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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.285 2004年11月30日
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:財政の再配分による地域政策】
●中央銀行 西部地域開発プロジェクト債発行で民間資金誘導
●移転補助金増加 財政部は西部開発支援保持
●国庫管理制度改革が来年から全国で推進する 広東省が一番乗り

┏【自動車】
●中国自動車ブランド白書 国産車購入検討はわずか5割

┏【環境】
●上海の民営企業がブラジルの原生林買収
●深セン 高速な工業化がもたらす環境問題 上

┏【経済データ】
●外国為替(11月29日)

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……【特集:財政の再配分による地域政策】…………………………………………
●中央銀行 西部地域開発プロジェクト債発行で民間資金誘導
 資金は西部開発の重要な要素の一つである――中国人民銀行の呉暁霊副行長は
20日、「西部フォーラム」において、中央銀行は一定の条件にある西部地域を、
プロジェクト債を発行して民間資金を誘導し振興すると表明した。
 中国人民銀行の呉暁霊副行長は、(西部地域は)収益が安定的なインフラ施設
プロジェクトを幾つか試行し、プロジェクト債を公開発行し、安定的な収益率で
民間資金を誘導し、西部地域の市政建設、公共事業建設及びエネルギー建設に資
金を流入させるという。

 しかし、呉暁霊副行長は、目下企業債発行の過程において幾つかの規範的では
ない状況が散見されている、そのうち、政府が企業の起債の担保保証をすること
は最も危険なことだと指摘している。
 中国人民銀行呉暁霊副行長によると、担保の主体は投資人であるべきであるが、
幾つかの地方政府は資金誘導のために担保を提供しているという。この場合一た
ん失敗してもすぐに政府自身の責任に転嫁することができる。最近は、中国人民
銀行がこのようなことを多く処理しているという。

 このほか、呉暁霊副行長は、各金融機関が貸付利率の変動制を十分利用して、
西部地域産業構造調整と企業発展を積極的に支援することを提案した。
〔中央テレビ台11月20日〕

●移転補助金増加 財政部は西部開発支援保持
 財政部の長少春部長助理が現在南寧で開催されている2004中国西部フォーラム
で明らかにしたところによると、今後相当長い時間の中で、財務部は西部開発優
遇政策の安定的及び連続的な支援として、情勢に基づく政策支援の充実、万全化、
支援方法の革新が必要なことを明らかにした。

 この5年ほど、中央財政は西部地域のインフラ施設建設の投入量を拡大している。
 1998年から2003年までで西部地域国債プロジェクト資金3100億元(全国同期の
41.2%)を確保し、同時に、外国政府の借款を西部地域にシフトするようにした。
 2001年から2003年までの中央財政は西部地域農業総合開発資金77.32億元を確
保し、同時に、税収政策及び政府資金を総合運用し、西部地域の特色のある優位
性のある企業の発展を支援した。

 長少春部長助理は、中央財政は引き続き西部大開発を支援すると述べた。
 まず、体制改革と機構革新を進め、西部発展のためも環境を提供する。
 次に、移転補助金の度合いを増加させ、財政支出構造を調整し、西部地域の各
事業の持続的発展を促進する。中央財政は西部地域の各事業の発展に寄与し、教
育、科学技術、文化、衛生事業に対する投入を増加し、公共医療衛生体制を完備
する。
 それから、政策と資金の誘導作用を発揮して、税収政策、財政の利子補給、財
政補助といった間接的な方法、特色的で優位性のある産業の発展を支援する。
〔新京報11月21日〕

●国庫管理制度改革が来年から全国で推進する 広東省が一番乗り
 「財政革命」と称されている財政国庫管理制度改革が来年から全国各地で全面
的に推進される。これは、財政部の肖捷副部長が22日広州で開かれた全国財政国
庫管理制度改革工作会議を出席した際に指摘したものである。

 肖捷副部長によると、財政国庫管理制度改革は財政管理制度の一大革新であり、
その改革の目標は国庫単一会計体制を基礎とし、国庫支出金を主要な形式とする
近代的な国庫管理制度である。
 中国では2000年にこの改革を始めてから、既に大きく進展している。
 全国140の中央部門が改革範囲に組み入れられ、この改革にかかわる予算資金
が中央財政予算支出の60%ぐらいを占めている。
 また、30の省・市・自治区の省レベルの予算部門、150余りの地レベル、県レ
ベルの一部は国庫支出金改革範囲に組み入れられている。

 肖捷副部長によると、改革後、すべての財政資金は国庫単一会計体制に組み入
れられて管理され、財政資金支出と予算の執行過程の有効なモニタリングが強化
されたという。
 この新しいモニタリングシステムを通じ、2001年に中央部門がこの改革をスタ
ートさせて3年間で、中央部門の予算単位の55億元の財政支出不正行為を発見した。
 また、この改革は予算執行情報の透明性を強めて、財政資金の運用効率と使用
効果を高めている。

