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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.298 2005年3月22日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:国内環境課題と解決への努力】
●中国象牙貿易を禁止
●中国石炭埋蔵量はあと40年 持続可能なエネルギー戦略は必須の情勢
●貴州省西部の石炭燃焼がもたらす健康被害 下

┏【IT産業】
●2004年中国PCランキング 聯想トップで方正が迫る
●IDC 2009年中国リナックス市場成長率23.9%

┏【教育】
●北京の大学でネットゲーム専攻を設置 今年正式に大学生の募集へ

┏【経済データ】
●外国為替(3月22日)

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……【特集:国内環境課題と解決への努力】…………………………………………
●中国象牙貿易を禁止
 外交部スポークスマンの劉建超氏が15日に開催した定例記者会見によれば、中
国は、危機に瀕する動物の保護を重視しており、「絶滅のおそれのある野生動植
物の種の国際取引に関する条約」において1991年より象牙及び象牙製品の国際貿
易を全面禁止された後、いかなる商業的な象牙輸入一律に認めていない。

 劉建超氏によると、中国は1981年より「絶滅のおそれのある野生動植物の種の
国際取引に関する条約」(ワシントン条約)加盟国になって以降、一貫してその
責任を果たしている。中国国内では象牙貿易を厳格に禁止しており、中国では野
生動物の保護に努め、国際社会の同意を得ている。
 国家林業局森林公安局森保処の張立保処長によると、中国の刑法では密輸、非
合法な買い付け、輸送、象牙及び象牙製品の販売の犯罪行為に対して厳しい刑事
的処罰を行っている。

 1997年以降、ワシントン条約が一定条件における象牙貿易を許可した影響で、
海外の密輸業者が暴利を得るため、中国を象牙密輸地としたため、象牙及び象牙
製品の密輸、販売は中国の一部地域で突出して増加する結果となってしまった。
 中国においては、石、玉、木、竹とともに、象牙彫刻は伝統技術として存在し
ている。しかし、1989年ワシントン条約より、アフリカゾウ及びアジアゾウが貿
易禁止動物に入って以降は加盟国として象牙貿易を全面禁止していた。

 2004年5月、中国は国内市場に流通している象牙製品に統一的なマークを使用
することを義務づけ、象牙原料及び象牙製品のデータベースに対する情報システ
ムを構築し、追跡管理を可能にし、非合法的な象牙材料及びその製品が合法流通
ルートに混入することを防いでいる。〔新華網3月15日〕

●中国石炭埋蔵量はあと40年 持続可能なエネルギー戦略は必須の情勢
 「火力発電の電力生産に占める比率が高過ぎる。我々の現在の発電構造の火力
発電依存は深刻だ」。中国水力発電工程学会の毛亜傑副秘書長は記者に述べた。
 現在、中国電力構造のうち火力発電の比率は70%を超えている。経済の高速発
展に伴う強力な電力需要は石炭、電力双方に耐えがたい重荷となっている。

 統計によると、2003年全国原料炭生産量は17.35億トンで前年比24.6%増となっ
た。2004年の1―10月までの中国石炭生産量は15.7億トンに達し、前年同期比約
19%増となった。年間生産量は20億トンに達するものと見られる。
 この数字は現在世界トップにある。しかし、この状況にあっても依然として需
要を満たすことができないのだ。
 2004年4月の石炭備蓄量は9800万トンで、ここ20年来最低水準となった。5月末
においては、発電所に直接供給する石炭備蓄量はわずか約8日分にすぎなかった。
 生産維持のため、4カ所の発電所は石炭を探し求め、発展開発委員会、交通部
は相次いで車を使って石炭を調達、また調達車両増発といった措置で電力石炭供
給を保障した。
 このような状況が発生した背景は、中国石炭の60%は発電に使われているとい
うことに起因している。

〈石炭は40年使用できる〉
 中国電力企業連合会のハイレベルエンジニアである沙亦強氏によると、世界に
おいて国家経済発展をこのように石炭に依存している国は少ないという。世界銀
行の1995年の統計によれば、世界中で消費される石炭3トン中の1トンは中国で燃
やされている。
 巨大な生産圧力を前に、石炭、電力双方は受動的に生産されたことから、近年
鉱山事故を絶え間なく引き起こしている。2004年11月の陝西銅川ではここ40年来
の死傷者が最も深刻な鉱山事故が発生した。

