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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.633 2015年8月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,290名(2015年8月3日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国の経済減速と各種指標への影響】
●今年の銀行業の不良債権率は1.5%超も ここ3年は利益率減
●今年既に地方債1.2兆元発行 同じ期限の国債利率を上回る
●中国の外貨準備残高 ここ2年間で減少を更新

┏【国内経済】
●中国労働力人口の絶対量は毎年0.3%減少している
●フォーブス 中国個人投資可能資産総額114兆元に
●消費の上半期GDP貢献率60% ネットが牽引

┏【社会】
●中国の抗生物質乱用現象が深刻 欧米平均の5倍以上

┏【経済データ】
●外国為替(8月3日)

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……【特集:中国の経済減速と各種指標への影響】…………………………………
●今年の銀行業の不良債権率は1.5%超も ここ3年は利益率減
 7月21日、KPMGは「2015年の中国銀行業調査報告」を発表し、2014年の第1四半期
以降、不良債権総額は四半期ごとに平均0.0875%増加し、増加の勢いは加速してい
ると指摘した。
 報告では、相応な経済刺激策がなければ不良債権はさらに増加し、不良債権率は
2015年には1.5%の水準を超えると予想されると指摘した。

 銀監会が発表した「中国銀行業運行報告」によると、商業銀行の2014年末の総資
産は134.8兆元で、2013年末より16.0兆元増加し、前期比13.5%増となった。総負債
は125.1兆元で、2013年末より14.3兆元増加し、前期比12.9%増となった。

 KPMGの報告によると、2014年の中国銀行業の総資産、総負債の規模はさらに拡大
している。増加速度は鈍化し、利益は持続的に増加し、増加の勢いは失い、増加幅
は以前ほどではなくなっている。
 利率が市場に委ねられ、インターネット金融が従来型の金融業界に衝撃を与え、
2014年下半期以降のA株市場の上昇で資金が大量に株式市場に流れ込むことで、銀
行預金残高が減少した。経済構造調整の痛みで、経済の下方圧力が増大し、不良債
権や返済期限が到来した融資が増加している。

 KPMGパートナーの李淑賢氏は、監督機関の資本の拡充要求、純利益の伸びの鈍化
によって、純利益の増加速度が資本の増加速度よりおくれをとることになり、ここ
3年近くの商業銀行の平均総資本利益率(ROA)、平均資本利益率(ROC)は下落が
続いていると見ている。

 不良債権では、2015年3月末、中国国内の商業銀行の第1四半期の不良債権総額は
9825億元で、2014年同期より3364億元増、2014年末より1399億元増、直近の不良債
権率は1.39%に達し、前年同期より0.35%増となった。

 KPMGパートナーの王立鵬氏によると、KPMGは過去18カ月において銀行業顧客から
110件を超える不良債権資産ポートフォリオの運用を請け負ったが、その残存元本
残高(OPB)総計は1000億元を上回った。
 「銀行業の貸し付けリスクが日々激化することが最近常態化し、銀行は貸し付け
前評価、貸し付け中の管理、貸し付け後の管理といった全体的なリスク警戒や管理
体系を構築すべきで、それがないと持続可能な発展にはならない」

 今年5月1日、「ペイオフ制度」が正式に実施された。
 報告では、ペイオフ制度は、一方では金融体系の安定性、預金者利益の保護、銀
行業の適度な競争の促進を図るものであるが、一方では、コストがかかり、モラル
ハザードを招き、銀行にさらにリスクをしょわせ、情報の非対称性による逆選抜の
問題を招くと見ている。
 これらの影響に対応し、李淑賢氏は、商業銀行は業務戦略を適時に調整、預金構
造を適度に調節し、ペイオフ制度がもたらす変化やチャンスに積極的に対応するこ
とを提案している。〔和訊網2015年7月21日〕

