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電子マガジン《中国最新情報》　　No.371　2006年10月31日
発行：《中国最新情報》編集部　http://www.bizchina.jp/
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今週の読者数合計：7,139名（2006年10月30日現在）
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●李年古ブログ「日中異文化見聞録」で見る中国人の視点
　　　　　　　http://blog.jckc.com/
●《中国最新情報》ブログ　細々とやってます
　　　　　　　http://news.bizchina.jp/

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集：狂犬病警戒と動物愛護】
●今年9月までの狂犬病例は2254例　前年比26%上昇
●上海　犬による傷害事件急増　今年初めて10万件を上回る見込み
●北京市が飼犬問題でアンケート調査「犬の問題は都市の新たな公害」
●黒龍江のイノシシ捕殺100匹の許可に市民1万人が反対署名

┏【労働】
●四川「未富先老」　労働力流出省が遭遇する高齢化
●大学生　北京の初任給3.8万　金融業の年収が最多
●国家発展改革委員会　8000万中小企業管理職研修市場育成
●北京　家政師の処遇を定める契約書の改定のための公聴会論点整理

┏【社会】
●北京郊外の住民の幸福感は都市内住民より上

┏【経済データ】
●外国為替(10月30日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集：狂犬病警戒と動物愛護】…………………………………………………
●今年9月までの狂犬病例は2254例　前年比26%上昇
　衛生部の提供するデータによると、今年9月期の中国全国で報告された狂犬病例
は393例で、前年同期より287例多く、36.93%増となり、死亡者は318人となった。
今年1―9月の累計では2254例で、前年同期の1738例より29.69%増となった。狂犬病
は依然として伝染病の中で死亡者が最も多い病気である。
　1996年、すなわち10年前の狂犬病発病の数字では、中国全国での発病例は159例
であり、10年もたたない2006年9月の発病者数の半分である。

　狂犬病は恐水症ともよばれる。狂犬病ウイルスに感染した人を狂犬病といい、急
性、進行性、脳脊髄炎が特徴で、臨床の症状では、特有の恐水症状、風邪に似た症
状、興奮、のどのけいれん、よだれ、進行すると麻痺して動けなくなり、最後に呼
吸器、循環器不全で死に至る。

　狂犬病が中国で流行して久しい。1951年に全国的な犬を減らすキャンペーンが展
開され、狂犬病コントロールに大きな成果を上げたが、1970年代以降再び上昇に転
じた。近年、病死者または病死率は中国の37の法定伝染病のトップを維持している。
2006年9月、狂犬病の発病は5カ月連続で中国全国の死病報告者数の最も高い伝染病
になっている。

　中国疾病預防控制センター・ウイルス病預防控制所の粱国棟副所長によると、狂
犬病は一種の人畜共通伝染病であり、一たん発病すると、死亡率は100%である。こ
のため、狂犬病には予防が最も大事であるという。
　犬にかまれてしまった後は、的確に処置しなければならない。まず、きれいな水
あるいは石けん水で少なくとも15分間洗い、その後、かまれた傷口付近に免疫血清
の注射を行い、狂犬病ワクチンを注射する。この3つの処理が行われていれば、理
論上は狂犬病に感染しない。

　犬の管理に関しては、国外の経験を参考にすることもできる。まず、飼い犬には
飼い犬登録を行い、登録した犬にはワクチン注射をし、犬を外で散歩させるときに
は飼い主が首輪にひもをつけ、つないで歩くことにして、飼い主がいない犬や野良
犬は処理をする。飼い犬と野良犬の接触を断つことで動物間での感染を避けること
が必要である。

　さらに、ペットは寄生虫の宿主の一つである。飼い犬や猫には寄生虫がいるかも
しれない。もし、妊婦がうっかりトキソプラズマに感染してしまうと、胎児の障害
発生率が90%以上になる。専門家は、妊婦が感染してしまうと、赤ちゃんの神経組
織に障害があらわれやすく、脳水腫、甚だしくは無脳児、視網膜異常があらわれる
と指摘している。
〔新華網10月21日〕

