CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子マガジン《中国最新情報》  No.644 2016年2月16日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:5,095名(2016年2月14日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:春運到来 出稼ぎ労働者の帰郷就業志向】
●春節の大都市 渋滞都市から閑散都市に
●春運人口移動経済学 農民工の帰郷就業のトレンド

┏【国内経済】
●東莞外資調査 「世界の工場」は現在転身中

┏【環境】
●2015年12月 74都市大気品質状況発表

┏【観光】
●国家観光局 2016年国内旅行者数延べ43.8億人と予想
●「中国人旅行客」世界への影響力拡大 海外旅行支出1000億米ドル超え

┏【経済データ】
●外国為替(2月14日)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:春運到来 出稼ぎ労働者の帰郷就業志向】……………………………
●春節の大都市 渋滞都市から閑散都市に
 間もなく正式に春節の大移動のピークに入る。人々の大規模な移動に伴い、平日
は甚だしく渋滞となる大都市にも一時の「閑散都市」状態が訪れ、特に交通は1年
で最も順調に流れる時期となる。

 高徳(中国カーナビメーカー)の地図データによれば、毎年2月は都市交通の渋
滞指数が最低となる時期だという。春節期間となるため、北京、上海、深セン、広
州等、一線都市の人口は大幅に減少する。
 そのうち、外来人口が在住人口の7割以上を占める深センは、ラッシュ渋滞指数
の下降幅は20%超と下降幅が最大の都市であり、「閑散都市」ランキングのトップ
である。僅差で続くのが、広州、北京、東莞、上海等の伝統的な出稼ぎ大都市であ
る。また、近年新たに人口の受け入れ地となった蘇州は外来人口が在住人口の4割
を占めており「閑散都市」ランキングのベスト10に入る。

 残念なことに、このような状況は休暇期間にしか存在しない。もし、中国のサラ
リーマンが日々世界でも最もつらい通勤を強いられているのであれば、平均してそ
の半分の通勤時間は渋滞によってふえたものだ。
 北京では、朝晩の通勤ラッシュ1時間の中で30分が深刻な渋滞で費やされ、ラッ
シュに起因する渋滞指数は2.06となる。つまり、車通勤のサラリーマンは2倍の時
間をかけなければ目的地に到着できないことを意味している。
 もし、北京市の労働者の平均月給と相殺すれば、北京のサラリーマンは交通渋滞
により毎月808元相当の時間コストを代償として支払っていることになり、その渋
滞時間コストは全国最高となる。

 耐えがたい通勤時間は明らかに人の心理に影響を与え、幸福感は大きく下降する。
しかし、このような状況を予測可能な短期間内で改善することは不可能で、人々は
やはりどうしても大都市での生活を選択する。それは言うまでもなく、より高い給
料レベルとより多い就業チャンスを求めるからである。
 中国2.5億の流動人口のうち、半数が経済要因から故郷を離れている。婚姻や学
習等の非経済要因は1990年代の人口の大規模移動後は明らかに下降の道をたどって
いる。

▽春節期間の渋滞指数下降幅最大都市トップ10(%)
 深セン 20.5
 広州  18.6
 北京  12.7
 東莞  11.1
 杭州  10.9
 上海  9.7
 仏山  8.9
 珠海  8.3
 成都  8.2
 蘇州  7.0

▽都市コストランキング
(左)ピーク時間1時間当たり渋滞時間
(中)従業員平均月給(元)
(右)1月当たり渋滞時間コスト(元)
 北京  30.00  808  6463
 広州  29.20  753  6187
 深セン 28.85  728  6054
 上海  28.57  649  5451
 大連  28.42  628  5301
 天晋  23.86  601  6047
 長沙  26.31  565  5154
 武漢  26.42  556  5052
 重慶  28.17  556  4738
 南京  24.64  551  5592
〔網易2016年2月2日〕

