CI Image
第4回 地域別商人の性格

李 年古

中国では地方によって商習慣や商売のルールもかなり違っていることを、まずしっかりと認識しておきたい。

北部の人は、一般的に、人情優先型の人が多い。心が広く、商売は人間が付き合うための手段だと思っている面もある。意気投合しさえすれば、金儲けできなくても付き合うだけの価値があるから構わないと考える。一緒に酒を飲んでいるうちに、商談が自然にまとまっていくこともある。そこで合意するかどうかのポイントの一つは、相手の気持ちや面子を引き立てることが大切であるということだ。彼らとの商売は、「情の深さや気持ち」に関わる部分が大きい。損得について細かい計算してしまうと、ケチだというイメージを与え、「友達として見なされていない」とかなりの不信感を呼び起こす恐れがあるから、禁句なのだ。

南部の人は、商売に長けている人が多い。彼らは合理主義に基づいて商売を進めることを基本としているため、抜け目がない。中でも、上海人や広東人はビジネスセンスも良く、冷徹に細かい利益計算を行うはずだ。儲けることが何よりも大事だと思っているから、あまり面子や虚栄心などに左右されない。

ただし、広東人は上海人より冒険心が豊かで、ハイリスク・ハイリターンのビジネスチャンスが訪れると、直ちに走り出す可能性が高い。だからビジネスチャンスには敏感で、商売の行動力が高くスピードも速い。

中国人の商売観