●上海　犬による傷害事件急増　今年初めて10万件を上回る見込み
　上海市衛生行政部門が最近発表した最新通報によると、上海28カ所ある犬による
傷害を取り扱う外来診療で診療を受ける人が急増している。今年1―7月までで5万2
503人までに達し、前年同期と比べて18.16%上昇し、今年犬による傷害人数は初め
て10万人を上回る見込み。

　上海市疾病控制センター免疫規画科の胡家瑜科長の説明によると、上海では、2003
年に犬にかまれて狂犬病になった病例が再び発見されて以後、発病者数は急激に上
昇してきた。2001年に上海市の犬による傷害を取り扱う診療科で診療を受けた人数
は5万1283人だが、2005年には9万9029人に達した。

　伝染病学の専門家は「狂犬病とは狂犬病ウイルスによる一種の急性伝染病であり、
主に動物にかまれたときの唾液の中に含まれる狂犬病ウイルスが人体に侵入し感染
するものであり、発病してしまうとその進行は速く、致死率は100%である」と指摘
する。
　専門家は「犬にかまれてしまったら、すぐに診療を受けて、速やかに狂犬病ワク
チンを接種をするべき」と注意を促している。〔新民晩報10月23日〕

●北京市が飼犬問題でアンケート調査「犬の問題は都市の新たな公害」
　飼い犬による傷害、犬による市民への迷惑行為などの問題は、既に中国における
大きな都市公害となっている。
　北京市は先ごろ「調和のとれた社会の建設と、犬の飼い主教育」をテーマに、犬
の飼育管理に的を絞った対策作業を始動。鑑札のない飼い犬、公共の場に違法に放
置された犬などの問題について重点的に対応した。

〈狂犬病は北京市民の隠れた大問題〉
　北京の中心部では、見せびらかすように犬を連れている人をよく目にする。自由
に公園、店、病院、学校など公共の場に出入りし、ひもでつながず放置する、犬が
ところかまわず糞尿をするといった状況が広く見受けられる。
　ひどい場合は、飼い主が犬をつれて突然エレベーターに乗ってきたり、犬を抱え
てバスに乗り降りするなどして、市民の反感を買っている。

　都市の犬問題で被害を受けている市民は少なくない。
　北京市の小西天一小区に住む李華さんは、毎夜会社からの帰宅途中、うっかりす
るとすぐ犬の糞を踏んでしまうという。また、間もなく古希となる彼の母親がある
とき外出しようとすると、大きな犬が通路で突然飛び走り出てきて、驚きの余り動
けず危うく転倒しかけたという。
　アジア・オリンピック村付近の一小区の管理人の話では、オーナーからは、夜に
近所の犬が吠え声で目が覚めるなどの苦情がたびたび寄せられるという。

　本紙の調べでは、北京市では近年、犬の飼育数の過剰や違法な飼育によって、市
の景観、近隣トラブルなどの問題、社会的な公安にかかわる事件が頻発している。
中でも狂犬病は市民にとって大きな不安の種になっている。
　北京市衛生局のデータによると、今年1月から6月までに北京市で45カ所の狂犬病
の免疫・予防科の診療に訪れる人の数が急増している。1月の8000人余りから、6月
には1万5000人余りまでふえた。

〈犬の問題は人の問題〉
　犬が引き起こす数々の問題は、中国の都市で犬を飼う人間の教養・道徳の低さを
物語っており、政府の管理上の欠陥をも映し出している。

　本紙の調査では、北京、上海、広州などの都市では犬の飼育管理条例を制定。飼
い犬を登録、管理している。
　だが、すべての犬の飼い主が自発的に主管部門へ犬の飼育を申告しに来るわけも
なく、登録されていない犬、1世帯での多頭飼いなどの問題が目立つ。
　北京市が犬の飼育について実施した統計によると、2006年に北京市が登録・調査
した犬は55万匹余り。前年に比べ9万匹余り増加した。ただ、結局のところ、どの
くらいの犬が未登録なのかを、明確に把握できる部門がない。
　9月初めから現在までだけでも、北京市警察が検挙した犬の違法飼育件数は2000
件余りに上る。うち収容・一時預かりとなった大型犬は773頭、罰金は5万6000元。
このほかにも、飼い犬が他人に重症を追わせたため飼い主1人が拘留された。

　管理・監督責任の不在は、都市で犬問題が急速に蔓延した重大な原因となってい
る。
　業務の分担を見ると、人のワクチン接種などは衛生部門が管理し、動物の免疫ワ
クチン接種は農業部門の所属下にある畜牧獣医站が担当する。また、動物の登録は
都市管理または公安部門の担当で、狂犬病ワクチンの生産・運営は薬品監督部門が
管理する。工商部門はペットの販売、ペット市場など環境面の規制を担当している。
　それぞれが各自の管理体制を敷いており、「すべてが管理しているが、どれも不
十分」というのが現状だ。犬問題の処理に向けた協力体制はできていない。

　野良猫、野良犬は都市管理で手を焼く問題の一つである。
　北京市小動物保護協会によると、町、公園、学校などを徘回する野良猫・野良犬
の数は、現時点で少なくとも40万匹。このほとんどは人が捨てた犬猫だという。
　管理・監督が行き届かなくなり、大量かつ無秩序な繁殖するため防疫も難しく、
都市の公共衛生上の安全性の隠された深刻な問題となっている。それにもかかわら
ず、野良猫・野良犬の管理に明確に責任を負う部門はいまだ存在していない。

〈犬問題の解決に猶予なし〉
　都市部の犬問題は日増しに深刻化し、市民の犬の飼育に対する抗議の声は強まる
一方だ。今年9月末には、著名な学者である周汝昌氏、油絵画家の馮法祀氏など9人
の学者が連名で北京市に書簡を送り、違法な犬の飼い主を厳罰に処すよう提案して
いる。犬の違法飼育は一種の災害で、都市の犬問題の対処にはもはや一刻の猶予も
ないとの認識を示した。

　北京市飼犬管理専門対策作業指導チーム弁公室によると、北京市は飼犬管理専門
の法の執行チームを設立し、犬の遺棄が集中する朝と夜を中心に、繁華街、住宅街、
街路などに重点を置き、重点管理地区の大型犬、無鑑札犬、多頭飼い犬、違法な放
置犬などの問題に対する法的取り締まり、検査を強化する。

　北京市の家畜獣医総站の韋海涛・所長によると、飼い犬管理の強化、狂犬病予防
に対する根本的な対策は、犬の免疫を強化することであるという。犬の免疫は政府
の取り組みだけでなく、犬の飼い主が積極的にかかわらなければならない。そうで
ないと、人が免疫のない犬にかまれたらどうなるのか、想像もできないとしている。
　現在のところ、北京市内の8区に91カ所のワクチン集中接種拠点を設け、郊外区・県
の10カ所でも186の出張所を設け集中的にワクチン注射を実施している。
　防疫担当者による責任分担制を敷き、地域社会や村で免疫対策を実施したことに
より、鑑札のある犬の免疫率は基本的に100%になったとしている。

　韋所長は、「犬問題の対処には多くの部門が関与するため、政府が統一的に指導、
指揮をすべき」と指摘する。
　「狂犬病の予防広報・教育を強化し、飼い主に対し、飼育数を少数にとどめるこ
と、囲い飼いをし、犬をつなぐなどのほか、ペットを「計画的に飼育」するよう教
育する必要がある」という。
　さらに、「一種の徘回するペットの処理規制を設け、収容後、一定時間を過ぎて
も引き取りがなかった動物は、国際上の慣例に倣い安楽死させるべきだ」と述べた。
〔新華網10月25日〕

