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電子マガジン・中国最新情報
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  電子マガジン《中国最新情報》  No.176 2002年7月30日
   発行: 《中国最新情報》編集部
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:質的向上へ移行する北京経済】
●最も住みやすい都市は北京、二位は上海
●北京政府ソフト購入額が40億に 購入に「中国産」優先
●海外人材仲介機構の北京人材市場への進出を許可
●上半期、北京の自動車販売19.2%増 13.3万台

┏【金融】
●中国の国有商業銀行、新たな改革スタート
●住宅ローンの増加に注意喚起 中国人民銀行
●第2四半期も引き続き上昇 中国の不動産価格
 
┏【国内経済】
●外資の中国シフト 戦略的投資拡大
●中国の農産物輸出、食品安全の壁に直面

┏【エネルギー産業】
●中国のエネルギー資源消費 世界最速
●米仏ガス供給大手2社、上海に共同出資企業

┏【経済データ】
●外国為替(7月20日、22日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:質的向上へ移行する北京経済】…………………………………………
●最も住みやすい都市は北京、二位は上海
 「生活時報」の報道によると、最も住みやすい都市についての最新の調査結果
は、北京や上海等の大都市の多くの住民は、自分の住んでいる都市が住みやすい
と認識していることが明らかになった。
 2002年に都市住民に行った生活調査の結果、最も住みやすい都市として北京が
325ポイント、上海が289ポイント、その他は大連、蘇州、広州、杭州、桂林、珠
海の順だった。
 同時に、環境が住みやすい都市を選ぶ重要な要素であることが明らかになった。
その次に重要な要素は経済だった。環境をより重要視するという住民意識が高く
なっているのは、北京や天津が干ばつと砂嵐等の極めて劣悪な環境の影響を受け
ているためである。経済の要素は天津と北京にとっては妥当な水準である。
 北京は2001年、国内総生産の2817.6億元で、前年比11%増となった。一人当た
りGDPでは2万3500元に達し、現在の為替で3060ドルになり、前年比10.2%増と
なった。
 天津は、1860年に貿易港となり、工業生産と港の貿易額は上海に次ぐ水準であ
り、現在中国の第2の商業都市、北方最大の商業貿易センターになっている。2000
年に天津市の国内総生産は1639.36億元で、一人当たりGDPは17993元で、年平均
10.8%の成長をしている。
 専門の研究者は研究の結果、北京が最も住みやすい都市に選ばれた理由の半分
が「北京は首都だから」であり、上海が最も住みやすい都市に選ばれた理由の半
分近い理由が「経済が発達している、経済発展が速い、経済力がある」であり、
天津が最も住みやすい都市に選ばれた理由の約3割は「物価が安い」であり、重
慶が最も住みやすい都市に選ばれた理由の約2割は「環境がいい」であるとして
いる。〔7月20日中新網北京〕

●北京政府ソフト購入額が40億に 購入に「中国産」優先
 先ごろの北京市科委兪慈声副主任の発言は、業界、特に在中の外国ソフト会社
にに大きな波紋を投げかけた。
 兪慈声副主任は、昨年の北京市のソフト購入額は40億元で、ソフト市場全体の
14.1%を占め、今年はさらに大幅に増加し、北京市政府部門のソフト購入額は2倍
になるだろうと述べた。
 また、北京市は今後2年以内、同等の性能、価格の条件ならば国産品を優先し
て購入するとし、その国内企業については「生え抜き」の国内企業を指すわけで
はないと発表した。さらに、国内企業が市の優先購入対象に成長することを考慮
して、政府は外資系のIT企業の北京におけるソフト研究機構の設立、合資、独資
企業の商品開発の生産基地建設を奨励している。
 北京市の購入と北京市の「中国産」の新定義は、多くのソフト会社が続々と合
資企業や研究開発センターを設立しているこの時期に適合しており、外資系IT企
業、特に在中ソフト企業の中国投資形式や投資戦略に影響を及ぼすものと見られ
る。
 多くの会社はこの政策を非常に重要なポイントと考えているが、さらに重要な
ポイントは、外資企業が中国進出した際に、中国企業も外資企業と同様の方法を
とるのではないかということである。
 マイクロソフト社の例を挙げると、マイクロソフト社はこれまでどの国でも合
資企業を設立していないが、北京市と密接な関係の中関村科学技術区に合資会社
を設立し、上海市をバックグランドに持つ投資会社と微創ソフト会社を設立した。
近日中にはマイクロソフト社と中軟公司が山東大学情報安全地域での合弁が実現
する。マイクロソフト社の市場戦略と投資方式は現在変わりつつある。〔7月21
日和訊網〕

