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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.766 2021年11月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国青少年が直面するストレス緩和策】
●中国の青少年の抑うつ症検出率は24.6%
●新たな婚姻形式が江蘇・浙江エリアで出現 両頭婚

┏【李年古の日中異文化交流術】
●文章でコミュニケーションを深めるコツ 1
◆成功の裏に相手を憎むほどのストレスが噴火寸前

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……【特集:中国青少年が直面するストレス緩和策】………………………………
●中国の青少年の抑うつ症検出率は24.6%
 人民日報によると、中国の青少年の抑うつ症検出率は学年が上がるにつれて増加
する傾向を示しており、一部の子供たちは長期的に感情が低迷状態にある。

 首都医科大学付属北京安定医院の精神科医兼小児科医である陳旭氏は、臨床経験
から、児童及び青少年が精神科医院に来て診察を受けるとき、約3分の1は自分で、
約3分の1は親に、約3分の1は学校の先生に連れられてくることを明らかにした。
 現在、一部の子供は、診察を受ける前に自分でインターネットで探して自己診断
を行っている。これらの子供たちは自分のメンタルヘルスに不安を感じ、自己診断
することで自分が医者の助けを必要とするような問題を抱えているかどうかを知ろ
うとしている。このような状況は比較的一般的である。

 「抑うつ症障害は治療しやすく、また治療しにくい」と陳旭氏は指摘する。
 抑うつ症障害の患者は標準化された診療が必要で、現在の治療の有効率は精神疾
患の中でも比較的よい方だが、同時にまた、繰り返しやすいために治療しにくい。
 約70%から80%の子供の抑うつ症は成人期に再発するため、どのようにモニタリン
グして事前に警告し、早期の評価と介入を行うか、再発を予防することも重要な問
題である。

 首都医科大学付属北京安定医院の精神科医兼小児科医である何凡氏は、現在幾ら
かの青少年はインターネットを利用して抑うつ症の感情を表現しているが、このよ
うな現象がはやってしまったことで、「網抑雲」(音楽配信サイトで悲しい曲を聞
いてコメント欄にネガティブな書き込みをする)というネットスラングができたほ
どだと述べた。
 客観的には、このような抑うつ症の感情を適切に表現できるようにする必要があ
る。インターネットは実名のない表現の一種であるため、表現すると幾らかすっき
りする。これは運動が時に感情を和ませるのと同じように、感情を緩和する方法の
一つでもある。

 精神疾患について話すとき、「病気を恥じる感情」と「病気を認識する感情」の
議論はしばしば避けられないトピックである。
 何凡氏は、3分の1の自分で治療を求めに来た子供や青少年の病気を恥じる感情は
非常に低く、彼らの助けを求める欲求は一部の大人よりも更に強い。そして、自分
で医者を求めに来た子供の一部は、薬物療法、精神療法、併用療法のいずれであっ
ても、治療を受けた後の効果も非常によいと語った。

 医者が診察を受ける過程で、父母は子供が医者にかかることに納得できていない
と気づくこともあると何凡氏は述べる。
 「父母は、我が子は何も問題はないじゃないかと、学校に行くのも問題がなく、
クラスメートとつき合うのもうまくて、時には大声で笑ったり、モバイルゲームを
したりしている。実際、子供の学業成績に大きな影響はなく、社会的にも大きな影
響はないため、親や一部の教師は納得できないようだ」
〔成都商報電子版2021年10月11日〕

●新たな婚姻形式が江蘇・浙江エリアで出現 両頭婚
 「両頭婚」が中国に出現したのは偶然ではなく、新たな社会生活、経済の各方面
が変化した環境下での産物であり、合理的であるかどうかについて結論を急いでは
ならない。新生事物の出現は、時としてそれが合理的に必要とされる一面がある。

 「両頭婚」は中国の江蘇、浙江一帯に出現した一種の新たな婚姻現象である。メ
ディアで報道されたことでやっと「両頭婚」の話題が人々に知られ、この種の現象
について賛成する人もいれば、「婚姻法」の提唱する精神に適合しないと反対する
人もいる。

 両頭婚とは何か。簡単に言うと、正常な婚姻形式には該当せず、この種の婚姻に
おいて、男女にはいずれも嫁ぐ・娶るといった意思と行為がない。男女は結婚登記
をするが、男性側は娶らず、女性側は嫁がず、双方の戸籍は変更されない。結婚時、
男女は各自新しい部屋の内装をし、結婚後は二つの家庭に交代で住む。
 子供の問題について、子供を2人産んだ場合、父母の姓を継ぎ、双方は双方の父
母を扶養する義務があり、双方とも財産を継承することができる。つまり、男女の
双方が単独で一つの家庭を再編しないことを除き、その他については何ら変化がな
いと言える。