●春運人口移動経済学 農民工の帰郷就業のトレンド
 史上最大規模の人口移動がまたまた始まった。
 高速鉄道ネットワークの運送量がどんどん上昇し、政府統計は、今年の春運(旧
正月の帰省ラッシュ)期間の全国旅客輸送量は延べ29.1億人に達し、7.27億人の人
口流動に相当すると予想した。
 旅客総量が多い上位10省は、労働力を送り出したり、受け入れたりしている省で
ある。しかし、今年著しく変化していることは、労働力を送り出す四川省の送り込
む流れが鈍化し、農民工の帰郷就業が中期的なトレンドになると予想されているこ
とである。
 人口の流入によってその都市の不動産価格が変化するため、人口が流出している
省の主要都市ではない都市の不動産動向は悪くなる。

 四川省で大量の農民工が帰郷就業をするようになる背景では、深刻な高齢化問題、
出稼ぎによる労働力流出で「富まずして年老いてしまう」というマイナス面があら
われ始めている。
 しかし、もし四川が現在、大規模な農民工の帰郷を支援できなければ、西部地域
の他の労働力の送り出しをしている貴州や雲南等ではさらに深刻な就業状況に直面
することになる。

 49歳の廖坤華さんは、工場から事前に休みの通知を受けた後、まず四川の実家に
電話をして、急いで列車のチケットを変更した。
 彼がいる広東省東莞市厚街鎮は全国有数の製靴業の集積地で、早い段階で経済減
速の影響を受けた地域の一つである。
 廖坤華さんはこれまでの経験で1カ月前に列車のチケットを予約していたのだが、
自分の工場が1週間前倒して工期を終えるとは思っていなかった。廖坤華さんは
「来年は来ないかもしれない」と言っている。

 1月24日、2016年春運が正式に始まり、労働力を送り出している四川省では再び
大規模な人口移動の時期を迎えた。
 鉄道部門の予測によると、2016年の春運の全国旅客輸送量は延べ29.1億人に達し、
前年比3.6%増となる。そのうち、鉄道の旅客輸送量は延べ3.32億人で12.7%増と予
想されている。

〈農民工が出稼ぎを選ばなくなる〉
 奇虎360公司が提供した2016年春運初日の鉄道輸送力データによると、出発都市
の上位10都市中9都市は東部地域で、北京、上海、広州等が上位にあり、唯一ウル
ムチだけが西北地域であった。 これらの都市は中国の出稼ぎ者が最も集中する都
市で、教育資源が最も集中する地域でもある。
 到着都市は西南部地域が主体で、四川・重慶(川渝)地域の重慶、成都(四川)、
達州(四川)が上位にある。

 大体ここ十数年来の中国の春運の標準モデルとしては、出稼ぎ者は春節前を選び、
北京・上海・広州・深センから、西部の土地の痩せた故郷に大挙して戻り、何回か
の家族団らんの後、別れの酒を酌み交わし、新年を迎えた後、再び故郷を立つとい
うものだ。

 廖坤華さんの目的地は成都で、そこから3時間車に乗らなければ家にたどり着け
ない。
 夏逢利主任は、廖坤華さんの故郷である四川省金堂県竹〓鎮の就業社会保障サー
ビスセンターの主任であるが、数年来、中国のマクロ経済の変化がこの山中の小さ
な鎮に与える影響を観察しており、その結果、2つの変化に最も関心を寄せるよう
になった。

 まず、交通手段の多様化である。最初の自動車+列車から、現在は飛行機+高速
鉄道が増加し、「出稼ぎ収入が多くなれば、車を運転して帰郷する人もますます多
くなる」(夏逢利主任)
 交通手段の多様性は出稼ぎ目的地の選択の多様化をもたらしている。特に、西部
の高速鉄道のネットワーク化が進む中、農民工の出稼ぎ目的地はさらに自由度が増
している。広東に集中するような状況ではなくなっており、四川の高速鉄道の開通
地域はどれも選択対象である。

 実際、西部各省の状況から見れば、高速鉄道は第13次5カ年計画時期の重点推進
プロジェクトであり、多くの地域の政府工作報告にも書かれている。
 例えば、貴州省の孫志剛省長は政府工作報告において、第13次5カ年計画では、
貴州の鉄道営業キロ数は4000キロメートル以上に達し、そのうち高速鉄道は1500キ
ロメートル超としている。
 成都市でも、「全国主要都市との8時間交通圏、周辺省都都市との4時間交通圏、
成都平野部都市群1時間交通圏をつくる」との目標を定めている。

 しかし、夏逢利主任は、変化し続ける経済状況は春運に新しい変化をもたらして
おり、多くの竹〓鎮住民が出稼ぎを選ばなくなると見ていた。
 2015年末、竹〓鎮を代表する金堂県全体で、省外に働きに出た人数は既に2007年
の17万人から5万人足らずにまで激減した。

 「農民工の帰郷現象は中期安定的なトレンドであり、今後数年は帰郷して働く人
はますます増加するはずだ」四川省社会科学院区域経済研究所の張鳴鳴副所長はこ
のように語る。

〈帰郷就業状況が深刻に〉
 四川省就業サービス管理局の田傑局長は、3つの原因で四川省の農民工が戻って
きているとしている。
 第一に、大量の優秀な企業家、企業管理者、専門技術者があらわれ、人材が集ま
ってきており、帰郷して創業する意欲が出てきた。
 第二に、多くの農民工が家庭の価値を重視するようになってきた。
 第三に、東部の先進地域の労働力市場に重大な変化があらわれ、農民工の帰郷を
促している。
 「国際経済の低迷が外需の減少を招き、生産能力の過剰という矛盾を激化させて
いる。多くの外向型企業の生存が難しくなっている。幾つかのミドル・ローエンド
企業や労働集約型企業が中西部や中国国外への移転を加速させている。中国国内の
都市建設、インフラ建設、不動産開発がピークを過ぎたことで、多くの農民工が沿
海部から四川へを戻らざるを得なくなった」

 張鳴鳴副所長は、今回の帰郷の動きの中で、出稼ぎ労働者の年齢が若年化傾向に
あることに注目している。
 「高齢で帰郷する者のほか、働き盛りの青年の出稼ぎ労働者も帰郷して仕事する
ことを選んでいる」

 廖坤華さんとそのおいも、そのうちの一人だ。
 間もなく50歳となる廖坤華さんは、自分の体は実家の長年修繕できていない屋根
瓦のようなもので、もうがたが来ていると感じるから、2016年は出稼ぎはしないで、
放浪した半生とは決別するつもりだ。
 一方、廖坤華さんのおいは、「成都の工場の賃金は既に広東と同じと聞いた」た
め、竹〓鎮に戻ってからは、夏逢利主任のいる社会保険サービスセンターで仕事を
探すつもりでいる。

 実際に、四川省で大量の農民工が帰郷就業を志向する背景では、深刻な高齢化問
題がある。四川省における60歳以上の高齢者は総人口の18.1%を占め、全国平均よ
り3.2%高くなっている。出稼ぎによる労働力流出で「富まずして年老いてしまう」
というマイナス面があらわれ始めている。

 張鳴鳴副所長は、四川全体の経済情勢からいうと、四川の目下の経済発展と就業
機会の供給は大規模な農民工の帰郷創業を支えるには足りなく、したがって、今後
は逼迫していくだろうとしている。

 2015年のGDP(域内総生産)全体からいえば、四川省の3兆元という数は西部地域
でトップ、さらに、成都のほか、四川省でGDPが1000億元以上の市、州は12ある。
 しかし、もし四川が現在大規模な農民工の帰郷を支援できなければ、西部地域の
他の労働力の送り出しをしている貴州や雲南等ではさらに深刻な就業状況に直面す
ることになる。

 「労働力人口と人材の流失は、実は、質の高い発展のための要素の流失であり、
労働力の送り出し地域の持続的な競争力や発展活力を下げることは避けられない」
(田傑局長)

 田傑局長は、農民工の帰郷創業を引きつけるため、財政支援を強化するとしている。
 「創業プロセスにおける最大の困難は資金不足である。よって、財政面で、四川
省の88の貧困県に1.76億元の帰郷創業基金を創設し、金融機構が創業融資を強化で
きるよう支援する」

 しかし、張鳴鳴副所長は同時に、四川は工業化の加速時期にあり、その重要な特
徴の一つとして、インフラの投資が続くことで持続的に成長する、投資がふえれば
持続的成長につながるということは、一部分の帰郷農民工の就業需要を消化できる
ということだとしている。
注)〓は、たけへんに「高」
〔21世紀経済報道2016年1月27日〕

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【国内経済】…………………………………………………………………………
●東莞外資調査 「世界の工場」は現在転身中
 年末年始の真夜中、広東省深センに位置する経済の中核を担う東莞市常平鎮では、
多くの貨物車が物資を満載し、クラクションを鳴らしながら通り過ぎる。ここは製
造業で成り立っている都市である。

 2015年、東莞地区の総生産額は約8%増加し、全国平均から見ても高い水準になっ
た。そして、東莞は「6000億元クラブ」に足を踏み入れ、スマートフォン、電子部
品及びアパレル製品等の生産量は全国ひいては世界の中でもトップクラスとなった。
 「東莞が渋滞すれば、全世界で品切れが起こる」、この言葉は決してただの冗談
ではない。

 「世界の工場」という看板の背後では、東莞の対外貿易額と工業付加価値額の6
割以上を占める外商投資企業が重要な役割を発揮している。
 まさに対外経済貿易分野は「風見」の役割も有するため、東莞の外資企業の方向
性は外界の注目を引き、「倒産熱」「撤退熱」等の報道もたびたび各紙に取り上げ
られている。

 これに対して、東莞市商務局の方見波副局長は、東莞にある外資企業の倒産や移
転は事実で、特に、ノキアの東莞工場、連勝電子等の少数の大型工場の閉鎖がとり
わけ注目を浴びている。しかし、そうだとしても、規模または品質から見れば正常
の範囲であり、決していわゆる「移転熱」が出現しているわけではないとしている。

 事実、外資は現在も継続して東莞に流入している。2015年、東莞に投資された外
資は17.5%増の53.2億米ドルだった。その中でも、科研技術業界は135%増、金融業
界は696%増で、サービス業が製造業を超えた。
 製品の付加価値と技術が低く、資源消費型の外資企業は閉鎖か撤退し、同時に、
より多くより強い企業が成長を続けるという新陳代謝がなされている。

 龍昌デジタル科学技術有限公司は、改革開放後、早い段階で東莞に定着した製造
委託外資企業である。
 常平鎮に位置する龍昌の工場にあるプラスチックを型に流し込むラインに入ると、
一台一台の機械がひっきりなしに仕事を行っており、とまることなくプラスチック
を型に流し込んでいた。成形し熱を通したばかりのプラスチックのおもちゃ部品は
より分けられてベルトに送られ、切れ端は集められて再度利用される。

 「1台の機械が1人分の並べ替え作業工員を代替できる。精度が高く安定もしてお
り、さらには並べ替え中に起こるやけどの事故を防ぐことができる」
 張利民課長は、近年の市場変化により企業は「機械化」を迫られており、2015年
末の企業の自動化は40%程度に到達したと紹介した。

 携帯、PCから工作機械まで、自動車部品からロボット、コンピューター設備に至
るまで、東莞の製造業では、外資を含む生産能力が低い分野は押しのけられ、産業
構造が労働集約型から、労働集約と技術・資金集約型の折衷へと変化し、製造業の
加工のあり方が徐々に高度化している。

 「長期的な発展から見れば、企業が総合的にコストが低い地域に移転するのは一
種の発展の法則である。私たちが今取り組まねばならぬことは、東莞の経営効率の
底上げである」
 20年東莞で努力を続けている利威靴業有限会社のチャック・ジリス高級副総裁は
言う。

 利威の親会社であるアメリカブラウン靴業は100年の歴史を持ち、世界最大の靴
業貿易会社の一つである。近年、東莞の世界的なポジションは絶えず変化しており、
最初は主に製造部分を行っていたが、現在はブラウン靴業で最も重要な設計、研究
開発の中心となった。

 「私たちは数年前に台湾の事務所を閉鎖し、イタリアの設計部門も残りたった20
人程度となった。東莞の会社は絶えず拡大し、現在600人強の工員が14の国・地域
から来ている」
 それでも、ジリス高級副総裁は、過去数十年、会社はアメリカから台湾、中国大
陸に移転してきたが、中国もだんだんコストが高くなり、この問題が解決されなけ
れば東南アジアに移転すると率直に述べている。

 東莞人自身は、今後の資金導入では比較優位上変化することはよくわかっている。
 方見波副局長によると、外部の環境から見れば、アメリカ等の先進国が再工業化
を推進し、団体まで組織し、東莞に来て企業誘致をしている。インド等の国は十分
な労働力があり、ベトナムは自由貿易協定のメリットを受け、さらにこれらの新興
国は中国の成功を模範にして外資誘致を行っている。
 内部の環境から見れば、コストの上昇が利潤を相殺しているほか、インターネッ
ト技術の発展に伴い、東莞に隣接する香港、マカオの地理的優位性も弱まっている。

 しかし、それと同時に、東莞には長年蓄積してきた大き過ぎる製造能力と裾野産
業が整い、投資環境も良好で、産業構成がすぐれている等の条件は依然として外資
に対して強力な吸引力となっている。
 統計によると、外資企業の東莞での増資、生産拡大による総額は、2008年は17億
米ドルであったが、2015年は42.9億米ドルに上った。増資プロジェクト規模は平均
2.9倍増になった。このことからも、東莞に根づいている企業の発展願望は依然と
して強いことがわかる。

 徐建華・東莞市委員会書記は「東莞の構造転換と産業高度化は主に産業によるも
の」と見ており、新たな国際競争の中で、東莞は先進的な製造業と現代サービス業
の両輪で、「東莞製造2015」戦略を実施し、知的生産等の戦略性新興産業の高みを
制するとしている。〔新華網2016年2月3日〕

……【環境】………………………………………………………………………………
●2015年12月 74都市大気品質状況発表
 1月25日、環境保護部はメディアに対し、2015年12月における、北京・天津・河
北(京津冀)、長江デルタ、珠江デルタ地域及び直轄市、省都都市、計画単列都市
等74都市の大気品質状況を発表した。
 廈門(福建)、福州(福建)、昆明(雲南)、恵州(広東)、江門(広東)、海
口(海南)、深セン等7都市の基準到達日数は100%だった。

 環境保護部環境監測司の羅毅司長によると、12月は広範囲で重大大気汚染となっ
た影響を受け、74都市の環境大気品質の全体としては、前期比、前四半期比ともに
ひどくなった。
 74都市のPM10、PM2.5、二酸化窒素濃度は前期比、前四半期比とも上昇、二酸化
硫黄の濃度は前期比で下落したところがあったものの、前四半期比では上昇、一酸
化炭素の基準超過率は前期比及び前四半期比で上昇、オゾンの基準超過率は前期比
では変わらず、前四半期比で下落したところがあった。

 統計によると、74都市の平均基準到達日数割合は55.6%だった。
 廈門(福建)、福州(福建)、昆明(雲南)、恵州(広東)、江門(広東)、海
口(海南)、深セン等7都市の基準到達日数割合は100%だった。
 東莞(広東)、中山(広東)、珠海(広東)等15都市の基準到達日数割合は80―
100%だった。
 重慶、寧波(浙江)、秦皇島(河北)等13都市の基準到達日数割合は50―80%だ
った。
 保定(河北)、邯鄲(河北)、済南(山東)等39都市の基準到達日数割合は50%
に満たなかった。
 基準超過日数の中では、PM2.5が最多で、その次がPM10だった。

 都市環境大気品質総合指数評価によると、12月の大気品質が相対的に悪い10都市
(74位から65位)は、保定(河北)、ケイ台(河北)、衡水(河北)、邯鄲(河北)、
石家荘(河北)、廊坊(河北)、済南(山東)、鄭州(河南)、唐山(河北)、ハ
ルビン(黒龍江)。
大気品質が相対的によい10都市(1位から10位)は、海口(海南)、恵州(広東)、
厦門(福建)、福州(福建)、深セン、昆明(雲南)、肇慶(広東)、東莞(広
東)、貴陽(貴州)、江門(広東)。

 重点3地域のうち、珠江デルタ地域の大気品質は明らかに好転したが、北京・天
津・河北(京津冀)、長江デルタの大気品質は悪化し、主要汚染物質のPM2.5の月
平均濃度は前年同期より明らかに高くなった。
 特に、北京・天津・河北(京津冀)地域は大気の逆転層現象、湿度上昇、風速が
弱い等の不利な気象条件のもと、冬季の石炭燃焼による大気汚染、特に農村、都市
近郊地域の石炭燃焼が膨大である影響で、月平均のPM2.5濃度は前四半期比で明ら
かに高くなる。〔新華網2016年1月26日〕

……【観光】………………………………………………………………………………
●国家観光局 2016年国内旅行者数延べ43.8億人と予想
 2016年、中国の観光業は引き続き速い成長を保持し、国内観光客数は延べ43.8億
人で9.5%増、観光による出入国者数は延べ2.63億人で5%増、観光投資は1.2兆元に
達し、前期比20%増と予想されている。

 国家観光局の李金早局長は29日、海口の全国旅行工作会議の席上、2016年、中国
の国内観光収入は3.8兆元で11%増、国際観光収入は1210億米ドルで6.5%増、観光総
収入は4.55兆元で10%増となると予想した。

 大まかな試算によると、2015年、中国の年間国内外観光客受け入れ数は延べ41億
人を超え、観光総収入は4.13兆元に達した。
 中国公民の海外旅行者数は延べ1.2億人、観光消費額は1045億米ドルで、前期比12%
増、16.7%増となった。
 観光業のGDPに対する直接的な貢献は3.32兆元で、GDP全体の4.88%を占めた。総
合的な貢献は7.34兆元で、GDP全体の10.8%を占めた。
 観光による直接及び間接の就業者数は7911万人で、全国就業総人口の10.2%を占
めた。〔新華網2016年1月29日〕

●「中国人旅行客」世界への影響力拡大 海外旅行支出1000億米ドル超え
 海外旅行客の増加に伴い、中国は旅行業界のみならず世界経済に対して影響力を
強めている。
 中国国家観光局の統計によれば、2015年、中国本土以外を旅行した中国人旅行客
は前年比12%増の1.2億人、その消費額は16.7%増の1045億米ドルに上った。
 世界経済が低迷する中「中国人旅行客」の影響力は日増しに拡大している。

 国家観光局の李金早局長は29日、全国旅行工作会議において「旅行業界全体の方
向性を分析するには、中国の旅行業界の動静に注意する必要があるというのが国際
社会の共通認識だ」と語った。
 中国は既に40億人規模の国内旅行市場、2.5億人を上回る出入国市場を形成して
おり、旅行業の中国経済及び雇用に対する貢献度は10%を超えている。

 国連世界観光機関(UNWTO)のデータによれば、中国は2012年から数年連続で世
界最大の国際観光支出国となり、世界の国際観光収入おけるシェアは年平均13%を
超えている。2015年も同様、中国は海外旅行客数、海外旅行消費支出ともに世界第
1位となった。

 世界経済に回復の見込みがない一方、観光業は発展し、多くの国々において雇用
や事業を創出し、輸出収入の確保やインフラ建設の原動力となった。数が多く購買
力のある「中国人旅行客」の獲得に世界各国は躍起になっている。

 米政府観光局のデータによると、2015年、訪米中国人旅行客は前年比16%増の300
万人に上り、1人当たりの消費額は6000―7000米ドルと他国をはるかに上回った。
 韓国観光公社の統計では、2015年、訪韓中国人旅行客1人当たりの消費額は2200
米ドル。中国人旅行客が韓国に与えた経済効果は220億米ドルに達し、韓国GDPの約
1.6%を占めた。
 オーストラリア統計局のデータによれば、2015年、オーストラリアを訪れた中国
人旅行客は100万人、その消費総額は約355億元に達し、当初10年かかると目されて
いた目標がわずか5年で達成した。
 世界ビジネス旅行協会(GBTA)財団は、2016年の新たなトレンドとして、中国が
米国を抜き世界最大のビジネス旅行市場となるとの見方を示した。

 「旅行は中国において人気の消費手段であり、調査回答者のほぼ全てに旅行計画
がある」(米ロサンゼルス・タイムズ)
 「中国人旅行客は世界最大規模の、また最も多くの利益をもたらす旅行客の大群
であり、中国の若い世代は国際旅行の品質に対してより強いこだわりを持ってい
る」(米フォーブス)
 「中国旅行業は世界的な推進力。今後一定期間継続的発展が可能なエンジンたり
得る」(タイ・民族報)

 国連世界観光機関(UNWTO)のデータによれば、2015年上半期、海外旅行客は前
年比4%増の5.38億人。年間を通して3―4%増加し、世界経済の成長速度を引き続き
上回った。
 旅行業の世界のGDPに対するシェアは7.8兆米ドルに達し、世界のGDPの1割を占め
た。旅行業は新たに2.84億もの雇用を生み出し、世界の全就業ポストの9.5%を占め
るに至った。

 中国人旅行客の海外進出に伴い、中国企業も海外進出を加速させている。
 中国最大手ホテルチェーン錦江国際集団による13億ユーロの仏ルーブル・ホテル
ズ・グループの買収や、香港の観光企業港中旅集団による4億ポンドの英ブライト
ンホテルグループの買収がその例に当たる。

 「中国旅行業の国際的な影響力、発言権は日増しに強まっている。毎年開催され
ている旅行分野における国際的トップイベントが今後3年間中国で開催される。旅
行業は中国の外交戦略の、また中国が世界経済の運営に加わる上での新たなコンテ
ンツとなった」
 李金早局長は「中国の旅行業」にはいまだ巨大な潜在能力があると見ている。
 「旅行に関する国際的な法則として、1人当たりのGDPが5000米ドルに達すると、
経済的に潤沢な旅行を求めるようになり、レジャーに対するニーズも消費能力も顕
著に高まる。しかし、2015年、中国の1人当たりのGDPは5.2万元(約8016米ドル相
当)であったにもかかわらず、1人当たりの旅行回数は年2.98回と、先進国の8回以
上という数字に遠く及ばなかった」

 「2020年、中国の1人当たりのGDPは1万米ドルを超える見込みであり、旅行消費
のニーズは爆発的に増加し、業界発展を大きく後押しするだろう。このとき、中国
国民の平均旅行回数、旅行消費総額、旅行投資総額、旅行業従事者等の値は2015年
の倍を見込んでいる」李金早局長はこのように語った。〔新華網2016年1月29日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行2月14日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     5.7437  651.18    83.61  733.97
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――目標》
 1カ月おくれで春節を迎えましたが、今年の目標はそろそろ決まりましたでしょ
うか。私は人様に言葉を教えているので(中国語じゃないですが)、せめて一通り
習得できる半年ぐらいは続けばいいなと思っています。一応2カ月続きました。人
に教える際に基礎に立ち返ると、自分も何か賢くなった気がしています。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »