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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.282 2004年11月9日
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国貿易の飛躍と対外連携の模索】
●中国とASEAN 5年後相互関税免除 大部分の製品関税がゼロに
●商務部 今年中国・ASEAN貿易額1000億ドル突破
●商務部 2003年中国民営企業輸出入上位100ランキング
●税関が密輸押収案件1.3万件で昨年1年間の件数を上回る

┏【国内経済】
●今年9月まで地下銀行86行を摘発 不正金額数十億元
●第3四半期末都市登記失業率は昨年に比べ下落

┏【社会】
●発ガン性物質を含む髪の毛醤油を追跡 上

┏【経済データ】
●外国為替(11月8日)

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……【特集:中国貿易の飛躍と対外連携の模索】……………………………………
●中国とASEAN 5年後相互関税免除 大部分の製品関税がゼロに
 商務部スポークスマン崇泉氏が25日発表したところによると、中国とASEANが11
月に署名する自由貿易地域貨物貿易協議に基づき、2005年より中国・ASEAN自由
貿易地域の関税が引き下げられ、双方の大部分の製品の関税が2010年にはゼロに
なる。同時に、重要協議――紛争解決機関協議も11月に署名する。

 10月18日から20日までの交渉において既にこの2項目について双方が一致を見
ており、11月に行われる中国・ASEAN首脳会議の期間に正式に署名されることが
決まっている。
 崇泉氏によると、貨物協議の合意達成は、中国・ASEAN自由貿易地域建設の道
筋を進めるものであり、ウイン・ウインの貿易関係を切り開き、アジア地域経済
の一体化において積極的かつ広大な影響を生み出すものだとしている。
〔新京報10月27日〕

●商務部 今年中国・ASEAN貿易額1000億ドル突破
 商務部の安民副部長は12日、記者ブリーフィングで、現在の成長傾向から見て、
今年の中国とASEANの貿易額は1000億ドルを突破すると述べた。
 安民副部長によると、昨年行われた中国・ASEAN首脳会議において、温家宝総
理が、2005年に双方の貿易額が1000億ドルを突破することを目標にすることを提
案している。現在の成長傾向から見て、今年にはこの目標実現が見込まれている。

 商務部が発表したデータによると、1990年以来中国・ASEAN貿易額は年平均20%
の速度で増加している。2003年の双方の貿易額は782億元に達し、1978年に比べ90
倍に成長した。ASEANは1990年より連続して中国にとって5番目の貿易相手であり、
中国はASEANにとって発展途上国最大の貿易相手である。今年1―9月の双方の貿
易額は754億ドルに達し、前年同期比35.6%であった。
 安民副部長は、「中国とASEANの対外貿易の関係の持続的発展及び今後の中
国・ASEAN自由貿易地域の建設に伴い、ウイン・ウインの関係のもとでの全面的
な対外貿易協力は、また新しい発展の段階に突入し、協力の前途は明るい」と述
べた。〔新華網10月21日〕


●商務部 2003年中国民営企業輸出入上位100ランキング
 中国義烏国際小商品博覧会において、商務部は2003年中国輸出入及び輸出額が
最も大きい民営企業100社の名簿を発表した。これは、商務部が初めて発表する
民営企業輸出入上位100ランキングである。

 改革開放の20年を経て、中国の民営経済は著しい発展を遂げている。多くの民
営企業が積極的に国際市場を開拓し、国際市場の競争に参加している。規模及び
実力の成長も著しく、貿易では特に対外貿易輸出が重要な成長ポイントとなって
いる。
 2003年の中国民営企業輸出入額は593.2億ドルに達し、前年比154.1%の成長と
なった。輸出入額が全国輸出入総額に占める割合は7%に達し、前年比3.2ポイン
トの上昇となっている。
 今回発表した輸出入額が最も大きい民営企業上位100社の輸出入額の合計は128.9
億ドルで、全国民営企業輸出入総額の21.7%を占め、全国輸出入総額の1.5%を占
めている。

 商務部企画財政司の劉海泉副司長の分析によると、上位100社に選ばれた企業
は具体的に3つの特徴があるという。
 第一に、一定の規模と実力を持っている。
 選ばれた企業のうち、輸出額が1億ドルを超えている企業は37社で、ランキン
グトップの広東東莞機械輸出入有限公司の輸出入総額は20億ドルを超えている。
輸出総額は最も少なくても5163万ドルに達している。
 第二に、選ばれた企業の主要商品がメカトロニクス分野の企業は45社に達して
いる。
 第三に、選ばれた企業の地域の分布は相対的に集中している。
 東部地域が83社で絶対優位を占めている。そのうち、広東が49社、浙江が13社
である。西部地域は8社であり、そのうち2社の輸出額は1億ドルを超えている。

 商務部によると、ランキングの客観性、公正性、比較可能性を保障するため、
今回のランキングは税関データに基づいており、企業の申告を求めていないとい
う。たとえ企業がどうしようとも、輸出入経営に従事している民営企業は皆ラン
キング範囲に入っており、輸出入額によってランキングされている。
〔新華網10月24日〕

●税関が密輸押収案件1.3万件で昨年1年間の件数を上回る
 1―9月の全国税関の各種密輸押収案件は1万3828件で、被害総額56.9億元、脱
税嫌疑額は10.6億元で、それぞれ前年同期比56%増、27%減、9%減となった。案件
数は昨年年間の1万2939件を上回った。
 1―9月において全国税関が立件捜査した脱税案件は795件で、前年同期と同水
準の2314名の犯罪容疑者に強制措置をとった。そのうち逮捕者は1173名で10.9%
増加した。検察機関への移送・起訴は1243名で9.9%減となった。

 今年以降の税関の密輸押収案件数は大幅に増加したものの、被害総額は大幅に
減少している。密輸押収行為及び違法案件が大幅に増加したものの、密輸犯罪案
件は大幅に減少している。
 このことは、大規模な密輸の有効な抑制は継続し、密輸者が密輸品をばらばら
にして密輸する方式が税関重点取り締まりの一つになっていることを意味してい
る。〔人民日報11月2日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●今年9月まで地下銀行86行を摘発 不正金額数十億元
 国家外国為替管理局によると2日、今年、全国各地の公安機関と外貨管理部門
が数回に分けて違法外貨売買取り締まり合同行動を行った。
 大まかな統計では、今年9月まで合計86の地下銀行及び違法外貨売買拠点が摘
発され、不正金額が数十億人民元に達した。

 国家外国為替管理局によると、公安部と国家外国為替管理局は北京で違法外貨
売買取り締まり合同弁公室の第6回会議を行った。両部門は現在の外貨収支状況
及び違法外貨売買行為の新しい特徴を分析して、来年両部門の活動方針とポイン
トを提出した。
 86の地下銀行及び違法外貨売買拠点の取り締まり行動で、人民元に換算して5000
万元の現金を押収し、290の通帳と銀行口座に入っている合計3000万元相当する
資金を凍結した。また、194名の犯罪容疑者を逮捕して、合計1943万元余りの罰
金を科した。
 このうち、幾つかの大きい金額の重大案件を摘発した。案件の中には、外国為
替取り扱い無許可での経営、ヘッジング、虚偽投資、国外賭博資金マネーロンダ
リング、銀行ローン騙取及び国有資産の国外移転などの違法犯罪行為が含まれて
いた。

 国家外国為替管理局副局長、全国違法外国為替売買取り締まり合同弁公室主任
の李東栄氏は、現在、違法外貨売買行為の範囲が拡大し、違法行為手法もますま
す陰湿化しているため、違法外貨売買行為に対する取り締まり活動は難しくなっ
ており、国家外国為替市場秩序を維持する任務がさらに厳しくなっていると述べ
た。

〈1―9月違法外為売買総額1.2億ドル〉
 国家外国為替管理局が2日に公表したデータによると、2004年1―9月に、国家
外国為替管理局が捜査処理した違法な外為売買総額は1.2億ドルに上ることがわ
かった。
 国家外国為替管理局関係責任者によると、一部の銀行、企業及び個人の外貨に
よる違法な外為売買行為により、中国の国際収支が影響を受け、外貨準備高が異
常な速度で増大し、国家による外貨政策を妨害している。現在、この違法な外為
売買行為が多様化、多手段の様相を呈している。
 1―9月、国家外国為替管理局は35の銀行及び関連機構、41社の企業が行った違
法な外為売買行為に対して立件、捜査を実施した。捜査した違法外為売買総額は
1.2億ドルに達し、行政罰金101万人民元、違法所得約10.1万人民元を没収した。

〈違法外為売買行為の3つの新しい特徴〉
1) 資本収支で違法外為売買行為を行うこと。
 例えば、外国為替管理局の許可なくストックオプション外為売買、国内外貨ロ
ーン外為売買、外貨資本金外為売買、外債資金外為売買、違法に資本収支の外貨
資金を経常収支に混入して外為売買を行うなど。
2) 経常収支で違法外為売買行為を行うこと。
 例えば、外国為替管理局の審査許可を経ずに非貿易収支の現金外為売買を行う。
外国為替管理局の審査許可を経ず、外為売買資金入手先を審査を経ず、外為入手
先証明がない状況で、個人に対して国家規定限度額を超える外貨資金外為売買を
行うなど。
3) 一部の銀行が許可なしで外為売買業務を行うこと。
 規定に従わず、外為売買の有効な証明書や商業領収書を保存していないなどの
違法行為など。
〔北京娯楽信報11月3日〕