 「両頭婚」を語る場合、社会の現実と合わせて語る必要がある。
 現在、中国は既に高齢化社会に入っており、特に老人介護の負担はより大きくな
っており、2人の一人っ子が双方の家庭の8人の老人に対峙することになる。現在で
もこれは現実的ではない。
 一人っ子政策から2人、3人へと緩和されているものの、子供の養育コストは家庭
の経済負担を増加させる可能性があり、多くの若者が子供を産むことを望まない状
況を招いている。

 「両頭婚」の長所の一つは、双方の家庭の老人の面倒を見るのに有利なことである。
 男女双方が定期的に双方の家に住み、生活することにより、双方の独居老人現象
を改善し、老人の病気の世話も可能となる。

 また、2子、3子目の子供の世話の問題も緩和される。
 子どもがふえると、若者は間違いなく一人で面倒を見ることはできないが、「両
頭婚」後、子供は双方の父母により養育のサポートを受けることができるようにな
り、若い父母を安心させることができる。

 三つ目は、双方の経済的負担を緩和することができることである。
 両頭婚の「来ない行かない」、「入らない出ない」、「嫁がない娶らない」、
「両家の協力」モデルは、一定程度双方の結婚の経済的負担を緩和し、子供の教育
支出、住居支出、老人の介護支出方面の巨大な負担を緩和することができる。

 四つ目は、双方の家庭の不必要な対立の発生と処理を避けることができることで
ある。
 双方は各自の家の中で生活し、よくわかっている人、なれた環境であり、結婚前
と特に変化はなく、各自の自由な空間は大きく、相対的に一緒に居ると発生しやす
い対立と摩擦を減らすことができる。

 両頭婚の最大の課題は2つある。
 一つは、伝統的な意義での結婚後の「家庭」を打ち破っていることである。中国
人は最も家に対する感情を重んじる。結婚したら一つの完全な家庭を持つべきであ
り、子供は父母の愛情の下で楽しく成長すべきものである。しかし、両頭婚形式は
この種の家庭概念を薄れさせることになる。

 二つ目は、双方の父母が子供のために離れられない温室を提供し、子供たちの父
母への依存度が高まることである。両頭婚は若者の「親のすねかじり」や「わなに
陥れる」ことを奨励するものであると形容する人もいる。
〔百度2021年9月27日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●文章でコミュニケーションを深めるコツ 1
◆成功の裏に相手を憎むほどのストレスが噴火寸前
 「黔驢技窮」(自分の技量を出し切っているのに、全く勝てず恥をかくこと)。
 ある大手製造企業の一室で、僕はそのお客さんを目の前にして、自分の置かれた
状況がこの故事成語にぴったり当てはまると感じていた。

 この企業の子会社は、1年ほど前から事務関連の仕事を中国・大連の現地会社に
アウトソーシングしており、日中双方の社員は面識がないまま、毎日のようにメー
ルや電話だけでやり取りをしていた。業務トラブルが起きると、電話会議か、日本
から人を派遣してその解決に当たってきた。
 子会社の社長から、頻繁な現地出張でコストが余分にかかるという苦情を聴いた
僕は、問題を未然に防ぐため、日中異文化コミュニケーション研修の実施を提案し
てみた。しかし、向かい側に座るその社長は微動だにせず断った。
 「確かに手をやくトラブルが続発してきたが、中国側がこちらの要請に合わせて
くれて実績も上がっているから、研修は必要ない」と言った。

 結局、本社教育担当者の粘り強い交渉で、まず僕が日中双方の関係者に提携関係
の現状について満足度をヒアリング調査してから、研修実施の有無を決めることに
した。
 果たして1カ月の調査を経て、僕は再びその社長と対面した。僕から渡された現
地調査レポートをぱらぱらと眺めながら、彼の顔は少しずつゆがんできた。日中双
方とも、相手に爆弾を投下するかのような不満が噴出していたからだ。特に中国人
側が「仕事でこんなにひどい目を遭わなければならない理由がどうしても理解でき
ない」と憤慨しているコメントが散見された。
 「ショックだったが、これが双方の本音だ」と彼はつぶやいた。実績やデータと
いう輝かしい成功物語の裏には、敗戦軍のような無残な姿が映し出されていた。

 このような結果を受け入れるには勇気が必要だが、この社長は120%態度を転換さ
せ、直ちに研修実施も含め、双方の誤解を解くための対策を打ち出すという固い決
意を見せてくれた。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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