●黒龍江のイノシシ捕殺100匹の許可に市民1万人が反対署名
　黒龍江省林業庁が鶏西市に、23日から年末までイノシシ100匹の捕獲を許可した。
22日、1万人近いハルビン市民が「イノシシ捕殺禁止」の署名を始めた。
　統計によると、黒龍江省のイノシシの数は2000年3.6万匹から今年7万匹くらいま
でふえた。2000年から現在まで、黒龍江省ではイノシシによる傷害事件が50件以上
発生している。鶏西市内では約600匹から700匹のイノシシがおり、イノシシによる
傷害事件も多くなっている。

　10月19日、鶏西市は黒龍江省林業庁からの鶏西市のイノシシ捕殺に関する返答を
受け、イノシシ100匹の捕獲を許可された。鶏西市林業局はすぐ管轄する3県6区の
林業部門責任者を通知して会議を招へいし、イノシシ捕殺計画を作成した。
　特別対策として、林業行政部門は現地の公安部門とともにイノシシ捕殺チームを
つくり、林業部門はその資格審査を受け、イノシシ捕殺を行う。同時に、各部門で
は、大衆への広報を行い、村民が積極的な情報提供を呼びかけ、林業部門と公安部
門が連携してイノシシ捕殺活動を行う。

　人身安全を確保し、これをきっかけにした他の野生動物捕殺を避けるために、鶏
西市林業部門はすべてのイノシシ捕殺者に研修、資格審査を求め、捕殺後のイノシ
シは統一的に登録して処置することにする。私的にイノシシ捕殺したり、イノシシ
を密売したりしたときには、野生動物保護法により厳重に処理される。

　この動きに対し、22日午前、青年環境保護組織「緑色龍江」の30人余りのボラン
ティアがハルビン市中央大街で「野生動物を保護し、人と自然の調和を取ろう」と
いう環境保護キャンペーンを行った。広報、宣伝、署名によって市民に「イノシシ
保護、動物愛護」を唱え、この日、1万人近い市民が「イノシシ捕殺禁止」に署名
した。〔法制日報10月24日〕

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……【労働】………………………………………………………………………………
●四川「未富先老」　労働力流出省が遭遇する高齢化
　四川省統計局の最新の研究報告によると、高齢化問題がますます深刻化しており、
四川経済発展にとって深刻な問題になっている。四川省は全国最大の労働流出地の
一つであり、このような高齢化における新たな人口構造が中国労働市場に新しい変
化をもたらすかもしれない。

〈高齢化は社会負担を増大させる〉
　「四川省人口経済発展研究」という報告によると、2000年に比べ、四川省の高齢
人口の比率はさらに上昇し、2005年末現在、65歳以上の高齢人口は700万人を超え、
707万人に達した。これは常住人口の8.61%を占め、2000年に比べて1.05ポイント上
昇している。
　そしてまた、65歳以上人口と14歳以下児童の比率である「老少比」は39.0%とな
った。
　四川省におけるこの2つのデータは、それぞれ全国の65歳以上の人口比率7.69%と、
老少比37.9%を上回っている。
　この報告は、2005年の四川省の1%の人口のサンプル調査、年次の関連の経済、人
口センサスをもとにしたものである。

　四川省の政府統計によると、2005年の四川省の都市世帯の一人当たり住民可処分
所得は8386元、農村世帯の一人当たり純収入は2803元、それぞれ2005年の全国平均
水準より都市は2107元（全国で23位）、農村は452元（同21位）ほど低い。
　このようないわば「未富先老」（豊かになる前に年老いてしまう）状況における
四川の高齢化の重圧は、まず、労働年齢人口の変化をもたらし、労働力供給と就業
に影響を与え、次に、消費構造の変化を引き起こし、産業振興に影響を与え、そし
て、社会の負担システムに変化を引き起こし、所得分配に影響を与えることになる。
　四川の高齢人口の数の増加は、四川省の労働年齢人口の総人口に占める比率が相
対的に下落していることによる。その結果として、総労働人口に占める高齢者人口
の割合がさらに高まり、社会負担をさらに増大させ、経済発展にじわりじわりと影
響を与えることになる。

〈高齢化でも就業圧力は大きく〉
　一方で、四川省では、体制転換等のさまざまな原因から、労働力資源の利用が十
分なされておらず、農村の余剰労働力がふえ続け、就業圧力は大きく、労働力資源
の需給のミスマッチが顕著となっている。
　この報告では、現在の四川省の人口年齢構造に基づいて試算を行っている。2006
―2010年における四川省の労働年齢人口は毎年100万人前後増加するのに対し、雇
用機会は毎年20万―30万の増加であり、就業圧力は大きい。このことから、昨年末
における四川省全体の流動人口は1600万人に達し、人口流動速度は18.3%にもなった。
　四川省の人口の他省への流出については、2005年、四川省は全国の他省への流出
人口数の最も多かった省であり、その人数は613万人に達した。

　報告によると、「四川省全体で4702万人の就業者がおり、第一次産業従事者の
　3473.1万人のうち、少なくとも1000万人が都市や非農業部門へ移動する必要があ
る」としており、都市化がさらに進展するにつれ、大量の農業の余剰労働力が都市
に移動し、都市の就業圧力はさらに大きくなると見られると指摘している。
　四川省は、健全な高齢人口の社会保障メカニズムの建設、積極的な教育事業の振
興を通じ、人口の資質を高め、都市化等の方式を促進するべきで、高齢化社会がも
たらす問題に積極的に対応しなければならない。
〔第一財経日報10月12日〕

●大学生　北京の初任給3.8万　金融業の年収が最多
　全く勤務経験のない新卒は会社では「弱者」である。しかし、今回発表された調
査報告によると、北京での就職1年目の新人、試用期間を経過した後の職場1年目の
税引き前年収は4万元に迫り、この結果に多くの人は意外に思うかもしれない。

　中華英才網の調査によると、北京で2006年の各産業にわずか1年しか従事してい
ない新人の平均年収は3万8655元である。そのうち、金融業界は5万7089元でトップ
で、平均より1.5倍多い。IT業界は5万6022元で2位となり、広告業及び製造業は平
均水準を維持している。
　中華英才網人材研究センターの楊雪梅副総監によると、多くの企業の中で初任給
を低目にしているのは企業の自己防衛策であって、新人がある程度働いて、能力や
潜在力が認められれば、給料は急に上昇するという。また、「初めての仕事の職業
で、自分の専門分野が生かせるかどうか、仕事に発展の余地があるのかどうか、こ
のことは給料を比較するよりもさらに価値のあることだ」と指摘している。

　短期大学卒業生の税引き前初任給は2万1689元、大学卒生は3万2746元、修士課程
は4万7834元、博士課程は7万2122元であり、その比率は1：1.51：2.21：3.33であ
る。
　このほか、MBA修士の価値下落の報道があったとしても、MBA取得者の就職1年目
の収入はMBA修士を持たない人をはるかに上回り、6万8460元に達している。
　楊雪梅副総監は、MBAの必須の入学条件自体が2年ないしそれ以上の勤務経験とあ
り、MBA卒業生が勤務経験において優位であることがおのずと給料にもあらわれて
いるとし、したがって、1年目の収入がMBA修士を持たない人よりも43%も高いこと
は不思議ではないとしている。

　あるマンパワー研究家によると、今回の調査の報酬水準が割と高く出たのは、調
査対象を主に金融、IT等の収入が比較的高い産業にしていることと関係していると
指摘する。大学卒業生を例にとって、製造業等の収入が比較的低い業界を考慮に入
れれば、これらの若年求職者の月収は一般的には1000元から1500元前後である。彼
らを調査の主体にすれば、報酬の平均水準はある程度下がるとしている。
〔北京日報10月17日〕

●国家発展改革委員会　8000万中小企業管理職研修市場育成
　全国3000社の中小企業の管理者のアンケート調査で、70%の回答者が、現在非常
に足りない知識は、資金繰りではなく、戦略の管理であると答えた。

