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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.629 2015年6月9日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,329名(2015年6月8日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:2014年全国農民工監測調査報告】
●2014年全国農民工監測調査報告 上

┏【国内政策】
●第13次五カ年計画 中国人1人当たりGDPは1万ドルを超える

┏【労働】
●人口・就業統計司の馮乃林司長が2014年平均賃金データを解説
●中国最低賃金伸び幅がGDP成長率を上回る

┏【経済データ】
●外国為替(6月8日)

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……【特集:2014年全国農民工監測調査報告】………………………………………
●2014年全国農民工監測調査報告 上
一、農民工の規模
(一)農民工総数は持続的に増加
 国家統計局のサンプリング調査結果によると、2014年、全国農民工総数は2億7395
万人[2億6894万人]で、前年比501万人増[633万人増]、1.9%増[2.4%増]であった。
そのうち、外出農民工は1億6821万人[1億6610万人]で、211万人増[274万人増]、
1.3%増[1.7%増]であった。地元農民工は1億574万人[1億284万人]で、290万人増
[359万人]、2.8%増[3.6%増]であった。

表1 農民工規模(単位:万人)
 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
農民工総数 24223 25278 26261 26894 27395
1.外出農民工 15335 15863 16336 16610 16821
(1)家族一部外出農民工 12264 12584 12961 13085 13243
(2)一家全員外出農民工 3071 3279 3375 3525 3578
2.地元農民工 8888 9415 9925 10284 10574

(二)農民工総数の増加の伸びは引き続き減少
 2010年以降の農民工総数の伸びは持続的に減少している(図1参照)。2011年、
2012年、2013年、2014年の農民工総数の増加の伸びはそれぞれ前年比で1.0%減、
0.5%減、1.5%減、0.5%減であった。2011年、2012年、2013年、2014年の外出農民工
数の伸びはそれぞれ前年比で2.1%減、0.4%減、1.3%減、0.4%減であった。ここ3年
の地元農民工数の増加の伸びは年々減少しているが、外出農民工よりも高くなって
いる。

図1 農民工総数増加の伸び(単位:%)
 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
農民工総数 5.4 4.4 3.9 2.4 1.9
外出農民工 5.5 1.4 3.0 1.7 1.3
地元農民工 5.2 5.9 5.4 3.6 2.8

(三)西部地域の農民工数増加の伸びは他地域よりも高い
 農民工輸出地別では、東部地域の農民工は1億664万人で、前年比210万人増、2.0%
増で、東部地域の農民工は農民工全体の38.9%を占めた。中部地域の農民工は9446
万人で、前年比111万人増、1.2%増で、中部地域の農民工は農民工全体の34.5%を占
めた。西部地域の農民工は7285万人で、前年比180万人増、2.5%増で、西部地域の
農民工は農民工全体の26.6%を占めた。西部地域の農民工の増加の伸びは東部、中
部地域よりもそれぞれ0.5%、1.3%上回った。

二、農民工の基本的な特徴
(一)6割以上が男性農民工
 全農民工中、男性は67.0%、女性は33.0%であった。そのうち、外出農民工では、
男性は69.0%、女性は31.0%であった。地元農民工では、男性は65.1%、女性は34.9%
であった。

(二)若年農民工の割合は年々減少
 年齢別では、農民工は青壮年が主体で、16―20歳は3.5%、21―30歳は30.2%、31
―40歳は22.8%、41―50歳は26.4%、50歳以上の農民工は17.1%を占めた。調査資料
によると、40歳以下の農民工の割合が引き続き減少してきており、2010年の65.9%
から、2014年には56.5%に、農民工の平均年齢も35.5歳から38.3歳に上昇した。

表2 農民工年齢構成(単位:%)
 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
16―20歳 6.5 6.3 4.9 4.7 3.5
21―30歳 35.9 32.7 31.9 30.8 30.2
31―40歳 23.5 22.7 22.5 22.9 22.8
41―50歳 21.2 24.0 25.6 26.4 26.4
50歳以上 12.9 14.3 15.1 15.2 17.1

(三)高卒以上の割合が増加
 高卒以上の農民工は23.8%で、前年比1%増であった。そのうち、外出農民工の高
卒以上は26%で、前年比1.6%増、地元農民工の高卒以上は21.4%で、前年比0.3%増で
あった。

表3 農民工学歴構成(単位:%)
 農民工合計 外出農民工 地元農民工
 2013年 2014年 2013年 2014年 2013年 2014年
未就学 1.2 1.1 0.9 0.9 1.6 1.6
小学 15.4 14.8 11.9 11.5 18.9 18.1
中学 60.6 60.3 62.8 61.6 58.4 58.9
高校 16.1 16.5 16.2 16.7 16.0 16.2
高等専門学校及びそれ以上 6.7 7.3 8.2 9.3 5.1 5.2

(四)技能研修の受講経験割合が向上
 技能研修の受講経験がある農民工は34.8%で、前年比2.1%増であった。そのうち、
農業以外の職業技能研修の受講経験は32%で、前年比1.1%増、農業技能研修の受講
経験は9.5%で、前年比0.2%増、農業及び農業以外の職業技能研修参加経験は6.8%で、
前年比0.4%増であった。性別別では、男性農民工の農業及び農業以外の職業技能研
修の受講経験は36.4%、女性は31.4%であった。年齢別では、各年齢の農民工とも研
修受講割合は向上している。

表4 技能研修受講経験のある農民工の割合(単位:%)
 農業技能研修 農業以外の職業技能研修 技能研修
 2013年 2014年 2013年 2014年 2013年 2014年
合計 9.3 9.5 29.9 32.0 32.7 34.8
20歳以下 5.0 6.0 29.9 31.4 31.0 32.6
21―30歳 5.5 6.0 34.6 37.0 35.9 38.3
31―40歳 9.1 8.8 31.8 34.0 34.1 36.1
41―50歳 12.7 12.6 27.8 29.9 32.1 33.7
50歳以上 12.4 12.7 21.2 24.0 25.9 28.8

三、農民工の流動分布
(一)西部地域の受け入れ能力は引き続き増大
 全農民工のうち、東部地域で働く農民工は1万6425万人で、前年比251万人増、
1.6%増、中部地域で働く農民工は5793万人で、前年比93万人増、1.6%増、西部地域
で働く農民工は5105万人で、前年比154万人増、3.1%増であった。西部地域で働く
農民工の増加の伸びは高いが、主に近接地域からの移転が加速していることによる。
西部地域の地元農民工は前年比4.1%増であった。

(二)省をまたいで流動する農民工の割合が上昇
 外出農民工のうち、省をまたいで流動する農民工は7867万人[7739万人]で、前年
比129万人増、1.7%増で、外出農民工全体の46.8%[46.6%](前年比0.2%増)を占め
た。地域別では、東部地域の外出農民工の18.3%(前年比0.5%増)は省をまたいで
流動し、中部地域の外出農民工の62.8%(前年比0.3%増)は省をまたいで流動し、
西部地域の外出農民工の53.9%(前年比0.2%減)は省をまたいで流動していた。

表5 2014年外出農民工の地域分布及び構成
 外出農民工総数(万人) 構成(%)
 外出農民工 省をまたぐ流動 省内流動 外出農民工 省をまたぐ流動 省内流動
合計 16821 7867 8954 100.0 46.8 53.2
東部地域 5001 916 4085 100.0 18.3 81.7
中部地域 6467 4064 2403 100.0 62.8 37.2
西部地域 5353 2887 2466 100.0 53.9 46.1

(三)地レベル以上都市に流入する農民工の割合は引き続き上昇
 外出農民工のうち、地レベル以上都市に流入する農民工は1万885万人、64.7%
(前年比0.8%増)を占めた。そのうち、直轄市への流入は8.1%で、前年比0.4%減、
省都への流入は22.4%で、前年比0.4%増、地レベル市流入は34.2%で、前年比0.8%増
であった。省をまたいで流動する農民工の77%(前年比0.4%増)は地レベル以上の
大都市に流入し、省内で流動する農民工の53.9%(前年比1%増)は地レベル以上の
大都市に流入した。

表6 2014年外出農民工流動地域分布及び構成
 合計 直轄市 省都 省都 地級市 小都市(小城鎮) その他
外出農民工総数(万人) 16821 1359 3774 5752 5864 72
内訳:省をまたぐ流動 7867 1107 1783 3163 1742 72
   省内、郷外流動 8954 252 1991 2589 4122 0
外出農民工構成(%) 100.0 8.1 22.4 34.2 34.9 0.4
内訳:省をまたぐ流動 100.0 14.1 22.7 40.2 22.1 0.9
   省内、郷外流動 100.0 2.8 22.2 28.9 46.1 0.0

