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第6回 「もし留学先が日本じゃなかったら・・・」

李 年古

個人的な体験だが、私が故郷に帰って友人に会う際、皆は私のことをからかう時、いつも決まって日本人の悪口を言うことから始める。友人の中には記者やジャーナリストが多いが、この話題になるといつも感情的になる。快感さえ覚えているように見える。からかわれたらいつも快速反撃でやり返し、口喧嘩では一向に負けない私だが、さすがにこの場合に限っては反論する余地がない。日本人のことを弁解すればするほど、皆が設けた落とし穴に陥る。彼らは私の不利な立場を知り尽くしている。

もし、親友のような関係でなければ、このような攻撃は遠慮してくれる。ただし、返って傷つくこともしばしばある。先日、故郷の昔の同僚と会った際、女性チャンネルの社長になったある女性は、「李さんはテレビ局にいたときは私たち女性にとって憧れの存在だった。だから海外に行って皆寂しかった。・・・でもあの時代、海外に行くことはやはり最高の選択だったよね。・・・李さんの留学先がもし日本じゃなかったら・・・」。突然、彼女が残念そうな口調で私を限りのない同情の眼差しで見つめた。まるで日本に行くこと自体が誤った選択だったかのように。

面白いことに、この口ぶりで私に「同情」を寄せる友人たちは、一体私が日本で今何をやっているか、成功したか失敗したかさえ聞こうともしないまま、このような言い方をするのだ。日本のイメージが良くなければ、在日中国人の「面子」もないのだなあと改めて実感できた。

逆に、中国へ留学した日本人が同じのことに遭遇するケースもあり得る。サーズの恐怖にさらされる直前、私は北京に滞在した。友人の一人が、小泉首相の靖国神社参拝後、こんなエピソードが流れたと語った。

南京市内の救急センターは一本の通報を受けた。南京のマクドナルド店で顧客が何らかのトラブルで揉め事を起こし、喧嘩になった。一人は二人のパンチを受けて血を流しているらしい。さっそく救急車が現場に向かった。マクドナルドのドアの前には人の壁でできていた。救急員が中に入ろうとしたところ、多くの人に遮られた。タバコに火を付け、急がなくてもよいと阻止し、「殴られたのは日本人だから」と告げた。救急員はなるほどと悟った。皆はドアの外で休憩し始めた。そろそろ終わりだろうと思って、ようやく店に入ると、一人の血だらけの日本人が床に臥した。二人の余裕を見せた中国人が立ち上がった。救急員に「ご苦労様。残ったことはお願いします」と言い、席を立った。

このニュースはまったくの未確認情報だ。作り話の可能性も高い。床に臥した人物を小泉首相だと連想しただけに過ぎないのかもしれない。ただし、このエピソードが茶の間に流れている自体意味深いだと私は思う。

これは中国の一般市民の反日感情を代弁した物語だ。戦争の時、残忍な日本兵士の残留孤児まで迷わず助けてきた中国人が、なぜ今になって罪もない日本人に無差別な嫌悪感を抱くようになったのか。これは日中両国の人々がお互いによく考える問題だと思われる。

中国人の対日観