 ここに、理解しがたい数字がある。現在、全国炭鉱の平均資源回収率はわずか
30%前後にすぎない。小型炭鉱や郷鎮炭鉱の回収率はわずか10―15%にすぎない。
しかし、火力発電所に供給する石炭消耗比は国際先進水準の27%強である。
 石炭発電は、資本や労働力等を投下して量的拡大を図ろうとする粗放・外延型
成長方式を増大させる状況に陥っている。

 2005年初め、秦皇島で行われた石炭価格設定会議において、石炭、電力双方が
石炭価格をめぐって激しくしのぎを削ったが、石炭、電力関係が順調でないこと
は、中国の石炭、電力事業が瀕している最大の問題というわけではないかもしれ
ない。

 中国電力企業連合会のハイレベルエンジニアである沙亦強氏は懸念しているこ
とは、最新の統計では、中国で使用可能な石炭総埋蔵量は1900億トンで、仮に2004
年に統計数字にある19億トンを維持すれば、100年の埋蔵があるという。
 しかし、仮に現在の40%に到達しない資源回収率を換算すると、実際には毎年50
億トンの石炭が消耗されているということである。このような計算では、1900億
トンの石炭もわずか40年前後しか使えないことになる。
 2050年に石炭を使い果たすということがどういうことなのかを想像することは
とても難しいが、決して驚かせているということではない。

 石炭、電気双方における価格競争が終わらない中、中国石炭に関する調査報告
書――「中国石炭都市採掘陥没災害及び予防対策研究」が中央及び国務院に報告
された。
 報告によると、2004年12月3日現在までの全国炭鉱累計採掘陥没は70万ヘクタ
ールを超え、そのうち重点炭鉱の平均採掘陥没面積は、石炭面積を含む鉱区の10
分の1である。
 専門家の予想では、現状の条件のままでは年産20億トンが限度であり、2020年
で石炭は欠乏するという。中国の電力能力は単に石炭自体で既に突破口を見出せ
ないでいるということから、新しい代替エネルギーを探すことが求められている。

〈水力発電が主役に〉
 水力発電の発展はこの種の困難を突破する重要な手段であり、毛亜傑副秘書長
によれば、東低西高の独特な地形は中国に巨大な水資源を涵養していることから、
これが現在再生可能なエネルギーの主役であるという。
 統計によると、中国の水力発電技術の開発可能な設備の最大容量は3.9億キロ
ワット前後である。しかし、現在わずか1億キロワットに達しない量しか開発さ
れておらず、その開発潜在力は大きい。
 そして現在、世界の多くの先進国、特にスイスでは60%の電力を水力発電に頼
っている。

 毛亜傑副秘書長は楽観的に考えている。現在中国の電力総最大容量は4億キロ
ワットに達しないが、仮に水力発電を開発することで基本的な需要を満たすこと
ができれば、現在の火力発電の逼迫した状況を最大限和らげることができる。
 かつまた、水力発電価格の傾向は徐々に低くなっており、火力発電が徐々に上
昇しているのとは完全に相反している。
 現在、水力発電は電力価格バランスの最も重要な要素でもある。電力ネットワ
ークの統計分析によれば、電力ネットワークの主な利潤は水力発電から来ている
ところが少なくないからである。

 水力発電発展の問題点は周期が長いことである。したがって、戦略的な先見性
が求められ、少なくとも5年以上前から見ていなければならない。
 毛亜傑副秘書長によると、ここ2年の水力発電の発達は目覚ましいが、1990年
代の発展は緩慢であった、1992年から1998年までの間、毎年わずか1、2の10万ガ
ロンの水力発電プロジェクトが行われたにすぎなかったという。
 2000年に至って、発展開発委員会は水力発電の構想についてやっと意思を明確
にしている。

 転ばぬ先のつえの機会を逸し、現在電力使用のピークを迎え、火力発電の発展
が必須の選択になっている。これはまた石炭発電の一連の問題を引き起こしてい
る。
 「広西龍灘水力発電所の、400万キロワットの容量のものを1997年の段階で施
工条件を持っていればよかったが、しかし、押さえ込まれてしまった。もし、建
設されていたら、現在、広西の電力使用ピークに間に合っただろう。このような
電力発電所は、我々は幾つも挙げることができる」毛亜傑副秘書長は残念そうに
語る。現在は空想で自分を慰めるしかない。

 中国電力企業連合会のハイレベルエンジニアである沙亦強氏は、水力発電の発
展が必須だと述べている。
 しかし、専門家の予測によれば、中国は初歩的な近代化の実現が求められてお
り、少なくとも一人当たり1キロワットの電力が必要である。2002年に15億人の
人口があるとすると、15億キロワットが必要である。
 このデータを見ると、水力発電をたとえ全部開発したとしても、焼け石に水な
のである。

〈持続可能なエネルギー戦略が必須〉
 このような結論は悲観させられるが、実際には、中国電力にはそのほかの選択
肢が存在する。

 2004年、中国の電力の広大な面積でまさに風雲急を告げるとき、発展改革委員
会エネルギー局職員、電監会職員、電力企業代表者、電力専門家が集って「科学
電力発展観」討論会がひっそりと開催されていた。そして、政府職員、学者はこ
の会議において電気エネルギーの逼迫状況を突破する状況を明確に描いていた。

 広東原子力発電集団の丁震行計画発展部所長はこの会議において、原子力発電
の積極的な発展は必然の選択だと表明している。
 毛亜傑副秘書長は、水力発電、原子力発電の相互補完は、今後の電力の優良な
選択であると考えている。

 そして、国家発展改革委員会エネルギー局新エネルギー及び農電処の史立山処
長は再生可能エネルギーの開発に対して大きな期待を寄せている。風力エネルギ
ーはそのうちの重点プロジェクトである。
 中国の20%の土地には豊富な風力資源が存在し、陸上の開発可能な最大容量は
月2.5億キロワット、海上風力エネルギーは7.5億の最大容量があり、開発可能容
量は10億キロワットにも達する。このような大きな容量は、国外の多くの専門家
をうらやましがらせているのだ。
 バイオマスエネルギーも専門家の注目を浴びている分野である。エネルギー大
国として、中国はエネルギー使用可能な農作物の脱穀した後の作物の茎だけでも
3.5億トンあり、その総量は5億トンの標準炭に相当する。

 エネルギー多角化の前途は十分楽観できるものであるが、目下の発展の道筋の
壁の早急な突破がまたれている。
 記者が取材した何人かの専門家も、持続可能なエネルギーの急速は発展の見通
しはよいわけではないと表明している。
 毛亜傑副秘書長によると、原子力発電、風力発電は初期生産価格は比較的高い
ことから、国家補助によって初めて発展ができるが、政府部門からの情報は楽観
できるものではないという。
 水力発電は2020年の最大容量は1億キロワットと予測され、風力エネルギーは
2000万キロワット、バイオマスエネルギーはわずか2000万キロワットにすぎず、
太陽エネルギーはほんの100万キロワット足らず――これが政府職員が表明した
発展計画である。

 2005年初め、関連部門が殺到している火力発電プロジェクトにコントロール指
令を発した。注目すべきは、殺到する電力プロジェクトのうち、火力発電が圧倒
的多数を占め、水力発電、原子力発電、風力発電の比率は比較的小さいことであ
る。
 毛亜傑副秘書長は、このことは発展コンセプトと直接に関係があると考えてい
る。水力発電、原子力発電、風力発電の建設周期はどれも長期で、電力逼迫の状
況のもと、利益優先の投資者は当然投資効果が早くあらわれる火力プロジェクト
を選択し、持続可能なエネルギー発展は冷淡な扱いを受けている。
 持続可能なエネルギーの急速な発展の欠乏は、このように火力投資の乱高下の
ような循環が出現させている。

 国家電監会政策法規部体改処の孫耀唯処長は、「科学電力発展観」討論会にお
いて、重要なのは発展コンセプトの核心を実現することだと述べた。
 デンマークではたくさんの童話がつくられてきたが、現在、デンマークは発電
領域において我々に一つの新しい童話を語っている。脱穀した後の作物の茎発電
では現在既に発電所130カ所が建設されているにもかかわらず、中国においては
大量の脱穀した後の作物の茎は焼却されている。聞くところによれば、デンマー
クの専門家は河北省で野焼きされる脱穀した後の作物の茎を見て、さめざめと涙
を流したという。

 国際エネルギー機構は、2020年の再生可能エネルギーが全世界のエネルギー消
費に占める比率は30%に達すると予測している。
 今後到来する再生可能なエネルギー時代に対し、各国はまさに素早く対応して
いる。
 デンマークの風力発電は総電力の18%を占めている。ドイツでは2002年の風力
発電は既に世界の風力発電量の3分の1を占めている。フランスでは2025年に風力
発電を発電総量の25%に達するようにすることを計画している。これらのことは
彼らが持続可能なエネルギー戦略の一部分として整備したにすぎない。
 このような状況のもと、いかにして中国は歩を進めるのか、これは既に関連部
門の前に厳しい問題として立ちはだかっている。
〔東方早報3月16日〕