　現在開催されている中小企業管理職人材発展フォーラムにおいて、国家発展改革
委員会中小企業司の張偉司長が以上の情報を披露した。予想に反し、現在の中小企
業の発展過程において、管理職の水準低下が資金繰りの逼迫と同様、深刻なネック
の一つになっていることが明らかになった。

　張偉司長によると、2003年の国家発展改革委員会が始めた銀河研修プロジェクト
以降、政府財政で17万人の中小企業管理者が基礎的なMBAの研修を受けたが、この
数字でははるかに少ないという。
　そこで、国家発展改革委員会は現在、社会研修教育機構と連携し、遠距離学習で
中小企業に多くの研修機会を提供することを検討している。

　2005年末現在、工商登記における中小企業数は4200万社に達している。「そして、
少なくとも8400万人の中小企業管理者がいる」社会科学院工業所の曹建海研究員は
フォーラムの席上このように指摘している。
　現在、競争環境が不平等であることによって、中小企業は限られた資源を政府と
の協力関係づくりに用い、同時に就業、経営リスク、創業リスクといった社会的な
負担を引き受けている。そのため、政府が介入し、中小企業の人材研修を行う必要
性が存在していた。

　北京大学商学網の陳宏総裁も、中小企業研修市場には大きな将来性があると示し
ている。北京大学商学網は国家発展改革委員会中小企業司との協力を進めており、
国家発展改革委員会に管理の研修課程を提供することにしている。
〔第一財経日報10月18日〕

●北京　家政師の処遇を定める契約書の改定のための公聴会論点整理
　「家政師（家政婦）に毎月の4日間の休暇と、毎日の8時間の睡眠時間を与えなけ
ればならない。また、成年異性とは別室での居住を保障しなければならない。」
　17日、北京市商工業局、北京市商務局は共同で、雇用主協会、家政師サービスの
協会、法律専門家、家政師権利保護組合などの代表を招集し、「北京市家政サービ
ス契約書」の規範性についての公聴会を開いた。

　情報では、この契約規範は、一般家事、妊産婦補助、幼児保育、病人看護などの
終日勤務制の家政師に適用されるもので、パートタイムなどの細々とした勤務には
とりあえず適用されない。
　参加者によって今回の公聴会の内容を検討、修正した後、この契約規範は12月初
めから実施される見通し。

〈雇用主の権利〉
1) 家政師に嫌がらせ行為があれば、雇用主はいつでも労働解除できる
　今回の公聴会で示された契約規範の内容に雇用主の権利と義務が明確に規定され
ており、家政師をならしで体験した結果、異議を出す権利があることがはっきりした。
　それ以外に、家政師も窃盗行為や悪性伝染病があったり、家政師の交代時に5労
働日以上交代要員がいないとき、家政師の家族への嫌がらせや虐待が日常生活に深
刻な影響がある場合は、契約解除できる。

2) 家政師の過失は仲介派遣会社に責任
　家政師が雇用主の家で貴重品を壊して逃げた場合、家政師派遣会社は責任をとら
なければならないとこの契約規範には明言されており、派遣会社は従業員に対して
管理責任があり、雇用主は過失に対して相応の損失を求める権利がある。
　同時に、契約時に雇用主は家政師派遣会社に信用保証金を支払わなければならな
い。もし雇用主が家政師に故意の嫌がらせなどの行為をした場合、保証金は違約金
として支払われることになる。問題がなければ、双方の契約終了後に保証金は雇用
主に返還される。

〈家政師の権利〉
1) 成年異性は家政師と同居してはいけない
　また、契約規範では、家政師に対する法的な人格権、財産権、人格権、休養権な
どの保護措置を明確にしている。
　雇用主は家政師の人格と労働を尊重するべきだと定められ、快適な労働環境と労
動条件を提供し、適切で安全な居住区を用意し、差別、虐待、セクハラなどが行わ
れないように、また成人異性とは別の部屋を準備しなければならないと規定している。