注釈:
1.農民工監測調査概要
 中国の全国農民工規模、流れ、分布、就業、収支、生活、社会保障等状況を正確
に反映するため、国家統計局は2008年、農民監測調査制度を創設し、農民工輸出地
でモニタリング調査を展開している。調査範囲は、全国31省区市の農村地域、1527
調査県区の8930村、23.5万人の農村労働力を抽出し、調査サンプルとしている。イ
ンタビュー調査で、四半期ごとに調査を行った。

2.主要指標解説
農民工:戸籍が農村にあり、地元で非農業に従事しているか、外出就業が6カ月以
上の労働者。
地元農民工:戸籍がある郷鎮地域内で就業している農民工。
外出農民工:戸籍がある郷鎮地域外で就業している農民工。
一家全員出稼ぎ:農村労働力及び家族がもともとの居住地から離れ、郷鎮地域外の
地域に居住すること。
東部地域:北京、天津、河北、遼寧、上海、江蘇、浙江、福建、山東、広東、海南
の11省市。
中部地域:山西、吉林、黒龍江、安徽、江西、河南、湖北、湖南の8省。
西部地域:内モンゴル、広西、重慶、四川、貴州、雲南、チベット、陝西、甘粛、
青海、寧夏、新疆の12省区市。
(次号に続く)
(編集部注:[ ]は、昨年《中国最新情報》で掲載した数値。No.605(2014年5
月27日)、No.606(2014年6月10日))
〔国家統計局2015年4月29日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●第13次五カ年計画 中国人1人当たりGDPは1万ドルを超える
 先日、国家発展改革委員会経済研究所プロジェクトチームが発表した「第13次五
カ年計画時期における我が国の発展環境、発展趨勢及び戦略方針研究」中間成果
(以下「研究」)によると、第13次五カ年計画期間における中国経済の平均成長率
は7%前後で、物価水準は2.4―4.6%を維持、工業化の中後期に入り、2020年の国民
収入は1万米ドルに達すると見込まれる。
 以下、国家発展改革委員会経済研究所による「研究」の内容である。

〈経済は良好な勢いを維持 GDP成長率7%前後〉
 GDP成長率に触れる前に、潜在経済成長率を取り上げなければいけない。経済潜
在成長率は、一般的には、経済のある種の理想状態のときにおける産出である。経
済界では普遍的に、GDP成長率は往々にして潜在成長率曲線をもとに合理的に変動
すると考えている。
 「研究」の予測によると、第13次五カ年計画時期の中国経済の潜在成長率は平均
7.3%前後である。「研究」のリーダーで、国家発展改革委員会経済研究所の宋立所
長は、近年来、中国経済の実質成長は潜在成長に徐々に近づいていると指摘する。

 「研究」では、改革の果実、労働生産性向上、イノベーション加速、新型都市化
の発展継続、地域協調発展等の要素のプラスの影響を受け、第13次五カ年計画時期
から2025年前後まで、中国は依然として重要は発展戦略のチャンスの時期にあり、
比較的良好な発展の勢いを継続し、最後の高度成長時期に入ると見ている。

 第13次五カ年計画時期において、中国は世界一の経済大国になり、総合国力で米
国との格差はどんどん縮小する。
 各指標から見ると、この時期、中国の経済社会の発展水準は、ほぼ米国の1940―
1950年代の発展水準と似ている。1人当たりGDPでは、第13次五カ年計画末の中国は
大体アメリカの1950年代初頭の水準にある。

〈CPI増加の伸びは前半は低く後半は高い、2.4―4.6%を維持〉
 第13次五カ年計画時期において、国内外の環境条件がもろもろの転換点に直面す
るという状況下で、大口商品の国際市場の価格が緩やかに上昇し、供給面での労働
力コストが持続的に上昇し、このような影響で価格水準が下がることになる。
 「研究」では、この判断に基づき、第13次五カ年計画時期の物価の全体水準の展
望を前半は低く後半は高いという可能性が比較的高く、展望水準は2.4―4.6%を維
持するとした。

 「研究」では、人的資本の利用の効率化を通じて、労働力コストの上昇による物
価の押し上げ作用を緩和すること、エネルギー資源輸出ルートを開拓し、輸入要因
の物価押し上げ作用を緩和すること、また、技術イノベーション及び科学技術の成
果の産業化を強化し、全要素生産率の向上により、コスト上昇による消費者物価へ
の波及を緩和し、物価変動要因分析を基盤として、的確な価格調整政策の実施を継
続し、政策有効性を向上させ、中長期的な物価の安定の促進を提案している。

〈経済構造調整が加速 工業化が中後期に入る〉
 「研究」では、労働の需給関係及びその他の資源の初期比較優位性の変化に従っ
て、中国経済の成長率が低下すると同時に、構造調整も加速するとしている。

 発展段階では、工業化の段階は中期から後期に向かっている。加工度の高い産業
の割合が上昇傾向で、第三次産業の割合が徐々に増加し、要素投入は主に数の拡張
依存から質の上昇へと転換し、投資率が徐々に減少、消費率が徐々に上昇し、この
ことによって要素、産業、需給構造の最適化調整の加速を引き起こす。

 労働力の需給関係の変化と資源供給状況との変化に従って、生産要素の組み合わ
せや供給構造が変化し、第13次五カ年計画時期の経済構造調整が必然的な傾向になる。
 「研究」では、2020年までで、要素集約度分類に照らし、中国の労働集約型、資
本集約型、技術集約型産業のシェアはそれぞれ現在の20%、70%、10%から、15%、65%、
20%の水準に調整されると予測している。

 そのほか、中国の産業構造調整は今後5―8年でさらに加速し、特に産業構造は徐
々に調整変化する。第二次産業の割合は安定的に徐々に縮小傾向で、第三次産業の
割合が安定的に拡大する。
 同時に、労働集約型産業の海外移転は、中国のこれまでの熟練工による製造から、
設計製造への変化を促進、すなわち「中国製造」から「中国創造」へと転換する。

〈国民収入は高水準へ 1人当たりGDPは1万元超えも〉
 「研究」は、第13次五カ年計画時期の中国は高収入の富裕型の発展段階に向かう
と指摘する。
 1人当たり国民総収入では、世界の中等収入水準から高収入水準の過渡期段階に
ある。人口割合では、2020年までに、5分の2前後の人口が高収入段階に入る。米国
とのキャッチアップ指数(購買力平価に基づいて計算された1人当たりGDP)では、
2020年までに、中国の1人当たりGDPは米国の3分の1に達する可能性がある。
 都市、農村住民の所得構造では、都市、農村住民のエンゲル係数が引き続き減少
し、徐々に同一傾向となり、国際的に公認された富裕型消費構造に属することにな
る。中でも都市住民世帯のエンゲル係数は30%前後に達し、さらに富裕消費構造に
属することになる。
 2020年、中国の1人当たりGDPは1万米ドル以上となることが予想され、中等発展
途上国1人当たりGDP水準にひとまず到達し、さらに高水準な小康社会という総目標
を実現する。
〔中国経済網2015年5月28日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●人口・就業統計司の馮乃林司長が2014年平均賃金データを解説
 国家統計局が発表した2014年平均賃金主要データによると、全国都市非私営単位
就業人員の年平均賃金は5万6339元で、前年同期比名目成長は9.4%、物価要素を除
いた実質成長は7.1%であった。
 全国都市私営単位就業人員の年平均賃金は3万6390元で、前年同期比名目成長は
11.3%、物価要素を除いた実質成長は9.0%であった。

 2014年、中国国民経済は「新常態」の中で平穏な運営を維持し、当年の全国19地
域では最低賃金標準が引き上げられ、その平均引き上げ幅は14.1%であった。
 23地域では賃金指導ラインを制定し、賃金は基準線より通常12.4%前後増加した。
これらの政策措置は賃金水準の増加継続の基礎を築いた。

一、2014年都市単位就業人員の賃金水準の特徴
 第一に、就業人員の賃金水準は安定的に成長し、増加の伸びは継続的に減少して
いる。
 2014年、都市非私営単位、都市私営単位就業人員の年平均賃金水準は前年比でそ
れぞれ4856元増、3684元増であった。経済成長速度の鈍化等の要素の影響を受け、
都市非私営単位、都市私営単位の年平均賃金の名目成長の伸びはそれぞれ前年比
0.7%減、2.5%減であった。

 第二に、私営単位平均賃金の増加の伸びは非私営単位を上回り、両者の絶対格差
は拡大しているが、相対的格差は縮小しているところもある。
 2014年、都市非私営単位は私営単位就業人員より平均賃金は1万9949元高く、そ
の格差は前年比1172元増であった。2014年、私営単位就業人員の年平均賃金は非私
営単位人員の65%で、前年比1%増であった。