●今年既に地方債1.2兆元発行 同じ期限の国債利率を上回る
 16日、湖南省財政庁により総額422億元の2015年湖南省政府一般債券(1―4期)
が発行された。同日、発行総額約201億元の2015年寧波市政府の対象投資者向け置
換一般債券(1―4期)及び置換専門債券(1―4期)が発行された。
 今年以降の地方債券発行総額は既に1.2兆元に近い。

 公告によると、湖南省の政府一般債券の期限は3年、5年、7年、10年で、落札利
率は2.83%、3.14%、3.48%、3.50%で、どれも募集利率範囲の下限にとどまった。
 寧波市の今回の対象投資者向け置換一般債券及び置換専門債券は3年、5年、7年、
10年の4期限で、それぞれ期限が同じであれば利率は同じで3.26%、3.61%、4%、4.03%、
これまで対象投資者向け地方債発行利率は同じ期限の国債より約50bp前後上回ると
いう慣例が継続された。

 Windの統計によると、5月18日に2015年地方債発行が正式に開始されて以来、7月
16日までに既に発行された地方債総量は237期、1.197兆元に達している。
〔中国証券報2015年7月17日〕

●中国の外貨準備残高 ここ2年間で減少を更新
 中国人民銀行(中央銀行)が14日に発表したデータによると、6月末現在、中国
の外貨準備残高は3.69兆ドルで、第1四半期(1―3月)の3.73兆米ドルから400億米
ドル減少した。4四半期連続減少し、2013年第3四半期以来の最低水準となったもの
の、ここ1年で最も小さい減少幅となった。

〈企業の海外投資増が外貨準備を減らしている〉
 中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副研究員は、外貨準備残高の大幅
減少は、輸出減退による外貨減少や、上半期における企業の海外直接投資が増加し、
資本収支のうちの外国への資金流出が増大したことによるものだとしている。

 税関総署が先日発表したデータによると、2015年上半期、中国の輸出入総額は
11.53兆元で、前年同期比6.9%減となった。そのうち、輸出がわずか0.9%増である
のに対し、輸入は15.5%減と大幅減となった。
 「上半期の輸入の減少幅が輸出を大きく上回り、貿易収支の黒字が依然として増
加していることを考えると、対外投資の増加が外貨を減少させている可能性はさら
に大きい。」(劉向東副研究員)

 上半期、人民元建ての対外直接投資は1670億元で、昨年の倍近く、一昨年の6倍
以上となった。

〈中央銀行の預金準備引き下げ 新規に1兆元の融資増〉
 中央銀行のデータによると、6月末、広義のマネーサプライ(M2)残高は133.34
兆元、前年比11.8%増で、増加の伸びは前月末より1.0ポイント増となった。上半期、
新規融資は6.56兆元増で、前年同期より5371億元増加した。そのうち、6月は新規
融資が1.27兆元増加した。

 中央銀行調査統計司の盛松成司長は、6月のM2増の要因は、中央銀行による最近
数次にわたる預金準備率引き下げが貨幣乗数を引き上げ、貨幣の派生的能力が強化
され、貨幣供給が相応に増加するとともに、利下げによって市場利率が下がり、融
資需要を刺激したためと見ている。〔新京報2015年7月15日〕

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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●中国労働力人口の絶対量は毎年0.3%減少している
 「我々の予測では、アジア経済の今年の全体成長率は6%、わずかに上振れするか
もしれないが、アジアは引き続き世界のGDP成長が最も速く、富の創造が最も速い
という状態を維持する」
 6月20日、アジア開発銀行経済研究・地域協力局のチーフエコノミストの魏尚進
氏は、2015青島・中国財富フォーラムにおいてこのように述べた。

 魏尚進氏によると、世界経済における経済の富の創造のうち最も重要なものはGDP
の創造であり、過去6、7年では、世界経済の成長、大体50%前後、しかも、その中
で中国は3分の1を占め、最も貢献していたという。
 「我々の統計によると、アジアは世界の半分以上のGDP成長に貢献し、富の創造
の最も重要な地域である」

 魏尚進氏は、中国のGDP成長が減速し、富の創造速度が下がるのには4つの原因が
あるとし、初期条件、成長モデルの転換、国際的な周期、因果応報や自業自得と分
類している。

 それによると、最も重要な初期条件のうち、中国の人口構造の変化では、労働力
人口の絶対量が毎年約0.3%の速度で減少している。それを計算すると、毎年GDPが
0.18%減少する。
 第二に、労働力コストの上昇で、これは大量の労働者の家計収入が上昇している
が、同時に中国がもともと国際的に競争力を持っていた産業で競争力が弱まってお
り、特に周辺国と比べ、労働力が中国より安いところが多くなっている。このこと
がもたらす変化は経済成長モデルの転換である。さらに内需を重視したり、さらに
環境保護等々を重視したりしようとすれば、成長速度の調整を招くことになる。
〔財経2015年6月20日〕

●フォーブス 中国個人投資可能資産総額114兆元に
 世界有数の金融メディアである米誌「フォーブス」は11日、「2015中国大衆富裕
層資産白書」(以下「白書」)を発表し、2015年末中国の大衆富裕層は1528万人に
上り、個人投資可能資産総額も114.5兆元に達する見込みであることを明らかにした。

 「白書」の調査対象となった富裕層は主に貿易、金融、製造の3業種に集中して
おり、その51%が民営企業であった。中国は今まさに伝統産業から新興産業への転
換期を迎えており、TMT(通信、メディア、テクノロジー)産業が不動産業を圧迫
している。

 「白書」において、「フォーブス」中国語版は、中国の大衆富裕層を「個人投資
可能資産が60万―600万人民元(約10万―100万ドル)の中産階級」と定義し、個人
投資可能資産には個人の所有する現金、預金、株式、ファンド、債券、保険、財テ
ク商品等の流動資産、及び投資用不動産等が含まれるとしている。

 「白書」によれば、大衆富裕層の主な財源は依然として、「賃金・ボーナス」、
「企業経営」、「株式配当金」、「金融商品投資収益」であり、55%の調査対象者
が財源を「賃金・ボーナス」と回答、この比率は過去2年間と比較して2ポイント以
上下落した。また、前期比約2ポイント減の「株式配当」(33.1%)、約2ポイント
増の「金融商品投資」(29.7%)がこれに続き、「不動産投資」(16.0%)を上回った。

 調査対象の男女の比率は、男性が55.1%、女性が44.9%とバランスがとれている。
 年齢的には30―49歳が全体のほぼ6割を占め、このうち30―39歳の比率が昨年よ
りわずかに上昇、全体の35%に達し、大衆富裕層の中核を担っている。この30―39
歳という年齢は個人の能力がピークを迎える時期であり、職業発展や起業の黄金時
期でもある。このほか、30歳以下の比率も19.0%に達し、成功した若い企業家も少
なくなかった。

 富裕層の学歴は総じて高く、学士以上の学歴を有する者が全体の64.8%を占め、
比率としては学士号取得者55.4%、修士号及び博士号取得者もほぼ10%に上った。
〔新浪網2015年7月12日〕

●消費の上半期GDP貢献率60% ネットが牽引
 国家計局の最新データによると、6月の中国の社会消費品小売総額は2兆4280億元
で、前期比名目ベースで10.6%増、前月比0.5ポイント上昇し、今年1―2月の前期比
10.7%増に次ぐ伸びとなった。
 需要構造から見て、経済成長に対する消費の貢献度は引き続き上昇しており、上
半期では60%に達し、前年同期比5.7ポイント増となった。

 1―6月の一定額以上の小売商品のうち、通信機器が前期比37%増の伸びでトップ
だった。特に、目下の高機能携帯電話販売の主力は買いかえで、初購入ではないこ
とが注目される。
 商品の消費がグレードアップや買いかえになるとともに、「ネット+小売」を中
核的な特徴とする新たな消費業態も注目を集めて増加している。
 百貨店、スーパーを代表とする従来型の小売はまさに巨大な経営圧力に直面して
いる。聯商網の統計によると、2015年上半期の主要小売企業(百貨店、スーパーを
含む)は中国国内で121店閉店したが、消費市場の過剰とネット通販の衝撃が重要
な原因となっている。