 調査によると、広東省の財政国庫管理制度改革は東部地域でトップにある。現
在、広東省の省クラスの予算部門はすべて国庫支出金改革試行範囲に組み入れら
れている。19の地レベル以上の市及び10の市管轄区が試行活動を展開している。
残りの2つの市も来月に試行を始める。
 今年1―10月に、広東省に納入された改革試行の国庫支出金額は217.43億元に
達している。〔羊城晩報11月23日〕

……【自動車】……………………………………………………………………………
●中国自動車ブランド白書 国産車購入検討はわずか5割
 中国自動車ブランド白書と呼ばれる「中国乗用車ブランド競争力報告」が11月
12日北京で発表された。
 この調査報告は賽迪顧問公司が半年にわたって、北京、広州、上海で526のサ
ンプルを集め作成したものである。

 調査報告によると、96%の消費者が自社ブランド自動車の成長発展が必須だと
したが、現在の消費行為においては中国ブランドを買いたいと考えている消費者
はわずかに55.7%だったことが明らかになった。
 調査では、国際ブランドは民族ブランド、ブランドの地位、ステータス向上を
強めるといった結論が明らかになった。

〈9割の中国人が国産自動車に高度な要求〉
 「人々は国産自動車が存在感があるものであることを望んでいるが、競争力が
あるものは幾つもない。つまり、高度な要求をしているのだ」業界関係者は消費
者の出した回答に対して肯定的にとらえている。

 研究によると、中国の自動車消費者は比較的強いブランド意識を持っており、
大多数の消費者は有名ブランドの車を運転することは個人のステータスを高める
ものだと考えている。
 消費者は有名ブランドに対し、有名ブランドがもたらす製品そのもの以外の満
足感を求めている。消費者は現在、ブランド選択において強烈なブランド意識を
鮮明にしている。大多数の人の自動車購入はブランド志向であり、そして、教育
水準が高いほどブランド志向も強くなる。
 96%にも及ぶ中国自動車消費者が中国が自社ブランド自動車の成長発展させる
ことが必須だとしているが、現在の消費行為においては、中国ブランドを購入し
たいと考えている消費者は55.7%にすぎない。
 このことは、中国民族ブランドと国際ブランドにはいまだ大きな格差があり、
依然として努力が必要だということを意味する。

〈ブランド競争力 フォルクスワーゲン、奇瑞〉
 中国乗用車市場ブランド競争力研究結果によると、全体的に見て、国際ブラン
ドの競争力が民族ブランドを上回っている。最も突出した国際ブランドは、フォ
ルクスワーゲン、ビュイック、ホンダ、アウディ、トヨタであった。
 民族ブランドでは、奇瑞が最も突出しており、ブランド競争力ランキングで多
くの国際ブランドを上回り、第6位に入った。紅旗ブランドはその後に続いた。
中華、哈飛、吉利は依然として努力が必要だ。
 民族ブランドのブランドイメージの認知は異なり、奇瑞は個性、紅旗は名声と
なっているが、その他の民族ブランドは依然として努力が必要だ。

 メーン、サブブランドの関係から見ると、サブブランドのメーンブランドへの
貢献度はサブブランドによって異なり、マーケティング資源分配の重点化を図る
必要がある。
 奇瑞ブランドを例にとると、サブブランドのうちQQの競争力は十分突出してい
るが、東方之子や風雲は比較的弱い。このことは、民族ブランドのミドルエンド、
ハイエンド製品ブランドを打ち立てるには長い道のりを要することを意味してい
る。〔北京娯楽信報11月19日〕

……【環境】………………………………………………………………………………
●上海の民営企業がブラジルの原生林買収
 上海民営企業安信集団の理事長盧偉光が先日、ブラジリアのブラジル関連部門
とアマゾン川沿岸の850平方キロメートルの原生林の買収契約を結んでいたこと
は、現地で大きな反響を引き起こしている。
 安信集団は、今年4月に買収したアマゾン川沿岸150平方キロメートルの原生林
に加え、現在までのところブラジルで累計1000平方キロメートルの原生林を買収
した。その面積はほぼ崇明島の面積に相当する。
 安信集団は海外における原生林買収面積が最も大きな中国企業となった。

 中国の森林資源はとても少なく、1人当たり森林面積が世界の平均水準に比べ
てはるかに低い。また、1998年から、中国では自然林を伐採することを禁じられ
ている。
 中国が自然林の伐採禁止を打ち出した数年前から、安信集団はブラジルから直
接輸入で材木を仕入れている。その輸入量はブラジルのアジア向け材木の輸出量
の半分以上を占めている。
 しかし、コストが高くて、リスクは大きく、輸出会社の値上げ圧力に直面して
いた。今回の買収により、安信集団は現在、森林資源を掌握し、主動権も掌握す
るようになった。

 現在、安信会社はブラジルで既に材木の加工工場2カ所を設立している。自社
保有の1000平方キロメートルの原生林を持ち、ブラジルの木材生産、供給、輸出
を行うようになり、市場の主動権を掌握している。
 10年前、安信集団は中国の3000数社の床材生産企業のランキング中末席を占め
ていたが、昨年で、安信集団の床材販売は300万平方メートルを上回り、中国第1
位に躍り出て、世界の上位10位内にランクインされるようになっている。
〔解放日報11月21日〕

●深セン 高速な工業化がもたらす環境問題 上
 深セン蛇口工業区で働く17歳の劉さんは、たった1年できれいな声を失った。
彼女が話をするとき、すべての発音が途切れ途切れになる。風邪を引いているわ
けではない。

 劉さんは昨年、郷里の山東にある中等専門学校を卒業し、深センに来た。劉さ
んの働く精密電子会社の蛇口支社は左砲台山の斜面の近くにある。「騒音が大き
く、ほこりが多い」と劉さんは自分の働いている仕事場の環境を評価している。
 劉さんの仕事はケーブルと防爆バンドをテレビに組み込むことである。防爆バ
ンドの主な成分はアルミニウムだ。工場でそのアルミニウムを機械で切断する音
が最大の騒音だ。また、テレビはフォークリフトで積み卸ししており、排気ガス
も多い。工場の約300名の労働者はこの工場の環境に耐えている。

 宿舎は工場のそばにある。居住区だが、空気中の刺激的な臭いは少しも弱まっ
ていない。
 「ここに来たばかりのころは、みんな我慢できなかった!」と劉さんは言う。
ふだんはなるべく付近を出歩かないようにしており、仕事が終わった後は、宿舎
の中でじっとしている。宿舎の窓はすべて密閉されている。
 宿舎の側には赤湾村の門がある。新聞によると、赤湾村の3000世帯のうち30数
人が白血病になったそうだ。

〈西部道路〉
 41歳の銭さんの悩みはトンネルの排気口である。間もなく開通する「深港西部
道路」には3キロの長いトンネルがあり、トンネルの両端である深セン市南山区
の東西にそれぞれ排気口がある。地面から直接、未処理の排気ガスが吹き出して
いる。東の排出口は銭さんの住宅団地「藍色海岸」からたった100メートルのと
ころにある。

 2003年の南山区媽湾港、赤湾港の貨物取扱量は510万コンテナで、深セン市の
半分以上を占めており、2002年に比べ40%以上増大している。現在、毎日港地区
を出入りしているコンテナ車は8000台以上である。
 1台の大型ディーゼルコンテナ車の窒素酸化物の排出量は乗用車の10倍以上で、
しかも、排出された汚染物は地面に近く、拡散しにくい。環境保護部門によると、
南山区は全市の8分の1の面積で38%の自動車排気ガスを引き受けていることにな
ると推計している。

 「深港西部道路」が開通すれば、深セン市を通過する70%トラックが南山区を
通過することになる。
 西部道路は香港西北部の元朗と深センの南山―蛇口区をつなぐ道路である。こ
の道路には3つの中核プロジェクトが含まれている。深セン湾大橋、保税区と海
外の間の税関、深セン側接線である。
 深セン湾大橋は来年開通する予定である。深セン側接線は南山区を通る予定で、
現在既に着工している。この道は約1.4キロが高架橋で、約3キロがトンネルであ
る。

 総合開発研究院の「拡大珠江デルタ地域経済融合策略の研究報告」(以下「拡
大珠江デルタ報告」)では、西部通道の税関の港湾通行可能量は、設計の時点で
はコンテナ車を5.8万台と見積もっている。つまり、将来5.8万台のトラックが排
出する排気ガスはすべて南山区に排出されることになる。
 総合開発研究院は深センの福田区にあり、主に珠江デルタ地域の問題を研究し
ている。

 清華科学技術大学を定年退職した銭縄雪教授の住居は西の排気口の近くで大気
汚染にさらされることになる。銭教授は「トンネルの開通後、コンテナ車の深セ
ン走行距離は55%短縮され、通過車両による大気汚染は55%減少し、深セン市全体
では大気汚染が12%減少する。しかし、この12%が面積で全市の10分の1にあたる
南頭半島に排出されることになる。

