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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.770 2022年2月4週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:有力海外企業の中国進出その後の苦境】
●中国での損失7億、2871店舗が倒産、Kappaは中国市場から敗走
●ジェフ・ベゾス 6兆で中国市場に進出したのに、なぜ夜逃げ?

┏【李年古の日中異文化交流術】
●日本から中国へ 隔離中、ではなく隔離への道のり 2

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      編集長・李年古の新著 ■2022年3月10日発売■
――  『中国人コンサルタントが伝授するカルチャーギャップ』  ――

 企業研修を通して、気づいた日中異文化マネジメントの問題点とその解決法をま
とめました。ビジネス現場の事例を取り上げながら、その異なる文化的、社会的な
背景を説明した上、実践的なスキルを伝える内容です。
 海外赴任者、特に中国向けの赴任者の参考になれば幸いです。

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……【特集:有力海外企業の中国進出その後の苦境】………………………………
●中国での損失7億、2871店舗が倒産、Kappaは中国市場から敗走
 中国国産品の絶え間ない台頭と中国ファッション市場の競争の激化に伴い、多く
の外資系スポーツ服ブランドは中国市場において次第に「端に追いやられる」立場
となり、ひいては淘汰される状況となっている。

 ここで、Kappaというファッションブランドを取り上げてみたいが、ショッピン
グモールの中で関連店舗を長らく見ていない消費者は少なくないであろう。
 Kappaはイタリアのファッションブランドであり、2002年に正式に中国市場に進
出し、国内スポーツ市場のニュースタイルの火つけ役となった。2010年、Kappaの
中国市場における発展状況はピークに達し、売上高は42億元に達し、約4000のオフ
ライン店舗を展開した。
 残念なことに、Kappaはピークの発展ポイントを守り切れず、2013年の店舗数は
1183店に急落した。現在Kappaの中国市場における店舗数は1170店を残すのみであ
り、2871店は相次いで倒産している。

 Kappaがブランド発展の注力ポイントをファッション分野に置いていて、商品が
国内外ファッションスポーツブランドと差別化できなければ、Kappaが商品の研究
開発面の費用を縮小していることはみずから「自殺行為」をしていることになる。
 2021年、Kappaの製品開発、デザイン方面の費用は会社の総支出の1.34%でしかな
い。つまり、Kappaの大部分の資金は全て製品のマーケティングと宣伝に充てられ
ていることになる。
〔硬核科技社2021年12月19日〕

●ジェフ・ベゾス 6兆で中国市場に進出したのに、なぜ夜逃げ?
 6兆も持っているのに、15年をかけても大してもうからず、惨めに撤退せざるを
得なかった中国の「敗軍の将」は、元世界トップの富豪ジェフ・ベゾスである。

 2004年、時価総額6兆のアマゾンが卓越網を買収し、ジェフ・ベゾスは中国市場
に進出した。
 当時は中国国内のネット通販プラットフォーム成立からわずか1年前後と、定着
しておらず、理屈上、アマゾンとは比べ物にならなかった。
 では、なぜアマゾンは最終的に打ち負かされて、中国市場から撤退せざるを得な
かったのか。全ては以下の3つの原因と関係する。

1) 傲慢に過ぎ、十分な市場調査を行っていなかった
 当時の中国人にはまだネットショッピングの習慣がなく、ネット通販は大衆の認
知度を得ていなかった。一般の人々からすると、ネット上の知らない人との取引は
安心できないものであった。
 サイトの煩雑さがあって、ネットショッピングにはかなりの時間を要したため、
もともと無駄に時間がかかることを恐れた人たちは、たとえ多少労力が必要で、多
く支払うことになっても、実店舗で目で見て、手にとることのできる物を買い、新
しいやり方を試そうとはしなかった。

2) 中国人民の好みに合わせた改変をしなかった
 ジェフ・ベゾスは、終始みずからの固有のアメリカ式理念と思考を保持し、ショ
ッピングの細かい部分で中国消費者の不満を買った。
 例えば、支払方法について、ジェフ・ベゾスは「ワンクリック注文」を豪語して
いたが、中国人に言わせれば、多少時間がかかっても自分の荷物の送付先と情報を
確認したいのである。無意識のうちにそのスイッチを押してしまえば、必要のない
商品を買うことになってしまうかもしれないからだ。
 また、カスタマーサービスについて、アマゾンは電話とオンラインのカスタマー
サービスを有していたが、オンラインカスタマーサービスは奥の方に隠れていた。
アマゾンサイトの一番下にある「ヘルプセンター」の「その他サポート」からでな
ければ、カスタマーサービスに連絡ができない。

3) ジェフ・ベゾスは中国会社の高級管理職を信じていなかった
 これが一番致命的だろう。アマゾンの元従業員によると、中国の運営チームは執
行のみであり、決定権を欠いていた。中国市場を理解して提案を行う者がいたとし
ても、米国本部が許可し決定しなければ実行することができず、また、米国の中国
に対する認識がおくれていたため、中国チームはその力を発揮することができなか
った。
 また、彼らは頻繁に高級管理職を交代させており、15年の間にCEOを4回かえ、会
社全体の長期戦略に影響を与えた。

 これに比べると、中国現地のネット通販は頭がよく、鮮やかなショッピングサイ
ト、簡単な支払い方法、効率のよい輸送モデルに加えて、伝統的な祝日における頻
繁な割引は、どれも中国一般大衆に好まれ、更に至るところに広告が出され、市場
は完全に中国現地で山分けされることとなった。
 現在、中国の二大ネット通販が80%の市場シェアを占め、この二者の時価総額は
既に1000億を超えている。
 アマゾンは中国で15年もの苦戦をしてきたにもかかわらず、そのシェアは1%に満
たない。ジェフ・ベゾスは撤退せざるを得なくなった。
〔大リョウダン案室2021年12月13日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●日本から中国へ 隔離中、ではなく隔離への道のり 2
 2日目。朝7時に急いで空港に駆けつけると、ロビーにはあふれんばかりの祖国の
同胞たちが、各通路に、先頭も最後尾もわからないくらいいっぱいに並んでいた。

 幸いにもビジネスクラスには2名の乗客しか並んでおらず、すぐに私の番になった。
 すぐに、自分から携帯画面の緑色コードを見せ、あわせてパスポートを手渡した。
手慣れたそぶりを見せたけれども、内心はうれしい気持ちで。
 相手はうなずきもせず、「もう一つの黄色コードのミニプログラムは入力済みで
すか」と聞いてきた。
 私は途端に焦り、「え!どの黄色のコードですか?」と聞き返した。
 「済みません。もう一つ中国税関が要求している健康申告コードがあります。そ
の審査が通り、黄色コードをもらえれば搭乗できます」私はもう少しで酸欠になる
ところであった。大使館ホームページには何の案内もされていなかったのだ……
 傍らにすぐに係員が来て、私の身体の下に小さな椅子を置いてくれ「そうなんで
す。多くのお客様はそのことを知らないんです。急がなくて大丈夫です、ゆっくり
入力してください」と言ってくれた。
 入力すべき内容は健康コードと余り大差なかった。どうして黄色コードや緑色コ
ードが入力用紙に変わるのだろうか。とても興味がある。まさかカラフルにしたい
からそうしているのだろうか?

 出国審査場を抜け、私の心はようやく落ち着いてきた。
 出国審査場の通過人数はかわいそうなくらい少なかった。私を審査した女性係員
の上着ポケットには4本のペンが挟んであり、彼女のペンの本数が私と同時にゲー
トを抜けた人数より多いのが興味深かった。
 ゲートを抜けると、全ての人が免税店に直行した。
 あのよい時代に戻ったということか?以前の殿様商売の免税店が、思いがけずも、
何と低姿勢であることか!割引セールの看板を掲げる様子は、コロナ前の少なくと
も十数年間において見たことがない情景であった。
 驚いたのは、入ってくる中国人客が求めるのは皆、同一の商品で、係員は相手の
問いも終わらぬうちに既に売り切れだと伝えた。どの日本製品のことなのか、あな
たは当てられるだろうか?
 係員によると、早々と入ってきた客たちにより一つ残さず購入されていったとい
うことだった。

 ようやく離陸した。過去において、毎年5回は下らず帰国していたが、今回のよ
うに、飛行機の窓の外を見つめ、我を忘れたように写真を撮ったのは恐らく初めて
のことだった。今、飛行機に乗って帰国するのは、宇宙旅行の一種のような贅沢な
気持ちだ。しっかりかみしめなければならない。
 飛行機は思いがけず富士山山頂をかすめるよう飛行した。私はやはり初めて鑑賞
することにした。過去にこの路線に搭乗した折は、フライトアテンダントが親切に
も、乗客に眼下の美しい景色に目を向けるよう促してくれたが、コロナ以降、二度
とこのような声がけを聞くことはなかった。
 5時間近くのフライト中、フライトアテンダントが顔を見せることはほとんどな
かった。彼女たちも恐らく嫌疑をかけられぬように――密な交流をするごとに双方
に大きなリスクが生じるからなのだろう。
(次号に続く:写真をツイッターに投稿していますので、ぜひごらんください)

「中国から日本へ 誰がわかるのだろう。明日私は帰れますか?」1―5
 No.754(2021年4月5週号)〜No.750(2021年2月4週号)掲載

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)

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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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