●貴州省西部の石炭燃焼がもたらす健康被害 下
〈この変な病気は何なのか?〉
 1979年、貴州省防疫ステーションと中国科学院地化所の荷花村調査で、8歳以
上の弗素中毒による斑状歯患者は100%で、骨弗素症の患者は77.6%に達している
ことがわかった。
 調査班は地元の食料、生活用水、石炭、土壌、岩石などに対する弗素含有量の
検査、測定を行った。
 石炭の弗素含有量は598mg/kg、土壌の弗素含有量は903mg/kg、生活飲用水と野
菜の弗素含有量はすべて国家規定の標準範囲内であった。この結果から、荷花村
の弗素中毒は石炭燃焼によって引き起こされたものであることわかった。

 「農村の主食はトウモロコシで、秋の収穫時に湿気でかびが生えないように、
石炭を燃焼してトウモロコシをあぶっている。そして、唐辛子は主要な調味料で、
同様な方法で唐辛子をあぶっている。農村ではストーブを使っており、食料と人
体は濃い弗素を含む煙に直接さらされている」。編金県疾病制御センターの地方
疾病予防・治療科の王徳頂課長は言う。
 調査では、乾燥トウモロコシや唐辛子のなど農作物の弗素含有量が国家標準基
準の数十倍からひどいものでは数百倍にもなっている。
 これは砒素中毒も同じである。中国科学院地化所の検査では、興仁県の砒素中
毒流行地域では、家屋内部の砒素含有濃度が中国の大気濃度基準の5―100倍であ
る。
 空気中の砒素は火であぶられた食品の表面に付着し食品に浸透しており、唐辛
子とトウモロコシの砒素濃度は普通の物と比較すると30―70倍と突出している。

〈予防と治療へのいばらの道〉
 砒素中毒と弗素中毒に対し、政府は医療費を免除したことがあったが、よい結
果は得られなかった。この病気にかかったら治ることはないので、予防が主な救
済方法である。

 砒素中毒、弗素中毒の予防として簡単で最初にしなければならないことは、煙
突をつくることである。人体や食料が高濃度の砒素や弗素に直接接触することを
防止できる。そこで、ストーブやかまどの改修が1970年から始められている。
 「70年代の第1回ストーブ支給をテストケースとし、国は全部で3回の荷花村に
かまどとストーブの改良を実施した」と金編県疾病制御センターの張暁東主任は
言う。

 貴州省疾病制御センターの安冬副主任は、貴州省にあるかまどのうち、改良が
必要なものは300万個あると言う。
 毎年疾病制御センターのかまど改修経予算は、20、30万元にすぎない。現在ま
でのところ、貴州省財政によるかまど改修数は約5万戸で、このスピードで計算
すると、全省の中毒地域のかまど改修には600年の時間が必要になる。また、300
万戸のかまど改修に必要な費用は、7.6億元にもなる。

 しかし、かまどを改修した地域でも効果は得られていない。新式のストーブは
荷花村の多くの人の家で装飾品になっているのだ。
 「新式のストーブは鍋が置けないので、御飯をつくることしかできない。ブタ
の飼料が煮られないので、以前のストーブの方が使いやすい」と村民達は言う。
新式のストーブを使っている人も、暖をとって御飯をつくるだけで、ブタの飼料
を煮たり、食料をあぶるのは以前のストーブを使っている。
 しかも、新式のストーブは1、2年に1回煙突を交換しなければならない。煙突
は1本100元で、多くの農民はこのお金を出し惜しみ、煙突が壊れたら、新式のス
トーブから以前のストーブの使用に戻っている。

 ストーブの改修も適切で効き目がある方法とは言えない。
 研究者によると、新式のストーブを使用したところ、室内の弗素濃度は確かに
大きく下がったが、食料の乾燥効率も下がり、乾燥に必要な時間が長くなり、結
局トウモロコシと唐辛子の弗素による汚染は余り変わっていないという。
 これでは、骨弗素症の発生を免れることができない。そして、斑状歯の流行も
とめることはできない。
 かまどの改修の前提条件として、燃料と食品の構造改良も有効な予防・治療方
法である。

