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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.712 2019年3月12日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 《中国最新情報》は次号713号より内容を刷新して発行します。
 次回配信は2019年4月2週目の予定です。

――編集長より挨拶―――――――――――――――――――――――――――
 読者の皆さん、当メールマガジンは1998年創刊し、昨年で20年という歳月がたち
ました。まぐまぐ!が始まったのが1997年ごろですから、無料情報提供のメールマ
ガジンとして長期間にわたり生命力を持った情報誌の一つであることは間違いあり
ません。この場をかりて、私たちと共に歩んでいただけた約3000名の読者の皆様、
献身的なボランティアの翻訳者や編集に感謝の意を表します。
 皆様御存じのとおり、ここ20年間に、日中の関係、情報の入手ルートはかなり変
化しました。当メールマガジンも、時代の変化とともに進化を図る必要があると常
に感じつつも、現状、幾分力不足なところがありました。
 そこで、20年を機に、紙面を刷新し、今後は中国の最新消費動向、特に教育事情
を中心にした構成にしたいと考えています。さらに、日中異文化交流の専門家とし
て、中国人とのコミュニケーション技法を皆さんとシェアできればと願っています。
 引き続き小さい発信源として生き、独特な視点とオリジナル記事を載せる、メー
ルマガジンとして、皆さんのお役に建てるよう、情報の量よりも質を発信できるよ
うに努めてまいります。ぜひ今後のメールマガジンにも御期待ください。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:ビッグベイエリアの次なる飛躍のチャンス】
●ビッグベイエリア計画でいかにチャンスを追求するか
●ビッグベイエリア 中国で最も給料が高い都市の一つ

┏【国内経済】
●中国のネットユーザー規模8.29億に

┏【社会】
●両親が結婚を強要するのは私のため

┏【経済データ】
●外国為替(3月11日)

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……【特集:ビッグベイエリアの次なる飛躍のチャンス】…………………………
●ビッグベイエリア計画でいかにチャンスを追求するか
 2019年の春節を迎え、中国共産党中央、国務院は「広東・香港・マカオ・ビッグ
ベイエリア(粤港澳大湾区)発展計画綱要」を発出したが、業界内では、これは中
国経済の起爆剤になると見ている。
 「綱要」は9+2都市の人口7000万人を網羅し、香港、マカオ、広州、深センの四
大中心都市を地域発展の核心的なエンジンと位置づけている。

 深センの2018年GDP(域内総生産)は初めて香港を上回り、ビッグベイエリアの
一番星になったことは注目すべきことである。一方、深セン企業はいかにビッグベ
イエリア計画をもとに、新しい成長のチャンスを追求していくのかが注目されている。

〈「綱要」における都市の位置づけ〉
 ビッグベイエリアは7つの地級市(珠海、恵州、東莞、佛山、中山、江門、肇
慶)、2つの副省級都市(広州、深セン)、香港とマカオの2つの特別行政区から成
る。ビッグベイエリアの総面積は5.6万平方キロメートルで、広東省の31%、人口は
6、710万人を擁する。

 このビッグベイエリアのコンセプトが出されたのは2015年にまでさかのぼり、そ
して今回発出された「綱要」は明確な指導的な役割を有している。
 香港中文大学(深セン)高等金融研究院の副院長の王叢教授は取材に対し、「綱
要」はビッグベイエリアの発展方向と各都市の位置づけを明確にし、都市ごとに得
意な部分を生かし、苦手な部分を補い合うものだとしている。「このような計画は、
ビッグベイエリアを中国経済発展先導の重要なエンジンとさせるものである」

 「綱要」における広州、深セン、香港、マカオの4つの中心都市の位置づけもそ
れぞれ異なっている。
 中でも深センは、「綱要」ではこのように書かれている。「経済特区、全国の経
済中心都市と国家イノベーション型都市としての先導する役割を発揮し、現代化、
国際化都市づくりを加速し、世界的影響力を有するイノベーションクリエーティブ
都市になることに努める」
 位置づけについて、専門家には、深センは科学技術イノベーションで先行してい
るというコンセンサスがある。

