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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子マガジン《中国最新情報》　　No.507　2010年5月25日
発行：《中国最新情報》編集部　http://www.bizchina.jp/
登録/解除：http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「ビジネス企業研修＠中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計：5,943名（2010年5月24日現在）

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集：電子書籍とモバイル機器の閲覧生活】
●中国移動　携帯電話向け電子書籍閲覧サービスを正式に商用化
●デジタル出版生産額　昨年800億　伝統的な紙媒体を初めて上回る
●中国1.55億人が携帯電話で閲覧　出版業はイノベーションが必要

┏【国内政策】
●中国人は10年後半数が都市に住む
●中国の貧富の差は社会が許容する危険水域に近づく
●中国の負債はGDPの半分近く

┏【労働】
●ベトナム不法労働者大量流入　「チャイニーズドリーム」を探して　中

┏【経済データ】
●外国為替(5月24日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集：電子書籍とモバイル機器の閲覧生活】…………………………………
●中国移動　携帯電話向け電子書籍閲覧サービスを正式に商用化
　5月5日午後、中国移動浙江閲覧基地が正式に営業を開始すると同時に、中国移動
の携帯電話向け電子書籍閲覧サービスも正式に商用化される。
　内情に詳しい人物によれば、中国移動は既に端末メーカー5社と提携し、間もな
くTD-SCDMA/EDGEモジュールを内蔵したモバイル「電子書」を発表する。

　目下市況において最も多く見られるモバイル閲覧端末は「電子書」であり、これ
は「電子書籍閲覧端末」とも呼ばれる。

　中国移動のリリースした「電子書」はすべてモバイル通信機能を搭載しているた
め、3G(TD-SCDMA)ネットワークあるいは2G(EDGE)ネットワークを通じて書籍の内容
がダウンロードでき、高速でネットワークにつながり、オンラインで閲覧、あるい
はダウンロードして閲覧することができる。

　2009年9月23日、中国移動は杭州で、5年以内に浙江省に5億元投資し、モバイル
閲覧基地を建設し、また2年以内にこれに対し5000万元を投資すると発表した。

　このほか、中国移動はインターネット市場のため、既に全国の8省にそれぞれ一
大拠点を整えている。
　8大基地は、四川省成都の無線音楽基地、浙江省杭州のモバイル閲覧基地、江蘇
省撫州のゲーム基地、上海の携帯電話向け動画基地、遼寧省瀋陽の位置情報サービ
ス基地、湖南省長沙の電子商取引基地、福建省の携帯電話向けアニメーション基地、
広東省広州のモバイルマーケット基地。〔C114中国通信網2010年5月5日〕

●デジタル出版生産額　昨年800億　伝統的な紙媒体を初めて上回る
　5月10日、中国文字著作権協会と漢王が共同開催した北京書籍定期刊行物デジタ
ル化フォーラム上で得た情報によると、デジタル出版産業に群がり混乱するのを防
ぐため、電子書籍端末のデジタル出版に対する参入制度を創設するとともに、張江、
重慶に続き、広東に第三の大型デジタル出版基地を建設することがわかった。

　伝統的な紙媒体に比べると、印刷及び物流の二大原材料消費の最も大きい部分が
減少し、デジタル出版業は低炭素経済のモデルであることは間違いない。
　電子書を代表とする閲覧端末は急速に市場への攻勢を加速し、コンテンツの本丸
を奪っている。数日前、中国移動も電子書籍に進出し、モバイル閲覧固定価格戦略
を打ち出した。

〈伝統的な紙媒体を初めて上回る〉
　新聞出版総署科技・デジタル出版司の張毅君司長は、デジタル出版の年間成長率
は50%で、2009年の総生産額は795億元に達し、初めて伝統的な紙媒体出版物の生産
額を上回ったと述べた。
　また、2010年中国大陸電子書籍市場は爆発的な成長をする可能性があり、販売台
数300万台前後、出荷台数は世界の30%、販売額は60億元に達すると予想した。

　目下電子書籍産業は戦国時代に突入し、「漢王」に続き、中国国内で40社以上の
メーカーが電子書籍業界に参入している。
　張毅君司長は、発展が急速であっても、心配は少しもないと考えている。「相当
部分はプリインストールあるいはコンテンツをダウンロードできる電子書籍がとり
わけ多く、存在する問題はさらにはっきりしている」
　その中には、違法な権利侵害違反で著作権者の権益を有効に保護できないものも
含まれている。
　そしてまた、標準の規格がたちおくれ、端末で極めて有限的なコンテンツを読み
取れるだけのものだったら、購入する消費コストも増大するし、ひいては閲覧でき
るものは限られるし、コンテンツ資源の統合にならないし、貢献もしない。
　さらにまた、参入障壁はあいまいで、いまだデジタルコンテンツ生産及び企業の
実態をなしていない多くの企業が、閲覧端末の中に大量の出版許可を経ていないコ
ンテンツをプリインストールし、あるいは違法なコンテンツのダウンロードサービ
スを提供しており、国家の出版管理制度に抵触している。

　このため、新聞出版総署は電子書籍産業発展の現状及び今後の展望について深く
突っ込んで分析研究を行った上で、デジタル出版企業の構造転換を積極的に推し進
めるべく、電子閲覧参入制度を実施し、デジタルコンテンツをプリインストールし
た電子閲覧端末の生産及びコンテンツのデジタルダウンロードプラットホームの枠
組み等を制定する。

　国家版権局管理司の董維副司長は次のように述べる。
　「国家はまさにデジタル出版の重要事業プロジェクトの建設を実施しているとこ
ろである。昨年認可した張江デジタル出版基地を除き、先月認可したばかりの重慶
デジタル出版基地や、さらに申請がある広東については、我々はデジタル国際文化
産業博覧交易会期間、中国全国に8―10のそれぞれ特色のある、生産額が100億を超
えるデジタル出版基地が形成される計画が必要なことはわかっている」

〈電子書籍メーカーは版権資源争奪強化〉
　旧来の図書販売チャネルもデジタル化転換を加速する。江蘇鳳凰新華の金国華副
総経理によると、昨年10月から今年2月上旬までのわずか5カ月間、漢王電子書籍の
販売は4700台を上回った。
　漢王の劉迎建董事長は独占取材に対し、漢王の今年第1四半期の出荷台数は20万
台に達したことを明らかにした。統計データによると、漢王の世界シェアは8.4%、
今年第1四半期の漢王のシェアは16.8%、今年の漢王の販売台数目標は200万台を予
想している。

　しかし、単に商品を売るのみというより、劉迎建董事長はコンテンツを重視して
おり、コンテンツ資源獲得は漢王の今年の「第一目標」となっている。
　劉迎建董事長によると、今現在、漢王は既に全国紙25社、地方紙30社、雑誌125
種類と契約調印しており、コンテンツプラットホームである漢王書城には既に2.6
万冊の正式版の電子書籍があり、毎月5000本の速度で少しずつふえている。

　今回の中国文字著作権協会との締結で、中国文字著作権協会は広範な文芸及び科
学技術作家メンバーを擁しており、期間や回数を分けて漢王にメンバー作品のデジ
タル版権を提供できる。このことは、漢王書城のコンテンツを最大限に拡充するも
のであろう。

〈周辺報道〉
　目下、国家発展改革委、中国人民銀行、中国銀監会、中国証監会は共同で「循環
経済発展を支援する投資金融政策措置意見に関する通知」を発表し、5月10日、国
家発展改革委関連担当者がこの分析をした。
　「通知」は、社会資金、ローン金融及び直接融資の引き込むルートとして、循環
経済分野支援の具体的措置を提案するものである。

　ローン金融においては、国家省レベル政府が支援する省エネ、節水、原材料節約、
資源の総合的な利用、無公害生産、海水の淡水化及びゼロエミッション等減量化プ
ロジェクト、古くなった自動車部品、建設機械、旋盤等製品の再製造及びタイヤの
リフォーム等再利用プロジェクト及び古くなった物資、多量の産業廃棄物、建設廃
棄物、農林廃棄物、都市で典型的な廃棄物、排水、汚泥等資源化利用プロジェクト
に対し、銀行業金融機関は重点的に貸付支援を行う。
　模範市、県園区（模範基地）の循環インフラ、関連公共技術サービスプラットホ
ーム、公共ネットワーク情報プラットホームの建設及び運営に対し、銀行業金融機
関も相応の貸付支援を行う。

　生産、輸入、販売あるいは淘汰名簿に入っている技術、工芸、設備、材料あるい
は製品を使用する企業に対しては、銀行業金融機関はいかなる新規与信支援を提供
せず、もともとの与信も徐々に圧縮、回収する。
〔南方都市報2010年5月12日〕

●中国1.55億人が携帯電話で閲覧　出版業はイノベーションが必要
　いつでもどこでも携帯で閲覧が現実となっている。工業情報化部の奚国華副部長
は5日、昨年末現在、中国携帯電話で閲覧するユーザーは1.55億で、目下携帯電話
閲覧関連標準制定を研究しているところであると述べた。

　奚国華副部長は中国携帯電話閲覧業務上場式典に出席した際、中国移動の3Gサー
ビスTD-SCDMAを携帯閲覧が発展させられるようにしたいとした。

　CDはもうからないが、着信音楽は大もうけである。携帯閲覧は「全く新しい図書
発行ルート」になるかもしれないし、海賊版を有効に防止することができ、作者が
相応の利益を得られる。中国移動は5日、コンテンツ提供者は通信及び情報費収入
の4割を得られるとした。

　携帯電話の閲覧は、書籍の閲覧よりも安い。また、本1冊を購入する費用は1―10
元かかるが、文章の段落ごとの購入費用は、各段落0.04元―0.12元である。

　中国移動データ部の高念書総経理は、中国移動の携帯閲覧業務は2009年10月期よ
り浙江等7省でテストを始めており、1500万のユーザーが中国移動携帯電話閲覧の
プラットホームにアクセスしたことを明らかにした。

　多くの携帯電話閲覧に適した作品を出すために、中国移動は5日中国作家協会、
中国出版集団、中国編集者学会、国家図書館と戦略協力協議に調印した。中国移動
の李躍副総裁は、既に出版社及びウエブサイト35社と協力を結んでいると示した。
〔中国新聞網2010年5月5日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国人は10年後半数が都市に住む
　中国市長協会の発表では、中国は既に都市化が加速する段階にあり、2020年には
50%の人が都市住民となるという。

　京華時報によれば、当該協会が発行する年次「中国都市発展報告」の指摘では、
過去60年来、中国の都市化水準は大きく発展し、昨年末現在、全国31省市区合わせ
て655都市で都市化率は46.59%、都市人口は6億2186万人となった。

　しかし、報告書が強調するのは、中国の都市化水準は工業化の発展においてなお
おくれているが、発展水準から見れば、先進国の85%の水準をはるか下回っている
だけでなく、世界平均の50%をも下回り、発展余地は大きいということである。

　報告によれば、中国は目下、長江デルタ、珠江デルタ、京津冀（北京、天津、河
北）の3大都市密集地区、遼中南（遼寧省中部・南部。中心都市は瀋陽、大連）、
中原（中心都市は鄭州、洛陽）、武漢、長株潭（湖南省長沙、株洲、湘潭）、成
都・重慶、〓東南（福建省南東部）、山東半島、北部湾（トンキン湾）等の都市群
を形成している。
　その中で、長江デルタ、珠江デルタ、山東半島、海峡西岸（中心都市は福州、ア
モイ）等6大区域の面積は全国の国土面積の12.38%を占め、人口では22%、生産総額
では全国の50.01%、外国からの投資の78.86%を占め、人口密度及び1人当たり生産
高は全国ランキングの最前線にある。〔聯合早報2010年5月13日〕
注）〓は、もんがまえに「虫」

●中国の貧富の差は社会が許容する危険水域に近づく
　中国社会における貧富の差が拡大している問題は、再び国民世論の関心を呼んで
いる。
　国のメディアである新華社傘下の「経済参考報」は10日、調査を発表し、貧富の
差がまさに社会の容認されるレベルの危険ラインにあるとし、もし大きな貧富の差
と分配の不公平が激化することを抑制できなければ、その結果を想像することすら
難しい状況にあるとした。

　「新華社研究小グループ」の署名によるこの文章はまた、中国国民の異なる収入
源を白、黒、灰色、血、金の5色に分けている。それぞれ、合法、違法あるいは暴
利型幾つかの種類の収入をあらわしいる。
　そのうち、大量の「灰色収入」、違法収入は主に都市住民の上位10%の高収入家
庭の中に帰属しており、腐敗と所得分配システムの不健全さが所得分配問題を大き
くしている。

　この文章は専門家の意見を引用しており、それによると、所得分配は既に緊急な
措置が必要な段階にあり、この問題の解決が迫られている、18億ムーの耕地を守ら
ねばならないと同じように、貧富の差の危険ラインを守らねばならないとしている。

　15省区市の多くの専門家や下級幹部を取材した上述の報道によれば、学界が通常
認める世界銀行の数字、すなわち中国のジニ係数は0.47である。国家発展改革委員
会のマクロ経済研究院の常修沢教授は当報告を紹介して、中国のジニ係数は10年前
に0.4と国際的には危険ラインとされる水準を超えた後も年々上昇し、「貧富の差
は合理的な限界を突破してしまった」と語った。

〈所得の最高と最低の10%の層の格差は23倍〉
　ほかに、人力資源・社会保障部労働賃金研究所長で、中国労働学会報酬専門委員
会の蘇海南会長は、中国の所得格差は全範囲で多層的に拡大していると見ている。
　具体的には、都市と農村住民との所得差は3.3倍に達しているが、国際的な最高
水準である2倍前後を大きく超えている。中国の賃金が最も高い業界と最も低い業
界の労働者の賃金格差は15倍前後、上級市国営企業高級幹部と最前線で働く労働者
との所得格差は18倍前後、国営企業高級幹部と社会の平均所得との格差は128倍で
ある。

　1980年代以降、4回にわたる大型住民収入調査に参加してきた北京師範大学収入
分配・貧困研究センターの李実主任は、現在最高所得の10%の層と最低所得10%の層
との所得格差は、1988年には7.3倍だったものが、2007年には23倍となったと指摘
した。
〔聯合早報2010年5月11日〕

●中国の負債はGDPの半分近く
　香港文匯網報道によると、ギリシャ負債危機は全世界に恐慌気分を引き起こし、
「第二回金融危機」という論争を今まさに全世界に巻き起こしている。
　過日、中国政府負債に関するニュースは、中国で同様に熱い議論を引き起こした。
専門家によれば、負債は決して悪いニュースではないが、債務は明らかに存在する
べきだという。

〈中国の負債はGDPの半分近く〉
　国際金融報の報道によると、ゴールドマン・サックスの報告では、2009年年末ま
での概算で、中国政府の総負債額は15.7兆元で、2009年GDPの約48%を占める。

　ゴールドマン・サックスの概算では、中国政府の15.7兆元の負債は、中央政府の
国債、主にローカル金融プラットホーム融資ローン・債務の地方政府債務、並びに
2000―2001年の期間に商業銀行が切り離したが依然として資産管理会社の帳簿上に
存在する不良債権の主に3つを含む。
　そのうち、中央政府国債はGDPの20%を占める。地方政府債務は大体7.8兆元で、
GDPの約23%を占める。第三の不良債権の総額は1.6兆元で、2009年GDPの5%に近づい
ている。三者を累加すると、中国政府総負債額はGDPの48%の割合を占める。

　ゴールドマン・サックスによれば、たとえ中国政府債務不履行の全体的なリスク
は有限であるとしても、ここ最近、地方政府資産の負債規模は拡大し、地方政府の
債務償還リスクは非対称的に増大している。
　また、地方政府の借り入れは急速に増長しており、地方政府が進める財政改革の
緊迫性は既にはっきり顕在化している。

〈全世界の負債は36兆ドルを超過〉
　中国政府の負債は行き過ぎではないか？　一度比較をしてみれば、それは一層明
らかになるのかもしれない。

　負債危機が発生したギリシャ負債はGDPの125%である。危機の瀬戸際にあるイタ
リアはGDPの118%に迫っている。現在、非常に不安定な情勢にあるユーロ圏の全体
負債はGDPの84%を超過し、国際社会はその負債額を日に日に心配するようになって
いる。

　同様に、アメリカ、日本、カナダ等の国家債務も人々を心配させる。
　5月10日、日本財務省が発表したデータによると、国家債務総額は既に国内生産
総額の229%を占め、OECDメンバー国全体の首位に位置する。
　アメリカの2011年財政赤字は1.6兆ドルまで達し、全負債額はアメリカGDPの50%
以上を占める。
　カナダの1人当たり負債額は4万ドルを超過し、全世界の20の先進国の中で第1位、
歴史上最高記録をつくった。

　エコノミスト誌が最近公表したデータでは、2010年2月までで、全世界各国負債
総額は36兆ドルを突破することが示されている。
〔聯合早報2010年5月13日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●ベトナム不法労働者大量流入　「チャイニーズドリーム」を探して　中
　昨年来、中国の警察が広州、東莞等の工場で相次いで大量の外国人不法労働者を
捕まえている。
　中国とベトナムとの国境にある広西チワン族自治区東興、憑祥はベトナム不法労
働者の中国入国の主要なルートとなっている。不法労働者は中国へ大量に流入し、
珠江デルタ等先進地域の工場へ流れ込み、「チャイニーズドリーム」を探し求めて
いる。

（前号より続く）
〈不法労働者の密入国は多くの試練をもたらす〉
　実際には、ベトナム人労働者の中国入国については既に短くはない歴史がある。
ときがたつにつれ、彼らは国境地域で活動するだけでなく、甚だしくは中国内陸深
くまで入り込んでしまっている。
　中国政府はいまだに対外的に労働市場を開放しているわけではないので、これら
のベトナム人労働者は「不法」に活動することになる。

　ベトナム人不法労働者の中国への流入は、中国の治安及び管理に多くの試練をも
たらしている。

〈歩いて数分で入国可能〉
　「一体どれだけのベトナム人が中国とベトナムの国境から中国へ密入国し、珠江
デルタ、長江デルタ地域へと移動したのか、警察としては今もって適切に把握でき
ていない」広西チワン族自治区崇左市公安国境警備支隊の李佐征参謀長はこのよう
に述べている。

　中国・ASEAN自由貿易地域が発足し、中国とベトナムの国境の経済発展速度が加
速するに伴い、中国内陸と国境地域との交通は発達し、鉄道、国境道路、高速道路、
国道等が人々に利便性をもたらしたと同時に、密入国者にも便利さを提供すること
になった。
　目下、崇左市街地には国境検問所が6カ所、公安検問所が3カ所あり、これらの検
査所が主要な交通をコントロールするだけで、大新県から南寧、崇左までといった
各交通ルートには検問所はなく、大新から入国しているベトナム人を阻止しようが
ない。

　「崇左管轄エリアの中国とベトナム国境線は533キロメートルあり、国境線には
行く手を阻む何らの天然の壁もなく、何と123本の通行できる小道があり、ベトナ
ム人は歩いて数分で中国に入国、その後バスの切符を買えば、滞りなく北京、上海
に行くことができる」
　李佐征参謀長は、広西チワン族自治区における中国とベトナム国境の独特の歴史
と環境があり、公安国境警備部門と解放軍は国境の小道について全面監視をしてお
らず、幾つかのベトナム人が中国に密入国することが中国の治安に大変深刻な挑戦
をもたらしていると話す。

　昨年12月、ベトナム人男性2人が国境の小道から大新県に密入国し、オートバイ8
台を盗み、中国の警察に捕まった事件があった。

　崇左市公安国境警備支隊には目下260人の人民警察がいるが、国境線上の123本の
小道を監視する力はない。李佐征参謀長は、国家が資金及び技術を投入し、中国と
ベトナムの国境で人民警察がいない小道に監視施設を置き、国境警備の真空状態を
減らすことを提案している。

〈中国人が仲介している可能性を排除しない〉
　莫紹仁副局長は、中国とベトナムが労働力輸出を強化することはしてもよいと考
えている。市場の安い労働力に対するニーズは大きいし、ベトナム労働力は中国国
内あるいは地域性の短期間労働不足の問題をある程度解決できるからである。
　しかし、「肝心なことは、外国労働者の合法的な入国、合法的な雇用の問題を解
決し、監視できることである」

　崇左市人力資源・社会保障局はかつてベトナム不法労働者に専門調査を行ったこ
とがあるが、多くのベトナム人労働者が不法団体組織によって中国に密入国してい
ることがわかった。
　崇左市人力資源・社会保障局の莫紹仁副局長は「このような不法組織が暗々裏に
行っているが、中国人がその中で仲介し、労働の仲介料を取っている可能性も排除
できない」と話す。

　大量のベトナム人が不法に中国で仕事するため密入国しているが、労働部門はそ
のことに有効的な監視がとれていない。彼らは中国に密入国した後、農家で仕事を
する者もいれば、直接切符を買って高速道路や鉄道で南寧経由で広東や福建で仕事
をする者もいる。

　目下、中国はいまだ対外的に普通労働市場を開放しているわけではないので、ベ
トナム不法労働者が中国に続々とあらわれていることについて、中国各地の警察は
ずっと一斉捜査と処理をしてきている。
　しかし、このようなやり方では、ベトナム人の不法密入国労働者の密入国を完全
に阻止することはできない。

　ますます多くの外国人労働者が中国労働力市場に入ってくることについて、莫紹
仁副局長は、安価な外国労働者は中国の一部の地域の労働力市場を有効に補完して
いると考えている。
　莫紹仁副局長は、国家はベトナム等一部の条件が熟した国家と労働力輸出交渉を
行うべきで、労働力輸出管理モデルを探求し、外国労働者の入国から就業、帰国ま
での相応の制度監視や保障を行うべきで、外国人の中国市場における就業の管理を
強化するべきだと提案している。

〈双方の管理協力を強化すべき〉
　広西チワン族自治区防城港市公安国境警備支隊の樊啓支隊長は「多くの人は、我
々が彼らを送還していると考えているのだろうが、人民警察が振り返ると、彼らは
小道からこっそり逃げていく。中国とベトナム双方が出入国人員の監視協力を強化
するべきだ」

　目下、中国とベトナム国境には既に国境画定業務が進んでいる。「中国とベトナ
ム国境は目下高度な開放状態にあり、東興の北侖川沿線は自由に出入りでき、その
ことは国境警備業務が直面するかつてない厳しい挑戦である」樊啓支隊長はこのよ
うに述べる。

　樊啓支隊長は、国家が中国とベトナム国境警備への投入を強化し、人による警備、
物による警備、技術による警備から密入国者の管理能力を向上させることを提案し
ている。
　そのほか、公安国境海上警備部門は、国家が科学技術投入を強化し、監視設備を
ふやし、往来が多い敏感な地域には技術警備施設をふやし、国境線の全天候型監視
を実現することを希望している。

　このほか、ベトナム人不法労働者の中国密入国の利益源は中国工場にあり、組織
によるベトナム人労働者の密入国の資金利益もベトナム人労働者を不法雇用した工
場から来ている。
　珠江デルタ地域等の労働部門は、各雇用先の人事担当の監視を強化し、不法雇用
現象に対し特別調整を展開し、不法ベトナム人労働者の密入国というバリューチェ
ーンを断ち切るべきである。

　旅客運送企業の監視強化は焦眉の急である。東興市江公安検問所の許富中所長
は、東興市江公安検問所が取り締まったベトナム人労働者の不法輸送案件のうち、
幾つかの旅客輸送車両は中国に密入国したベトナム人労働者を中継輸送しているこ
とがはっきりわかっていて、利益のために法を違反することを気にせずに中継輸送
に協力していると話す。
　「あるバスはバス停で出発するときには1人の乗客もいなかったのに、高速道路
に入った後途中で乗ったベトナム人で席がいっぱいになった。主に監督不行き届き
で、犯罪者にすきを与えた」
〔経済参考報2010年4月30日〕
（次号に続く）

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(中国人民銀行5月10日)
外貨名　　１００日本円　　１００米ドル　　１００香港ドル　　１００ユーロ
　　　　　７．５９３５　　６８２．７７　　　　８７．４９　　８５４．０４
関連ページ：http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――来週も発行します》
　記事を並べてみたら、これまでにない記事の膨大さになってしまったので、残り
を来週に発行することにします。どうも済みません。
　ばらくメールマガジンの翻訳者の募集を出していたのですが、結局、今回は来な
かったので、募集は引っ込めておきます。お時間がある人は御協力をお願いしたい
です。
　とはいえ、全く反応がなかったわけではなく、今回はメールマガジンの翻訳者に
ついてのありがたい情報をいただきました。しかし、ボランティアの翻訳を引き受
けてくれそうな人がいるので、あなたの方で連絡をしてくださいという趣旨でした。
他薦メールのため、申しわけないのですが連絡は見送らせていただきました。
　本当は手伝ってくれる人が多い方がいいに決まっている、だからこれは本当はや
せ我慢なのですが、本当に興味があるんだったら、本人から連絡が来るだろうと思
いますし、その方が、お互いに出会いも別れも納得行くやり方ができるかなと思い
ます。（ま）
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●「ビジネス企業研修＠中国」　http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
（83号以降　2000/9/25―）　http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長：李年古／副編集長：前野貴子　特別協力：劉莉生
翻　訳：リン　神谷輝雄　竹内はる菜　荒木千春
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