 地方疾病の予防治療の一つの措置として、政府は現地にあった小さい炭坑を閉
鎖した。
 しかし、ここ数年、石炭資源の豊富な貴州の石炭供給が逼迫し、石炭価格が暴
騰している。編金、興仁の地方疾病の流行地域の人々はまた現地の石炭を使い始
めている。

 弗素中毒地域の燃料構造を変えるため、政府は村民のためにメタンガスタンク
をつくり、石炭にかえてメタンガスを使うようにした。
 しかし、メタンガスタンクもほぼ装飾品となっている。メタンガスを発生させ
るためには、1軒で6匹のブタと2匹の牛を飼わなければならない。これは年間1人
当たりの平均収入が500元足らずの編金山地域の村民にとって、ほとんど不可能
なことである。

 自家製のトウモロコシはすべてブタのえさにし、米を買って主食とするのも、
弗素中毒の予防・治療に有効な方法である。
 しかし、荷花村やその他の弗素中毒の貧困地域では困難な方法である。荷花村
は主にトウモロコシを栽培し、トウモロコシを主食としているという。さらに、
弗素が含まれていることを知っているから、トウモロコシが余分にできても売れ
ないのだ。

 貧困は砒素中毒、弗素中毒と同じぐらい深刻で頑固な「病気」である。
 貧困地域では、食品構造は単一で、居住条件は悪く、炊事場と家屋は同じ場所
にあり、健康意識は低いことから、弗素中毒や砒素中毒になりやすい。一たん中
毒になれば、さらに貧困がひどくなる。
 砒素中毒と弗素中毒は医療だけの問題ではなく、経済と社会の問題だというこ
とは、今では皆知っている。

 同じように変えなければならない生活習慣がその他にもある。
 興仁県疾病制御センターの朱愛華さんは知識青年として3年間、現地の住民と
同様の生活環境で過ごしてきたにもかかわらず、砒素中毒にならなかったのだろ
うか?。
 朱愛華さんは笑って言った「砒素を含有している石炭で必ず中毒になるわけで
はない。栄養状況と生活習慣も考慮しなければならない」。
 現地の住民と比較すると、朱愛華さんの栄養状況と生活習慣はかなりよい。
「貴州の農村では、トウモロコシ、唐辛子は洗わない。もし、米のように食べる
前に洗っていれば、状況はずっとましだったのかもしれない」と朱愛華さんは言
う。

 貴州省は弗素中毒の総合予防・治療の方案を制定した。「予防を主とする方針
を堅持し、健康教育と健康促進の展開を通じて指導し、ストーブの改修とかまど
の改修を基本に、トイレ、水利、メタンガスタンク、道路舗装、退耕還林、経済
扶助などの措置を実施し、村民の生活環境を改善し、生活の質を高める」。
 荷花村では、至るところに「弗素中毒になりたくなかったら、煙突を出そう」
という標語を見かける。「全県の小中学校では弗素中毒の教育授業が展開されて
おり、授業時間は毎週1、2時間が充てられている。「小さな手が大きな手を育て
る」として、子供を教育し、子供から両親に伝えるようにさせている」と張暁東
主任は言う。

〈地方疾病は政府の試金石に〉
 90年代に、ある飲み薬を発明した研究機構があり、編金で実験していたが、全
体的には効果が見られなかった。
 80年代には、何度も大規模な砒素中毒が発生し、政府は現地住民に砒素の中和
剤のDMSAとDMPSを配布している。しかし、砒素治療の効果は長期間持続しないの
で、病状の改善効果ははっきりしない。
 1979年には、共同調査グループが編金荷花村の弗素中毒について検査、測定を
実施し、石炭燃焼により引き起こされたものであるという結論を出した。
 また最近、中国科学院の研究成果では、編金県の石炭の平均弗素含有量は、全
国平均水準より低く、中国の南西地域の弗素中毒は石炭がもたらすのではなく、
石炭と一緒に燃焼する粘土によるものであるとした。

 1946年に、イギリスのある宣教師が国際的に有名な医学雑誌「ランセット」に
「中国貴州の地方弗素中毒」をテーマとした論文を発表した。
 この論文では、貴州省威寧県石門坎の骨弗素症患者4例の白骨病理資料と134名
の児童の斑状歯患者の資料が発表されている。
 数十年が過ぎ、弗素中毒の認識と研究はさらに深める必要に迫られている。し
かし、「これは大変な仕事で、誰もやりたがらない」とある研究者は言う。

 80年代以前は、中央地方疾病予防治療業務の指導機関は、中国共産党中央地方
疾病予防治療の指導者チームで、政治局委員1人が担当していた。各省にも相応
する機関があり、衛生業務を主管する副省長が責任を持っていた。
 1986年、地方疾病事務機関は衛生部に置かれ、衛生部内に地方疾病司が設けら
れた。その後、地方疾病司は降格して、疾病制御司の地方疾病予防治療所となり、
その後また疾病制御司内に、地方疾病業務管理担当者1人が置かれている。各省
の地方疾病予防治療指導チーム事務室も閉鎖され、衛生庁で担当していた。
 現在は、疾病制御センターの1部門が担当している。

 疾病制御センターは、以前は「防疫ステーション」と呼ばれていた。「他の部
門ではしなければならないことができず、防疫ステーションになった」金編県の
疾病制御センターの張暁東主任は正直に言う。
 地方疾病が深刻な貴州では、この状況では地方疾病の予防と治療に不十分で、
調和のとれた各部門の全面的な指導制度が必要である。

 中国には伝染病予防治療法と職業病予防治療法があるが、まだ地方疾病予防治
療は法制化されておらず、地方疾病をだれが管理するべきものか、どのように管
理すべきか、責任、権限、監督などの一連の問題は解決されていない。
 「SARSの流行で証明されたように、疾病予防は医療衛生の系統的な1つの部門
で解決することができる問題ではない。具体的には、環境と疾病関係の研究など
を含め、地方疾病の研究、予防・治療業務にまで及ぶ。ストーブの改修、かまど
の改修、食料の転換、移住者の生態、食塩、ヨード、石炭の管理、教育、広報な
どの、社会の各方面すべてにかかわる、一つの総合的な業務体系だと言える」
 九三学社貴州省委員会の政協会の提案では、「一定の意義の上から言えば、地
方疾病業務の重視、実行は、中国各レベルの政府にとって「党は人民のために、
政治は大衆のために」という言葉が本当なのか、一つの試金石になるだろう」と
述べている。

 「以前は取材はすべてお断りしていました」と黄建香さんは言う。この病気が
知られると貴州のイメージに影響し、企業誘致や資金導入に影響するからである。
 ここ数年、政府はさらに開放的になり実務に励んでいると人々は安堵して見て
いる。胡錦涛氏が貴州省委員会書記をしていたとき、地方疾病業務報告に関して
指示を与えている。「地方疾病の予防治療は人民群衆の切実な問題で、貴州が富
み民衆が豊かになることに密接な関係がある。このことをしっかり把握し、各レ
ベルの党委員会と政府の重視することが肝心だ」
 2003年末、貴州省の石秀詩省長は、衛生行政主管部門にできるだけ早く省全体
の弗素中毒の予防と治療業務の計画を制定することを求め、国の積極的な予防・
治療に対する支持を得て、弗素中毒の高発生地域の各レベルの党委員会、政府と
衛生的行政部門は、弗素中毒の予防と治療を業務審査内容に入れ、明確な予防と
治療の目標、重点業務とするという。

 地方疾病予防治療は2005年の貴州省政府の10大具体的業務の第8番目である。
今年、地方疾病の予防、治療のため、中央は2400万元と12万のかまどを貴州に支
給する。
 「再来年には砒素中毒は徹底的に解決され、計画では、貴州は5―10年内に弗
素中毒の流行を基本的に制御できる」と貴州省疾病制御センターの安冬副主任は
期待している。
〔南方都市報3月2日〕

……【IT産業】……………………………………………………………………………
●2004年中国PCランキング 聯想トップで方正が迫る
 ガートナーは10日、2004年中国PC販売台数ランキングを発表した。
 聯想集団が25.1%の市場シェアで引き続きトップを維持し、方正が9.9%、清華
同方が第3位で7.8%で、デルとIBMがそれぞれ第4位と第5位で、市場シェアはそれ
ぞれ7.2%と7.8%だった。

 聯想は昨年の出荷台数は34%増加したが、ガートナーは詳細について明らかに
しなかった。
 方正は第2位で、中国市場のシェアは9.9%だった。昨年の出荷台数は80%増加し
た。
 清華同方は7.8%の市場シェアを占め、ランキング第3位となった。
 デル及びIBMはそれぞれ第4位と第5位で、市場シェアはそれぞれ7.2%と7.8%だ
った。
 ヒューレットパッカードは第6位で、市場シェアは4.8%だった。2004年の出荷
台数は7.4%増となった。

 ガートナーは、アジア太平洋地域のパーソナルコンピューターの出荷台数は2005
年12.8%増となり、3730万台に達すると予測している。〔新浪科技3月11日〕

●IDC 2009年中国リナックス市場成長率23.9%
 3月13日のIDCが発表した「中国リナックス市場 2005―2009年予測分析」によ
ると、2004年中国リナックス市場収入は930万米ドルに達し、出荷台数は183.5万
セットに達し、それぞれ前年比20%、3.6%増となった。
 IDCは2009年、中国リナックス市場規模は23.9%の年間平均成長率とする高速成
長となると予想している。

 「メーカーとのOEM協力が難しくなり、デスクトップのオペレーションシステ
ムの出荷台数は増加傾向を示しているわけではない」。IDC中国ソフトウエアサ
ービス部研修主管経理の韓国華氏は述べている。
 これは、リナックス市場出荷台数全体の増加が緩慢であることが主要な要因で
あるという。

 韓国華氏によると、「2004年、リナックスは既に電信、金融、これらITニーズ
のハイエンド業界に浸透していると見ている。かつ、リナックスは一歩一歩信頼
性の高いサーバーやグループサーバーといった比較的ハイエンド分野で応用され
ており、もはや単純な応用を支持するものではなくなった。このことは、リナッ
クスは企業レベルのユーザーの信頼性が大きく向上したことにあることを意味し
ている」

 報告によると、2005年中国リナックス市場には、ターボリナックス、紅旗、中
標軟、レッドハット、Novell(SUSE)といった5つのプレーヤーが存在するが、現
状のリナックス市場の需要に供給が追いつかず、このように激烈な競争を繰り広
げている。
 「競争力を高めるために、リナックスメーカーの間で協力、連携、さらには合
併といったことは2005年に発生するかもしれない」と報告は最後に指摘している。
〔国際金融報3月14日〕

……【教育】………………………………………………………………………………
●北京の大学でネットゲーム専攻を設置 今年正式に大学生の募集へ
 ジュエリーデザイン、ネットゲーム、スポーツセンター管理、文化ブローカー、
これらの人気の高い領域が大学の専攻となる。9日、北京の幾つかの大学による
と、これらの新しい専攻が今年正式に大学生の募集をする予定であるという。

 中国地質大学(北京)では、芸術デザイン、ジュエリーデザインで、学部の専
攻を今年40人を募集する予定。
 この専攻には、真珠や宝石の鑑定方法、真珠や宝石ジュエリーのスタイルデザ
イン、宝石加工、宝石象嵌、ジュエリー製作細工などのカリキュラムを開設する
予定。大学生は卒業後、真珠宝石ジュエリーデザイン、ジュエリー加工製作、ジ
ュエリー包装等の仕事に従事する予定。

 北京連合大学は今年に新しく「スポーツセンター管理」という高級な職業の専
攻を新設し、70人を募集する予定。
 この専攻には、オリンピック専門家、スポーツセンター責任者等によって設立
された専門指導委員会によって新設され、オリンピック専門家、スポーツに従事
する公務員、有名スポーツ選手を学院の専門顧問として招聘し、スポーツセンタ
ーとオリンピック委員会という関連機関が密接に連携をして、現場のノウハウを
授業に導入する。

 北京映画学院は今年、ネットゲームと文化ブローカーの専攻を開設した。
 今年、映画・テレビ技術学部のアニメ専攻のネットゲーム学科では、合計20人
を募集する予定。
 映画・テレビ技術学部の張祥和主任の紹介によると、ネットゲームは技術面を
さらに重視し、ゲームデザインはシナリオ構想とゲームのサービスに重点を置き、
デザイン製作を中心にするという。
 また、管理学部では、今年文化ブローカー専攻を開設し、30人を募集する予定。
 管理学部の兪剣紅主任は、文化ブローカー専攻には文化関連産業、文化市場な
どのカリキュラムを開設する予定で、例えば文化通論、文化戦略管理、文化経済
管理、文化プロジェクト運営画策等のカリキュラムを開設することを示している。

 なお、新しくふえたこれら専攻の人気は上々だという。〔北京晨報3月10日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行3月21日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.9024  827.65  106.08   1106.7
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