 「ビッグベイエリア経済は多元的な特徴がある。各都市の比較優位は異なり、金
融センター、輸出型製造センター、サービス提供センター、科学技術センター、世
界をリードする港湾と高等教育機関である。言うまでもなく、深センは科学技術分
野をリードし、国家の政策支援のもと、香港からの規格外の助けを得ることができ
た」PwCはレポートでこのように指摘する。

 PwCは香港と深センには異なる優位性があると見ている。深センでは、ここ数年
来、多くの業界内の世界のリーダーやユニコーン科学技術企業が生まれ、成長し、
世界を舞台に躍動している。香港は研究開発能力の向上を続けており、ビッグベイ
エリアはグローバル科学技術都市になる条件と基礎を持ち始めたことを証明している。

〈深センのGDPが初めて香港を上回る〉
 「広東・香港・マカオ・ビッグベイエリア発展計画綱要」が発表されてから間も
なく、ビッグベイエリアに関する情報が席巻した。それは、深センの2018年GDP
(域内総生産)が初めて香港を上回ったことである。

 統計局のデータによると、2018年の深セン市の域内総生産は2兆4221.98億元で前
期比7.6%増だった。一方、2018年の香港のGDPは2兆8453.17億香港ドルで前期比3%
増だった。2018年の人民元と香港ドルの為替レートは平均1.1855であり、2018年の
香港GDPは人民元に換算すると約2兆4000.98億元であり、深センのGDPを約221億元
割り込んだ。

 この「綱要」は深セン企業に発展の道筋を示し、しかも、この情報が深センの人
々を鼓舞させることは間違いない。
 では、深セン自身にはどういう優位性があるのだろうか。深セン企業は何をもと
にして発展していけるのだろうか。

 事実上、深センが科学技術イノベーションで得た成果と投資とを切り分けること
はできない。データによると、2013年以降、深センは毎年研究開発にGDP4%以上を
投資しており、韓国、イスラエル等科学技術大国と同水準で、広州、シンガポール、
香港をはるかに上回っている。中国の経済のモデルチェンジをリードする存在とし
て、深センは内陸の半数近い国際特許申請件数を有する。

 PwCのレポートによると、ビッグベイエリアにおいて、深センは比亜迪、中興、
華為、華大基因、騰訊等の大型企業の本部所在地として、また科学技術イノベーシ
ョンの新分野の名前に恥じないリーダーである。
 インターネット、新エネルギー、バイオテクノロジー、インテリジェントデバイ
ス、ロボット、生命健康科学、航空・宇宙、新素材・イノベーション等科学技術産
業を主体とする新興産業は、2017年前期比13.6%増、深センGDPの40.9%を占めた。

 バイオサイエンス分野では、「綱要」の多くの箇所で「バイオテクノロジー」と
「遺伝子検査」が提示されているだけでなく、さらにバイオテクノロジーをビッグ
ベイエリア四大新支柱産業の一つ、遺伝子検査を十大重点育成産業とし、バイオテ
クノロジーと遺伝子検査の関連分野は既に実質的にビッグベイエリア発展の戦略的
産業になっている。
 さらに、華大基因もビッグベイエリア計画に応え、「遺伝子科学技術が人類に幸
福をもたらす」という理念のもと、一般向け遺伝子科学技術サービスをビッグベイ
エリアの幾つかの都市で開始し、全面的に展開する。

 科学技術金融では、平安集団が既に事業を広めている。「国際科学技術イノベー
ションセンター」と「国際金融ハブ」の建設に力を入れ、その中には、一帯一路沿
線国家・地域におけるブロックチェーンの応用や60都市を超える平安スマート都市
の建設等がある。
 そのほか、中国平安は、スポーツのビッグプロジェクトをスタートし、科学技術
によるゲーム解析の発展を試みている。小さな表情の動きの識別、ビデオ認識、声
紋識別等の技術でスポーツゲームの弱点を解決する。