 第三に、東北地域の平均賃金の増加の伸びの鈍化がはっきりしている。
 都市非私営単位就業人員の平均賃金の増加の伸びは、高いところから低い順にそ
れぞれ、東部、中部、西部、東北であった。私営単位平均賃金の増加の伸びは、中
部、東部、西部、東北である。
 東北地域の非私営単位、私営単位の平均賃金の増加の伸びは他の地域よりも明ら
かに低く、それぞれ最も高い地域の増加の伸びよりも2.6%、4.9%低い。

 第四に、産業間平均賃金格差が依然としてはっきりしている。
 2014年、都市非私営単位では初めて2産業で就業人員の年平均賃金が10万元を突
破したが、それは金融業、ICTサービス業で、平均賃金は10万8273元、10万797元で
あった。
 2014年、都市非私営単位、都市私営単位の最高及び最低の産業の平均賃金は7万
9917元、2万4182元、前年は7万3833元、1万9415元であった。

二、一定規模以上の企業におけるポスト別の賃金水準の特徴
 第一に、中間層以上の管理人員の格差が最大で、生産、運輸設備操作及び関連人
員の格差が最小であった。
 東部地域の中間層以上の管理人員の平均賃金は中部地域の1.59倍、外商投資企業
では集体企業の2.88倍、ICTサービス業ではホテル飲食業の2.94倍であった。
 一方、生産、運輸設備操作人員及び関連人員の平均賃金は地域、登記、産業間で
の格差が小さいところが多く、それぞれ1.14倍、1.56倍、2.13倍であった。

 第二に、リース・ビジネスサービス業企業の最高と最低ポストの賃金格差は最大
で、建設業企業の格差は最小であった。
 リース・ビジネスサービス業企業の最高のポストの賃金は最低のポストの5.04倍、
2位の文化、スポーツ・娯楽業では3.96倍、3位のICTサービス業では3.81倍であった。
 ポストの賃金格差が3倍以上の産業はさらに、科学研究・技術サービス業、不動
産業の2産業で、賃金格差はそれぞれ3.75倍、3.24倍であった。その他の産業の最
高と最低のポストの賃金格差は3倍以下で、格差が最小の建設業は2.22倍であった。

三、平均賃金データは個人賃金水準の限界を反映
 国家統計局が発表した各種平均賃金データがあらわしたものは、全国あるいは単
位、産業の平均水準である。賃金分布のゆがみは典型的なもので、ごく少数の賃金
水準は高目で、大多数の賃金水準は低目であるため、平均賃金も低目に出る。
 都市非私営単位を例にとると、全国平均賃金水準を上回る10産業の就業人員は都
市非私営就業人員の3分の1を占める一方、残りの3分の2の9産業の平均賃金は全国
平均水準を下回っている。
 例えば、製造業や建設業の就業人員は都市非私営単位就業人員の45%を占める一
方、2産業の年平均賃金は全国平均水準よりそれぞれ4970元、1万535元低い。

 目下展開するポスト別賃金統計は、国家統計局の聯網直報システムの一定規模以
上の企業、2014年の16産業91万社のもので、一定規模以下の企業及び事業単位、農
林牧畜漁業、金融業、公共管理・社会保障と社会組織の3産業は含まれない。1社単
位で考えれば、ポスト間での賃金格差はさらに大きい可能性がある。
 前文に記述したとおり、似通ったポストであっても、平均賃金は地域、登記、産
業間で一定の格差がある。
 したがって、個人個人では、賃金水準や増加の伸びは所属する単位の産業、地域、
性質によって異なる。
〔国家統計局2015年5月27日〕

●中国最低賃金伸び幅がGDP成長率を上回る
 中国人力資源社会保障部は、28日に公表した統計声明にて、2014年、中国19地区
全体で最低賃金標準が調整され、その平均伸び幅が14.1%だとした。
 そのうち、一月の最低賃金標準最高値は上海市の1820元で、1時間当たりの最低
賃金は上海の17元が最高値だった。
 第12次五カ年計画によれば、中国は2015年までに最低賃金を倍以上にすることを
計画しており、それは年平均13%の成長ということになる。この目標は順調に達成
されることが予想される。

 中国の規定では、最低賃金標準は2年に最低1度は調整されることになっている。
調整には多方面の要素を考慮せねばならず、それは、労働者及びその扶養家族の最
低生活費用、CPI、平均賃金、経済発展レベル等が含まれる。
 中国人力資源社会保障部によると、2013年、27省で最低賃金標準が調整され、平
均伸び幅は17%となった。2012年、25省で調整され、伸び幅は20.2%となった。2011
年、25省で調整され、伸び幅は22%となった。

 「最低賃金標準の伸び幅は少し緩やかになったが、物価要素を差し引けば、依然
としてGDP伸び幅に勝っており、高成長を維持していると言える」。中央党校の周
天勇教授は、最低賃金標準の伸び幅は労働生産率の伸び幅、第12次五カ年計画の目
標を上回るものだ述べた。
 「過去20%以上だった最低賃金の伸び幅を持続させることは不可能だ」中国労働
学会副会長で報酬専門委員会会長の蘇海南氏によると、近年GDP伸び幅は緩やかに
なり、物価水準も若干下落ぎみで、最低賃金の伸び幅もある種正常な状態に引き下
げられているという。

 中国社会科学院世界社会保障研究センターの鄭秉文主任は、最低賃金標準が最も
直接的に影響を与えるのは低収入層であり、最低賃金標準の上昇はこの低収入層の
収入に即効性があると見ている。
 高成長を維持するのは最低賃金だけではない――統計公報によれば、2014年、中
国都市部非私営単位就業人員の平均賃金は5万6339元で、2013年の5万1483元と比較
すると4856元増、つまり9.4%の伸びとなった。2013年は平均賃金は4705元増で10.1%
増、2012年は4970元増で11.9%増、2011年は5305元増で14.3%増であった。

 中国人民大学社会保障研究センターの鄭功成主任によれば、過去長らく、中国の
賃金の伸び幅はGDP成長に比べ緩慢で、労働者報酬の第一次所得分配に占める割合
が減少したが、ここ数年の成長は、その割合は復調してきている。
 「中国の労働力数が依然として供給過剰であっても、際限なく供給してきた時代
は既に過去の歴史となった、「求人難」「募集難」現象がそれを最も的確に体現し
ている」鄭功成主任はこう分析し「新世代の労働者が受ける教育水準は引き続き上
昇を続け、就業の平等や正当な報酬などの追求も引き続き高まっていくだろう」と
した。

 鄭秉文主任も、毎年農民が故郷に戻って年越しを行うこの時期が中国独自の賃金
駆け引きのときとなり、その年の労働力価格は基本的にこの時期に決定されると指
摘する。
 「国家の発展プロセスから見ると、我々はいつもいつも労働者報酬が低水準であ
ることをよしとすることはできない。そして、低賃金コストによる競争優位から、
高資質な労働者とそれに見合った給与水準へと転換していかなければならない。産
業の高度化、中核となる競争力の絶え間ない強化が我々の追求する目標となる」
(鄭功成主任)

 蘇海南氏は、賃金水準の伸び幅が労働生産率伸び幅の水準を超えないようにする
だけで、持続的成長になると見ている。
 「実際、所得分配の第一次分配構造にはまだ調整の余地があり、税負担の軽減や
資本収益の適度な調節といったことは全て実行可能なことだ」鄭功成主任は、上述
の手段により、人的コストの上昇が企業に与える影響はかなりの程度減らせると考
えている。

 鄭功成主任は同時に、賃金の伸びが生産経営コストに影響を与えるとしても、消
費成長をもたらし、国民経済の持続的発展のエンジンとなると指摘する。
 「正常な労働報酬の増加は、必ず良性の経済発展をもたらし、良性の経済発展は
また必ず正常な労働者報酬増加をもたらす条件となる」〔新華網2015年5月28日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行6月8日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     4.9085  612.05    78.95  681.14
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――20》
 前号で書いたように、1元=20円だとすると、目下のところは、非私営単位、公的
部門の年収は5万6339元=112万6780円、私営単位、民間部門では3万6390元=72万
7800円です。もはや若い台湾人より給料をもらっている人も多そうです。
 中国の人件費は5年で2倍になったという新聞報道も見ます。さらに、今後5年間、
第13次五カ年計画で所得倍増を打ち出した場合、それは日本のPB黒字化プランより
かは相当現実味をもって実現されそうな気がするわけですが、こういう急激な変化
に従業員を支える組織がもつのかなと思います。新常態で何とかできるのでしょう
か。(ま)
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 楊桃 村瀬明美
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