 比較すると、ネット小売販売が盛んである。上半期、中国全国のネット小売額は
1兆6459億元で、前期比39.1%増だった。そのうち、実物商品のネット小売額は1兆
3759億元で38.6%増、非実物商品は2700億元で41.9%増だった。

 Lily商務時装の諸剛強CIOは、今後の趨勢はただ融合にあると見ている。ユーザ
ーの需要が完全なデジタル化、注文化していて、融合しなければ強くなれない、ブ
ランド業者はどのようにネットツールを用いてリアル店舗に引き込むかを考えてい
るが、これは融合のプロセスの一つであるとしている。 〔金融投資報2015年7月17日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●中国の抗生物質乱用現象が深刻 欧米平均の5倍以上
 今年4月、上海復旦大学公共衛生学院が上海、江蘇、浙江等の1000人余りの在校
児童に尿検査を行ったところ、検査を受けた児童の60%以上の尿の中に抗生物質が
含まれていた。
 また、最近、中国科学院広州地球化学研究所の応光国座長のプロジェクトチーム
が国際定期刊行物「エンバイロンメンタル・サイエンス・アンド・テクノロジー」
で発表したデータによると、中国の抗生物質乱用状況は非常に重大であり、1人当
たりの使用量は欧米の5倍以上となっている。

 この研究の統計によると、2013年中国の抗生物質使用量は16.2万トンに達し、世
界一である。うち、約7.8万が人に使用され、約48%を占めている。その他8.4万は
動物に使用されている。
 このように大きな数字は中国の病院が抗生物質を乱用していることと関係がある。
WHOは抗生物質の病院での使用率を30%以下に抑えるよう提案しているが、メディア
報道によると、中国での使用率は70%前後に達している。
 抗生物質の使用地域は、華東地区の使用量が最も多く、次が華北、華中、西南で
あり、華南、東北、西北地区の使用量は比較的少ない。
 2011年、衛生部は「抗生物質使用専門プロジェクトガバナンス活動」を展開した
ことがあるが、データから見ると、この活動効果はほとんど見られない。

 中国と比べると、その他の国または地域の抗生物質使用は大きくかけ離れている。
 2011―2012年のアメリカ使用量は1.79万トンであり、その大部分(1.46万トン)
は動物に使われ、人には3290トンしか使われていない。2013年のイギリスでは1060
トンしか使用されておらず、うち、人への使用量は約640トンである。カナダでは
2011年の人への使用量は250トンのみである。

 総数は、中国の人口基数が大きいために抗生物質の使用総量が大きくなるのかと
いうと、1000人当たりの1日の使用量では、中国の1人当たりの抗生物質使用量が欧
米をはるかに上回っているということもある。
 2013年、中国の抗生物質1000人当たりの1日の使用量指数は157であるのに対し、
欧米は20―30の間であり、2011―2012年のアメリカは28.8、2013年のイギリスは
27.4、2011年のカナダは20.4、2003年のEUは20.1となっている。
 これらの数値から、中国はアメリカの5.5倍、イギリスの5.7倍、カナダの7.7倍、
ヨーロッパの7.8倍となっていることが計算される。〔網易2015年6月19日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行8月3日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     4.9481  611.69     78.9  672.94
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――次回は3週間後》
 編集時間をとれないため、次回のリリースを1週間おくらせて25日にさせていた
だきます。どうも済みません。
 中国の株式市場はなかなか評判が悪いですが、株式市場が順調じゃなかったら、
では順調な何かが動くはずで、それは何なんだろうなと思っています。ニュースと
しては見たことがないですが、株ではなく、元高だから外貨を買う動きもあるので
しょうか。さすがに中国国内ではそれほどたくさんは両替もできないと思いますが、
例えば日本に来て、爆買いついでにキャッシングする人もいそうだなと思いました。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 楊桃 村瀬明美
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