 ビッグベイエリアの今後15年の戦略的位置づけ目標は、「グローバルな影響力を
有する国際科学技術イノベーションセンター」となることであり、PwCの中国・香
港副市場主幹パートナーの梁偉堅氏はこのように総括する。
 「ビッグベイエリアの発展は多くのチャンスとチャレンジに直面する。各都市は
違いを力に協力していくべきである。企業はチャンスを十分につかみ、発展を背景
に、世界的な競争力を有する都市経済群をともにつくるべきである」
〔新浪網2019年3月2日〕

●ビッグベイエリア 中国で最も給料が高い都市の一つ
 広東・香港・マカオ・ビッグベイエリア(粤港澳大湾区)の発展にとって、人材
は重要なポイントの一つである。
 では、この「9+2」都市群における人材誘致状況はどうなっているのだろうか。
誘致した人材の配置はどうなっているのだろうか。

 先日、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が発表した「人材政策がビ
ッグベイエリアの未来を決する」というレポートは、賃金待遇、就業機会、都市人
材競争指数等の多方面から分析研究を行っている。
 ビッグベイエリアの人材の吸引力は非常に顕著である。就業機会が多いことも一
つの原因である。多くの企業が大量の就業機会を提供している。世界500強企業、
民営企業500強、ベンチャー企業のどれもそれぞれに適した就業機会を提供している。
 PwCの最新レポートによると、深センと広州じゃそれぞれ40社、20社を超すこの
種企業を集積させている。

 このほか、ビッグベイエリア全体の就業者数の賃金水準は中国全国においてもか
なりの競争力があり、特に香港、マカオでは、報酬レベルは世界においても比較的
高い範囲にある。
 智聯招聘の統計データによると、2018年春季の求職時期の平均報酬が全国で最も
高い都市に属する内陸都市は、北京、上海、深セン、杭州、広州であり、東莞、佛
山はそれぞれ6位、9位だった。

 仮に各省の賃金水準を比較すると、広東省の平均賃金は国内の多くの省よりも高
いが、浙江や江蘇には及ばない。しかし、都市群で比較すると、ビッグベイエリア
は全国で最も賃金が高い地域の一つになるはずだ。
 智聯招聘の統計データをもとにすると、全国の賃金の高い上位10都市の半分はビ
ッグベイエリアが占める。香港、マカオ、深セン、広州、東莞である。

 先般、INSEADが発表した世界都市人材競争指数では、深センが世界73位だった。
当該研究に取り入れられた中国国内都市は、北京55位、杭州66位、上海70位、広州
77位、天津83位だった。

 全体的に、ビッグベイエリアは経済発展の優位性を長期的に維持し、人口や人材
が流入し、常住人口が戸籍人口をはるかに上回っている。したがって、高齢化問題
も全国の多くの地域に比べそれほど深刻ではないが、人口の教育レベルは経済発展
よりもおくれている。
 PwCのレポートでは、「9+2」都市は、研究開発と教育では長所があるものの、香
港が教育面では優位性があり、ビッグベイエリアの教育を国際的に一流のレベルへ
とリードできると提案する。
〔第一財経日報2019年3月1日〕

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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●中国のネットユーザー規模8.29億に
 昨年12月までで中国のネットユーザーは8.29億に達し、そのうち携帯電話のネッ
トユーザーは8.17億で98.6%という高い割合となった。
 ネットユーザーのうち、ネットショッピングのユーザーは既に6.1億に達し、ネ
ットデリバリーのユーザーも継続的に増加し4.06億に達し、そのうち、3.97億とい
う4億人近い人が携帯電話でデリバリーを依頼している。
 2月28日、中国インターネット情報センター(CNNIC)が第43回「中国インターネ
ット発展状況統計報告」(以下「報告」)を発表した。

