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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.241 2003年12月23日
発行: 《中国最新情報》編集部 http://www.jckc.com
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━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「中国最新情報」は年末年始のため、二週間休刊します。
 次回配信は2003年1月13日の予定です。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:内外企業の対中戦略と思惑】
●中国ブランドの携帯電話の市場占有率は増長を持続
●「電力不足」で周波数変換器付きエアコンがブームに
●プリンター業界 中小企業の多様化ニーズに注目
●2004年輸入自動車市場が調整期に突入

┏【国内政策】
●来年4月中国鉄道は第5回目の高速化

┏【金融】
●消費者物価指数が3%上昇 貯蓄利率を引き上げることができるか?

┏【経済データ】
●外国為替(12月22日)

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……【特集:内外企業の対中戦略と思惑】……………………………………………
●中国ブランドの携帯電話の市場占有率は増長を持続
 情報産業部の統計データによると、今年の1~10月の国内市場での携帯電話販売
台数は累計で6662.52万台で、中国ブランドの携帯電話の市場占有率は引き続き拡
大し、4カ月前の55.28%から60%以上まで上がっている。
 そのうち、波導(バード)は第2位を200万台近く引き離して首位となった。また、
波導は、4年連続して中国産携帯電話の販売台数のトップとなっただけでなく、国
際ブランドを含めた中国携帯電話市場の占有率のトップを引き続き維持している。

 中国の携帯電話製造は1999年に始まったが、当時の中国ブランドの携帯電話販売
台数の中国市場に占めるシェアはわずか約2%にすぎなかった。その後、2000年は8%、
2001年に15%、2002年には30%を突破し、2003年度は10カ月間で60%を上回る記録を
つくり出した。
 波導(バード)の携帯電話販売台数は中国ブランド携帯電話の総販売台数の約4分
の1を占め、そして、中国ブランド携帯電話全体は国際主力ブランドを上回るよう
になっている。〔経済参考報12月19日〕

●「電力不足」で周波数変換器付きエアコンがブームに
 冬を迎え、中国では広い地域で電力不足問題が起こっている。エアコンの省エネ
性に関心が集まり、省エネの周波数変換器付き省電力エアコンが市場で注目されて
いる。

 浙江省寧波の販売店「蘇寧天」では、寧波地区で電気使用制限が始まって以来、
周波数変換器付き機種の販売量がエアコン総販売数70%以上となっている。「新科
(Shinco)」、「海信(Hisense)」などの周波数変換器付き機種の販売量は毎日30台
以上である。
 同時に、長沙、成都などでの周波数変換器付き機種の販売量も増加の兆しを見せ
ている。

 最近、中国の周波数変換器付きエアコンは急激な成長を見せている。周波数変換
器付きエアコン市場は新科(Shinco)がリードし、はっきりとスケールメリットをあ
らわし始めている。
 新科(Shinco)は、国内の周波数変換器付き機種の主力メーカーとして、ここ数年、
周波数変換器付きエアコンの国内の普及活動に力を尽くしてきた。特に、周波数変
換器付きエアコンのコア技術開発では、新科は次々とスーパー周波数変換器、直流
周波数変換器、第4世代のe-scroll全直流の周波数変換器などを開発し、一連の技
術をリードしてきている。

 国家の権威のある部門の統計データによると、2000年から2003年まで3年間で、
中国の周波数変換器付きエアコンの市場占有率は既に7%上昇している。
〔経済参考報12月18日〕

●プリンター業界 中小企業の多様化ニーズに注目
〈レーザープリンターは中小企業が突破口〉
 旧来のプリンター市場はハイエンド製品が主で、業界ユーザーと商業ユーザーが
主なユーザーで、ハイテク、高投入、高利潤、市場進出の壁の高さが特徴だった。

 2001年から、プリンター業界は中小企業の発展に関心を持ち始め、2003年は集中
的な変革時期となった。
 2003年4月に、ヒューレット・パッカード社が中小企業向け多様化戦略を打ち出
し、一度に5種類の新製品をリリースした。
 9月に生産ラインを延長し、主に中小企業向けのLaserJet 1010標準仕様、LaserJet 1010
企業向け、LaserJet1012、LaserJet1015、LaserJet1150、LaserJet1300の6機種の
モノクロレーザープリンターの製品を打ち出した。これは数年前には想像すらでき
なかったことである。

 メーカーの新製品は、ヒューレット・パッカードの発売と呼応している。
 9月にエプソンはローエンドの個人向けレーザープリンターのEPL-6200Lを1800元
で売り出し、11月中旬にさらにEPL-N2500とEPL-6200の2種類のモノクロレーザープ
リンターを発売した。そのうち、EPL-6200は中小企業及び個人ユーザーに対応した
タイプである。
 11月18日にレックスマークは4種類のレーザープリンターの新製品を出した。そ
のうち、E220はモノクロレーザープリンターで、プリントスピードは最高で毎分18
ページ。4種類の製品をリリースしたことでは、レックスマークができるだけ低い
価格でできるだけハイエンド製品を提供するという戦略を十分体現している。
 富士ゼロックスは今年、「ローエンドのプリンターで中国の中小企業とSOHOユー
ザーの市場に進出」という市場戦略を打ち出している。
 近日中に進出が決まっているコニカミノルタは、中国市場のためだけに設計され
た個性的なローエンドのモノクロレーザープリンターPagePro1300Wを発売する。

 情勢の転換に伴い、ローエンドプリンター市場規模は次第に厚みが増してきた。
市場の拡大は新進メーカーを育成するだけではなく、ヒューレット・パッカード、
エプソン、キヤノン、レックスマークなどの国際的に有名なメーカーの関心を次第
に引きつけており、これらのメーカーは前後してローエンドのユーザー向け製品を
発表している。
 これまでのところ、ほとんどのメーカーはローエンドプリンター市場に参入して
いる。

〈潜在的なプリンターの需要は日増しに拡大〉
 IT技術によって、競争力向上と市場へのインパクトのスピード強化を図る中小企
業は次第に多くなっている。中国全企業の99%を占める中小企業は日増しに活発化
しており、その巨大なユーザー数とその大量購買行為から、中小企業市場は最も成
長余地の大きい市場となっている。

 中小企業は1つの巨大なユーザーで、それは各業種に及び、応用もさまざまで、
中小企業のそれぞれの細かい需要を満たすことはほとんど不可能であった。
 しかし、現在、メーカーとユーザーによってローエンドプリンター市場は育って
きており、豊富な製品はまさに中小企業の多様化のニーズに合致してきている。
 モノクロレーザープリンター、業務用インクジェットプリンター、簡単なカラー
レーザープリンター、一体型機種は、既に中小企業の視野に入っている。

 中小企業はコストコントロールを強調し、価格は最も重視される要素であるが、
同時に効率を高め、企業イメージ高めるためのニーズもある。プリンターの全体ニ
ーズから見ると、カラーは徐々に中小企業に浸透しているが、モノクロプリンター
がやはり最も主流である。
 ヒューレット・パッカードを例にすれば、毎分12ページ印刷できるLaserJet 101
0
から毎分20ページ印刷できるLaserJet 1300が中小企業の需要が最も多いモノクロ
レーザープリンターで、これは数年前に大中企業で使用されていたモノクロプリン
ターのスピードより速いものである。
 そして、細かいニーズでは、ヒューレット・パッカードは特にトップページの出
力スピードを強調している。これは中小企業向けに設計されたものである。

 現時点では、中小企業向けのプリンターは、今後数年間のうちに急速な成長を実
現し、モノクロプリンターも引き続き増加すると考えられる。
 2004年の中国におけるモノクロレーザープリンターの市場需要は100万台を上回
っており、主に中小企業のプリンター需要が増加している。
〔経済参考報12月19日〕

●2004年輸入自動車市場が調整期に突入
〈2003年12月12日輸入自動車は高級化の傾向〉
 今年輸入自動車が大幅に増加し、パーツの輸入が車両自体の輸入を上回り、RVの
輸入台数は乗用車の輸入台数割合を大幅に上回り、乗用車の輸入額の成長率が車両
台数の成長率を大幅に上回るという3つの新しい特徴が見られた。

