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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.618 2014年12月16日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:5,382名(2014年12月15日現在)

━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「中国最新情報」は年末年始に伴い、休刊します。
 次回配信は2015年1月20日の予定です。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国国力の拡大に伴う諸外国の動き】
●90カ国が中国人ビザ免除実施 中国パスポートの「価値が増す」
●甘粛省 シルクロード沿線国との貿易総額17億元に
●韓国メディア 中国で働く朝鮮人は9万人 平均月給1500元前後
●上海成人の英語熟練度が香港を超える

┏【国内政策】
●中国での養老に適した都市ランキング発表
●人口流動がもたらす挑戦とチャンス

┏【経済データ】
●外国為替(12月15日)

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……【特集:中国国力の拡大に伴う諸外国の動き】…………………………………
●90カ国が中国人ビザ免除実施 中国パスポートの「価値が増す」
 APEC会議期間、各国のビザの発給緩和というよいニュースが絶えず伝わってきた
が、これは中国のパスポートの「価値」が増してきたことを意味している。

〈中国人ビザ免除は90カ国 米英仏等がビザ申請緩和〉
 先週、外交部スポークスマンの秦剛氏は、記者の質問に対し、中国とアメリカの
ビザ発給の相互緩和は国内外の人々の往来の利便性を高めると答えた上で、近年、
中国外交部は積極的に整然と国内外の人々の往来の円滑化を推進し、中国パスポー
トの「価値」を高める努力し、積極的な進展を得ていると述べた。
1) 90カ国と各種の相互ビザ免除の協定(多くは外交とビジネスパスポートに対し
 て)を締結し、39カ国と53のビザ手続簡略化の協定を締結した。
2) 積極的な努力を通じて、37カ国・地域は中国市民に片務的な到着ビザ待遇、8カ
 国・地域は片務的にビザ免除待遇を行っている。
3) 中国市民のAPEC・ビジネス・トラベル・カード(国・地域への入国・入域につ
 いて査証免除または査証手続免除される)保有枚数拡大に努め、現在カード参加
 国・地域中トップを占めている。

 「中国人の手にあるパスポートはますます重みを増した!」
 記者がシートリップ(携程)から得た情報によると、今年、アメリカ、フランス、
イギリスなどの国は中国市民に対してビザ申請政策を緩和した。緩和方式には、到
着ビザの免除政策、ビザ手続時間の短縮、ビザ手続の簡略化、ビザ要件の引き下げ、
ビザ有効期限の延長などを含む。
 アメリカがビザ有効期限を延長、日本がビザ政策緩和、インドネシアがビザ費用
免除というニュースも聞かれ、目下、領事館の最終的な発信文書を待つだけだ。

〈ビザ要件緩和はトレンド 「ビザ免除」は観光客を引き付ける便利な道具〉
 「各国の中国に対するビザ免除は大勢の赴くところである」観光業界の関係者は
次のように分析する。
 例えば、今回、中国にビザ免除したインドネシアを例とすると、観光業はインド
ネシアの基幹産業の一つであり、インドネシアの国民経済の新しい成長点でもある。
 2013年、インドネシアの観光業は全部で100億米ドルの外貨収入を生み出し、イ
ンドネシアの外貨収入の第4位に位置する。

 外部の競争環境から見ると、タイは今年、中国人観光客に対して、8月9日から11
月8日の3カ月にわたり短期のビザ費用免除政策を推進した。
 タイのメディアの報道によると、ビザ費用免除期間中、バンコクのスワンナープ
国際空港は毎日3000―5000人の中国人観光客を迎えたが、それ以前は1000人前後で
あった。

 ビザ費用免除政策が中国人観光客を引き付ける作用は非常に明確である。今年8
月、マレーシア政府も、今年の年末か来年初めから、中国人観光客のビザ費用免除
を考慮すると表明している。

 「これまでの経験によると、ビザの緩和は現地の観光に対して明らかに促進作用
があり、例えば、済州島のビザ免除、タイの段階的なビザ費用免除は旅行者数を爆
発的に増加させた。アメリカのビザ延長はわずか数日だが、アメリカの団体旅行と
自由旅行の人数は既に明らかに上昇しており、クリスマス旅行の売れ筋団体旅行パ
ックの一部は既に定員いっぱいであると案内が出ている」とシートリップの観光専
門家は分析する。
 「各大陸の目的地となる国・地域は、中国人観光客を引き付けるため、さらにビ
ザ要件の緩和を行ったり、ビザ免除、到着ビザを実施したりすることもますます多
くなるだろう」