 「報告」統計では、昨年中国のネットユーザー1人当たりの1週間平均ネット利用
時間は27.6時間で、2017年年末より0.6時間増加した。「報告」は、ネットユーザ
ー総数増加の原因として、昨年インターネットの普及範囲が拡大し、貧困地区のネ
ットインフラについても「ラストワンマイル」が段階的に開通してきたからだと分
析した。
 同時に「スピードアップと値下げ」後、携帯パケット料金は大幅に下降し、省を
またいだ「データローミング」は歴史となり、居住者のインターネットアクセスの
障壁はさらに低くなった。

 昨年、ネット動画視聴ユーザーは既に6.12億に達し、携帯電話によるネット動画
視聴ユーザーは5.9億に達して、2017年年末と比較し4101万増加したことは注目に
値する。

 「報告」による分析では、中国のネットユーザーは青年、中年グループが主体で、
あわせて中高年グループにも浸透してきている。
 20―29歳代のネットユーザーが占める割合が最高で、26.8%に達している。50歳
以上のネットユーザーの割合は2017年年末の10.5%から12.5%に増加した。ネットユ
ーザーで最も多いのが学生で25.4%に達する。

 ネット消費は既にネットユーザーの日常的習慣となっている。「報告」では、中
国のネット購入を行うユーザーは6.1億に達し、2017年年末より14.4%増加、インタ
ーネット上で支払いを行うユーザーは既に6億に達し、年間成長率13%であった。

 同時に、ネットデリバリーのユーザーは4.06億に達して、2017年年末と比較し
18.2%増加した。比較的高い成長率を継続的に保っている。携帯電話でネットデリ
バリーを利用するユーザーは3.97億に達し、成長率は23.2%、利用率は48.6%に達した。
 ネット配車予約のユーザーの年成長率は40.9%に達した。昨年末、中国のネット
配車予約のユーザーは3.3億に達している。

 政府ウエブサイトの運用面においては、昨年末、中国の政府サイトは1万7962サ
イトだった。
 各行政レベルの政府が政府サイトを集約化しようとしている。昨年末に、省及び
省以下レベルの行政単位の政府サイトは2017年年末より24.6%減少した。そのうち、
北京政府のサイトは縮小率が最も大きく、2017年12月統計の1046サイトから2018年
12月の80サイトに。2桁減り、92.4%の縮小であった。

 「報告」は、インターネット上の企業の発展状況を次のように総括している。
 インターネットで商売をする120社の企業のうち、北京の企業数が最多で全体の
33.3%を占め、続く上海が19.2%を占める。
 中国では全部で298社がブロックチェーン産業で目覚ましい状況にあり、ブロッ
クチェーン企業の数がベスト5に入る都市は北京、上海、深セン、杭州、広州で、
そのうち北京がトップの175社であった。
〔北京日報2019年3月1日〕

……【社会】…………………………………………………………………………
●両親が結婚を強要するのは私のため
 前方で高エネルギーの警報が鳴っている。
 「大学院は合格したか?」
 「どんな仕事をしているか?」
 「給料は幾らか?」
 「恋人はいるか?」
 「なぜまだ結婚しないのか?」

 春節で帰省し、親戚の追い込まれる質問が続けば、結婚は逃げられない話題であ
る。人気番組の総合芸能番組「我家那閨女」は時流に合った結婚強要の場だ。番組
をもじりながら、うちにはそんなアンラッキーな独身女性はいないと言う人もいる。
 番組の中では、36歳の呉さん、31歳の袁さん、29歳の何さんは、友人や両親から
結婚をせかされ、22歳の傅さんでさえお見合いの予定があるかどうかを聞かれていた。

 スターや世界チャンピオン、既に自分の分野で優秀であったとしても、結婚しな
ければ、両親や年長者からは単なる適齢期を過ぎた未婚の女性と見える。
 しかも、彼女たちは個別事例ではない。一定の年齢になれば結婚を強要される運
命を逃れられない。

〈結婚する人は少なくなっている〉
 レンズの向こうにいる何さんは、現役を退いて2年たったばかりで、人生は始ま
ったばかりだから、現在は1人がとてもいいと言っている。呉さんは、結婚と出産
は非常に切迫した状況ではないという。袁さんも、自分は孤独ではないし、大変心
地よいと言う。
 レンズの向こうの若者は、結婚したくないという思いがますます多くなっている。

 民政部が発表するデータによると、中国の結婚率は2013年にピークに達した後、
2014年から4年連続下落しており、2017年の結婚率は7‰まで下がり、10年前の水準
に戻った。
 なぜ結婚率が下がり続けているのだろうか。

 晩婚現象が普通になってきていることが重要な原因である。
 「人民日報」の微博が発表した婚姻データによると、2006年―2012年、結婚登記
の年齢層は20―24歳に集中していたが、2013年からは25―29歳の占める割合が最も
多くなった。
 上海市婦人連合会が発表する「改革開放40年上海女性発展調査研究報告」による
と、2015年現在、上海の男女の平均初婚年齢は30.3歳、28.4歳で、2005年比で5.0
歳、5.4歳高くなった。

 高等教育の普及で若者の教育を受ける年限が増加し、大学を卒業するときには既
に22歳前後と晩婚年齢(女性23歳、男性25歳)に近づき、さらに、言うまでもなく、
修士や博士を終え、仕事が安定させるにはある程度の時間がかかる。

 結婚年齢のおくれのほか、結婚適齢期層の人数の減少も一つの重要な原因である。
産児制限政策の影響を受け、1990年代から中国の出生者数は年々減少傾向となり、
今現在の結婚者数及び結婚率の減少を招いている。

 学生時代は学業に忙しく、卒業後は仕事や生活のプレッシャーに直面し、さらに
精神生活と自己実現に対するこだわりが加わり、能動的あるいは受動的に晩婚や非
婚を選択する若者が多くなってきている。

 それぞれの家庭で最もはっきりした変化は、両親の結婚強要の状況がますます激
しくなっていることである。

〈結婚しないは結婚強要〉
 Q&Aサイトから「結婚強要」に関係する質問の回答を取り出すと、彼氏彼女が結
婚強要する等のテーマが合致しない質問を取り除くと、6798本の回答(2019年1月22
日現在)が得られた。単語別に処理をし、中国式の結婚強要がよく見られる理由と
方法を導き出してみた。

 結婚強要のよくある理由としては、「適齢期になった」がトップで、中国では、
男は大きくなれば結婚すべきで、女は大きくなれば嫁に行くべきという伝統的な観
念と合致する。
 両親の多くは「ここで結婚しないとお嫁に行けなくなってしまう」と心配し、例
えば、女性が30歳になると、既に「30歳の女性には価値がない」と見られてしまう。

 中国の両親にとって、結婚は子供の人生の大きな出来事であるだけでなく、みず
からにとって終えなければいけない任務で、それが終わらなければ円満と言われる
資格が得られないのである。
 息子や娘が一生1人でいることをおそれ、子供を誰かと一緒になり安定する、こ
のような心配や期待を両親は持っているものである。

 親戚や隣近所の友人とのくだらない話、外部から言われる圧力、虚栄心もまざり、
両親は結婚を強要へと向かう。
 あるネットユーザーによると、外からは自分は両親のお金を狙っている、頭がお
かしいから実家にいて結婚しないと思われ、数年前は両親はこのような話を信じな
かったが、現在は疑い始めているという。

 21世紀が到来しても、両親の思想は比較的におくれていることは避けられず、子
供が早く結婚できることを望み、先祖の血を引き継いで、線香をたき続けられるこ
とを望んでいる。
 あるネットユーザーによると、自分が結婚強要されるときには、「ここに生まれ
てきたのは、先祖の血を引き継ぎ、名誉ある働きをし、先祖の名を輝かせるため」
というような話を聞かされ、「お嫁に行かないことと畜生は何も変わらない」とい
うように人を傷つける話さえされる。

 結婚強要の理由は多種多様で、結婚強要手段はあくどいものになっている。

 よくありがちな最も基礎的な結婚強要の手段はお見合いで、両親がパイプ役をし、
子供のためにもっとおふさわしいお相手を丹念に選ぶ。
 両親が決めたお見合いに反対し、縁を願う人もいれば、両親が自分の独身生活を
何とかしてくれると期待する人もいる。
 あるネットユーザーは、両親がお見合いを手配してくれることを望んでいる、だ
めならば友達になってもいいのだが、母親は「あなた自身が探すべきで、自分を患
わせないでほしい」と言われたという。

 お見合いのほか、情けをもって説得し、道理をもって説得させることも、よくあ
る結婚強要手段である。目的達成のため、両親は子供に十分な思いやりと励ましを
し、プレゼントまであげることもある。
 あるネットユーザーは、両親に結婚を強要され、結婚すれば住宅と100万元、第
一子が生まれれば10万元、第二子が生まれれば20万、そして部屋の中には「結婚は
早目にするべき」「両親に報いる最良の方法は、子供や孫をもたらすこと」という
標語が張られているという。

 子供がそんなに協力的でないときは、両親の手段はさらにレベルアップしていく。
説得から嫌み、脅迫し暴力を振るい、少しずつ追い詰めていく。
 嫌みな言い方は以下のようなものである。「同い年の/1歳年上の/3歳年下の○
○さんの、子供は幼稚園に行った/2人目が生まれた/もうじき子供が生まれる」、
両親の若いときと比べて「私があなたぐらいの年齢のころには、家事ができてい
た」

 さらに、うまく暗示をかけ、いつの間にか結婚を強要する例もある。
 あるネットユーザーによると、自分の父親はベランダにひょうたんを植えている、
それは「おじいさん」と言うのを聞きたいというのを暗示しているといい、また、
あるネットユーザーによれば、「隣接するどこの家でも猫や犬や鶏やアヒルが産ま
れる」というのも、結婚強要手段であるという。

 恋愛は自由で、婚姻は自由な時代なのに、なぜ中国の両親はここまで結婚強要に
熱心なのだろうか。

 台湾の学者の孫隆基氏は「中国文化の深層構造」において以下のように指摘する。
 「集団主義文化の中国では、一人では完全ではない。極端な例では、独立する存
在になれず、結婚しない独身者、精神障害者等々は、家族システムの外に排除され
るか、ひどく軽視される。結婚して子供をもうけて完全な家庭をつくらなければ、
一つの尊重されるべき独立した人間となれない」

 これらの結婚を強要する親戚や年長者は、結婚は単に決まった年齢のうちに完成
させるということであって、愛情とは無関係だと見ている。しかし、彼らが知らな
いことは、多くの人が晩婚である最も主要な原因は、相性の合う人が見つからない
ことであり、愛を体験したことがないことである。
 「人民日報」の微博が発表した婚姻データによると、「相性の合う人が見つから
ないから」が若者の晩婚の原因のうちの割合が最も高く、その次が「家庭を引き受
ける責任がないから」である。

〈結婚強要すれば、反発される〉
 結婚強要に直面し、多くの人は、とても大きな心理的なプレッシャーと精神的負
担があり、焦りとつらさを感じるが、人によっては両親の苦心を理解し尊重を示す。
自分の理想像が揺るがない人も、降参して妥協を選択する人もいる。

 結婚強要がもたらすことは、自己不信と劣等感である。あるネットユーザーよる
と、自分は長時間周囲のプレッシャーの中にあると、とても多くマイナスのエネル
ギーが生まれ、「自分の方が異常に最悪だと思っている」という。

 どこかにプレッシャーがあり、どこかで抵抗している。

 2016年の春節、北京地下鉄の東直門駅構内に、結婚強要を反対するサイネージ広
告があらわれ、そこには「親愛なるお父さんとお母さん、心配しないでほしい、世
界はこんなに大きくて、人生はとても豊富で、シングルでもとても幸せ」と書かれ
ていた。
 この公共広告は、全国各地から来た、結婚を強要されたことのある若者がクラウ
ドファンディングによって掲載したものである。

 公共広告には幾重の審査が必要で、かつ「結婚強要反対」という文字は使えず、
したがって、この広告の制作者たちは繰り返し考え、比較的とがった内容を削除し、
最終的に、暖かくて調和がとれて前向きなエネルギーにあふれたものとなった。

 しかし、現実生活の中で、結婚強要に対抗する方法は、こんなふうに温和である
ことは難しいようで、口論や激しい抵抗が最もよく見られる。

 あるネットユーザーは結婚を強要されるときに、直接的な反撃を選んだ。「あな
たの両親は孫を抱ける日を待っている」「私も世界平和を待っている」、「結婚し
ないことは不幸だ」「当事者じゃない周りの人が焦っても仕方ない」、「弟や妹は
結婚したけれども、あなたは?」「フンコロガシがため池に落ちただけ、私はフン
コロガシではないから気にしない」

 多くのネットユーザーは逃避を選択し、新年や春節のときに帰省せず、家に電話
をせず、両親が結婚を強要すれば即座にそっぽを向く。極端な例では、彼氏や彼女
をレンタルして帰省し、両親の結婚を強要する気持ちを取り除き、しばらく平穏に
過ごすという人もいる。

 結婚強要に反対する方法の中で、多くの人の行動は極端である。家から出て関係
を断ち切ることが両親にとって最も威力があるが、効果としては、物質や精神的な
独立がなければ結婚強要に反対する根本にならない。

 あるネットユーザーは、過去数年、自分は結婚強要に対する口論で冷戦状態だっ
たが、効果は少なく、仕事を頑張って自分の家を買い、経済的に独立した後、両親
はそんなにひどく催促されることはなくなったという。

 李立群先生は「我家那閨女」の中で、世の中の両親は子供の幸せを望み、結婚す
るかどうかはその動作の一つにすぎないと言う。

 映画「剩者為王」の中で、金士傑扮する父親も似たようなせりふを言っている。
「彼女は両親のために結婚すべきではない。彼女は外でうわさを聞くべきではなく、
そんなものを聞き過ぎたら結婚ばかり考えてしまう。彼女は自分の好きな人と結婚
すべきである。頭を上げ、胸を張って、恥ずかしがらずに、あこがれを持てば、勝
ったも同然である」

 世の中の両親は自分の子供が幸せであることを望んでいるが、さらに意識すべき
ことがあるとすれば、婚姻というのは幸福をはかる唯一の基準ではなく、自分の焦
りを子供に転嫁すべきではないということである。
 そして、焦りが緩めば、まずは結婚番組をちょっと見るところから始めればいい
のではないだろうか。
〔網易数読2019年2月15日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行3月11日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.0492  672.02    85.61  754.85
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――リニューアル》
 メールマガジン発行20周年を迎えた昨秋からボスと相談していて、このたびメー
ルマガジンリニューアルという方向でやってみることにしました。今後どのように
できるかは、本当のところはやりながら方向が定まっていくと思いますが、今後は
ボスのお話もトピックにしていく予定です。実は今回、そんな前向きな話から始め
たわけではなかったのですが、かえってよかったのかなというふうになればと願っ
ています。編集陣容はこれまでと同様です。
 ボスは交流したいみたいなので、ひとまずツイッターぐらいはつくりたいと思っ
ています。中国にいるときはボスが見られないんですがどうするんでしょうと思い
ますが。引き続きよろしくお願いします。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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