CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.738 2020年6月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国デジタルネーティブのネット利用実態】
●未成年ネットユーザー1.75億がやっていること

┏【李年古の日中異文化交流術】
●中国人の生命観(その1)東西文化は「生きること」の意味が違う

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:中国デジタルネーティブのネット利用実態】…………………………
●未成年ネットユーザー1.75億がやっていること
 「2019年の中国の未成年ネットユーザー規模は1.75億、未成年者のインターネッ
ト普及率は93.1%。未就学の未成年者がインターネットに触れる割合は著しく上昇
している。3割以上の小学生ネットユーザーは、就学前にインターネットを使って
いた」
 5月13日、中国共産主義青年団中央委員会の青少年権益保護部は、中国インター
ネット情報センター(CNNIC)と共同で「2019年全国未成年インターネット使用状
況研究報告」を発表し、未成年ネットユーザーがインターネットを使って何をする
のが好きか、オンライン学習、ゲーム娯楽などの状況について詳しく紹介した。あ
なたの家のお子さんの状況を見てみよう。

〈未成年ネットユーザーの現状〉
 7割以上のネットユーザーは、自分のインターネット接続機器を持っている。
 中国の未成年インターネット使用はかなり普及している。2019年の未成年ネット
ユーザー規模は1.75億である。都市と農村の未成年者数の差はさらに縮まり、都市
の未成年者のインターネット普及率は93.9%、農村は90.3%に達する。両グループの
差は2018年の5.4%から3.6%に下がった。

 スマホは、未成年者が最も多く使用するインターネット接続ツールである。
 未成年ネットユーザーが使用する各種インターネット接続機器の割合は、順に、
スマホ(93.9%)、テレビ(56.7%)、デスクトップパソコン(45.0%)、ノートパ
ソコン(31.5%)、タブレットPC(28.9%)である。
 未成年ネットユーザーのうち、自分専用のインターネット接続機器を持っている
割合は74.0%に達する。スマホを持っている割合は63.6%と最も高く、次はタブレッ
トPCで24.0%である。

 一方、81.9%の未成年者が所属する学校は学生がスマホを持って登校することを
許していない。15.0%の学校は学生がスマホを持って登校することは許可するが、
スマホを先生に渡して一元的に保管するか、授業中はシャットダウンまたはマナー
モードにさせている。3.1%の学校は、学生が学校でスマホを使用することに関する
関連規定をつくっていない。

 都市と農村の差については、都市の未成年ネットユーザーがスマホを使ってイン
ターネットに接続するのは94.0%に達し、農村も93.4%で、たった0.6%の差である。
農村の未成年ネットユーザーがノートパソコンとタブレットPCを使用する割合は、
都市の未成年者と比べると差は比較的大きく、それぞれ15.7%と10.9%である。

 インターネット接続時間では、未成年ネットユーザーの平日平均インターネット
接続時間は1日2時間以上が9.9%で、休日平均インターネット接続時間は1日5時間以
上が10.4%であった。報告書は、未成年ネットユーザーは過度のインターネット使
用がもたらす悪影響を受けている可能性があると指摘している。

 注意すべきは、インターネットの低年齢グループに対する浸透力が継続して強ま
っていることである。
 32.9%の小学生ネットユーザーは就学前にインターネットの使用を開始している。
高校と中等職業学校の学生で就学前に初めてインターネットを使用した割合は15.9%
と10.7%、中学生は18.8%増加し、小学生で就学前に初めてインターネットを使用し
た割合は最も高い32.9%に達する。

〈何をするのが好きか?〉
 学習する、音楽を聞く、ゲームで遊ぶが、未成年ネットユーザーがインターネッ
トを使う活動のトップ3である。
 未成年ネットユーザーがインターネットを使って行う各種の活動のうち、トップ3
にランクインしたのは、オンライン学習(89.6%)、音楽を聞く(65.9%)、ゲーム
で遊ぶ (61.0%)である。その他は、オンラインチャット(58.0%)、ショートム
ービーの視聴(46.2%)、情報検索(44.9%)、映像視聴(37.5%)、アニメーショ
ンあるいは漫画の視聴(33.2%)、SNS使用(32.0%)など。

〈9割はインターネットで学習している〉
 89.6%の未成年ネットユーザーはインターネットを使用して学習しており、2018
年の87.4%に比較して2.2%上がった。各種オンライン学習活動の割合は2018年に比
べてさまざまなレベルで向上した。
 中でも、インターネットを通じて授業以外の知識を学習したり、復習したりした
割合は2018年に比べて明らかに増加し、平均で5%以上高まった。専門のオンライン
教育プラットフォームを通じて学習を行う割合も、2018年に比べて3.9%高まった。
 66.1%の未成年ネットユーザーは、インターネットを使うことによって自分の学
習にさまざまなレベルのプラスの影響が生じたと認識しており、53.0%だった2018
年に比べて13.1%増加した。

 注意すべきは、未成年はインターネットの情報化によって宿題を完成できるが、
この種のやり方が引き起こす問題が議論となっていることである。
 「教師は、スマホのウィーチャットやQQ等を通じて宿題を割り当ててはならない。
宿題を添削する役割を親に任せることによって、学校の負担を減らし、社会の負担
を減らし、教師の負担を減らし、親の負担をふやす現象が生まれているのを避けな
ければならない」2019年2月、教育部はこのように発出している。
 しかし、51.1%の中学生ネットユーザーはインターネットを利用して宿題を完成
させたことがあり、明らかにその他の学歴グループよりも多かった。小学生ネット
ユーザーは44.0%、高校生ネットユーザーは42.1%、中等職業学校学生は42.9%であ
った。
〔中国新聞網2020年5月13日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●中国人の生命観(その1)
 今、新型コロナウイルスの猛威をきっかけに、これまでに隠されていた世界のさ
まざまな問題が一気に噴出してきた。この突然に襲来した脅威にどう立ち向かって
いくべきか、各国の人々の文化や価値観などによって、さまざまな認識のギャップ
が鮮明に浮かび上がっている。
 中でも、生命観にかかわる考え方の違いは深刻な対立をもたらしたと感じている。
 ここでは、中国人の生命観を他国と比較しながら、その特徴を分析してみたい。

◆東西文化は「生きること」の意味が違う
 「今の世界にいて、10億余りの人々には古代ギリシアの知恵が受け継がれている。
20億人は古代中国の伝統思想を伝承している」と言われている(Richard・Nisbett
2003年)。
 この二つの文明は、長い歴史の中で、まるで二つの川のように異なる方向へ流れ
てきた。では、両者にどんな違いが見えるのだろうか。

 紀元前300年も前に、古代ギリシアのある都市には1万4千人を収容できる大劇場
があった。山腹に建てたその劇場は、どんな席に座っても音楽の微妙な響きがよく
聞こえる。祭日になると、人々はここに集まり、小さい船を漕いで数日もかけてや
ってくる人がいるほどだった。
 あるいは、たとえ戦争が行われる最中にも、オリンピックの日がやってくると、
皆は武器を捨てて、選手か観衆としてそのイベントの参加に集まってきた。

 一方、同じ時代の中国人はどのような生活を楽しんできたのだろうか。
 毎日田んぼで労働にたえながら、家族の団らんやお腹いっぱい食えることを何よ
りも幸せに感じていた。そして、旧正月などの祭日になると、多くの田舎では、今
も変わらず、最大のイベントといえば「拜年」と「串門」である。つまり、年始の
挨拶をすることに奔走する。親戚の家を訪ねたり、友人らとの一杯で情を温めたり
して、そんな静かな日々が至福に思われていた。

 このように、生きることの意味や幸せの一つをとっても、東西文化の捉え方は大
きく異なる。西洋文化を代表する古代ギリシアは、個人の自由や精神的な余裕を求
める。一方、東方文化を代表する中国は、調和のとれた家族の絆と周りの人間関係
に幸せを求めようとしている。
 生命の価値が、そのような異なる幸福感の味わい方に置かれている。

 2008 年に起きた四川大地震で、今なお僕の頭に刻まれている一シーンがある。
 救助隊は、瓦礫の下に12歳の少女がまた生きていることを見つけた。助けようと
思ったら、彼女の足がコンクリートの下敷きになっているとわかり、それを切断す
るしかないと少女に告げた。意識がもうろうとしていた彼女は、声を絞って必死に
断った。
 「切断しないでください。私が大きくなったら、両親を養う必要があるから」。

 この一言は、大地震が奪われた8万人以上の中国人の亡霊に一つの独特な意味づ
けをしたと思う。死ぬということは、決して一人の生命の消失という意味にとどま
らない。その血のつながった全ての命の価値を奪ったかのような残酷なことなのだ。
 中国人にとって、自分の命は家族の一分子にすぎない。そもそも完全な自由な個
体でもない。たとえ自分が生命を重く扱いたくなくとも、家族や友人らとの人間関
係の中に絡み合った生命の共同体になっているから、自分の生命を勝手に決められ
ないと思うべきなのである。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
●ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »