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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.678 2017年8月1日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:90後と前世代との価値観ギャップ】
●90後は「家を買わない」世代になるかも 住宅より生活の質が半数
●あなたに相手が見つからないのに、90後は離婚し始めている
●中国の人口流動頻繁 多くは地元以外の人との結婚を望まない

┏【国内経済】
●家賃が収入に占める比率 北京、深センは50%以上

┏【観光】
●ベトナム国境地帯への観光熱 東興ゲートの出入国者数新記録
●チベット民間航空 上半期受け入れ旅客数延べ207万人に
●中国からカンボジアへの観光客が急増

┏【経済データ】
●外国為替(7月31日)

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……【特集:90後と前世代との価値観ギャップ】……………………………………
●90後は「家を買わない」世代になるかも 住宅より生活の質が半数
 シンガポール「聯合早報」ウエブサイトの7月17日の報道によると、中国一線都
市の高どまりする不動産価格、90後の若者の生活の質の追求や観念の変化に合わせ、
青年賃貸マンションが出現している。
 業界関係者によると、よい商業モデルがつくられ政策支援が得られれば、青年賃
貸マンションは一線都市の家賃や不動産価格を安定させる方法と言える。

 北京のある民間企業職員の劉慧さん(25歳)は、最近シェアしていた物件から月
4200元の青年マンションに引っ越した。
 20平方メートル未満のワンルームで、彼女の月給の半分がなくなる計算だが、そ
れでも彼女はそれだけの価値があると考えている。彼女は、毎月1800元多く出費す
ることになるけれども、快適で美しい毎日に変われば、もちろん価値があるとうれ
しそうに話す。

 中国社会科学院社会青書の調査結果では、約3割の90後大卒の、卒業1年後の居住
面積は20平方メートル未満であるが、彼らは面積の大小よりも、生活の質の向上を
望んでいることが明らかになった。これら個人の価値をさらに重視する90後の大卒
は、「家を買わない」世代になるかもしれない。

 自分の家を持つことは、90後の大卒にとり依然として価格にとらわれない強い需
要がある。しかし、彼らの3分の1は「家を買うために生活の質を下げたくない」、
55%以上は「住宅ローンが重くのしかかるのなら、家を買わなくてもいい」と回答
している。

 劉慧さんの住む賃貸マンション付近にある中国不動産の平均価格は1平方メート
ル当たり7万元近い。仮に60平方メートルの家を購入すると、少なくとも420万元か
かることになる。彼女は、計算すると賃貸は購入より賢いと説明する。
 「たとえ両親にお金があって120万元を払ってくれて、残りの300万元を30年ロー
ンにすると、月1.8万元以上が必要だけれども、300万を銀行に預けて運用すれば、
毎月1.5万元が入る」

 事実上、一線都市では住宅は収入の40倍以上となり、既に若者の住宅購入能力や
意欲に影響を与えている。
 あるデータによると、2013―2016年、北京、上海では初回の住宅購入年齢が30歳
から34歳に上がった。若者の賃貸期間が長くなり、一定程度、賃貸生活を許容する
ようになっている。

 同じように賃貸の青年マンションに住む董莉さんは「賃貸物件にはそんなに大き
な経済的負担もないし、トイレの修理や照明の交換等の生活の細々したことに心配
することもなく、転職、都市の移動も思うがまま」と語る。
 国家衛生計画出産委員会が発表する流動人口発展報告によると、2015年の中国の
流動人口は2.47億人、2020年に2.82億人、2030年に3.27億人に達する。つまり、十
数年後には中国の5分の1の人口は移動することになる。

 人口流動が頻繁に行われる中、賃貸は大多数の人にとっての居住方式となる傾向
であることは間違いない。ある不動産仲介会社が発表した報告によると、2015年、
中国では約1.6億人が賃貸に住んでいるが、2020年には1.9億、2030年には2.7億人
になることが明らかになった。

 巨大な賃貸者層、90後を主として賃貸マンションに人気があることが、大型不動
産会社、ホテルグループ、インターネット企業の青年賃貸マンション市場への参入
意欲を高めさせている。
 不動産企業のほか、インターネット企業も賃貸市場のグレードアップやモデルチ
ェンジに注目している。アリペイはキノコ租房とともに賃貸市場に参入し、小米創
業者の雷軍氏はYOU+国際青年マンションに億単位で投資している。このほか、幾つ
かの有名なホテルグループが窩趣、魔方等多くの独身ブランドマンションコミュニ
ティーを生み出している。

 青年マンションは若者の消費観念に合っている。これまで賃貸は仕方ない支出だ
ったが、今は楽しい支出へと変わり、世論や多くの専門家も賃貸にして家を買わな
いよう若者に呼びかけている。
 しかし、大多数の回答者は、状況が合えば家を買うことを考えている。既に頭金
を払ったIT業界のある90後は、「男は家を持っていないと意中の女性を探せない」
という。

 過熱する不動産市場を安定化させるため、中国政府は厳しい購入制限を行うとと
もに、政策上からも賃貸市場発展奨励を始めている。2016年6月、国務院は賃貸業
務展開を明確に支持する文書を発し、初めて商業用不動産等の改築や賃貸住宅を認
めた。2016年12月、中央経済工作会議では住宅賃貸市場発展が再提起された。
 このほか、今後5年間で、北京市は150万の住宅を建設する計画で、そのうち賃貸
住宅が50万と北京住宅供給構造の3分の1を占める。
 易居研究院智倉センターの厳跌進CROは「賃貸住宅供給源の量の増加は大都市の
不動産高騰にショックを与えるのには有益」と話している。〔参考消息2017年7月17日〕

●あなたに相手が見つからないのに、90後は離婚し始めている
 離婚は現実生活の中でよく見られるものとなっている。2006―2015年、中国の離
婚率は激増し、5000万人以上が離婚を選択した。民政部の統計によると、わずか2015
年だけで全国の384.1万組の夫婦が離婚し、離婚率は2.79‰に達し、既に日本、韓
国、フランス、ドイツ等先進国を超えた。

 これだけでなく、ここ数年来顕著なトレンドとしては、離婚者のうち90後が占め
る割合がますます多くなっていることだ。
 広州市海珠区法院の統計によると、2012年1―9月上旬に受理した離婚案件625件
中11件が90後によるものだった。鄭州市の2015年年度婚姻登記データによると、90
後は当年の離婚総人数の3分の1を占めた。
 多くの80後が「剰男剰女」のレッテルから逃れるのに悩んでいるときに、90後は
離婚トレンドの主力軍となっていた。

 かつて、離婚は社会や家庭のさまざまな圧力に直面し、大部分の人に言わせれば、
離婚へ踏み出すのは簡単ではなかった。
 離婚率が高くなったことは、社会全体が個人の自由意思や選択をさらに尊重し始
めたということであり、一定程度は女性の地位が向上したということだが、もしか
すると、住宅購入制限政策のもとで多くの人が「偽装離婚」を選択したことも関係
している。

 たとえそうであったとしても、家庭がうまくいくかどうかは、人々が他人と自己
の人生の価値を比較する重要な基準である。
 中国婦女雑誌社が発表した「中国婚姻関係における親密状況調査報告」によると、
男性から見た女性の価値は主に、子女の教育、家庭の切り盛り、家庭と仕事のバラ
ンスがとれることであり、わずか8.6%の男性が「博学で見聞が広い」のが女性の価
値だと見ている。

 一方、女性が自身に期待することは、夫を補助し子供を教育することであり、ま
た経済的に独立することであり、自分の特技や趣味があることである。
 全体的に見ると、男性は女性の家庭的役割を強調し、女性は女性の家庭的役割を
肯定するほか、自身の独立や発展を強調している。

 一方で、中国の女性の独立意識は既に大いに向上しているものの、家庭生活の中
で、大多数の女性は、依然として、男性が事業を追求し、家の大黒柱で、友人が多
く交際が広く、一家を養う責任をさらに多く負担することを望んでいる。
 男女の役割は家庭分業における「男性は外、女性は内」という伝統的観念を依然
として引き継いでいる。

 男女の間の相手と自分の期待は対等でなく、有効なコミュニケーションが欠乏す
れば、親密な関係が破綻する導火線になり得る。夫婦の親密な関係を傷つける要素
の中で、冷たい暴力、猜疑心は最初に挙げられる2つである。このほか、不倫、DV、
性生活の不和等も重要な影響要素である。

 現代の婚姻では、夫婦双方の気持ちが大事になっていて、夫婦間の気持ちをいか
に通わせるかが家庭平和を維持する基礎である。
 調査によると、男女にそれぞれ強い要求があっても、相当割合の回答者は、日常
生活の中で夫婦間での積極的なコミュニケーションが少ない、大人同士で余り触れ
合う時間をつくっていないとしている。
 一旦問題があらわれると、離婚が一種の状況から抜け出す方法になる。

 学者の丁未氏は以前、自己の民族誌の著作の中で、安定して仲がいい婚姻生活と
個人の現代化との間に内在する矛盾を避けることはできない一方で、伝統的な婚姻
は女性に多くの自主的な空間が与えられない、多くを依存する婚姻関係と何も考え
なくてよいことも一種の幸福かもしれないが、幸福については人それぞれ違うもの
だと言及している。

 このように見てくると、結婚は不自由かもしれないが、実は人生の全てのものは
自由がなく逃げられないものである。

▽中国の離婚率10年連続増
 2006年 1.46‰  2011年 2.13‰
 2007年 1.59‰  2012年 2.29‰
 2008年 1.71‰  2013年 2.58‰
 2009年 1.85‰  2014年 2.67‰
 2010年 2‰    2015年 2.79‰

▽両性目線の異性の価値
男性から見る女性の価値     女性から見る男性の価値
 子育てが上手 58.5%       自己の事業を追求している 72.6%
 家事が上手 51.6%        家の大黒柱 69.2%
 家庭と仕事を両立できる 37.3%  友人が多く交際が広い 38.1%
 経済的に独立している 35.5%   いい奥さんがいる 36.5%
 内助の功がある 35.4%      博学で見聞が広い 35%
 いいだんながいる 28%      子供が出世する 24.3%
 特技や趣味がある 25.4%     お金を持っている 13.1%
 社交の場で人気がある 19.3%   奥さんは人気がある 10.8%
 博学で見聞が広い 8.6%

▽夫婦の親密な関係を傷つける主な要素
 冷たい暴力 56.4%   独断専行 17.7%
 猜疑心 53.9%     自分のことに専心し意思疎通がない 16.2%
 不倫 52.4%      守銭奴 13.8%
 性生活の不和 46.5%  人間的な生活ではない 12.7%
 DV 43.1%       難癖をつける 12%
 うそをつく 39.6%   不寛容 11.8%
 向上心がない 32.7%  ゲームに熱中する 9.6%
 家族を無視する 30.4% 子女の教育の不一致 9.3%
〔網易2017年7月11日〕

●中国の人口流動頻繁 多くは地元以外の人との結婚を望まない
 先日、北京中山公園のお見合いコーナーから流れた「お見合い価格表」がネット
状況で熱い議論を引き起こしている。
 価格表にある「ひつじ年生まれ不可」「北京籍は北京在住よりましい」「人生の
レールに乗っている人間は乗っていない人よりまし」というこれらを聞くと滑稽で、
現実的な恋愛や結婚では厳しい条件であるが、このほか、さらに最も多く議論され
ていたのが「地元以外の人不可」だった。

 伝統観念では、地元以外の人を探す、特に他の省の人と結婚することは余り受け
入れられないことであり、さらに加えて他の社会的な要素の影響で、多くは地元の
人間を選んで結婚する。しかし、時代の発展や社会の変遷に伴い、この種の状況は
変化し始めている。

 北京、黄石、保定、西安の4都市の調査に基づいて、学者の梁海艶氏と陽茂慶氏
は、時間の経過に伴い、都市青年が同県市及び同省の県市をまたがる結婚をする割
合は下がり、他の省の人と結婚する割合は年々増加し、2000年の5.61%から2010年
には14.29%に増加、つまり、若者の多くが他の省の人と結婚することを選択するよ
うになっている。

 省をまたがっての結婚の影響は、まず人口の移転、流動である。1980年代から、
中国の経済活動が空間的に拡張するに伴い、人々は他の都市へと入り込み、よりよ
い仕事のチャンスを探し求めた。
 外に出て流動する過程の中で、彼らの社会的人脈にも変化が発生した。異郷の地
で仕事をすることにより、人々はさらに多くの機会に異郷の友人とつき合うように
なり、そのことによって地元以外の人との結婚の可能性が増大した。
 研究では、移転、流動経歴のある都市青年が省をまたがった結婚をする割合は、
流動経験のない人より3倍以上多い。

 次に、配偶者選びの上で、両親の地域観念が子供の省をまたがった婚姻にも影響
を与えている。
 データによると、相手の人柄や性格を最も重視することは父母や子女で同じだが、
家庭の問題に言及すると、父母世代は保守的な傾向がある。家庭の所在地について、
父母の2.88%が配偶者選びの最優先の考慮要素としたが、子女のこの分野での割合
はわずか0.06%だった。

 現代社会において、家長はだんだん子女の婚姻の決定権を失いつつあるが、助言
する役割はあり、彼らの意見は往々にして子供の結婚という一大事に大きな影響を
与える。
 したがって、父母と子女は婚姻問題では地域観念に相違があり、子女が省をまた
いで結婚結婚することに制約を設けることもある。

 仮に、あなたが両親に自分がつき合っている男性あるいは女性について言うとし
たら、両親が最初に聞くことは、彼女はあるいは彼はどこの人かということである。
もし省外であれば、両親との間でちょっとしたいさかいが起きることは避けられない。
 方言が通じず、生活習慣が異なることは、彼らが心配する問題である。もし、省
をまたいで結婚するのが女の子だとすると、両親の心配はさらに多くなる。「遠方
に嫁がせる」ことは、両親にとってせつなく寂しいことである。

 父母の観念のほか、一人っ子であることも、地元以外の人との結婚の可能性に影
響を与えているはずである。
 調査の回答中、5.54%の兄弟ありは地元以外の人との結婚(同じ省の異なる県市
や他省を含む)を望んでいるが、一人っ子ではこの割合は3.65%である。既に結婚
した人においても、兄弟ありが地元以外の人と結婚する割合は一人っ子より高くな
っている。
 中国の伝統的な家庭の老後の世話は家庭の感情的なつながりとして重視されてお
り、一人っ子の結婚エリアが一定の制約を受けている。

 興味深いことに、以上言及したこれらの要素のほか、学歴もまた、人々が省をま
たいで結婚するかどうかの要素に影響している。
 教育程度が高ければ高いほど、省をまたいで結婚する割合も高くなる。小学卒業
以下の人が地元以外の人と結婚する割合は5%以下だが、大学院卒になると、この割
合は31.58%に達する。

 総じて言えば、人々が頻繁に流動する今日、地元以外の人と結婚することを望む
人は依然として少数である。当然、もしあなたに経済力が相当あれば、中山公園の
お見合いコーナーでおばさん集団に囲まれるかもしれない。ただ、本当にこのよう
な人であれば、大体はお見合いコーナーにまで行って人生の伴侶を探すほど落ちぶ
れないはずである。

▽都市青年の初婚年齢の省をまたいだ結婚の割合の変化
 同一市 同省内 省外
1994年 100% ―― ――      2003年 81.25% 13.19% 5.56%
1995年 72.73% 27.27% ――    2004年 78.68% 13.24% 8.09%
1996年 78.92% 21.05% ――    2005年 71.06% 19.31% 9.66%
1997年 85% 15% ――       2006年 69.28% 18.95% 11.76%
1998年 78.82% 16.47% 4.71%   2007年 76.62% 12.99% 10.39%
1999年 81.05% 13.68% 5.26%   2008年 64.74% 23.08% 12.18%
2000年 74.77% 19.63% 5.61%   2009年 71.97% 13.64% 14.39%
2001年 81.94% 12.5% 5.56%    2010年 71.43% 14.29% 14.29%
2002年 80.83% 13.33% 5.83%