 国力が絶えず高まるにつれ、各国の大使館や領事館も中国の観光客に対してビザ
を緩和する政策を打ち出し、手続が簡略化し、費用が引き下げられ、ビザ要件も徐
々に取り除かれている。
 そして、国内のビザ手続の代理費用も引き下げられ、インターネットや携帯電話
のビザ手続の技術革新がさらに進めば、中国人のビザ手続の難易度はさらに低くな
るだろう。

〈ビザ機関にチャンスと挑戦 出入国検査は通達がないと通行許可しない〉
 中国国際旅行社のビザ担当者は、中国のビザの価値が増すことは、ビザ代理申請
機関にチャンスと挑戦をもたらすと見ている。
 「よい影響と悪い影響の両方がある。例えば、ビザ免除になれば、出国時にビザ
手続をする必要がなくなる。また、ビザの有効期限が延長されれば、ビザ手続回数
が減少する。これは、実質的にはビザ代理申請機関の業務が減少するということだ。
 しかし、以前はビザ手続には管轄地域区分があって、領事館は当該地域の常住人
口のビザ手続のみを取り扱う、上海であれば上海とその周辺都市のビザのみ。
 しかし、現在は管轄地域の規制を撤廃していることが少なくなく、上海の領事館
で全国各地の住民、外国人のビザでさえも取り扱っており、またビザ代理申請機構
の数が大きくなっていて、さらに中国のビザ申請がたやすくなっていけば、外国に
行きたいと思う人は以前よりも多くなるだろう」

 しかし、出入国検査部門が注意喚起しているように、外国が中国パスポートに対
してビザ免除を行うことは、航空券とパスポートを持っていれば海外に行けるとい
う意味ではない。
 公安部が出入国検査部門に通達しないと、出入国検査は政策に照らして通行を許
可することができないのだから、片務的にビザ政策を行っている国家が実質的なビ
ザ免除あるいは到着ビザ国家とは言えない。

 まず、中国と関連国家が双務的あるいは多角的な相互免除、ビザ免除の交渉を行
った後、外交部が関連国との覚書に了解する等で協議に達する必要があり、協議し
た関連状況は公安部に通達される。
 公安部は、この協議に基づいて出国検査標準を制定あるいは他の国と共同で制定
し、かつ下部機関の各出入国検査機関に通達する。
 つまり、もし出入国検査機関が公安部からの通達を受けていなければ、例えば先
方が既に片務的なビザ免除あるいは到着ビザ政策を実行していたとしても、中国の
出入国検査は通行許可ができないのである。
〔青年報2014年11月19日〕

●甘粛省 シルクロード沿線国との貿易総額17億元に
 中国の「一帯一路」戦略を受け、甘粛省はシルクロード経済帯の建設を推し進め、
2014年沿線国との貿易総額17億ドルという前代未聞の好成績を上げた。
 甘粛省商務庁の統計によれば、これまでに、甘粛省の企業9社が、西アジア、東
欧8カ国に境外投資企業13社を設立し、省直轄の国外プロジェクト請負企業7社が、
西アジア、東欧10カ国で25のプロジェクトを請け負った。

 2014年は、甘粛省がシルクロード沿線国との経済、貿易に最も力を入れた1年で
あった。
 甘粛省は昨年から相次いでべラルーシのミンスク、イランのテヘラン、中国新疆
ウイグルのコルガス口岸の3カ所に営業所を設立し、また2014年6月には西側諸国と
の経済貿易協力に特化した弁公室を発足させた。
 その上、甘粛省商務庁は企業の自主的な海外進出を支援し、シルクロード沿線国
において商品展示即売会、推薦会を実施し、2014年8月以降は、イラン、ベラルー
シ、カザフスタン、キルギス等沿線国との間に83もの経済貿易協力プロジェクトを
締結した。
 甘粛省商務庁の楊志武長官によれば、イランで開催した展示即売会における契約
の履行状況が良好である。税関の統計によれば、現時点で甘粛企業のイランに対す
る輸出額は2013年全体の倍に当たる9800万米ドルに達している。

 シルクロード沿線国との経済貿易協力は、2014年甘粛省の輸入全体の減速傾向を
一部カバーした。
 2014年輸入全体が低迷している状況において、甘粛企業は西アジア市場を注視し、
鉱産資源の輸入を拡大した。甘粛白銀公司は1―10月、カザフスタンから銅精鉱、
亜鉛精鉱等を輸入し、輸入額は前年同期比54%増の4.93億元に達した。
〔新華網2014年12月5日〕