2) 家政師の法定休日の労働報酬は2倍
　契約規範では、家政師には毎月4日間の休日と毎日8時間の睡眠時間の処遇を必要
とし、食事と宿泊を保証しなければならない。また法定祝日に休暇を取ることがで
きない場合は、平均報酬の2倍の休日手当を支給しなければならない。
　契約規定では、雇用主が家族の中に悪質な伝染病患者がいることを事前に通告し
ていない場合は、未払いの相当時間の費用に対する支払いを請求できる。家政師派
遣会社は契約を解除する権利があり、雇用主の支払った保証金は違約金として処理
される。

〈論争の焦点〉
1) 家政師の傷害保険金の支払い責任は誰にある？
　邱宝昌弁護士は意見陳述の際、「家政師派遣会社は家政師団体傷害保険に協力す
るべきである」という規定は適切でないと発言している。「家政師団体傷害保険金
の支払いは家政師派遣会社の履行するべき法定義務だからです」
　これに対し、家政師派遣企業の代表は、労動法の規定では、家政師は家政師派遣
会社の従業員ではないので、双方の関係は労動法の規定に該当しないとしている。

2) 老人介護でワンルーム居住の場合、家政師は雇用できるのか？
　「家政師派遣会社の従業員と成人異性は同室で居住してはならない」という規定
について、ある公聴会の代表は「ワンルームに住んでいて老人介護が必要な場合、
家政師を雇用することができないということではないですよね？」と示し、つまり、
状況によると考え、一概に論じることができないとした。
　さらに、「家政師に嫌がらせ行為があれば、雇用主はいつでも労働契約解除でき
る」という、この条項の中の嫌がらせの基準を確定すべきであると提案する者もいた。

〈公聴会意見〉
1) 邱宝昌弁護士　法定休日の労働に2倍の報酬は余計
　「法定休日に家政師が休暇を取れないときは、平均給料の2倍の休日手当を支払
わなければならない」というこの規定は労動法に一部抵触するおそれがある。
　多くの人が賛同する「家政師の倍額の休日手当」については労動法の中で以前か
ら明確に規定されており、契約に入れる必要はない。例えば、「労働節」「国慶
節」などの法定の連休にはふだんの給料3倍の給料を支払うことになっている。

2) 劉俊海弁護士　家政師が失職したら会社は先に支払いを
　「家政師派遣会社に人員管理の過失があった場合、家政師派遣会社は雇用主から
の追及された責任を一部負担しなければならない」という規定は不明確で、「家政
師派遣会社に人員管理の過失があった場合、家政師派遣会社は先に雇用主に賠償金
を支払い、その後家政師の責任を追及する」とするべきである。

〈ポイント〉
1) 家政師は23万人以上
　現在北京市全域で、掃除、老人介護、ベビーシッター、病人看護などに従事する
家政師は23万人以上いる。北京では合計で427.6万世帯あり、そのうち昨年は25万
世帯、約5.84%が家政師を雇っている。

2) 9割の雇用主は家政師に不満
　2006年の首都家政業界発展フォーラムで公表されたある調査によると、北京の雇
用主は家政師に対して多くの不満を持つ。調査を受けた94.6%が家政師の質に対し
て不満を持ち、85.3%が家政師の就業態度に対して不満を持つ。

3) 1割近くの家政師がセクハラに遭っている
　「北京出稼ぎ娘の家」が北京にある10社の家政師派遣会社の従業員206人に対し
てサンプリング調査を行った結果、家政師の6.3%がセクハラに遭っていることがわ
かっている。
　この調査の責任者によると、セクハラを隠している人が多数いると思われるので、
この要素を考慮に入れると、実際にはセクハラの割合はこの割合をはるかに上回っ
ており、少なくとも10%以上だと考えられるという。
〔北京娯楽信報10月18日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●北京郊外の住民の幸福感は都市内住民より上
　北京の10の郊外区県の住民の幸福感が都市の住民を超えている。家庭の月収入が
5000元から7000元の市民の幸福感は最も高い。家庭の月収入が1万5000元を超える
市民の幸福感は逆にそれほど高くない。
　これは国家統計局、北京市統計局の調査結果から得た数値である。