●海外人材仲介機構の北京人材市場への進出を許可
 北京市外資合弁企業人材仲介サービス機構奨励暫時法が7月20日から施行され
た。
 新華社の報道によると、北京市人事局辛鉄木梁局長は、条件によっては海外の
人材仲介サービスが北京人材市場に進出することが可能になるだろうと述べた。
 この「暫時法」によると、外国会社、企業、その他経済組織は、人材仲介サー
ビスまたは関連サービスの機構を北京市行政区域内の人材仲介機構と合資、合弁
の形式で設立できる。外資企業の独資での設立は現時点では許可されていない。
 香港特別行政区、マカオ特別行政区、台湾地区の人材仲介サービス機構もこの
方法で北京市場に進出できる。
 北京市人材市場管理事務所の揚永和主任は、国際的に有名な人材仲介サービス
会社の数社が合弁の意向を示していると述べた。〔7月21日中新網北京〕

●上半期、北京の自動車販売19.2%増 13.3万台
 今年上半期、北京市の自動車販売は前年同期比19.2%増の13万3000台に達し、
うち新車が30%増の9万9000台だった。
 今年に入り、エコノミータイプの価格が大幅に下がり、さらに国が徴収する租
税、費用も下がり、自動車購入需要が拡大した。北京市の三大自動車取引市場の
統計によると、今年1~6月の販売台数は前年同期比25.9%増の4万1403台、総額49
億6000万元で、うちマイカー購入が90%近くを占めた。
 市の各取引市場を見ると、上半期における売れ筋はシャレード、ジェッタ、金
杯、松花江、神竜富康、長安アルト、サンタナ、奇瑞(チェリー)、吉利。輸入
車の売れ筋はトヨタ・カムリ、日産セフィーロ、ベンツ。
 市商業委員会の責任者は、自動車購入ブームの理由を分析し、次のように指摘
した。今年、国内メーカーが中型、小型のエコノミー車を積極的に売り出してい
る。うち、賽欧、優利欧、派力奥、奇瑞、富康新自由人、新型羚羊はタイプが新
しく、装備が整っており、価格が10万元以下、国の安全、省エネ、排ガス基準を
クリアし、一層購入しやすくなった。このほか、今年6月に開かれた北京国際モ
ーターショーも自動車市場の発展を促す役割を果たした。