●第3四半期末都市登記失業率は昨年に比べ下落
 労働社会保障部の情報によると、第3四半期末、中国には都市登録失業者が計821
万人おり、前年末より21万人増加した。都市登記失業率は4.2%で、前年末より0.1
ポイント下落した。

 28日の労働社会保障部の2004年第3四半期記者会見のデータによると、9月末ま
での中国国有企業の下崗人員は176万人で、前年末に比べ84万人減少した。その
うち106万人は再就業サービスセンターとの合意を締結している。
 合意に署名する下崗人員はすべて期日どおりに一定額の基本生活費を受け取れ、
社会保険料が代納される。〔新華網10月28日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●発ガン性物質を含む髪の毛醤油を追跡 上
 髪の毛と醤油、この2つが関係あるとは普通は考えにくい。しかし、現実に醤
油の一部が髪の毛でつくられているのだ。
 この醤油は発ガン性があるとして、国家は何度も生産禁止の通達を出している
が、悪質な業者は欲に目がくらんで、依然として「髪の毛醤油」を生産している。

 現在、圧倒的大部分の理髪店で髪の毛が販売されている。毎日トラックに積ま
れた髪の毛が、山東や河北に販売され、メーカーは髪の毛を使ってアミノ酸液を
生産し、全国に販売している。
 幾つかの小さいメーカーはこれらのアミノ酸液を使用して「髪の毛醤油」を生
産し、廉価でホテルや朝市に出荷している。
 この実情を調査するため、本紙記者は危険を冒して1カ月の間秘密裏に調査し
た。河北と山東などを転々とし、何万キロの行程を経て、ついに「髪の毛醤油」
の産業チェーン、驚くべき実態が明らかになった。

〈黒幕の出現 髪の毛を回収してどうするのか?〉
 銭さんの家は瀋陽近郊にある。銭さんには、今年初めからずっと不思議だと思
っていたことがある。
 銭さんの家の階下でいつも髪の毛を収集している人たちがいるのだ。そして、
それをトラックで搬送している。銭先生は不審に思って注意深く見ていた。髪の
毛を購入、搬送している人がどこに行くのかはわからないが、髪の毛を輸送する
車の多くが地方ナンバーであったという。
 洪区赤旗台の鉄道の近くあるヘアーサロンの経営者の高さんは「毎日大体2―3
組が髪の毛を買いに来るので、売れないことは全く心配していない」「髪の毛は
500グラム4角で買ってくれる。よいものは5角になることもある。髪の毛で何に
使うのかは、私はよく知らない」と話す。

 さらに調査を進めると、この地区で回収された髪の毛は、すべて酢を生産して
いる1つの工場に運ばれていることがわかった。しかし、髪の毛が結局何に使わ
れているのかはわからない。何度もこの工場への接近を試みたが、しかし高い壁
と放し飼いにされているシェパードに阻まれてなし得なかった。
 1週間後、今度は別の作戦を試してみた。髪の毛を売ると見せかけるために、
市場で袋2つと装備を購入し、酢の加工工場に売りに行ってみた。しかし、思っ
た以上にこの工場の警戒は強く、1人の中年女性が出てきて、この工場では髪の
毛は必要としていない。髪の毛を何に使うかをも知らないとはっきりと言った。

 調査が間違っていたのだろうか。取材は行き詰まってしまった。そこで、再度
分析し、もう一度最初から調査を始めることにした。
 取材は髪の毛の買いつけから始めた。ずっと待っていると、自転車に乗った地
元では見かけない男がついに例のヘアーサロンに来た。20カ所以上のヘアーサロ
ンを転々とした後、この男は集めた髪の毛を持って平和区長白地区に帰っていっ
た。
 そこは1階建て家屋の集中する地区で、この男は車を押して通りに面した小さ
い家に入っていった。外から見ても庭にいっぱい髪の毛が積み重ねられているの
がわかる。この髪の毛には吸い殻、紙切れなどのごみなどが混ざっているだけで
はなく、化学薬品で染められた赤や緑、青色の髪の毛もある。
 商売人のふりをして髪の毛を購入している家に入っていくと、ここの主人の李
さんは、実は、自分たちは行商人であって、集めて来る髪の毛を簡単に分けた後、
さらにメーカーに売っていると話す。
 これらの髪の毛は、最終的ににはすべて山東、河北などの化学製品工場へ輸送
される。自分たちの周囲の何軒かの家では毎週少なくとも10トンの髪の毛を販売
し、そして化学製品工場は髪の毛を使ってアミノ酸をつくっているのだという。

〈神秘的な人物 瀋陽の髪の毛回収業の親玉〉
 李さんによると、工場の人は河北新楽市出身の康福海さんというそうである。
康福海さんの故郷は髪の毛商売を専業とする村である。商売は非常に繁盛してお
り、全国からの髪の毛はすべて集中にそこへ集められ、簡単な加工を施し、さら
に河北、山東、四川、重慶などの省に売っている。
 その後、関係筋から得た情報では、これらの髪の毛では「毛髪水」と呼ばれて
いるアミノ酸液を製造するのだという。この「毛髪水」は、工業用に使う以外に
も、醤油などの食用調味料の生産にも用いられている。

 醤油などの調味料のアミノ酸の含有量については厳格な国の基準がある。アミ
ノ酸は元来は豆の加工食品、穀物などを発酵させてつくるべきものであるが、一
部の悪徳商人は調味料のアミノ酸含有量の基準に合わせるため、髪の毛から加工
された安値のアミノ酸液を使っている。
 これらのアミノ酸は、塩酸での加水分解と化学試薬を使って抽出し、生成した
アセチルシステインを少しずつ取り出す。その後の残留廃液にはヒ素、鉛、塩素
のプロピルアルコールなどの有害物質が含まれる。
 醤油を調合する際には、醤油の色を出すための色素として、てんかんの病気を
誘発する4メチルイミダゾールを入れており、食用するとがんなどの多種の致命
的疾病を発生する可能性がある。

 神秘的な人物と言われている康さんを探すため、髪の毛を買い上げている李さ
んを何度も訪問し、ごちそうしたり贈り物をしたりして、ついに彼の信用を得た。
最後に、李さんは、康さんの家も長白地区にあるといい、康さんの携帯電話の番
号を教えてくれた。
 康さんにアミノ酸を買いたいと連絡してみたが、康さんは面会することを承知
せず、出荷に忙しく、今時間がないと言うだけであった。
 できるだけ早く康さんと連絡するため、康さんの利益になることを伝えても、
康さんは依然として面会を避けているようで、話をしてくれない。
 しかし、康さんは髪の毛加工工場の支配人であること、瀋陽とその周辺地域の
髪の毛はすべて彼が買い付けており、比較的大きい倉庫が一つあるということは
わかった。

〈康さんに初面会〉
 髪の毛商人の李さんは金銭を重要視するように見えたので、李さんを突破口に
選んだ。
 まず、李さんに、仕事がうまくいったら世話料を支払うことを約束し、康さん
にも少なくない紹介料を支払うことを約束した。李さんはこの話を聞くと、康さ
んに電話をかけた。
 李さんは電話口で記者を自分の友達だと紹介し、同時に世話料を支払うことを
説明したが、康さんの返答は考えてみるということである。いずれにしろ、康さ
んには高い金額を提示したのだから、これだけ利益があれば、転機が訪れるだろ
うと考えていた。

 予想どおり午後2時半ごろ、李さんから電話が来た。「まずお金を支払いなさ
い。康さんの商売範囲は広く、東北の髪の毛はすべて彼を通過している。1カ月
に100数トンにもなっている。髪の毛はすべてメーカーへ送っているので、あな
たの商品を買うのは難しいけれど……」康さんに会うために、この条件を受け入
れた。
 午後4時半に李さんは康さんの工場へ連れていってくれた。工場は長白市場北
側の小さな路地内にあり、外からは目立たない。康さんは不在だったが、30分後
に帰ってきた。
 康さんは背丈が170センチメートルほどで、色は黒くやせており、50歳ぐらい
である。型どおりのあいさつをした後に、本題に入った。
 醤油漬け物の商売をしているとし、康さんから安いアミノ酸醤油を買いたいと
話した。しかし、康さんは都合が悪いと記者の要求を拒絶した。

 記者は工場を離れるほかなかった。新聞社に帰ってくるとすぐ、意外にも李さ
んからまた電話があった。「もしこの仕事をやりたいと思っているのならば、話
をするだけでなく、一度食事を接待したらどうだろうか。今晩、康さんはちょう
どあいているとのことなので、どうですか」康さんは何人かの部下と李さんと一
緒にレストランに来てくれるという。
 酒の席で、康さんは、既に東北で20年来の髪の毛の商売をしており、髪の毛を
集めている人は100人以上で、家は鞍山にあると話してくれた。
 記者は、この席で、北京事務所を教えてもらえば、北京で康さんからの電話を
もらって、メーカーに直接行くことを提案した。メーカーで商品到着を確認した
らすぐに手数料を支払うというやり方に康さんは同意した。

