CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.722 2019年9月4週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ツイッター始めました https://twitter.com/bizchina_jckc

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国消費の主力90後の商品選び】
●唯品会「90後消費報告書」 7割近くが商品コスパ注目

┏【李年古の日中異文化交流術】
●日中人材の活用に新天地を切り拓く (その1)日本のグローバル人材の採用現状

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:中国消費の主力90後の商品選び】………………………………………
●唯品会「90後消費報告書」 7割近くが商品コスパ注目
 年齢の上昇と収入の増加に伴い、現在、90後世代が消費の主力に成長している。
 6月13日、唯品会は「中国社会人消費報告書」(以下「報告」)を発表し、卒業
後5年以内の「新社会人」に初めて目を向けた。

 データによると、初めて社会に入った90後が買い物をするときに最も関心を寄せ
る二大要素はそれぞれ「品質がよい」と「コストパフォーマンスが高い」であり、
うち、まずコストパフォーマンスに注目する割合は65.6%を占めている。
 世界最大の特売eコマース業者として、唯品会ブランドの特売は、限られた収入
の中で「コストパフォーマンスの高い」消費を望む90後世代の中でとても人気があ
り、現在、唯品会のプラットフォームでの新規ユーザーのうち50%以上が90後である。

 注目すべきは、地域はさまざまであるにもかかわらず、新社会人は消費の面で幾
つかの比較的に際立った「共通性」を持っていることである。
 「報告」が掲示した現代中国の90後新社会人の6大消費傾向は以下のとおり。

1) リサーチ型消費が中心
 新社会人はコストパフォーマンスを追求する専門家のようである。

2) 国産製品を本命
 新社会人の国産製品に対する受け入れ度合いと消費意欲が空前の高まりを見せて
いる。

3) 真面目になればなるほど不人気
 90後のオフィスウエアはますますカジュアルで自由になってきている。

4) アンチエイジングサプリメント消費の低年齢化
 90後新社会人は死を恐れず、老いを恐れる。

5) ペット型消費は無制限
 現代新社会人は一姫二太郎は求めないが、猫と犬は両方を求める。

6) アイドル、インフルエンサーの宣伝効果の弱体化
 新社会人は実際の消費者の真実のユーザーコメントを信じる。

 そして、各都市の90後新社会人は、職業、環境などの複数の要素の影響を受け、
生活、消費などの面でも多くの差別化表現があらわれている。

 貯蓄状況を例にとれば、「報告」のデータによると、一線都市の90後新社会人の
貯蓄意識はより強く、15%を超える者が10万以上の預金を持っている。しかし、住
宅購入では、一線より低い二線、三線、四線、五線都市の新社会人の住宅購入熱が
高く、購入者は既に40%を超えている。

 新社会人の多様な消費特徴に対して、「報告」は6つの代表的な消費イメージを
以下のとおりまとめている。
1) 節約系大学院生
 予算が限られているときに、コストパフォーマンスが最も高く、価格が最も安い
商品を見つけるのが得意。

2) 偽金持ち
 収入は高くないが、意中の商品のためには散財をいとわない。

3) 新蟻族
 一線都市の社畜でよく見られ、ペットを飼い、アンチエイジング製品を買うなど
の方法で仕事のストレスを緩和している。

4) 非典型職場人口
 個性的な職場を尊重する90後を指し、着衣が真面目な人を嫌う。

5) 雲姉妹
 男性の間でよく見られ、オフラインでは対人恐怖症、オンラインではいつもおし
ゃべりのできるサークルを見出せる。

6) 国産製品本命青年
 買い物の際には必ず優先的に国産製品を購入する。

 現在、中国は「消費アップグレード」の過程にあり、「リサーチ型消費」(購入
したい商品を徹底的に研究する)は90後のアップグレード消費の重要な方式である。
 90後は一般的に高い文化レベルと高度な比較対照消費情報を有し、価格、製品効
果の研究に熱中する「頭の切れる消費者」と「専門家型消費者」も彼らの中でさら
によく見られる。「報告」の調査によると、90後新社会人の9割近くが価格を比較
してから購入の意思決定をすることが明らかになった。

 プライベート空間を重視する90後新社会人にとって、「家」は最も重要な消費シ
ーンの一つである。
 「報告」によると、新社会人は小さな家電が好きで、「専門的で機能的な統合
型」の製品を好むことは一線都市の若者の中で最も顕著であると指摘されている。
2018年の唯品会のプラットフォーム上のお掃除ロボットは、一線都市の新社会人の
中での販売速度の伸びが166%近くになっている。
 家庭用品では、新社会人は「生活の儀式感」を重視し、カップ、花瓶などの小物
が最も人気がある。
 また、ペット消費は新社会人消費支出の中で最も「上限なし」のものの一つで、
90後は特にペットのために金を使う。2018年、唯品会のプラットフォームで、90後
新社会人のペット製品に対する1人当たりの消費額は2年前に比べて160%近く上昇した。

 家庭に入った90後はさらにふえており、新社会人の母子消費分野での表現もます
ます活発になってきている。
 70後、80後と比べ、彼らの育児理念はより「科学化」されている。90後の父親の
育児参加の度合いは更に高く、唯品会のデータによると、2018年、90後の男性新社
会人のベビー商品類の注文数は30.91%増加した。
 一方、90後両親の育児ハードウェア装備への費用が増加し続けており、靴、アク
セサリー、ベビー食などの育児消耗品や、ベビーベッド、子供用キックスケーター
などの生活や屋外での遊びに必要な装備が含まれるようになってきている。

 さらに、90後新社会人の「パイオニア・個性的」消費活動は主に「顔値(美容)
消費」、「娯楽消費」、「国産製品消費」の三方面に集中している。
 90後は「顔こそ最高の価値がある」を信奉する世代で、その49.74%がアイクリー
ムや美容器具などのアンチエイジング製品を購入している。
 健康食品、フィットネス製品も、90後が仕事のストレスに対抗、良好な体つきを
維持する秘訣となっている。2018年、唯品会のプラットフォームでの保健マッサー
ジ機の販売速度は300%を超えた。トレーニングウエア、フィットネス、運動靴など
の体育用品は90後ユーザーの中では2桁の売上の伸びを維持している。

 娯楽消費の面では、90後の「配置制御」と「収集制御」が余すところなく表現さ
れている。90後新社会人は「最高にマッチする」電子娯楽設備を求めて、2016年か
ら、携帯電話とイヤホンが90後新社会人のデジタル製品の販売量トップ2を独占した。
 一方、彼らは「最もフルセット」のIPコンテンツ周辺を追求し、90後の女性はテ
レビドラマ、男性はアニメやゲームの周辺の追っかけである。唯品会のデータによ
ると、2018年のマーベル関連の周辺製品の販売量の伸びが最も早く、同期比77.39%
の増加となっている。

 90後の「国産製品熱」は家電、化粧美肌等の分野で最も明らかにあらわれている。
近年来、唯品会プラットフォームのキッチン用品、小型家電の販売量トップ10ブラ
ンドにおいて、美的、蘇泊爾、小熊電器の三大国産ブランドが前3位を安定して占
めている。新社会人の美肌販売量トップ10ブランドにおいて国産製品は10位中7位
を占めている。

 また、近年来、インフルエンサー、アイドルの効果が弱体化したのは、90後新社
会人が消費面での「主観」を示している。「報告」データによると、現在「アイド
ルやインフルエンサーのために商品を購入する」新社会人は10%前後しかおらず、
その他9割は製品購入の際には口コミを研究し、真実のユーザー評価を信じている。

 報告にあらわれた現在の90後新社会人の消費現状から、若者の多元的な消費観が
消費市場に無限の可能性をもたらし、「高コストパフォーマンス」重視も、将来の
一定の時間において若者グループをカバーする各種商品の主流となると思われる。
〔聯商網2019年6月13日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●日中人材の活用に新天地を切り拓く (その1)日本のグローバル人材の採用現状
 今から20年にさかのぼって、中国の大学新卒生が受けたS本社の新人社員向けに
実施された日中異文化研修の光景を僕は忘れない。彼らは、実に日本企業が本社の
集団採用で迎え入れた第一陣の外国人新卒なのだ。

 「会社のエレベーターに乗った日本人が誰も会話しない風景を見て、とても不思
議」「同僚から飲み会に誘われれば、中国ではごちそうしてくれるのは当然なのに、
「割り勘しましょう」と言われてびっくり」など、毎日のように新たな発見に驚き
と戸惑いと刺激に包まれていた。一方、受け入れ部門の日本人向けの研修では、
「いろいろな常識もわからない中国人との仕事で大変つらい」との声があちこちか
ら出ていた。

 そして、中国人を含めた外国人の存在がごく当たり前になった今日の日本企業の
社内光景を見たり、あるいは、双方の理解によって文化的、心理的な壁が少しずつ
下がってきた現状を見たりして、僕は感無量な気持ちになる。

 日本におけるグローバル化人材採用の現状を見てみよう。
 平成30年9月の法務省入国管理局の速報値によると、平成30年6月末現在、中長期
在留者数及び特別永住者数を合わせた在留外国人数は263万を超えた。中でも、中
国人は74万人余り、ほぼ4人中1人。そして、日本で働く外国人労働者は2017年10月
末時点で127万人、外国人労働者の国籍別を見ても中国人が全体の37万人と3割を占
め、トップである。

 一見、異文化と共存した社会ができ上がったように見えるものの、外国人の量こ
そ増えてきたが、日本社会のグローバル化が質的に加速したとは到底言えない。読
者も感じていると思うが、むしろ社会全体では変化への適応を拒否しているかのよ
うな一面も見られる。日本の会社もそれに似ている状況にある。
 その大きな原因は、重層的かつ精緻な社会制度や規則(暗黙のルールなども含ま
れる)と文化が社会や企業の中に存在しているからである。そのことが、日本の組
織や人間を環境変化に適応させる能力を阻害しているようにも見受けられる。日本
の組織や企業における内なる国際化の遅れがその目安の一つになると感じている。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――再開》
 夏休みが終わり、またメールマガジン再開しました。また年末までのんびりやっ
ています、よろしくお願いします。
 ひいきの球団が優勝したので、ここ数日間メールマガジン作業をサボっていまし
た。最近の野球は、そのチームの試合が終了するとその直後にがっかりするような
人の異動の報道が流れるので、楽しい今を大事にしようと思います。(ま)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »