

●中国の自動車輸出の急速な成長で黒字 外貨獲得手段へ
 中国の自動車輸出の急速な成長に伴い、自動車商品貿易では貿易黒字発生が常
態化している。

 税関統計データによると、中国の自動車商品貿易は今年の第1四半期の貿易黒
字が12.67億米ドルになって以後、4月も引き続き貿易黒字4.41億米ドルとなり、
この4カ月で17.08億米ドルまで増加した。
 中国自動車商品貿易が初めて黒字になったのは昨年第4四半期であり、貿易黒
字額は7.42億米ドルになった。そして、自動車工業の水準向上に伴って、自動車
商品の貿易黒字は常態化した。

 税関統計によると、今年1―4月で、全国の自動車商品の累計輸出入総額は93.48
億米ドルとなり、そのうち輸入総額は38.20億米ドルで前年同期より27.31%減少
し、輸出総額は55.28億米ドルで前年同期より56.81%増加し、貿易黒字は17.08億
米ドルとなった。
 そのうち、累計輸入完成車は3.62万台で前年同期より44.19%減少した。累計輸
入額は11.72億米ドルで前年同期より42.25%減少した。累計輸出完成車は10.1万
台で前年同期より4.1倍近く増加し、輸出により3.67億米ドルの外貨を獲得し、
前年同期より1.7倍近く増加した。

 吉利、哈飛、奇瑞といった中国自主ブランド自動車は既に輸出の主力となって
いる。そして、吉利、奇瑞といった企業は海外に組み立て工場を設立し、中国の
自動車輸出台数はまた大幅に成長する見通しである。
 記者の取材によると、目下アフリカ等の幾つかの発展途上国だけではなく、ア
メリカ、ヨーロッパ等の先進国も中国の自動車輸入をする予定があり、ロシアで
は中国自動車熱まで起こっているという。

 完成車を除き、中国のエンジン、部品、タイヤ、関連製品の1―4月の輸出の増
加幅は著しく、輸入は下落傾向にある。
 4月1日より「完成車の特性を有する輸入部品の管理弁法」が正式に実施されて
から、この勢いはさらに顕著となった。したがって、完成車輸出は大幅に増加し、
完成車及び部品輸入は減少し、中国の自動車商品貿易黒字を常態化させる可能性
がある。〔東方早報7月7日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●農村向け小口ローン業務を模索 郵政貯蓄資金の心機一転
 北京市郵政貯蓄局は現在、農村から集めた資金を農村へ還元する方法をさらに
思案している。利益を享受するのは、北京市郵政貯蓄局と北京市郊外の農民だ。
 同局は二つの手段を用いていることから、「両てんびんにかけている」と言わ
れている。一つは、農村信用社との協同貯蓄業務、もう一つは、現在申請中の農
民向け小口ローン業務だ。

 7月11日に、資金運用部と業務部に小口ローンの申請について取材したところ、
現在申請中でまだ認可は下りていないと回答があった。
 しかし、北京市郵政貯蓄局と農村信用社が取り扱う貯蓄業務については、早く
から相当な規模で行われている。
 王明齋・北京市郵政管理局公共服務処副処長は、「北京の郵便貯金のうち、農
村から集めた資金は110億元に上る」と説明する。北京市郵政貯蓄局は2004年、
農村信用社へ20億元の協同貯蓄資金を提供。2005年には、農村信用社の与信限度
枠と需要に基づき、協同貯蓄資金をさらに充実させるという。

 先日、北京市郵政貯蓄局が開催した「グリーン郵便サービス「三農」」始動会
議の席上で、北京市郵政貯蓄局は農村郵政サービスの向上、農村への郵政資金還
元の促進に向けた6つの取り組みを紹介した。
 このうち、最も革新的な意味があったのは、郵政部門が既に農村小口ローンを
開始する前段の準備を完了させているというものだった。
 北京市郵政貯蓄局のこの方法は、確かに非常に革新的な意味がある。しかし、
農村向け小口ローンに着目した理由は何か。その原因を究明してみると、郵政貯
蓄局はやはりそうするしかなかったことがわかる。

 現行の国の関連規定による、郵便貯金資金は貯蓄のみで貸し付けは行わないと
いう態様は、今もなお変更されていない。
 一方、歴史的経緯から、これまで郵政局は農村から集めた預金を中央銀行へ再
預金していた。中央銀行の利息は預金利息より高利だったため、郵政は努力せず
して安定的な利差収益が得られた。
 ところが、中央銀行は2003年8月1日から、郵政貯蓄局が中央銀行へ再預金する
新規預金部分については、金融機構の準備預金利率で利息計算することを規定。
この措置が、郵政貯蓄資金運用の態様に重大な影響を与えた。
 郵政貯蓄局が募集した預金をさらに中央銀行に再預金しても、一定額を超過す
る部分については収益がなくなるだけではなく、逆ザヤになりかねなくなった。

 中央銀行が、この準備預金枠の超過額に対する利率を1.62%から0.99%へ引き下
げたことで、郵政貯蓄が中央銀行に再預金する動機づけは皆無に等しくなった。
 現在、投資手段は縮小傾向にあり、郵政貯蓄の巨額資金は国債投資や協同貯蓄
以外、運用手段がほとんどない。さらに、最近発行される国債の収益は断続的に
下落し、既に底値と言える域に達し、潜在的なリスクが高まっている。したがっ
て、確かに小口ローンは悪い選択ではない。
 事実、監督部門も、たびたび郵政資金の運用はある程度市場化することが必要
であると述べ、北京市郵政貯蓄局が現在模索しているところだ。

 四大国有商業銀行が相次いで農村から撤退して以来、農村信用社は農村金融市
場でほとんど唯一の貸し付け機関となった。間違いなく、ある種の独占状態とな
っている。このような状況で、北京市郵政貯蓄局が正式に小口ローンの認可を取
得すれば、中国の農村金融のあり方に大きな影響を与えるだろう。
 ある農村信用社の社員は、「郵政貯蓄が小口ローン業務を実施するとしたら、
それは農村信用社に対する挑戦だ。しかし、競争が導入されることは農村金融サ
ービスの向上に利する」と話し、「やはりよいことだ。競争のないところに発展
はない。リスクヘッジが最も重要だ」と述べた。〔第一財経日報7月12日〕

……【環境】………………………………………………………………………………
●黄河水質汚染調査 水質汚染による被害者は1.6億人
 5月下旬、甘粛、寧夏、陝西のなど省・自治区の黄河両岸を取材し、黄河中
流・上流の水質汚染の現状と、日に日に危機が迫っている状況を目撃した。
 都市工業化につれて、黄河流域の汚染は点と面の両面で汚染されており、生活
汚染と工業排出は垂れ流し状態で、各種の新旧汚染とその二次汚染によって複合
汚染となり、黄河汚染の状態は淮河よりひどくなっている。
 黄河の汚染は西北と華北の約1.6億人の都市と農村に大きな悪影響を与えてい
る。被害が最も深刻なのは農業で、農村と農民である。

〈工業化の代償 汚水が農地に〉
 青海から甘粛、寧夏を通って内モンゴルに至るまでには、黄河沿岸のエネルギ
ー、重化学工業、非鉄金属、製紙などの高汚染工業企業が林立しており、汚水排
出量は年々増大している。
  汚染処理がひどく停滞しているため、汚水処理率は低く、多くの企業は排出
基準に達していない。一部の企業では隠れて汚水を排出しており、何度禁止命令
を出してもなくならない。
 毎年黄河に流入している排出汚水量は絶えず増加している。国家の西部開発プ
ロジェクトが加速するに伴い、旧式の高汚染がまだ徹底的に管理されていないの
に、西部では新しい高汚染プロジェクトが着手されている。何社かの東部汚染企
業が次々と西部へなだれ込み、黄河の汚染情勢を激化させている。
 2004年の「中国環境統計年報」によると、黄河流域での排水排出量は39.5億ト
ンで、2000年に比べて13.8億トン増加している。主要汚染物質であるCODの年間
排出量は全国総排出量の13.3%を占めている。

 黄河上流の寧夏かんがい地域の農業用の水源は、ほとんど黄河からのものであ
る。ここ数年、寧夏と上流地域に高エネルギー、高汚染の企業が次々とでき、生
産が始まっている。このため、大量の排出基準を満たさない工業排水が直接黄河
の支流に排出され、一時はかんがい面積がほぼ汚水かんがいになってしまってい
た。
 工業汚染は水を汚染し、汚染された水は農業の生育環境を破壊している。黄河
流域では、農作物の収穫が汚水かんがいによって激減しており、時々収穫が全く
ないということさえもある。
 昨年、山西省介休市松安村の汚染された汾河によるかんがい地で、200ムーの
トウモロコシとポプラが全滅した。
 2002年には、青海省海東地区平安県東庄村の100ムー近い小麦が汚染された湟
水によって、無残にも全部枯れてしまった。「湟水でかんがいしているところで
は、水が多いときは水をたっぷりやっているが、水が少ないときに田畑に水を入
れると、苗は必ず枯れてしまう」と村民は言う。

 水利部黄河委員会の専門家による推計では、今のところ、黄河地域の黄河によ
るかんがい面積は1.1億ムーで、黄河からの水の使用が90%を占めている。
 黄河の水質汚染で農作物の品質が下がるだけではなく、一部の耕地ではかんが
い排水事業施設が使えなくなり、農業損失は最高で年間33億元にもなっている。

〈役に立たない汚水処理場〉
 現在、黄河流域の8省には汚水処理場が25あり、1日の処理能力は217万トンで
あるが、実際の1日処理量は86.8万トンである。流域内都市の生活汚水処理率は
わずか13%で、全国平均水準より13ポイント低い。
 甘粛省環境保護局の趙偉民局長によると、黄河が流れる唯一の省都である蘭州
市でも、現在下水道普及率は12.2%にすぎないという。
 小規模の汚水処理と収集能力は、日に日に増加する都市の汚水処理に対応でき
ていない。このため黄河沿岸には汚染物質の排水管、排水溝がすき間なくつくら
れており、大量の生活排水は直接黄河に排出されている。

 調査によると、黄河流域都市の汚水処理場の建設と運営は停滞している。
 1つ目の原因は、黄河流域内の圧倒的多数の地方政府が汚水処理場を積極的に
建設しようとしていないことである。
 2つ目の原因は、汚水処理場の市場化構造の推進が遅いことである。黄河流域
都市の汚水処理費用の徴収は遅く、徴収地域も狭い。一部地域では全く徴収が行
われていない。
 3つ目の原因は、都市の多くの汚水処理場における管理ができていないことに
ある。実際の処理能力は設計時の要求を満たしておらず、排出されている水の水
質は基準に達していない。一部の汚水処理場は事実上は汚染物質排出場になって
いる。

 陝西省渭南市は渭河の最下流に位置する都市で、渭河はここから黄河に入る。
 渭南市は1.2億元をかけて城東汚水処理場を昨年の初めに建設している。しか
し、運営維持費が不足しているため、1カ月の試運転だけでその後ずっと運転を
停止している。
 市街区では毎日5万トン近くの汚水が排出され、汚水処理場に集められている
が、依然として処理されることなく河川に排出されており、汚水処理工場は全く
役立っていない。

〈黄河の水の深刻な被害〉
 今ちょうど黄河上流の沿岸では田植えが終わる季節を迎えようとしている。し
かし、甘粛省白銀市四竜鎮民楽村の村民は、毎日自分の田んぼを見ながら焦って
いる。
 民楽村とその周辺の金山などの幾つかの村の村民は、先祖代々は黄河の水のか
んがいを使っている。しかし、村民はもう泣く涙さえなくなってしまっている。
 この2年、水を入れると苗が枯れてしまうのである。
 5月下旬、村民たちは既に今年3回目の田植えをしている。前の2回はすべて枯
れてしまったのだ。

 田んぼに注がれる白い泡がいっぱいの水を眺めながら、民楽村の村民の王太良
さんは、米はこれまでずっと食糧と経済の源であったが、この数年、米はできな
いと話す。
 村のある農家は池を掘って魚を養殖していたが、昨年の秋、黄河の水を引くと
魚が全部死んでしまい、10数万元損害を受けたという。魚の養殖もうまくいかず、
米もだめで、私たちはどうやってに生きていったらいいのだろうか?と王太良さ
んは言う。

 黄河が蘭州から白銀に入ると、白銀の市街区には製錬、焦化、化学工業のなど
の企業が大量に集まっており、さらに生活排水が流れ込み、白銀市の四竜鎮、北
湾郷、靖遠県を流れ、10数カ所の村落に影響を及ぼしている。
 現地の村民は黄河の水をかんがいに使用しているだけでなく、簡単に沈殿物を
除去しただけの黄河を、直接飲用水として使っている。黄河の水で煮炊きした鍋
には、いつも白色の硬い塊がある。水を飲んだ後によく下痢をしたり、頭痛がし
たりする。水はしょっぱく、毎週いつも決まった日には、家の水がめ中の表面に
は、油が漂っている。村人は雨水を好んで飲んでいると、靖遠県大蘆郷庄口村の
村民の段興平さんは話す。

 靖遠県大蘆郷の診療所の外来診察部に取材をしたところ、大蘆郷の黄河の水が
飲まれている一部の村落では胃と腸の疾病と頭痛は非常によくある病気であるが、
病因を探し出せない奇病がもっと多いという。
 飲用水と関係があることは間違いないが、水質を検査測定したことがないとい
う。普通、調べてもはっきりしない頭痛は風邪薬、下痢は治るまで抗生物質を飲
んでいる。
 大蘆郷の医師である馬克俊さんは、黄河沿岸で直接黄河の水を飲用水としてい
る地域は、各種の奇病になる確率が高い危険地域になっているという。
 ここ数年、水環境の汚染により、山西省臨猗県牛杜村では、40―60歳の年齢の
村民の間で脳血栓、半身不随、がんの人数が年々増加している。水源が汚染され
ているため、昨年6月まで奇病で死亡した人が42人に上り、現在奇病を患ってい
る者は28人だと村民が出した1通の訴状の中にはあった。
 白銀市四竜鎮金山村の中心小学校の生徒である王永勝さんは、クラスの28人の
男子児童のうち、20人の男子に白髪があると話す。多くの同級生は彼と同じよう
にいつも腹痛と頭痛に悩まされている。

 農民が黄河の汚水による被害に遭う一方、過度の化学肥料、農薬の使用といっ
た農村由来の汚染は、黄河の水質環境汚染でも最も管理が難しいものになってい
る。
 中国科学院の朱兆良院士は、将来数年のうちに有効な措置がとられなければ、
農業と牧畜業の招いた汚染源は、はっきりと水質汚染の原因であることを示すこ
とになるだろうと話す。

 一本の黄河に、多くのエゴが交錯する。下流は管理に忙しく、上流は汚染物質
排出に忙しい。主流のコントロールは厳しく、支流の汚染物質排出は簡単――。
 5月に黄河の中流・上流と支流の取材してわかったことは、これらの現象はあ
たかも負の循環と化し、流域内の汚染対策の効果を牽制しているということだっ
た。
 取材した環境保護、水利の専門家と地方政府の主管幹部の一部だけが、黄河流
域に「調和のある汚染対策の構造」をつくり上げて、本当に「清らかな」黄河を
とりもどそうと呼びかけているのみだった。

〈下流では管理 上流では汚染物質排出〉
 陝西省武功県の東方紙業グループは現地の最大製紙企業で、現地の最大工業汚
染源でもある。2005年5月、国家環境保護総局は「東方紙業グループ会社による
渭河汚染」を最初の環境違法事件として検挙した。
 5月中旬、武功県を取材したところ、渭河の水は依然と全く変わることなく真
っ黒であった。武功県内には渭河に注ぐ渭恵渠と漆水河の臭気が物すごい。数里
の間にはすべて泡が浮いており、泡が水面の1メートルぐらいにまでなっている
ところもある。

 流域の民衆によると、東方紙業グループが強制管理で生産を停止した後は、武
功県内の製紙工場の汚染はかなり軽減している。しかし、上流の宝鶏市の製紙企
業が引き続きこっそり汚水を排出しているという。
 武功県環境保護局の徐耀華局長は、上流の宝鶏市の水質汚染問題については、
過去何回も上級主管部門と宝鶏市関連部門を通じて話し合ったが、効果は非常に
少ないという。
 徐耀華局長は「県内の水源は真黒で臭く、民衆は不満を訴え、上からも圧力が
かかって、環境保護部門は間にはさまれて大変なんです。誰も悪く言われたくな
いんですよ。私も水をきれいにしてほしいと思っています。でも、武功県の環境
保護局局長にすぎない私一人の力では、宝鶏市に行って話し合っても何の解決に
もならないんです」

 蘭州市の馬〓明副市長は取材に対し、蘭州市内の工業排水と生活排水が黄河を
汚染している問題については、政府は全力を上げて話し合っている。問題は徐々
に解決しており、効果は比較的明らかだという。
 しかし、上流の湟水河については、長期にわたって水質の悪い「4類水」の問
題があり、どのように処理するべきか、政府はとても手を焼いているという。

〈同じ汚染監視測定でも異なるデータ〉
 汚染対策はまず汚染源をはっきりさせなければならない。しかし、取材によっ
て、水利部門と環境保護部門の2大部門が発表している黄河汚染監視測定データ
は完全に異なることが判明した。

 国家環境保護総局の2004年「中国環境統計年報」の数字では、黄河流域の排水
排出量は39.5億トンで、そのうち工業排水は全体の約40%で、生活排水は約60%で
ある。
 しかし、水利部の2004年末「黄河の汚染物質排出総量制限に関する意見」では、
「黄河流域の汚水排出量は年間42.7億トンで、そのうち工業排水は全体の約69%、
生活排水は約31%である」としている。
 両者を比較すると、工業排水と生活排水の割合に大きな差がある。このように
それぞれが制定している黄河管理管理計画案の重点に違いが存在する。

 黄河は1本の川であるのに、データがいろいろある。一体どれを基準とするべ
きなのだろうか?。このことについては、取材した専門家たちも意見がまとまら
ない。
 意見が一致していることは、国家は黄河流域内の水質汚染に対し、部門を統一
して関連データを監視測定、管理、発表するべきであり、担当部門は部門の利益
を捨てるべきだということである。

〈流域問題は総合管理が必要〉
 現在、黄河流域内の汚染は徐々にひどくなっており、行政地域をまたがる水質
汚染問題は大きな問題となっている。どのように地域経済社会の発展と黄河流域
の資源の持続的利用を全体的に考えていけばいいのだろうか?。
 それについて、現場の環境保護関係者は、国家が水質環境についての計画と法
制定を強化し、流域全体の管理を考慮し、治水対策を統合、監視管理を統一して、
調和のとれた解決を図り、地域管理から流域管理へと格上げし、現在発生してい
る部門同士のエゴの交錯、法的措置の分散といった問題を解決することだと提案
している。

 黄河の汚染対策の中で存在するさまざまな対立や牽制に対し、取材した一部の
環境保護、水利と水質環境の専門家は、「調和がとれた汚染対策メカニズム」の
処方せんを指摘している。
1) できるだけ早く「黄河法」を制定し、黄河流域の水資源保護と汚染予防対策
 の合理的なメカニズムを確立し、法律に基づいて黄河を上手に管理し、「水質
 汚染対策法」などの関連法律の不完全部分を改正する。
2) 統一された汚染監視測定、管理、情報発表システムを確立し、多くの部門の
 利益誘導型のエゴの交錯や、監視管理の不備を防ぐ。
3) 川に流入している汚水総量のコントロールする制度、省、市、県境界線断面
 での水質、水量の双方からコントロールする制度をつくり、黄河の水環境保護
 の統一的な監視管理を強化し、総量コントロール指標や、水質、水量指標の審
 査制度を導入し、特に境界線断面での水質、水量の監視測定、審査に力を入れ、
 地方政府の政治的業績審査指標に組み入れる。
4) 一般市民が参加できるメカニズムにして、政府と企業への圧力をふやし、違
 法汚染物質の排出に対して効果的に制裁を加えると同時に、環境参入許可及び
 淘汰制度を強化して、工業汚染に対する予防対策を増大させる。
5) 資金投入が有限である状況では、優先的に上流の汚染対策を行い、秩序をも
 って有効に汚染対策を行い、一つを解決すれば必ず一つが好転するようにし、
 ばらまき行政や「大金を使って少ない効果」ということにならないようにする。
〔新華網6月28日〕
注)〓は、「埼」のつちへんがおうへんになったもの

……【社会】………………………………………………………………………………
●鄭和の故郷雲南で西洋航海600周年式典
 雲南省の白恩培党書記と徐栄凱省長が昆明体育館で大きな真紅のシルクの布を
ゆっくりと開き、そこに世界の有名な航海家であり外交家であった鄭和の銅像が
あらわれると、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、マレーシアの5カ国の昆
明総領事と民衆から激しい拍手が起こった。
 鄭和の西洋航海記念日と中国航海日にはまだ3日あるが、雲南省は、鄭和の精
神を振り返り、人々が鄭和の精神で現代化建設を早め、雲南と東南アジア、南ア
ジアの協力を強めることを促すことを大会の趣旨とする記念大会を盛大に開催し
た。

 600年前、鄭和率いる空前の規模の遠洋船隊は平和の使命を背負い、広い海上
を航海し、中国から西洋に向かった。
 マレーシア駐昆明総領事は、東南アジア、南アジア各国は鄭和を単なる伝説上
の人物として見るのではなく、鄭和の勇気、英知、勤勉さは中国人特有の優秀さ
であり、鄭和が体現した精神は依然として中国の現代外交政策の柱の一つであり、
各国の人々が学ぶに値すると述べた。

 鄭和の故郷として、雲南省は今年、鄭和の西洋航海600周年を記念する一連の
活動を行う。
 例えば、「鄭和と海」大型ミュージカル制作、人的物的な鄭和公園の改造、鄭
和銅像の再製作、「鄭和史詩」大型画集の編集出版、鄭和の功績展の開催、全国
有名作家の書画展、切手収集展、テレビ特集「雲南人鄭和」「少年鄭和」の映像
化等々である。〔新華網7月8日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行7月18日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.3804  827.65  106.4    1000.54
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――ど忘れ》
 ボランティアの翻訳者から中国語を日本語に翻訳した原稿をいただいてから、
編集の段階で字遣いや体裁をそろえるほかに、語彙の選択をし直すこともよくあ
ります。
 今回も、原稿の中に出現する「天窓」という言葉について、自動車の天井にあ
る窓のことを指しているのだろう、自動車の用語としてほかに単語があるはずだ、
それを修正しようと思いつくまではよかったのですが、ど忘れしてしまい、結局
「天窓」のままとしてしまいました。
 もともと運転することが好きで、以前体育会系のガソリンスタンドでアルバイ
トをしたことがあったので、それほど自動車には詳しくないわけではないと思っ
ていたのですが、言い訳なんですが、思い出そうと思えば思うほど思い出せない
ものです。そして、そういうときに限ってサーチエンジンにかけるための何か都
合のいいキーワードも思いつかないのでした。
 それでもとりあえずグーグルで調べたり、自動車会社のホームページに飛んで
言葉を探してみたのですが、最近の自動車は天井に窓があるということを売り物
にしているわけではなく、それに合致するものを見つけることができず、さらに、
いつもならチャットを立ち上げているので、チャット上の人に聞いたりもするの
ですが、今回はそれもかなわず、時間切れとなってしまいました。
 思い出せずにとても悔しかったので、自動車に詳しい方で寛容な読者様がいら
っしゃいましたら、こっそり答えを教えてくれさればうれしいです。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 杉下薫 戴小芳 アヤ 平井玲子 郭暁楠
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