環境対策
中国の環境状況、依然厳しい
中国国家環境保護総局の解振華局長は5日、国務院新聞弁公室主催の記者会見で、
中国の環境状況は依然として厳しいと指摘し、次のように述べた。
中国は環境悪化傾向を基本的に抑制した。重点都市の環境は改善されているが、
生態環境の悪化傾向はまだ抑えられていない。
第9次5カ年計画期、国は環境保護で多くの仕事をした。人々の環境保護意識
も大きく高まった。しかし、目標との差はまだ大きい。
第10次5カ年計画期(2001-2005年)、国は環境保護に対する資金投入を増や
すだけでなく、法律を厳格に執行し、経済政策によって、企業のクリーン生産を
奨励する。今後5年間、環境保護に対する資金投入は6000億-7000億元で、国
内総生産(GDP)の約1.2%となる。
今後5年間、中国の環境保護の具体的目標は7%の経済成長を前提に、主要汚
染物質の排出総量を昨年よりさらに10%減らすことである。統計によると、昨年、
全国で12の主要汚染物質排出総量は95年に比べ15%前後減少した。汚染物質を
排出する工業企業23万8000社のうち、97.7%は排出基準をクリアしている。
国は第10次5カ年計画期の環境保護の重点を決めた。農村が環境保護の重要な
地区となる。国は一連の措置をとり、農民の環境保護意識を高め、生活習慣の転
換を図り、農村基盤整備を加速する。
国は今後、環境情報の透明性を高める。5日から中央テレビ局は毎晩、環境保
護重点都市の大気予報を放送する。今後、主要河川、湖沼や飲料用水源の質、重
点監視企業の廃ガス、廃水の排出量に関する情報を公表する。
一般の人々による監督を実現するため、今年、国家環境保護総局と情報産業省
は合同でホットラインを開設し、一般からの通報を受け付ける。
世界環境デーで、環境保護総局公表
世界環境デーの5日、中国国家環境保護総局は昨年の環境状況に関する公報を
発表した。
昨年末までに全国の環境保護目標を基本的に達成した。全国で環境汚染がひど
くなる傾向は基本的に抑えられ、一部の都市と地区では環境が改善された。
昨年、都市の大気中の主要汚染物質濃度が低下し、酸性雨発生の範囲と頻度が
抑えられた。工業廃水による表流水汚染が一定程度抑えられた。3河3湖(淮河、
海河、遼河、太湖、テン池、巣湖)の水質悪化が基本的に抑制された。近海の水
質が全体的に改善され、渤海沿岸水域の汚染が軽減されたが、東中国海沿岸の汚
染が若干ひどくなった。重点都市の道路交通騒音が軽度の水準に抑えられた。
しかし、全国の都市の大気汚染は依然として深刻で、国の2級基準をクリアし
ているのは3分の1にすぎない。表流水の汚染が広がり、特に河川の都市部を流
れる区間で有機汚染がかなり重大となっている。湖沼の富栄養化問題が目立って
きている。地下水が一部汚染され、水位が低下し、水資源の需給矛盾が激化して
いる。生態環境の破壊が進む傾向がまだ抑えられていない。
第10次5カ年計画期、中国政府は環境保護を非常に重視し、「環境保護の若干
の問題に関する国務院の決定」「全国生態環境整備計画」「全国生態環境要綱」な
どを発表した。環境立法と法執行が進み、全国民の環境意識が非常に高くなった。
経済構造調整戦略と結びつけ、第9次5カ年計画期、国は汚染がひどいか、ま
たは汚染対策の見通しのない企業8万4000社を取り締まり、閉鎖や業務停止にし
た。環境保護に対する資金投入は年々増え、GDPの0.93%を占めた。
北京で今年最大の汚染対策事業 発電所脱硫改造始動
北京の電力会社、京能熱電の4号ボイラー脱硫改造工事が5日、始まった。総
工費2億元で、完成すると、二酸化硫黄の排出量を年間1万トン近く減らすこと
ができる。北京で今年スタートする工業分野の汚染対策事業としては最大規模。
適用範囲が広く、脱硫効率が高く、成熟技術の石灰石-石膏湿式排煙脱硫技術
を採用し、設計脱硫効率は95%以上。来年末までに完成、稼働の予定で、発電所
のある石景山地区の二酸化硫黄排出量を10%減らすことができる。
この脱硫改造工事は99年に国家経済貿易委員会から重点環境対策事業に指定
され、国から総額1億元の利子補給融資の支援を受けた。昨年10月、この工事に
ついて国内外を対象に公開入札が行われ、北京国電竜源環境保護工程公司が落札
した。国内の企業が大型火力発電所の排煙脱硫工事を単独で請け負うのは初めて。
火力発電の京能熱電は前身が1919年に設立された石景山発電所。発電設備総容
量80万キロワットで、出力20万キロワットの熱併給発電機が4基あり、北京市
に電力と熱を供給している。北京市西部で二酸化硫黄の排出量が多く、石炭燃焼
量と二酸化硫黄排出量が石景山地区のそれぞれ30%と40%を占めている。
近年、4基の発電機の改造を進め、大きな成果をあげている。1号機は煤塵除
去率が99.91%に達し、欧米の基準をクリアしている。計画によると、2007年ま
でに4基すべの脱硫改造を行う。これによって北京市の大気が大幅に改善される
とみられている。
中国初の環境保護サイト開設
世界環境デーの5日、環境保護をテーマとする中国初のウェブサイト「西部環
境保護網」が四川省で立ち上げられた。
成都で開かれた世界環境デー記念座談会で、四川省の鄒広厳副省長が発表した。
このサイトは四川省環境保護局と四川天網情報メディア有限責任公司が共同で
立ち上げた。四川省および西部各省・自治区の生態環境について中国語を中心と
する専門情報サービスを提供し、国内外の環境保護分野の最新動向、新しい環境
保護の技術、サービスを紹介する。
中国で大気中の鉛濃度低下 無鉛ガソリン使用が奏功
中国の都市部では大気中に含まれる鉛の濃度が大幅に低下した。昨年6月末ま
でに自動車用ガソリンの無鉛化を全面的に実現し、鉛含有量の基準達成率が99%
以上に達した。中国では自動車用ガソリンの無鉛化だけで、大気中に排出される
鉛の量は年間1500トン以上減らすことができる。
鉛汚染を防止すると同時に環境と人体に重大な脅威となる汚染物質についても
中国は基準を制定し、規制に乗り出している。ガソリンに含まれるベンゼン、硫
黄、アルケン、鉛、マンガン、鉄、銅、リンなど有害物質について基準づくりを
進め、北京、上海、広州などガソリンの無鉛化を繰り上げて実現した重点都市は
ガソリンに含まれる硫黄、アルケン、芳香族炭化水素など他の物質についても規
制し始めている。
昨年9月1日から実施された中国の改正大気汚染防止法は「国は良質燃料油の
生産、使用を奨励、支持し、燃料油に含まれる有害物質による大気汚染を減らす
措置をとる。単位と個人は国務院が規定した期限までに加鉛ガソリンの生産、輸
入、販売を中止しなければならない」と明確に規定している。また違法に加鉛ガ
ソリンを使用した場合の法的責任も明確にしている。
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