▽父母と子女の配偶者選び要素の違い
 本人 両親
人柄 43.24% 40.1%    わからない 0.25% 5.38%
性格 35.54% 21.3%    学歴 3% 3.25%
経済状況 3.82% 8.76%  家庭所在地 0.06% 2.88%
能力 4.82% 5.26%    身長 0.81% 1.19%
外観 5.38% 2.07%    年齢 0.69% 0.94%
家庭条件 0.81% 5.19%  戸籍 0.13% 0.25%
健康 1.38% 3%      家族の態度 0.06% 0.44%

▽兄弟ありは他省の人との結婚を望む
 同一市・県 同省内 省外 こだわらない その他
意中の範囲(未婚)
 一人っ子 49.74% 4.12% 1.42% 44.59% 0.13%
 兄弟あり 61.31% 2.68% 0.97% 34.91% 0.12%

現実の範囲
 一人っ子 73.98% 17.83% 8.19% ―― ――
 兄弟あり 78.72% 12.96% 8.32% ―― ――

▽教育水準別他省の人との結婚割合
 未就学 2.34%    高校卒 8.09%      四年制大学卒 26.23%
 小学卒 3.25%    中等専門学校卒 10.68%  大学院卒 31.58%
 中学卒 5.06%    短大卒 16.85%
〔網易2017年7月20日〕
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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●家賃が収入に占める比率 北京、深センは50%以上
 21日、上海易居房地産研究院が発表した「全国50都市家賃収入比研究」報告によ
ると、6月、全国50都市のうち7割の家賃は収入より高く、中でも北京、深セン、三
亜、上海の4都市は家賃の収入に占める比率45%を上回り、家賃が深刻に高い都市だ
った。
 報告にある家賃が収入に占める比率とは、個人の家賃費用と可処分所得との比率
である。1人当たり住宅家賃を都市住民の可処分所得で割ったものに等しい。

 家賃が収入に占める比率の分子部分だけで見ると、北京、上海、深センの3都市
の1人当たり住宅家賃は月2000元を上回り、中でも北京の家賃レベルは月2748元と
最も高く、家賃が収入に占める比率は58%に達する。

 全50都市のうち、1人当たり住宅家賃が月1000元を上回る都市は、杭州、広州、
厦門、南京、三亜、珠海、福州、天津、温州、大連、ハルビン、武漢、鄭州、海口、
寧波で、そのうち杭州、広州は月1500元を上回り、厦門、南京は1500元弱、残りの
都市は月1000元強だった。
 意外に感じるのは、三亜は1人当たり住宅家賃が月1254元で、サンプル都市の中
では高いレベルであることだ。報告では、この主要因は、三亜の一部の不動産がリ
ゾート用途に用いられ、価格にこだわらない上に、省外の観光客が支払う家賃が割
高であるためだと見ている。

 具体的な都市別の家賃が収入に占める比率では、北京(58%)、深セン(54%)、三亜
(48%)、上海(48%)等4都市は家賃が収入に占める比率45%を上回り、家賃が深刻に高
過ぎる都市だった。

 家賃が収入に占める比率25%以下で家賃が合理的な水準の都市は12都市で、保定
(25%)、長沙(25%)、北海(25%)、佛山(25%)、東莞(24%)、寧波(24%)、瀋陽(23%)、
銀川(23%)、フフホト(21%)、蘇州(21%)、嘉興(20%)、無錫(19%)だった。
 中でも、蘇州、寧波、無錫、瀋陽、フフホトは家賃が比較的安く、1人当たり可
処分所得が比較的高いため、経済成長が比較的速くとも、家賃が収入に占める比率
が低い水準なので、今後、家賃急騰リスクの可能性に気をつける必要がある。
 一方、銀川、東莞、嘉興等の都市の家賃、1人当たり可処分所得は比較的低く、
今後、家賃上昇圧力は小さい。

 そのほかの34都市では、家賃が収入に占める比率は25%―45%の間で、家賃が相対
的に高過ぎる都市だった。
 中でも、海口(41%)、蘭州(40%)、ハルビン(38%)、鄭州(38%)、広州(38%)、湛江
(37%)、杭州(37%)、廈門(36%)、福州(36%)、中山(36%)、天津(35%)、南寧(35%)等
12都市は35%―45%の間で、相対的に高かった。

 易居研究院の王夢〓(あまかんむりに「文」)研究員は、全国50都市のうち7割
を超える賃貸家賃が収入よりも高いのは、大中都市の住宅賃貸市場に大量の需要が
あるためと見ている。
 今後、中国政府は賃貸市場発展を図り、市場化と結びつけるとともに、支援強化
も考慮しており、さまざまな賃貸利用者に合わせた補助政策が制定される。

▽都市 家賃が収入に占める比率
北京 58%    中山 36%   大連 30%    長沙 25%
深セン 54%   天津 35%   成都 29%    北海 25%
三亜 48%    南寧 35%   西安 28%    仏山 25%
上海 48%    重慶 34%   昆明 28%    東莞 24%
海口 41%    肇慶 33%   ウルムチ 27%  寧波 24%
蘭州 40%    太原 33%   合肥 27%    瀋陽 23%
ハルピン 38%  珠海 32%   石家荘 27%   銀川 23%
鄭州 38%    南京 32%   南昌 27%    フフホト 21%
広州 38%    西寧 32%   温州 27%    蘇州 21%
湛江 37%    武漢 32%   青島 27%    嘉興 20%
広州 37%    恵州 32%   張家口 26%   無錫 19%
廈門 36%    長春 31%   済南 26%
福州 36%    貴陽 31%   保定 25%
〔中国新聞網2017年7月21日〕

……【観光】………………………………………………………………………………
●ベトナム国境地帯への観光熱 東興ゲートの出入国者数新記録
 先日、中・ベトナム国境地帯にある東興税関から得た情報によると、ビザ取得の
利便性、高いコストパフォーマンス等の要因から、今年上半期の東興出入国検査場
の出入国者数が延べ465.89万人に達し、前年同期と比較し41.84%の伸びとなり、史
上初の記録を樹立した。

 東興出入国検査場は、北侖河とカロン川の合流地点に位置し、ベトナム・モンカ
イ出入国検査場から100メートルの距離にある。東興市は2013年に国境地帯におけ
る旅行の外地証明書発行業務を全面的に再開して以来、旅行者数は年々上昇している。

 昨年11月、中越の東興―モンカイの越境ドライブが常態的に可能となり、東興―
モンカイ国際出入国検査場は中・ベトナム両国初の越境ドライブ旅行の国際的な出
入国検査場となり、数多くの旅行客を引きつけている。
 現在、中越の東興―モンカイ越境ドライブは1台から実現可能で、通関時間は最
速で20分である。今後、中・ベトナムドライブ旅行のルートはベトナムのハロン市
まで拡大される。〔新華網2017年7月20日〕

●チベット民間航空 上半期受け入れ旅客数延べ207万人に
 民間航空チベット区局からの情報によると、チベット民間航空が今年1月から6月
で延べ207万人の旅客を受け入れ、前年同期と比較し11.8%の伸びとなった。

 今年上半期、チベット民間航空で予定されている離着フライトは1.96万機で、貨
物取扱量1.59万トンを達成し、それぞれ前年同期比5.2%増と26.2%増だった。ニン
ティ―西安線が新たに加わり、フライト数は72路線にまで拡大し、就航都市は41か
所となった。

 民間航空チベット区局の関係責任者は、今年、チベット民間航空が1年で延べ450
万人の旅客受け入れを計画しているとした。これまでの経験に基づけば、下半期の
受け入れ数は上半期より高くなり、旅客の出入国ピークは7、8月に集中するという。

 民間航空チベット区局は幅広い旅客に対し、夏季はオンシーズンとなるため、チ
ベット旅行を計画する旅客は乗り遅れを防ぐために適切な時間に家を出るよう喚起
している。〔新華網2017年7月19日〕

●中国からカンボジアへの観光客が急増
 中国とカンボジアとの関係が発展し、それに伴い、カンボジアの有名な観光地に
魅力を感じ、今年、カンボジア旅行に行った中国人観光客が大幅に増加した。
 カンボジアの最新の統計データによると、今年1―4月における中国人観光客は延
べ36万人で前期比31%増となり、中国人はカンボジアを訪れた外国人のうち最大と
なった。
 カンボジア観光局が20日に発表した統計データによると、2017年1―4月、カンボ
ジアの外国人観光客は延べ190万人、そのうち中国人観光客は18.8%、次はベトナム
で14.2%を占めた。

 カンボジア観光局の職員は取材に対し、中国とカンボジアの関係の発展、カンボ
ジアの有名な観光地の魅力向上、両国の直行便増加により、中国からカンボジアを
訪問するビジネス客、観光客数が急速に増加していると答えた。2017年、中国から
カンボジアを訪問する中国人観光客は延べ100万人に達する見込みと予想している。
 このほか、同局が2016年に発表した中国人観光客誘致戦略によると、カンボジア
は、2020年までに延べ200万人の中国人観光客誘客実現を計画している。

 先日、アンコールワットで日の出を撮影する蘇州の観光客に遭遇した。彼女は
「3月に団体旅行で来たけれども、アンコールワットの美しさが忘れられず、今回
は女友達と一緒にもっといろいろなところを見て、ここの独特の文化を知りたいと
思っている」と語った。
 彼女によると、中国とカンボジアはとても近く、フライトも多くなっているし、
ビザは到着ビザか電子ビザととても便利で、今後もまた休みのときに遊びに来たい
という。

 中国免税品集団(カンボジア)有限公司の趙遠昭総経理は、「一帯一路」建設推
進のもと、カンボジアを訪問する中国人旅行客は急激に増加しており、同社では、
シェムリアップ、シアヌークビル港、プノンペンの免税店3店の店内を「中国観光
客の家」とし、みずからの資源、サービス、言語等の優位性を生かし、カンボジア
を訪問する中国人に旅行情報、無料送迎、フライト情報、トラブル対応サービス、
カンボジアビザ相談等の各種サービスを提供しており、「中国人がいる場所には中
国人サービスプラットフォームがある」ようにしている。

 しかし、中国人観光客の急増は現地観光受け入れ能力への新たな挑戦となってい
る。現地のガイドのサービスレベルを向上させ、観光を通じた人々の触れ合いを促
進させるため、同社では18人のカンボジアの中国語ガイドに中国での研修交流を行
わせている。

 今回の研修に参加したカンボジアのガイドによると、「中国語ガイドになって3
年たつが、今回の研修は観光客の視点から中国人観光客への説明、宿泊、飲食、買
い物等各種流れのニーズがわかり、今後、さらに中国人観光客によいサービスがで
きるようになる」と話している。〔新華網2017年6月21日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行7月31日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.0879  672.83    86.16  790.59
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《編集者コラム――ノーノー》
 先日、箱根に出かけてきました。バスを待っていたら、そこにいる観光客は中国
人、シンガポール人とか、ロープウエーに乗ったら、そこで日本語の案内をするの
が台湾人だったりなど、すっかり外国人ばかりになっていると思いました。中華圏
の人たちとちょっとしたやりとりをしたり、手助けができるのは楽しいことでした。
 こういうことになると、困ったことに私のような外観の人間は日本人と思われな
いことが多くなり、日本人のおもてなしの適当さが見えたりします。特に、運転手
さんに行き先を日本語で聞いているのに、ノーノーとあしらわれたりとかしたとき
には、この日本人はコミュニケーションがもう少し何とかならないのかなと思いま
した。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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