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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.590 2013年10月1日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,548名(2013年9月30日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:元の国際化への布石とマネー流入】
●米サンフランシスコが人民元のオフショアセンターの一つになるか
●シンガポール 人民元決済業務量6100億元以上
●国際決済銀行 第1四半期 中国向け国際融資は1600億米ドル増

┏【国内政策】
●オルドスに限らず 多くの都市にゴーストタウンが出現している

┏【経済データ】
●外国為替(9月30日)

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……【特集:元の国際化への布石とマネー流入】……………………………………
●米サンフランシスコが人民元のオフショアセンターの一つになるか
 サンフランシスコのエドウィン・リー市長が中国銀行ハイレベル層と行った会談
の中で、サンフランシスコが人民元のオフショアセンターになる方式について大ま
かな検討を行ったとの関係者証言がある。
 サンフランシスコ市長事務室員はメディアに対し、リー市長は中国銀行代表と楽
しく会談したと語った。

 金融専門家は、サンフランシスコはロンドン、パリ、フランクフルトといった人
民元決済センター設立を望む都市に仲間入りするだろうと指摘する。
 先週、国際決済銀行は、人民元を1日当たり取引額9番目の通貨としたが、中国も
人民元の国際化戦略を一貫して推進しており、大規模な国際資本流動及び外為及び
利率規制の緩和を推進している。

 世界初の人民元オフショアセンターとして、香港で処理される人民元貿易決済取
引は中国大陸の総額の90%以上に相当し、香港は世界最大の人民元資金プールを保
有している。
 今年4月、中国人民銀行とシンガポール金融管理局はシンガポールにおける人民
元業務の協力覚書に調印し、中国工商銀行シンガポール支店がシンガポール人民元
業務決済銀行となった。
 昨年12月、中国銀行台北支店は、台湾地域の人民元業務決済銀行となった。
〔和訊網2013年9月13日〕

●シンガポール 人民元決済業務量6100億元以上
 17日、中国工商銀行から得た情報によると、5月27日からシンガポールでの人民
元業務決済銀行が正式に対外営業を実施して以降、各種人民元決算業務の運営効率
は非常に高く、決済量も急速に増加している。
 現在までで、既に62社のシンガポール現地及び外資銀行がシンガポールの人民元
決済銀行で人民元決済口座を開設した。人民元決済業務量は6100億元以上に達し、
増加の勢いは力強い。

 さらに重要なことは、シンガポールにおいて、人民元業務決済銀行の高い運営効
率で、シンガポール及び世界各地の商業銀行が各種人民元業務を直接手続すること
ができるようになり、人民元精算効率の向上、送金コストの低減、業務領域の拡大
が顕著になり、シンガポールの人民元オフショア業務市場の急速で健全な発展を力
強く牽引していることである。
 中国人民銀行は、中国国外の人民元決済銀行として初めて、2013年2月8日に正式
に中国工商銀行シンガポール支店に、シンガポール人民元業務決済銀行の権限を与
えた。

 現在、シンガポールの人民元業務決済銀行の各種業務は既に全面的に展開してお
り、シンガポールと中国大陸との間の貿易項目における国際決済、現地の送金決済、
香港市場との間のオフショア決済、銀行間の資金配分、定期預金、人民元売買、短
期間融資及び人民元建て債券発行決済等の手続が行え、現地の人民元決済サービス
のニーズをよく満たしている。
 中国の現代的な支払いシステムに参加することの優位性、同業他社をリードする
人民元決済システム、専門的で効率の高い業務チームを頼りに、現地市場とオンシ
ョア市場、その他オフショア市場との間の人民元決済効率を著しく向上させ、現地
人民元市場の発展に強力なインフラを提供している。〔河南財経網2013年9月17日〕

●中国のレバレッジ解消なく 2017年債務率は250%近くにも
 先日、フィッチ・レーティングスが発表したレポートによると、中国経済のレバ
レッジ率は依然として急上昇しており、現在、レバレッジが下がっている、あるい
は与信が縮小しているというのは誤った見方であるという。

 中国の8月のM2は前年同期比14.7%増で、市場が予想した14.6%よりも高かった。
また、与信総額は1.57兆元で、7月時点のほぼ2倍近くで、影の銀行による与信の反
動が大きくあらわれた。
 フィッチ・レーティングスの20日のレポートにおいては、2013年の中国の広義の
貸出残高は20%増で、幾つかのルートでは与信は縮小している可能性がある。

 最も積極的なシナリオでは、中国の与信が年2%縮小し、GDP成長率が年11%に達す
れば、2017年末の中国の債務がGDPに占める割合は依然として250%近い。(2008年
は130%)
 フィッチ・レーティングスは、中国が中期的に経済成長と金融の安定を維持する
ことは可能だが、与信増加率がGDP成長率を上回る時間が長ければ長いほど、長期
的なリスクは大きくなると警告している。

 GMOも、先日発表したレポートで、中国経済は既に融資依存になっていると見て
いる。
 2007―2012年、与信総額がGDPに占める割合は60%増の190%以上に激増した。中国
の最近の与信増加分がGDPに占める割合は、1980年代の日本あるいはリーマン・シ
ョック前の米国が経験したバブルをはるかに上回っている。

 ゴールドマン・サックスは、中国企業のレバレッジがGDPに占める割合は急激に
増加し、2011年に130%に達したが、これは世界で最も高い企業レバレッジ比率の一
つであると指摘している。
 ソシエテ・ジェネラルは8月、中国の融資データを評価する際、もし、レバレッ
ジがなければ、中国は成長していないということを意味するのだろうかという疑問
を呈していた。〔和訊網2013年9月20日〕

●国際決済銀行 第1四半期 中国向け国際融資は1600億米ドル増
 英ファイナンシャル・タイムズによると、国際決済銀行(BIS)は16日、今年第1
四半期、新興市場向け国際融資が2670億米ドル増加の3.4兆米ドル、8.4%増とこれ
までの最高記録となったことを発表した。そのうち、銀行間融資は2000億米ドル近
くにまで拡大し、12%増となった。中国向けの国際融資は1600億米ドル増加し、31%
増に達した。

 世界の銀行業は今年初め、記録的な速度で新興市場融資に進出し、世界的な範囲
で利益獲得を追求する傾向が目立った。しかし、米連邦準備制度(Fed)が債券購
入の進度を緩める計画を示して以降、この種の傾向は既にある程度は転換している。

 国際決済銀行は「中央銀行の銀行」と呼ばれ、国際的な資金の流れに関する全体
データの取りまとめを担っている。
 国際決済銀行の「四半期報」(QuarterlyReview)によると、第1四半期に増加した
国際融資のうち、85%は中国、ブラジル、ロシア向けの融資増であった。
 国際決済銀行のデータに基づけば、今年第1四半期、新興市場向け国際融資は記
録的な成長となり、主に銀行間融資は活況を呈した。中国向けの国際融資は1600億
米ドル増加し、31%増に達した。

 このほか、目下の新興市場企業も、香港等オフショア金融センターの債券市場に
移転して資金集めをしている。
 今年6月までの1年間、中国企業のオフショア金融センターを通じた融資は、2002
年の10億米ドル以下から510億米ドルへと激増した。そのうち、16%の債券は人民元
建てで、残りは米ドル建てである。

 今年第1四半期、ブラジル向け国際融資は340億米ドル増加し、14%増だった。ロ
シア向け国際融資は290億米ドル増加し、18%増だった。この2国の四半期の増加率
は記録をとり始めて以来最高となった。
 ユーロ圏の銀行の新興市場向け融資は2011年第2四半期以降初めて増加があらわ
れ、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ等の銀行がリードしている。
 また、発展途上国向けの国際銀行融資は3410億米ドル減少し、1.5%減となった。
新興市場向け融資の急成長とコントラストをなしている。

 これらデータ発表の際、米連邦公開市場委員会は政策会合を招集しようとしてい
た。今回の会議は水曜日に終了するが、その際、毎年850億元の債券購入行為の時
間と速度を緩めることを決定するかもしれない。

 発展途上国の中央銀行の大規模な債券購入活動は、これらの国家の利率をゼロに
近づく水準にし流動性をもたらしている。したがって、ここ数年、金融機関と投資
家はより多くの収益拡大を求め、マネーが新興市場へとずっと流れ込んでいる。
 国際決済銀行のデータによると、5年前のリーマン・ブラザーズの経営破綻以来、
アジア太平洋地域の新興市場だけが銀行間融資を吸収し、その融資額は倍増している。

 米連邦準備制度のバーナンキ理事長が今年5月、異次元の通貨刺激政策終了を示
唆して以降、新興市場の融資が萎縮し始めた。
 発展途上国に関する利率が上昇するだろうという予測が新興市場からのマネー流
出を招き、特にインド等巨額の経常赤字を持つ新興市場では顕著だった。しかし、
最近、ここ数週間のマネー流出速度は鈍化している。〔中国新聞網2013年9月17日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●オルドスに限らず 多くの都市にゴーストタウンが出現している
 「都市化は第二の「4兆元の財政出動」ではない。地方政府は政策判断と政策路
線依存を改変しなければならない」
 国家発展改革委都市・小都市改革発展センターの喬潤令副主任は6日、江西新型
都市化ディスカッションで上記のように述べた。

 都市化の話題の過熱化に伴い、一部の人たちが、都市化計画の登場及びこれによ
る政府の投資拡大路線への依存を期待している。しかし、都市化の核心となるのは
改革であり、「投資による経済の牽引」モデルの延長ではない。よって、「全ての
人が考え方を変えなければ、その期待は当てが外れることになる」。
 また、国家発展改革委の作業によると、今年の下半期に全国都市化計画が出され
る予定だが、この都市化計画は「体制変革、構造調整、発展方向の転換」的な都市
化計画になると予想される。

 現在の広く浅く式の都市拡張、農業人口の都市社会への融合が難しい等の問題が、
中国の都市化の過程において非常に突出している。実際、新たな都市化建設の波に
乗って、都市化という名をかりた大規模なインフラ施設建設と不動産開発投資の都
市がふえてきている。
 しかし、「産業の支えがなく、人と物の集散のない発展モデルは持続することが
できない」。中国の多くの地区では「都市供給」は既に過多状態にあり、「都市は
あっても産業、市場、人がない」の「三無」現象が深刻となっている。

 「研究・調査によると、ほぼすべての大都市は近くに新区をつくろうとしており、
その計画される用地と人口はもとの地区を大きく上回っている」現在、オルドスに
限らず多くの都市でゴーストタウン現象が起きており、北京と天津間にも空洞化都
市があったとしてもおかしくない。
 「また、不動産プロジェクト空室率が40%―60%の都市があり、中西部の都市では
70%―80%に達するところもある」これは土地資源等の大きな浪費となっている。
 「これまでの20年間、中国は継続して都市化建設を行ってきたが、順調にいかな
い場合のリスクは非常に大きく、これまでの方法を踏襲することはできない。新し
い都市化ルートへの転換をすることによってのみ、中国経済にとっての次の発展の
動力となることができる」

 未来の新都市化計画は、以下の3つの特徴がなければならない。
1)体制変革プロセスがなければならない。
 都市化を単純な投資プロジェクトとして捉えてはならず、乱開発を行ってはなら
ず、特定の体制変革のプロセスがなければならない。

2)新都市化は人民の利益を第一にしなければならない。
 中国3、4億の農民は都市へ移動する必要があり、彼らは新興都市化の主体となる。
農民が都市に入り、都市の市民として中産階級にレベルアップすることによっての
み、十分な内需振興が図れる。

3)新型都市化は都市形態の転換プロセスでなければならない。
 現在の都市発展は粗放で、広く浅く式であり、浪費、汚染、低効率となっている。
新型都市化の発展方法に転換を行わなければ、成功はしない。

 これに対し、住建部政策研究センターの任秦虹主任は、以下のように指摘する。
 間違いないことは、都市化は疑いもなく中国の未来発展のための国家戦略であり、
経済の発展方法の転換であり、また構造調整を行うための重要な一環である。「都
市化は投資及び需要を牽引することのできる潜在的な国内需要(投資と消費)を発
掘する接点であるため、都市化の趨勢を逆転させることはできない」
 しかし、新型都市化は土地利用において高効率・集約的経営を行わなければなら
ず、都市建設用地として既にある土地の利用率を上げなければならない。また、産
業都市との結合を図り、産業をその支えとすることが重要である。
 特に指摘したいこととして、都市化は発展の結果であり、都市化のための都市化
となってはならず、「市場」こそが都市化の発展原動力となるべきであり、政府に
よる干渉はし過ぎてはならない。〔上海証券報2013年8月7日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行9月30日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.2793  614.3     79.29  829.83
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――東京国体》
 先日、東京国体の情報保障ボランティアをしてきました。2年ぐらい前から打ち
合わせや予行練習はあってとうとうこの日を迎えたわけですが、前日や当日に動き
始めてからじゃないと判明しない、細かくても肝心なところというのがあって、そ
ういうところをチェックしていったら1日でくたびれてしまいました。
 東京国体が終わったら、あるいはもう既に東京オリンピックに向けてのボランテ
ィア要員の準備は始まっているのかもしれません。当日に効率よく動けるための準
備を重ねようとすれば、7年間はあっという間に来てしまう気がします。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 楊桃
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