 税関の統計によると、今年の第1~第3四半期、中国の自動車製品輸入額は106.89
億米ドルで90.1%の伸び、そのうち、自動車本体の輸入が13.02万台で40.5%の伸び、
輸入額は38.08億米ドルで64.7%の伸びとなった。
 第1~第3四半期輸入自動車本体(アッセンブリーパーツを含む)の中で、小型乗
用車(2.34万台分のアッセンブリーパーツを含む)の輸入は7.68万台で48.6%伸び、
輸入自動車総数の59%を占め、輸入額は21.47億米ドルで87.1%の伸びとなった。RV
の輸入は3.23万台で42.8%の伸び、輸入自動車総数の24.8%を占めた。9シート以下
の輸入ワゴンは0.83万台で5.2%のマイナス、輸入自動車総数の6.3%を占めた。

 輸入自動車の高級化の勢いが加速し、ベンツ、BMW、アウディー、レクサスなど
のハイグレードクラスの輸入が突出傾向にある。高級乗用車の勝ち組はドイツ、伸
びが速く、台数が多くなっているのはBMWで、1年間で1万台を突破するものと予想
される。
 輸入RVとSUVも速い伸びを見せており、ミドルクラス以上のRVの勝ち組は日本で、
主にトヨタ、日産、三菱、ホンダ。高級SUVが多くなり、BMW、ポルシェ、ボルボ、
ランドローバー、マーベリック、ハマーが続々と中国に入ってきている。

 輸入自動車の価格が高いのは、ユーロ高・円高、輸入許可証の認可取得の困難さ、
需要の多さという3つが主な原因となっている。第1~第3四半期は全体的に価格が
ぎりぎりまで下がり、ある車種は上昇しているが、基本的に年始めとそれほど変わ
らない。第4四半期に入り、輸入車価格は大きなばらつきが生じ始めている。
 輸入自動車ディーラーのリスクは大きく、多くのディーラーは損失を計上してい
る。主な理由は、変動がつかみにくい為替リスク、許可証のリスク、経営並びに競
争のリスクである。

〈輸入車は国産車に深い影響〉
 輸入ディーラーは、国産車の変化に絶えず関心を持つことが求められ、国内自動
車市場状況と競争状況を見きわめ、国産車と輸入車が相互に補足し、順位を入れか
え競争状況の変化を見きわめることによって、初めてリスクが回避でき、主導的な
立場を勝ち得ることができる。

 それでは、2004年における中国自動車市場はどのような変化が発生するのであろ
うか?

1) 国産車がこれからも急速な増加傾向にある中、全体的に需給の関係に転換が起
こる可能性がある。
 自動車産業は超高速の発展段階を経てやや速い発展段階に入っている。業界内部
は大雑把な経営管理から精鋭化されたものになり、投資も理性的に動いている。
 メーカーが戦略を立てるとき、自動車市場の需要と供給の変化に基づくだけでな
く、競争の変化にも注意を払わなければならなくなる。

2) 国産車は一部の地域の市場で構造的供給過剰と生産過剰が生じ始めている。
 ある一部の地域の市場では、需要の増加が生産能力の増加速度に追いつけず、ス
トックと一部の生産過剰があらわれ始めている。

3) 国産メーカーとブランドの間の分化が加速し始めている。
 各メーカーの全体的な戦略、車種別のランキングと車種ごとの競争力、生産規模
と販売規模、生産コストと営業コスト、ブランド管理と営業戦略及び運営の効率、
品質保証と各種アフターサービス、メーカー間と車種間の競争力が急速に分化して
いる。
 引き続き販売状況がよい車種、概ね販売状況がフラットな進み具合の車種と、一
部販売停滞の車種が生じる。業界全体ではこのような急速な成長の局面で打破され
る問題となるだろう。

4) 新車種が続々とリリースされることによって、旧モデルの価格が下がり、車種
の更新周期もさらに短くなってきている。
 ランキングが定まらない車種、相対的競争力がない車種、数が出ない車種は、期
間が短く「朝顔の花一時」となる。

5) メーカー同士、ブランド同士、車種同士の競争がさらに過酷なものとなる。
 規模の競争、コストの競争とブランドの競争がさらに白熱化する。競争を通じて、
各車種別の主流が徐々に形成され、市場がさらに細分化される。

6) 自動車産業全体の平均利益は値下げによって徐々に下がる。一部売り上げのよ
いメーカーと売れ行きのよい製品は、依然高い利益が得られる。

7) 乗用車がますます流行しつつあり、車種が多くなればなるほど更新も早くなり、
価格も下がれば下がるほど競争も激しくなってくる。

8) 自動車販売モデルが、需給の関係の変化によってますます現実的となり、理性
的になってくる。ディーラーが暴利を得られる時代は終わろうとしている。

 以上の要素が深く輸入車の経営環境に影響を与えているため、輸入車は車種の選
択、価格帯、営業方式などにおいて、自動車市場の変化を考慮しなければならない。

〈2004年輸入車経営環境に大きな変化〉
 来年の自動車市場で起ころうとしている変化については、関税、為替レート、許
可証、関連政策、国産車との競争などの含む調整といった要素が加わり、幾つかの
要素が不確実性を持つため、輸入車の経営環境に大きな変化が生じることが予想さ
れる。

1) 自動車市場の需給関係の総体的変化と国産車の価格の再設定。

2) 関税の低下。WTOでの承諾に基づき、2004年1月1日、3.0リットル以下の乗用車
の関税は38.2%から34.2%へ4ポイント下がり、3.0リットル以上は43%から37.6%へ5.4
ポイント下がる。

3) 為替レートの変動。ユーロ、日本円は米ドルに対し変動し、人民元は米ドルに
対して全体的に落ち着いている中で小幅に変動しており、いずれも輸入コストの変
化に直接影響を与えている。
 輸入コストはほとんど為替レートの変化に連動していることから、為替レートが
輸入車価格の変動に直接的に影響しているが、為替レートの把握は最も難しく、こ
れらの要素は輸入車に長期的な影響を及ぼす。

4) 許可証の変化。許可証の発行数、構造、頻度、方式並びに需給の関係レベル等
も、深く輸入車市場の変化に影響する。

5) 輸入車に関する関連政策。例えば「3C」認証、ブランド販売あるいは混合経営、
外資による自動車販売の分野の期限、持ち株比率、方式など。

6) 国産高級車の増加と輸入車間の競争。

7) 外国企業の輸入車戦略の再考と調整。

 これら経営環境の変化に市場環境の変化が加わり、2004年は輸入車の調整期とな
ると考えられる。

〈2004年は輸入車の調整期〉
 主に発生すると予想される調整は以下のとおり。
1) 輸入台数が一定のスピードをもって増加。輸入構造も調整発生。
2) 輸入車種の構造が2003年高級化して以降、輸入許可の需要と供給が緩和される
 ため、これまでの高級なものからのグレードダウンの可能性。
3) 輸入自動車の価格は多くの要素が重なっているため、比較的大幅に下落する。
4) 輸入車ディーラーの再構成と調整。
5) 輸入車市場の調整と変動期への突入。
6) 輸入車と国産車の競争圧力が拡大する。
〔経済参考報12月9日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●来年4月中国鉄道は第5回目の高速化
 鉄道部によると、来年4月、中国鉄道部は第5回目の高速化を図る。
 鉄道部の劉志軍部長によると、来年スピードアップを行う鉄道は、主に北京-広
州間、北京-上海間、北京-香港九龍間、北京-ハルピン間、連雲港―蘭州間、浙
江-江西間で、一部区間の旅客車両運行は最高時速を現在の時速160キロメートル
から時速200キロメートルに上げる。

 経済日報によると、来年からの鉄道の主な高速化は四縦二横(4つの南北ライン、
2つの東西ライン)の6つの主要幹線で行われる。これらの幹線の総延長は約8000キ
ロメートルで、全国鉄道の12.1%を占める。
 しかし、この幹線における旅客輸送量は全国鉄道の50.1%を占め、貨物輸送は34.3%
を占め、輸送密度は中国鉄道平均の3.1倍となっている。諸外国と比較しても、ロ
シアの5倍、日本の6倍、アメリカの7倍、ドイツの20倍、イギリスの22倍に当たり、
全世界で一番交通量が激しい鉄道である。
 中国経済の持続的な発展により、これら交通量の激しい主要幹線の能力はやりく
りがつかないほどの困難に遭遇している。そこで、国民経済の発展のニーズにこた
えるため、鉄道部は来年4月からこれら交通量の激しい主要幹線のスピード化を決
定した。