〈郊外区住民は都市内の住民より幸福である〉
　北京市の統計局が18の区県の18歳から70歳までの北京に半年以上住んだことのあ
る7118名の住民に行った国民主観幸福感調査結果によると、61.1%の回答者が60点
から89点の幸福度をつけ、31.6%の回答者が90点をつけ、7.3%の回答者が60点以下
をつけた。多数の人が自分は幸福だと感じている。10の郊外区県の住民の幸福感は
平均80.5%で都市内住民より4.5ポイント上回っている。

〈収入が7000元を超えると幸福感が下がる〉
　年齢別で比べてみると、若年と高齢の両側で幸福感が高くなり、中間が低くなる
傾向がある。18歳から25歳と66歳から70歳までの段階の幸福感は中高年を上回って
いる。36歳から45歳の段階では幸福感は平均77.5ポイント、46から55歳の平均ポイ
ントは77.9ポイントであった。
　家庭月収入が4000元以下では、収入が増加すると幸福感も増加する。4000元を超
えると、一定はしないが上昇、家庭月収入が6000元前後の人の幸福感が最も高い。
7000元以上になると降下し始める。1万5000元から2万元では幸福感は一定ではない。

〈多数の人は北京に帰属感を抱いている〉
　統計局はさらに「北京市社会調和指数観測報告」を発表した。46.9%の回答者は
「北京市は調和が取れ、活気に満ちた社会である」という意見に同意し、「まあま
あ」と答えたのが42.9%、「調和の取れた社会を実現する自信があるか」という質
問には70.2%の回答者が自信があると答えた。

　同時に、大多数の回答者は北京に対して強い帰属感を抱いており、77.2%の回答
者は「北京が好きである、北京に住みたい」と答えている。そして92.7%の回答者
が「機会があれば、積極的に社会の公益活動や人助けになることをしたい」と答え
ている。
　統計が示すように、社会の発展は全体的には調和が取れているが、また社会の調
和に影響する矛盾も存在する。例えば、貧富の差、交通渋滞など、問題は突出して
いて、調和が取れた北京を築いていくことは困難きわまる問題である。
〔華夏時報10月13日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(中国人民銀行10月30日16:38)
外貨名　　１００日本円　　１００米ドル　　１００香港ドル　　１００ユーロ
　　　　　６．６９８３　　７８７．９２　　１０１．３３　　　１００１．６８
関連ページ：http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――新調》
　数年前に秋葉原のジャンクパソコンみたいなのが並んでいるお店で購入した中古
パソコンを頑張って使っていたのですが、起動が重いアプリケーションソフトを開
いたり閉じたりしつつ、ブラウザの窓をたくさん開きながら、レタッチソフトなど
を立ち上げてしまうなどという使い方にこの古過ぎるパソコンがついてきてくれな
いので、このたび思い切ってオークションで今よりハイスペックな自作機を落札し
て新調しました。
　ハードディスク内のファイルデータを移動して、ソフトウエアをインストールし
て、メールとかブラウザとかIMEとかの基幹データの復旧を繰り返して、ようやく
使える環境になってきました。今まで起動までの時間をお茶を飲みながら待ってい
た自分は何だったんだろうと思うぐらい、ハイパーで感激してます。
　ただ、新しいパソコンを使っていると、マクロとかチャットの履歴とかcookieフ
ァイルとか、そのたびにアプリケーションソフトに付随するデータの移動が必要な
ものがぼろぼろ出てきて、すんなりとはいかないんですね。また、そういうものに
限ってどこに設定を記録したファイルがあるのかよくわからないので、完全移転に
はまだ時間がかかりそうです。（ま）
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●バックナンバーの入手（記事検索も行えます）
（200号以降　2003/2/18―）
　http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
（199号まで）
　http://www.jckc.com/nweek/view.phpano=1
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編集長：李年古／副編集長：前野貴子　特別協力：劉莉生
翻　訳：戴小芳　奥谷道弘　リン　後藤せいか　カスミ
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改頁：(1) 2 »