●韓国メディア 中国で働く朝鮮人は9万人 平均月給1500元前後
 鳳凰財経総合が聯合ニュースの報道を引用したところによると、韓国貿易協会北
京支社は11日、朝鮮からの労働力が現在急速に中国国内に流入しており、その数は
2010年の5.4万人から2013年の9.3万人へと増加、年平均伸び幅が19.9%であるとの
報告を発表した。前年同期に中国国内に流入した外国労働者の年平均増加幅(9.1%)
の倍以上となる。

 今年上半期に中国に入国した朝鮮人は9.2万人で、そのうち労働者は4.4万人で
47.8%も占める。同期に中国に入国した外国人のうち、労働者が占める割合はわず
か12.5%である。

 分析によれば、朝鮮は現在労働力の輸出に頼って外貨を稼いでいるが、それは朝
鮮の労働力輸出が朝鮮と中国双方にとってウイン・ウインとなるからだという。
 朝鮮にとっては、労働力の輸出は商品の輸出以上に価値あることであり、中国に
とっては、朝鮮からの労働力輸入が労働力不足を解決するだけでなく、人件費が企
業に与える負担を軽減することができる。

 現在、朝鮮労働者の平均月給は1500―1600元で、中国労働者の平均月給2500―3000
元よりはるかに低い。
 2012年、朝鮮と、中国遼寧省丹東、吉林省図門、琿春など朝鮮と中国の国境都市
は労務派遣業務に関する協議に署名し、これも中国国内に朝鮮労働者が激増する重
要な原因となった。

 しかし、中国の一部世論は、中国国内の朝鮮労働者の激増が中国の就職市場に不
利益な影響を与えると考えており、そのため、中国政府は技術者以外の朝鮮労働者
に対するビザ発給を慎重にすべきとしている。〔鳳凰網2014年11月13日〕

●上海成人の英語熟練度が香港を超える
 全世界63の国と地域、75万人の満18歳を対象としたEF英語熟練度テスト結果が19
日公布された。
 デンマークは69.3の高得点で、初めてこれまで3回連続トップのスイスを抜き、
成人の英語熟練度の最も高い非英語国家となった。
 中国大陸は50.15。そのうち、上海成人の英語熟練度は香港を抜き、報告の中で
「驚きの発見の一つ」とされた。

 報告では、中国大陸全体(50.15)では、やはり香港(52.50)や日本(52.88)、
ひいては台湾(52.56)、ベトナム(51.57)にも劣る低レベルではあるものの、中
国各都市の英語熟練度指標は注目を集めるものであるとしている。
 上海成人の英語熟練度は始めて香港を抜き、議論を呼んでいる。事実上、報告デ
ータによると、北京(52.86)や天津(52.73)も少々ではあるが香港を超えている。

 ここ数年、全世界の母語が英語でない国家の約75万人がEF英語熟練度指標テスト
を受けており、このテストはインターネットで無料公開されている。テストを受け
る者はパソコンで回答をする。
 テストには文法、単語、読解、ヒアリングの4つが含まれるが、ネットユーザー
の最も注目するスピーキングはまだ行われていない。

 2007年来、香港の英語レベルは落ち続けている。2012年以降、アジアのその他の
都市、ソウル、東京及び京都の英語熟練度も下降を続けている。
 一方、中国大陸の英語熟練度は上昇を続けており、北京、上海等の中国大陸の主
要都市は今まさにアジア地区屈指の国際ビジネスの中心に発展しつつある。

 全世界の年齢別レベルからいうと、ビジネス中堅世代(35―44歳)の英語が最も
よいが、中国では若いビジネス世代(25―34歳)がトップレベルとなり、年齢が上
になるにつれ、徐々に下降している。

 中国クロスボーダー文化交流研究会上海分会会長、上海師範大学党委書記陸建非
教授は次のように考える。
 上海でテストに参加した人たちの英語教育は中堅であり、25―34歳の若い職場世
代が主となっている。国際化が進む中、ビジネス用語及び国外旅行等の需要が彼ら
の英語レベルの向上を加速させている。
 しかし、テストは書面のものに限られるため、スピーキングについては表されて
おらず、香港の大学生の英語表現への自信、正確性は上海の学生には劣らないと考
える。〔青年報2014年11月20日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国での養老に適した都市ランキング発表
 この国はまさに高齢者増加の傾向にあると言えるだろう。政府当局が調べたデー
タによると、2013年末までで、中国大陸の総人口は13億6070万人、60歳以上の人口
は2億240万人、総人口の14.9%を占め、そのうち65歳以上は1億3160万人で9.7%を占
めている。

 養老問題は中国にとって、ますます避けられない問題となってきた。では、どこ
の都市へ養老に行けばいいのか? 最適な養老都市とはどんな都市なのか?
 その答えに次のことは外せないだろう。物価、不動産が高過ぎないこと、環境は
よくなくてはならない、スモッグがひどいのは話にならない、都市は大きくなくて
もいいが、すぐに大都市に行ける道路環境が整ってなくてはならない。

 このような想像に照らし合わせて見ると、珠海、青島、昆明、大連、成都、蘇州、
煙台、廈門、海口、上海などの都市は国民の理想の養老の都市だろう。しかし、こ
のような主観的な印象をもとにした判断は本当に正確なのだろうか?
 正確なランキング、中国健康養老産業連盟連合(投資時報)がデータに基づいて
別の答えを出してくれた。

 3つの組織が共同発表した「2014中国養老都市トップ50」のリストの中で、ラン
クインした都市は、基本的に市民の最良の養老都市のイメージを満たしている。
 海南省三業、広東省珠海、福建省廈門、広東省中山、貴州省貴陽、福建省福州、
広東省汕尾、江蘇省揚州、江西省萍郷、雲南省麗江がトップテンに入った。

 これら10都市は中国大陸における292の地レベル以上の都市から頭角をあらわし、
2014年中国大陸十傑養老都市に選ばれた。
 しかし、前評判が高かった昆明、成都、蘇州などの都市はトップ50に名を連ねて
いない。広東省汕尾と江西省萍郷の2つの都市が何とトップ10に入っている。これ
はどういうことだろうか?

 これは我々の審査基準に関係がある。我々は養老都市イコール住みやすい都市と
考えていた。そのため、我々は中国社会科学院が今年発布した「中国都市競争力
2013年度ランキング」で住みやすさ指数100位の都市を直接選び、最も基礎的な養
老都市のモデルと位置づけたからである。
 この100の根源は、292の地レベル以上の都市から来ている。

 単に住みやすい都市では物足りなく、その他に高齢者の生活に見合った特色が必
要となる。
 そこで、我々は新たに大気汚染指数、医療指数、交通指数をポイントとして考察
してみた。

 大気汚染指数の主な基準は、2013年度の各都市の大気品質優良日数とした。この
2年で、中国のほとんどをのみ込んだスモッグは、人々、特に高齢者の健康に重大
な影響を及ぼした。
 大気品質は重要な参考基準となったため、大衆が見たとおり、石家庄や北京のよ
うなスモッグのひどい都市などは、トップ50位にランクインすることはない。

 医療指数の主な基準は、各都市の三級医院と都市人口が占める割合から来ている。
 どうして三級医院を基準に選んだのかというと、その理由として、中国人は病院
に行くのが習慣化されており、高齢者はよく大病を患い、多くの人は三級医院なら
ば基本的医療条件が保障されていると信じているからである。
 人口が少なく、三級医院が多い都市はこの基準では優位になる。

 交通指数の主な基準は、当地の空港、高速鉄道、高速道路などの利便から来ている。
 「親がいるうちは遠くに遊びに出かけない」という伝統はとっくに消え去り、交
通指数を参考にするのに、子供が里帰りする利便性を考慮した。その逆に、高齢者
で旅行好きな人が年々増加している、交通が便利であれば高齢者も出かけやすい。

 このような基準のもと、我々は発見したのは、31の省のうち、20の省市区の都市
がトップ50に入っていることである。
 そのうち、39の都市は南部の都市で、トップ50を占める割合は78%になる、多く
は東南沿海都市である。広東、浙江には8つもの都市がランク入りし、江西は6つの
都市がランク入りし、北部地区は遼寧が最も優秀で、5つの都市がランク入りした。

 当然、全国的なランキングは全ての人に当てはまるわけではない、「近所で養
老」が一番いい選択だろう。
 そして我々はわざわざ環渤海地域、長江デルタ地域、西部地域のそれぞれのラン
キング表をつくってみた。我々が言えるのは、環渤海地域には選択肢が本当に少な
いことであり、北京のような華北地区においてスモッグ最悪地区でさえもトップテ
ンにランクインしている。〔投資時報2014年11月15日〕

●人口流動がもたらす挑戦とチャンス
 国家衛生計生委は、11月18日に「中国流動人口と発展報告2014」を発表した。

 その中で、二つの数字に関心が集中した。
 第一の数字は、2013年の労働年齢流動人口平均年齢が2011年の33.1歳から33.7歳
に引き上がったことである。これはますます多くの流動人口が家庭を形成する年齢
に達していることを意味している。

 第二の数字は、6歳から15歳までの子女が父母と随行して流動する人口も比例し
てふえ、2013年で62.5%に達し、2011年から5.2%上昇したことである。2012年流動
人口の出産も比例して増加し59.2%、2011年と比較して7%上昇した。これはますま
す多くの流動人口が「外地」で家庭生活を送っていることを意味している。

 流動人口は3分の2が農民工である。初期の大部分の農民工は単身で地方から出て
きて、結婚し子供が生まれた時に郷里に帰っていた。都市は彼らにとっていわば仮
の住まいで、ただ仕事をして金を稼ぐだけの場所で、生活の場所ではなく消費の要
は地方であり、「仕事重視、生活軽視」であった。
 しかし、現在の状況は既に大きく変わっていて、流動人口は「外地」で結婚し、
子供を産んでいる。これは彼らが仕事と同時に生活も重視していると言える。「仕
事重視、生活軽視」から「仕事と生活重視」への転換、これが人口流動の中で一つ
の重要な形勢の変化である。

 経済学の概念からいうと、これは「多生産、少消費」から「生産し消費する」こ
とへの転換である。
 周知のように、中国経済は十数年間高度経済成長を維持しているが、「人口ボー
ナス」の貢献がその原因の一つである。
 「人口ボーナス」は実のところ二つの部分がある。
 一つは、人口構造である。労働年齢人口の大部分は扶養する人々のため、生産す
るだけの人口(労働年齢人口)が多く、消費するだけの人口(子供と老人)が少ない。
 もう一つは、流動人口が「多生産、少消費」であったときは、流動人口は比較的
若く、加えて「外地」で金を稼いで貯蓄することが最も重要であった。
 人口の高齢化で「人口ボーナス」が次第に減少し、中国経済成長形態が変化する
中で、流動人口が生活と消費を一層重視するようになり、その影響は人口の高齢化
よりもさらに速い。

 最も直接的な影響は、労働力コストのますますの上昇である。
 「仕事重視、生活軽視」の流動人口は衣食住は計算に入れなくてもよかった。彼
らは社宅に住み、食堂で食べ、作業着を着てということでよく、労働力再生産コス
トはとても低かった。
 しかし、「仕事と生活重視」の流動人口は、自分たちの住むところ、さらに医療、
養老、教育等多方面の問題を考慮しなければならず、労働力再生産のコストはさら
に引き上げられる。
 これは直接的に企業の人件費増加を招くばかりでなく、間接的にも企業の事務費
用増加をもたらす。例えば、場所を選ぶ際に従業員の生活利便性の問題をより深く
考慮しなければならない。

 政府部門でも新たな挑戦に直面している。
 「仕事重視、生活軽視」の流動人口に対して、政府部門は戸籍人口のように公共
サービスを割り振る必要はない。
 さらに多くの流動人口が「仕事と生活重視」するようになり、公共施設とサービ
スの需要が供給を上回って対応できない状況が激しくなっている。流動人口の医療、
養老、教育などの問題も同様である。
 地方政府は外国企業と外資を導入するという成長モデルの転換を求められている
と思われる。

 このようなミクロ的な影響がマクロ的にも反映されており、結果、貯蓄率が下降
し、消費率が上昇する可能性がある。
 多くの人々は消費率上昇が経済成長に有利だとわかっている。しかし、その前提
は、所得分配がより合理的で、労働報酬の初期段階の分配での比重を高くすること
である。そうしなければ、就業に影響が出るはずで(人件費上昇で、労働報酬は上
がらない)、さらに進んで経済成長の妨げになる。

 要するに、流動人口が「仕事重視、生活軽視」から「仕事と生活重視」へと転換
した今、企業管理、政府のサービス、マクロ的な政策形成への挑戦、さらに経済成
長モデルも必然的に変化していくことになろう。〔21世紀経済報道2014年11月20日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行12月15日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     5.1779  611.52    78.88  763.86
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――京津》
 ちょっと時間があったので、北京と天津に遊びに行ってきました。北京と東京は
10度ぐらいの気温差があるので、今は少し温かい気がします。
 北京の空気は悪かったといえばそうでしたが、もっとひどいかと思っていました。
若干遠方のものが見えないということは、無理して前向きに捉えれば、観光地の外
にある景観を阻害しているビルが見えないということでもあるのかなと思って観光
しました。
 それから、天津のゴーストタウンになっているとか言われている響螺湾商務区に
も、天津人3人と一緒にドライブしてきました。写真的には十分ゴーストタウンを
つくれましたが、個人的には目下建設中に見えました。
 さて、メールマガジンは年内はこれにて終了とし、来年は1月20日からリリース
しようと思います。
 今年も読者様にはお世話になりました。そして、記事を並べられたのは翻訳者様
の献身的な協力のおかげでしたので感謝したいです。来年もまたよろしくお願いし
ます。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 楊桃 村瀬明美
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