 これまで、中国では4度のスピードアップが行われた。
 1997年4月、中国は初めて大規模なスピードアップを行い、北京―上海間、北京
―広州間、北京―ハルピン間の三大幹線が全面的にスピードアップし、最高速度は
時速140メートルとなった。
 1998年10月の第2次高速化では、北京―上海間、北京―広州間、北京―ハルピン
間の三大幹線の最高速度を時速140キロメートルから時速160キロメートルにした。
 2000年10月の第3次高速化では、主にユーラシア鉄道、連雲港―蘭州間、蘭州―
ウルムチ間、北京―香港九龍間、浙江―江西間に重点が置かれた。
 2001年11月の第4次高速化では、中国の大部分の地域がその範囲となった。
〔新華網年12月18日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●消費者物価指数が3%上昇 貯蓄利率を引き上げることができるか?
 今年11月における我が国消費者物価指数(CPI)は前年同期比3%上昇し、前月比
1.8%の上昇となった。
 一体、今後この傾向が続くのか、中央銀行がこれによって個人貯蓄利率を上げる
ことになるのか?。CPIの急上昇が憶測を呼んでいる。

 この数カ月、CPIのうち、主に食品とサービスの価格の上昇幅が大きくなっている。
 11月を例にとると、食品価格は8.1%の上昇、サービスは2.2%の上昇となっている。
専門家の分析によると、食品がCPIの3分の1を占め、サービスは5分の1を占める。
 これから推計すると、11月の食品価格はCPIを約2.65%引き上げ、サービスは0.44%
引き上げて、両者の合計は3%に達している。言いかえれば、食品、サービスを除き、
CPIにおけるその他の商品価格はゼロ成長にあると想定される。

 今年、中国の食品価格は上昇傾向にあり、ますますCPIの上昇要因となっている。
 専門家によると、退耕還林(荒廃した土地に対する土地整備)、農業構造調整、
干ばつ・洪水といった自然災害などが農副産物の減産を招き、食品価格の上昇の直
接要因となっている。
 また、これまで食品の価格は連続して下がっていたため、ここになって「リバウ
ンド」してきたことも、現在の食品価格上昇の重要な原因となっている。

 CPIにおける食品価格は1998年マイナス3.2%、1999年マイナス4.2%、2000年マイ
ナス2.6%、2001年0%、2002年マイナス0.6%となっている。これをもとに一部の専門
家は、今年の食品価格の上昇は、上昇へと回復していると見るべきだと言う。
 この食品価格の上昇と今年のインフレの速さとは関係がなく、かえって農民の収
入増加に有利であると専門家は特に指摘する。農業資源の確保を行えば、中長期的
に中国における食品供給は憂うことがないし、たとえ短期的に予測不可能な事態が
起きても、国の外貨備蓄を利用すれば、価格が抑えられるという。

 現在、中国の1年満期の個人貯蓄利率は1.98%で、20%の利息税を除くと、貯蓄年
利率は1.58%である。この数字を用いてCPIの上昇幅を差し引くと、実質利率となる。
 10月、11月両者の差を見ると、実質利率はマイナスで、それぞれマイナス0.216%
とマイナス1.416%となっている。しかしながら、1~11月を総体的に見ると、消費
者物価指数は1%の上昇、実質利率は0.584%でプラスとなる。
 低利率政策で一般消費を奨励している中で、特に今後のCPIの方向性が不明瞭と
なれば、近いうちに中央銀行は恐らく個人貯蓄利率を引き上げる決定は出しにくく
なると思われる。

 専門家は、来年のCPIがどのようになるのか把握できないが、国内、国際市場と
もに商品全体が供給過多にある中、大幅な連続上昇傾向は起こりにくいと見ている。
〔12月17日新華網〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行12月22日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.6867  827.70  106.54   1026.78
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/info/qpindex.shtml
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 いつも気になっていることは、読者の反応です。そこで今回、この休刊の時期に
皆様の「中国最新情報」に対する期待をお聞きして、今後の編集に生かしたいと思
っています。
 感想、意見、要望等をchianszyu@jckc.comまでお寄せください。
 来年も皆様の引き続きの御愛読をどうかよろしくお願いします。(ま)
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:神谷哲司
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