〈汚染〉
 劉さんと銭さんは、深セン市南山区で大気汚染と「親密に接触」している多く
の住民のうちの2人である。
 蛇口埠頭から西へ車を走らせると、高層ビルと景色が消え、粉塵が充満し、刺
激臭で呼吸しにくくなる場所に入っていく。道路わきの公衆電話ボックスは外側
に灰白色のほこりが分厚く積もっている。道の片側にあるガジュマルの木の葉は
まばらで、葉はほこりでいっぱいである。
 ここはかつては改革開放の最前線で、今は蛇口工業区という深セン市の南山区
の工業区域である。ここは3方向を山に囲まれ、残りの1方向は海に面している。
地理的にこんなにすばらしい場所に、異常なにおいと粉塵が充満することになる。

 蛇口工業区の4平方キロメートルの範囲だけで、月亮湾発電所、南山発電所、
媽湾発電所、西部発電所などの4カ所の大規模な発電所と光大木材工場、南海油
脂工場、フロートガラス工場などの大規模な汚染企業がある。
 ここには40数本の煙突があり、赤湾村は煙突で囲まれている。夜になると、弱
々しい赤い光の中、煙突からひっきりなしに真っ白な排気ガスが吐き出されるこ
とがはっきりと見える。ここで排出されている二酸化硫黄は深セン市全体の81.7%
を占めている。
 4万平方キロの珠江デルタは、香港の3つの発電所とマカオの2つの発電所以外
に、大小合わせて約45カ所の発電所がある。電力不足のため、深セン南山区に前
湾発電所が建設され、さらに3本の煙突が増加することになる。
 「拡大珠江デルタ報告」では、2002年、珠江デルタの9つの都市環境は国家2級
基準に達しているだけで、珠江デルタ地域の光化学汚染や細粒子汚染の状況は悪
化しており、広州、深セン、佛山、江門、順徳の酸性雨は深刻だと指摘している。

 1990年代に珠江デルタは経済が目覚ましく発展し、空気汚染物の排出も経済発
展につれて120%増加した。香港大学から出版された「珠江デルタの2022計画」は
この数字について言及している。
 「2022計画」によると、珠江デルタは山の南側に位置し、周りは山で囲まれて
いる。この地形は大気汚染が拡散しにくく、汚染物質が堆積しやすいと指摘して
いる。同時に、この地帯は東南の季節風、南西の季節風と東北の季節風の3種類
の季節風の影響を受けている。
 地理的な影響により、珠江デルタで排出された汚染物質は、遅かれ早かれデル
タ全体のほかの地域へと広がっていく。

 水質汚染も同様で、淡水と海水が合流した後、珠江デルタで流れを形成してお
り、汚染物質はデルタの河床に沈積しやすくなっている。汚染物質が海に排出さ
れて見えないところにいくわけではない。
 高層ビルと海の景色で隠されているが、珠江流域では毎年40、50億トンの汚染
物質が海に流されている。

 珠江デルタの水資源は既に頭が痛い問題になっている。
 中山大学の生態・進化研究所の彭少麟所長によると、東江流域では、韓江だけ
が飲用水として使用できるという。
 練江の水はほとんど使うことができない。耕地をかんがいすることさえ無理で
ある。練江は沿岸に多くの工場と廃棄物処理施設があり、廃棄物はすべてこの川
に流されている。
 珠江は管理されており、ほぼ飲用水の標準を達成している。「しかし、これは
ぼんやりとした概念でしかなく、想像ではさらにひどくなっていると思う」と彭
少麟所長は語っている。
〔経済観察報11月14日〕
(次号に続く)

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行11月29日発表)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     8.0497  827.65  106.45   1090.17
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/info/qpindex.shtml
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《編集者コラム――深センのマンション》
 以前、今回の環境記事の中にも出てくる「藍色海岸」に遊びに行ったことがあ
ります。友人が住んでいたからです。私の友人の中でこんなにきれいなところに
住んでいる人は日本人を含めてもいないというぐらいの場所でした。
 二十数階の友人の家に着いてベランダから外を見ると、外はまだ干拓中らしい
ので何も障害物がなく、はるか向こうに香港の新界が見え、水辺に月が浮かび、
宵の時間は青い世界が広がります。聞くと、ウナギの寝床の我が家よりも高い家
賃を支払っているとのこと、確かにそうだなと思いました。
 深センは確かに緑がいっぱいあってきれいだなと思うのですが、記事のとおり、
環境問題は深刻さを増しているのでしょう。天気のよいある日、市街を一望しよ
うととある公園のひときわ小高い丘に登ってみたのですが、空気が悪くてよく見
えませんでした。
 あのきれいな建物も、そういう環境問題に巻き込まれつつあるんだなと思うと、
そこに住む友人が心配になります。個人レベルでの努力では解決は難しそうです
が、コンセンサスは必要なことかもしれません。環境、資源、エネルギー問題を
持続可能なものとして取り組むことについてのモラルがますます問われてほしい
と思います。
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:陳振 劉志軍 杉下薫 荘小波
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