〈仕方なく新楽市を奔走し「髪の毛村」へ〉
 康さんの言うことはしょっちゅう変化するので、掌握した情報から行動計画を
決めることにした。
 一方で、康さんの電話を待ちながら、河北の新楽市に人を派遣し、髪の毛回収
を専業としている村とアミノ酸生産メーカーを探させた。

 10月10日の夜、列車で石家庄市に向かった。翌日の明け方、石家荘の食品添加
剤市場に行ってみた。康さんによると、石家荘には髪の毛を使用してアミノ酸を
生産している企業があるということで、この企業の製品が現地で販売されている
のではないかと考えた。
 食品添加剤販売は石家庄市では既に市場を形成しており、この市場は車両工場
の前街にあり、およそ20余り小売店がある。買い手を装って情報を集めたが、全
く何も得られなかった。
 この市場で販売されているアミノ酸はすべて広東での生産されており、石家荘
当地のものはなかった。石家庄市にアミノ酸生産メーカーがあることを知らない
者もいた。

 仕方なく、長距離列車に乗って新楽市に行った。
 新楽市に着くと、運転手に囲まれ、口々にどこに行くか聞いてくる。「私は髪
の毛の商売をしているので、髪の毛村に行きたい。わかりますか」と社長のよう
な口ぶりで聞いた。何人かの運転手が同時に言った。「知ってる、知ってる。小
宅甫村でしょ。20元でどう」この村は現地ではとても有名なようで、その中の1
人のタクシーに乗った。
 車の中で、運転手に「私たちは地方から来たので、ここではだまされるのでは
ないかと思っている。あなたが私たちと一緒に行ってくれれば50元支払う。あな
たの親戚といって、何件かの髪の毛の卸売をしているところに連れていってくれ
ないか」と交渉した。金がもらえると聞いて、運転手は喜んでこの申し出を承諾
した。

 タクシーは新楽市の旅客輸送駅から20分ぐらいで高速を降りて、村の道を走り
始めた。さらに20分で小宅甫村に着いた。ここは髪の毛村で、村じゅうに髪の毛
の購入場所が続いており、黒い髪の毛が小山のようにそれぞれの家の中庭で積み
上げられている。
 この村は現地ではとても有名で、毎日全国各地から髪の毛を満載したトラック
がこの村に出入りしているという。

 タクシーの運転手は、その中の1つの中庭に入っていった。ふと見ると、髪の
毛は直接地面に置かれている。初めに熊手で積み上げられた髪の毛の中から、か
つらにできる長い髪の毛を選んでいる。残りの髪の毛は機械にかけ、短時間で髪
の毛の中の異物を取り除く。そして、でき上がった髪の毛を包装する。髪の毛は
若干高く売れるが、髪くずの価格は少し安いという。

〈次回の予告〉
 購入先の社長と親しくなり、アミノ酸母液を生産している石家荘の西環化学製
品工場に向かい、生産全過程が明らかに。
 康さんからは1000元を要求され、済南で会う約束をしたが、2日後、康さんは
また約束を破った。仕方なく、計画通り済南を離れて維坊の化学製品工場へ行っ
てみると、偶然にもそこで康さんと再会することに。
〔10月25日瀋陽今報〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行11月8日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.8015  827.65  106.45   1066.09
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《編集者コラム――政治家のメルマガ》
 メールマガジン『ヴィーナスはぁと』『未来総理』の合同親睦パーティー(オ
フラインミーティング?)に行ってきました。そこにはテレビで見るような国会
議員さんがいて、すぐそばにいて、しかもお話ができるのでおもしろかったです。
 メールマガジンの出会いから、こういうこともできるんだなとこのメディアの
可能性を改めて知って帰ってきました。我々編集部でもイベントを立ち上げたら
読者の方と交流ができるのでしょうか――それはさておき。
 政治家のメールマガジンといえば、首相官邸から出されている「らいおんはー
と」が有名ですし、「まぐまぐ」のサイトに行って探せば何人かの政治家の方の
メールマガジンに出会えます。
 けれども、そこまで政治家に詳しくなかったり、特定の政治家や特定の政党に
こだわりがない方には、いろんな政治家の言葉が読めるこういうメールマガジン
もありかなと思います。興味がある方は講読してみてはいかがでしょうか。
★女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
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翻 訳:陳振 劉志軍 杉下薫 荘小波
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