……【金融】………………………………………………………………………………
●中国の国有商業銀行、新たな改革スタート
 中国の4つの国有独資(政府全額出資)商業銀行は、次々に新しい方法で最新
の改革計画と進展を紹介するとともに、不良債権の状況を公表している。
 4大国有独資商業銀行は中国銀行業の中堅勢力で、中国の経済・社会に大きな
影響力を持っている。最大の中国工商銀行が今年4月他行に先駆けて不良債権比
率を公表した後、中国建設銀行と中国銀行も本格的に不良債権の状況を発表した。
長年、中国の銀行業は不良債権を公表しておらず、今回の動きが中国の金融経営
理念上の一大突破口になると見られる。
 既に公表された数字によると、国有商業銀行の不良債権比率は約25%で、中央
銀行はこの数字を5年以内に15%以下にするよう求めている。既に国有商業銀行
の不良債権は2000年末から減少し、2001年には比率が平均3.3ポイント下がった。
今年上半期の国有独資商業銀行の不良債権残高はさらに393億元減少、不良債権
比率は2.26ポイント低下している。
 中国人民銀行が公布した商業銀行情報開示暫定弁法は、国有商業銀行を純粋な
商業銀行と見なし、経営状態に関するすべての重要情報を公開するよう求めてい
る。
 中央銀行の高官は、情報開示が銀行の上場準備であることを否定しているが、
幾つかの大きな国有商業銀行は、今回の改革の完了後に上場して資金を調達する
ことを明確に打ち出し、既に国際的に有名な会計事務所に自行の資産、経営状態
の監査を依頼している。コーポレートガバナンス(企業統治)における思い切っ
た措置をとることをさまざまな場で表明している。中国銀行は、経験の深い外国
人を総経理に迎え、外国の進んだ経験を学び、参考にする用意があることも明ら
かにしている。
 専門家は、中国の商業銀行がスタートさせた新しい改革は世界貿易機関(WTO)
加盟と大いに関係があると見ている。中国とWTOの合意では、5年後、外資金融
機関が中国で内国民待遇を受けるようになる。その時点で国有商業銀行が抱えて
いる問題を適切に解決し、競争力を全面的に高められなければ、生き残りの危機
に直面することは避けられない。これは各行が改革の目標達成の期限を5年とし
た理由の1つでもある。
 実際、外資銀行の中国での動きは、既に国内の銀行にかなりの衝撃を与えてい
る。今年3月、中国で最初に全面外貨業務の認可を受けたシティバンクは小額預
金について資産運用手数料を取った。初めは驚いた国内銀行も、それに学んで、
中国資本銀行も長年行ってきた無償サービスを変えるべきだと考えるようになっ
た。そして、中央銀行に対し、代理業務の料金基準を定め、国内の銀行の利子以
外の収入が国際水準よりはるかに低い現状を改めるよう要求した。南京エリクソ
ンなど優良顧客が取引を中国資本の銀行から外資銀行に移す動きは、国内銀行に
競争が目前に迫ったことを感じさせた。
 中国の中央銀行総裁戴相竜氏は、この改革について、5年またはもう少し長い
期間で4つの国有独資商業銀行を競争力のある近代的大型商業銀行に改造し、一
定条件のもと国有独資商業銀行を政府過半出資の株式商業銀行に改組すると概括
した。そして、当面の主要な任務は、コーポレートガバナンス構造をより完全に
し、不良債権比率を引き下げ、過去の財務負担をなくして、自己資本比率を国際
基準に到達させることだとした。
 近年の国有商業銀行の多くの改革措置が計画経済体制の後遺症を治すことにあ
ったとすれば、新しい改革は銀行を完全に市場に押し出すための大事な一歩にな
ることは疑いない。改革の抵抗と難しさははっきりしており、各行は膨れ上がっ
た人員の整理、能率の低い体制の再編に大いに頭を悩ますことになろう。
 しかし、各行の経営者は強い自信を示している。劉明康中国銀行頭取は、5月
のアジア開発銀行(ADB)年次総会で改革の目標を説明した際、「言ったことは
必ずやれる」と厳かに約束した。

●住宅ローンの増加に注意喚起 中国人民銀行
 今年に入り、上海の個人住宅ローンの貸しつけがふえ続けており、中国人民銀
行上海支店の責任者は18日、住宅販売の潜在的圧力と個人住宅ローンの貸しつけ
割合が過大になる危険性に注意喚起をした。
 6月末現在、上海の個人住宅ローンの貸付残高は1121億7600万元で、年初より
216億5500万元ふえ、過去最高となった。6月、住宅ローンと公共積立金の貸し付
けがそれぞれ42億7900万元と7億4800万元で、合計50億2700万元となり、月間で
過去最高となった。
 中央銀行の専門家は、現在、中国の不動産市場は販売が好調だが、上海の最新
データをみると、注意すべき2つの状況があるとして、次のように指摘している。
 第一に、上半期、同市の分譲住宅の施工面積が4951万平方メートル、完成面積
が468万5100平方メートル、販売面積が646万7100平方メートルで、これは現在、
販売状況は確かに好調である。しかし、2、3年後に続々と売り出されることにな
る施工中の分譲住宅は現在の好調な販売が続いたとしても非常に大きな圧力とな
り、さらに大量に売れ残った住宅が購買力を分散させることも考慮しなければな
らない。
 第二に、今年1~6月、上海の分譲住宅の販売額は246億2900万元、個人住宅ロ
ーンの貸付額は216億5500万元だった。この2つは簡単に対比できないが、現在、
上海の分譲住宅購入に対する銀行のローン貸付割合はかなり高い。こうした状況
から、上海の各商業銀行は下半期、個人住宅ローンの貸付業務については注意し
なければならない。

●第2四半期も引き続き上昇 中国の不動産価格
 今年第2四半期、中国の不動産市場は好調だった。国家発展計画委員会の16日
の発表によると、建物の販売価格と土地取引価格が大きく上昇し、前年同期と比
べ、建物の価格が2.8%、土地取引価格が5.4%、建物の賃貸料が1.2%上昇した。
 国家発展計画委、国家統計局が35大中都市の不動産市場を調査したところによ
ると、建物価格上昇の主要な要因は、今年国民経済が着実に成長し、住宅制度改
革が一層深まり、不動産二次市場(中古市場)の開放が加速し、消費者の投資と
収入見通しがかなり良好だったことである。このほか、建物の質、技術採用量、
コミュニティー建設などが全体的に向上し、開発企業が販売促進活動を積極的に
進め、価格の持続的上昇を促した。
 地域別に見ると、東南地区の寧波、南昌、杭州、上海などは建物の販売市場が
依然として活発で、価格がそれぞれ前年同期より大幅に上昇した。西部地区の蘭
州、銀川、貴陽などは西部大開発に引っ張られる形で建物の販売価格が全体的に
上昇した。
 第2四半期、経済的実用住宅、一般住宅及び高級住宅など分譲住宅の販売価格
は前年同期に比べ2.6%上昇した。主な要因として、需要の伸びのほか、建物の質、
居住環境、不動産管理水準の向上が挙げられている。住宅用以外の建物は、事務
所ビル価格の下げ止まり・回復の影響を受け価格が上昇に転じ、商業用建物と事
務所ビルの販売価格が大きく上昇した。
 統計によると、第2四半期における私有(民間)建物の販売価格と公共住宅の
取引価格は、前年同期よりそれぞれ4.0%と2.5%上昇した。需要拡大の影響、特に
二次市場の段階的開放で、私有建物の中で住宅の販売価格が大幅に上昇し、前年
同期より10.6%上がった。
 第2四半期の土地取引価格は引き続きかなり大幅に上昇した。市場の需要が旺
盛で、一部の地区は基準地価を調整し、また土地取引で入札や競売方式を一層採
用している。こうした要因が作用し、地価は前年同期より5.4%上昇した。調査し
た35大中都市の中で、土地取引価格がかなり大きく上昇したのは太原、杭州、長
春、寧波、南昌、成都だった。
 また、第2四半期の建物賃貸も着実に値上がりし、住宅の賃貸料は前年同期よ
り1.2%上がった。一部地区は昨年の公共住宅の賃貸料引き上げの影響を受け1.9%
上昇した。うち公共住宅と私有住宅は大幅に、商業用建物はわずかに上昇した。
同時に、事務所ビルと工場建屋、倉庫の賃貸料も下げどまり、上昇に転じた。

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●外資の中国シフト 戦略的投資拡大
 アジア金融危機後、世界の資本が発展途上国から先進国に戻っている中、中国
は唯一の例外になっており、資本流入が年ごとに増加し、新世紀の最初の年に過
去最高を更新した。権威筋は、中国の外資利用実績は今年、500億ドルを超え、
外国企業による直接投資が最も多い年になる可能性が強いと指摘している。
 対外貿易経済協力省の最新統計によると、今年に入ってからも外国企業の対中
投資は大幅増加の傾向を維持しており、1~6月に設立された外資系企業は前年同
期比26.39%増の1万5155社、外国企業の投資実績は18.69%増の245億7900万ドル
に達した。
 多国籍企業の対中投資は、M&A(企業による買収や合併)、先進的な研究開
発センター、地域本部の中国への開設など戦略的調整が始まっており、中国は
「世界の工場」、地域的研究開発センター、営業センターになりつつある。これ
まで外資の参入が禁止されていた分野も、中国の世界貿易機関(WTO)加盟時の
約束履行に伴い、多国籍企業グループの投資目標になっている。
 業界関係者は、海外からの戦略的投資は中国の輸出市場のグレードアップを促
進するだろうとしている。海外の投資家が重視しているのは、中国の安い労働力
だけではなくなっているためである。
 中国が生産・製造機能の転換に力を入れる一方で、多国籍企業も中国を新製品
・新技術の重要な供給源にするための事業に取り組み始めている。大まかな統計
によると、これまでに外国企業が中国に開設した研究開発センターは120カ所余
りに上っている。マイクロソフト中国研究院、インテル中国研究センター、ルー
セント中国実験室、フィリップ・デジタル信号処理技術研究センターなどであり、
「フォーチュン」誌は中国が「世界の新しい技術センター」になりつつあるとコ
メントしている。
 貿易省外国投資管理局の職員は、今後の5年間に多国籍企業が中国に開設する
研究開発機関の数は現在の2倍余りにふえると予想している。
 中国に地域本部や営業センターを開設することが、この数年、多国籍企業の対
中投資のもう1つの「流行」になっている。「フォーチュン」誌が先ごろ発表し
た調査報告の中では、92%以上の多国籍企業が数年内に地域本部を中国に開設す
ることを検討しているとした。
 アジア太平洋地域16カ国・地域の市場を調整し、中国に開設した22の投資企業
と研究開発センターを管理するために、アルカテルはアジア太平洋地域本部を浦
東に移転した。
 アルカテルのセルジュ・チュルク会長兼CEOは「アジア太平洋地域の通信市場
は今後の3~5年以内に大きく成長するだろう。通信やインターネット業務に対す
る中国の大きな需要がこの成長を促進する主な原動力だ。2003年までに、中国は
日本を追い越してアジア太平洋地域最大の通信市場になるだろう。上海にアジア
太平洋地域本部を開設すれば、現地の顧客の要望に一層迅速に対応できる」と語
った。
 香港上海銀行(HSBC)、シティーグループ、マッキンゼーも、地域本部や営業
センターを上海に移転したが、日本のトートー、米国のモトローラは地域拠点と
して北京を選んだ。
 ゼネラル・モーターズのワグナー社長は「確固とした中国戦略がなければ、グ
ローバル化を実現することはできない」と語った。
 中国人民大学経済学院副院長の黄泰岩教授は次のように述べた。西側先進国の
経済成長が鈍化する中で、中国経済は健全な成長を続けている。WTO加盟で中国
の発展に明るい前途が開けているため、外国企業は対中投資に大きな自信を持つ
ようになっている。特に中国が通信や保険など高い収益が望める業界に対する改
革を進めていることで、国際資本を誘致する大きな力が生まれている。
 中国科学技術大学国際経済研究所長の孫健・教授は、次のように指摘した。米
同時多発テロと世界経済の成長鈍化の両方による影響で、多国籍企業の投資との
M&Aはグローバル化から地域化へと移行しており、最も安全な地域を選んで投資
するようになっている。相対的に見ると、中国は多国籍企業の投資先としては最
も安全な地域である。これは多国籍企業が、世界経済が低迷する中で行った最も
新しい戦略的調整である。

●中国の農産物輸出、食品安全の壁に直面
 今年に入ってから、中国産農産物の3大輸出市場である日本、香港、韓国への
輸出が鈍化しており、日本への輸出は0.9%増にとどまっている。欧州連合(EU)
は、中国からの農産物に非関税措置をとって輸入を制限しており、1~5月のEUへ
の農産物輸出は23.3%も減少した。
 「食品安全の壁」は中国の多くの農産物輸出企業が直面する技術的貿易障壁で、
世界貿易機関(WTO)加盟後に中国の農産物輸出が直面している最大の障害にな
っている。
 農業省情報センターの統計によると、EUが中国の動物性食品の輸入を全面的に
禁止した影響で、今年のEUへの畜産物輸出は33.5%も減少しており、アジアとア
フリカへの輸出も大幅に落ち込んでいる。1~5月の畜産物輸出は前年同期比12%
減の10億9000万ドルだった。1~5月の家禽の輸出は18万9000トンと27.5%も減少
し、天然ハチミツの輸出は2万4000トンと32%も減少した。
 山東省は中国最大の農産物輸出拠点だが、今年に入り貨物の返品が相次いでい
る。EU諸国は1月末、食品安全問題を理由に中国からの動物性食品の輸入を禁止
した。これにより、山東の8万余りの農家と加工輸出企業が大幅な減収となり、
同省の輸出は3億ドルも減少した。EUのこの措置を契機に、ノルウェーとハンガ
リーも中国からの動物性食品の輸入を禁止し、日本、韓国、サウジアラビアも検
査基準を厳しくした。
 労働集約型農産物加工業が産業の中心になっている浙江省も同じような問題に
直面している。日本が浙江産のシイタケに対する検査を強め、韓国が水産物の残
留物質に対する検査基準を強化した。浙江省の緑茶に対する西側諸国の検査も一
段と厳しくなっている。杭州市蕭山区では100余りの企業が外国に商品を輸出し
ているが、輸入国の検査にパスしたのはそのうちのわずか3社だった。
 これについて対外貿易経済協力省(貿易省)の責任者は次のような考えを示し
た。世界的経済不況で貿易保護主義が台頭してきている。今年に入り、関係国は
食品安全問題を理由に厳しい検査手段、さらには過酷な検査手段を制定しており、
それが中国の農産物輸出に一定の影響をもたらしている。
 また、長期にわたり中国の労働集約型農産物は優位性を維持し、国際競争にお
いて価格面で優位に立っていた。だが、WTO加盟後、外国の貿易保護主義が一段
と多様化しており、食品安全問題が中国の農産物輸出を規制する先進国の主な口
実になっている。
 関係者は次のような提案を行った。中国は速やかに農産物輸出情報サービス体
系を構築し、農産物輸出に関する主なデータや主要市場の状況を収集、発表して、
輸出企業のために世界の農産物生産、農産物需要動向、市場に関する情報を提供
すべきだ。また、企業が積極的に市場を開拓するのを奨励、支援しなければなら
ない。
 貿易相は既に「中小企業国際市場開拓資金」を開設し、中小企業が国際市場、
特に新興市場で宣伝活動、営業販売活動を展開、国際認証を取得し、市場参入能
力を増強することを支援している。

……【エネルギー産業】…………………………………………………………………
●中国のエネルギー資源消費 世界最速
 11日BP中国本部によると、第51期2002年BP世界エネルギー資源統計年鑑が国
家計画委員会エネルギー研究所と国務院発展センター技術経済部から共同で公布
された。
 統計によると、9月11日の同時多発テロと世界経済の停滞の影響で世界のエネ
ルギー資源の需要はわずか0.3%伸びにとどまった。これは過去5年間の世界エネ
ルギー資源の成長速度では4番目に低い。中国の去年のエネルギー資源総需要は
8.4億トンで、前年より4.3%成長しており、全世界の9.2%を占めている。
 全世界で石油は40%以上のエネルギー資源として供給されており、天然ガスの
割合は24%に達している。全世界の天然ガスの資源は一層分散多元化の傾向にあ
る。
 2001年の石油の平均価格は1バレル24.77ドルで、2000年の1バレル28.98ドルよ
り低いものの、1986年以後の1バレル19ドルという平均水準よりは依然として高
い。中国の2001年の石油需要は世界平均の0.5%を上回り0.8%に達している。
 世界平均の天然ガス需要は0.3%の増加で、前年より4.3%増となっている。北米
の市場はマイナス5%と縮小傾向であるのに対して、アジアの天然ガス需要は依然
として強く、中でも中国の天然ガス需要は12.9%の成長を達成している。
 世界の石炭需要は1.7%の成長したが、これは主に中国からのものである。中国
はアメリカに次いで第2の石炭消費国で、去年消費した石炭は5.2億トンであり、
2000年比5.4%の増となり、1997年以来の大きな伸びとなっている。中国の石炭消
費量は全世界の23%を占めている。

●米仏ガス供給大手2社、上海に共同出資企業
 世界的に有名な工業ガス供給業者である米プラックスエアとフランス・ガスは
このほど、共同出資で上海化学工業区に工業ガス供給会社を設立した。来年から
区内の化学工業企業に集中的にガスを供給する。
 設立されたのは上海化学工業区工業ガス有限公司で、今後2期に分けて建設を
進める。1期工事が完成すると来年着工する事業のガス需要に対応できる。2期工
事は2005年末完成の予定で、区内の工業ガス集中供給業者となり、工業ガス、圧
縮空気などの生産、貯蔵、輸送、販売を行う。
 専門家によると、新会社は区内のすべての化学工業企業に工業ガスを供給する
と同時に、区内の公共施設や基盤施設を整備し、迅速なガス供給システムを整え、
企業誘致と資金導入に役立てる。
 杭州湾北部に位置する上海化学工業区は、国内で規模が最も大きく、技術レベ
ルが最も高い、石油化学工業を中心とする総合的工業区で、石油化学工業、石油
化学高度加工、ファインケミカルを重点的に発展させる。計画総面積が23.4平方
キロで、1期工事で10平方キロを開発し、主に重化学工業事業と公共施設の建設
を進める。2期工事では13.4平方キロを開発し、主に石油化学高度加工とファイ
ンケミカル事業を進める。これまでにバイエル、BASF、ハンツマンなど国際的化
学大手が進出している。

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                     (中国人民銀行7月20、22日発表)
外貨名  100日本円   100米ドル 100香港ドル  100ユーロ
人民元   7.1410   827.69 106.08   833.10
〔北京7月20、22日発新華社〕

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 編集: 神谷哲司  翻訳:石川敦也 何慶輝

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