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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.730 2020年2月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:ブランドの若年化シフト 価値を満たす消費への変化】
●70後は貯金、80後は返済、90後は消費 その2

┏【李年古の日中異文化交流術】
●2020年春節に帰省した際の見聞 下

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……【特集:ブランドの若年化シフト 価値を満たす消費への変化】……………
●70後は貯金、80後は返済、90後は消費 その2
(前号より続く)
二、WHAT:製品の若年齢化の解釈
2. 若者の15種類の消費心理構造

1) まず生活、次に夢
 今日の若者は、所有することではなく、使用する過程に関心がある。
 90後と95後は、基本的にApple Watchを使用したことがない。
 彼らの生活ぶりはとても現実的だ。合理性においては我々よりも合理的で、感
受性においても我々よりも強い。しかし、彼らの合理性と感受性の範囲を動かす
のは我々が提供するものによってである。彼らは彼らに付加価値をもたらす商品
についていきたいと願っている。
 流行を追う多くの若者はアンドロイド系列の製品を購入し始めている。これら
のブランドの若者化がますますよくなり、品質感もますますよくなっているから
だ。最高の価値を追求するという若者の心理も満足させている。
 その時その場で若者は特にお金を使うが、一つの前提として、彼らに価値を感
じさせなければならない。

2) 憧れの生活の象徴から日常生活の風景の中へ
 幾つかの製品は究極の品質を追求するが、実用的な価値は全くない。若者はそ
のような製品は買わない。もちろん、自分のアイデンティティーを高めることが
できれば、大丈夫だ。しかし、単に新鮮さではいけない。

3) 買う生活から生み出す生活へ
 若者は自分の生活を把握したがっている。掌握しコントロールする要求はます
ます高まり、所有する要求はますます低くなっている。
 例えば、リフォーム業界の新しい概念は、簡単なリフォーム、しっかりした装
飾である。
 以前は、専門のデザイナーを探してリフォームしなければならなかったが、現
在は、多くの若者が、自分で学び自分でデザインすることを面倒くさがらない。
つまりは、掌握しコントロールする権利を持ちたいのだ。
 例えば、イケアは、製品フローと消費フローを誘導し、消費者にさまざまな組
み合わせを提供している。消費者自身に組み立てさせることで、彼らに掌握しコ
ントロールさせ、購買意欲を引き出している。このようにして、他の製品の消費
をよりよく促進している。

4) 消費専属から、年齢や階層を超えた双方向の楽しみへ
 70後及び80後は、贅沢品の消費は、自身の経済力が負担できるようになり、ま
た自分のステータスを識別するようになったことを感じてから購入していた。つ
まり、月収が5万に達して初めて1万元のバッグを購入する。これがこの世代の消
費方法である。
 しかし、90後の月収は1万にすぎず、彼らは1万元のバッグを購入するのに2カ
月貯蓄する必要がある。しかも、必ずしも伝統的なブランドではなく、彼らが認
めるブランドを購入するのである。

5) 多様な選択肢から小さくて美しい選択へ
 以前は、物を購入するのに一連の判断プロセスがあり、プロセスの5つのポイ
ントを満たせば購入していた。現在は、一つの物を選択するのに、そのうちの一
つのコアポイントを満たすだけで十分である。
 現在の若者は、小さくて美しい勘定を望んでおり、それも一種の自己満足である。
 本質的な理由は、利用者のニーズが極度に分散していることだ。そしてブラン
ドが影響を受けるターゲットでさえ、消費の変化を形成できない。
 最大の苦痛は、基本的にブランドは、評価は高いが売れないことだ。ブランド
が絶えずもたらす「高くて感情と接点のない」という風格をエモーショナルなも
のに変えることが利用者を獲得する最良の方法である。

6) 大きなコミュニティーから小さなサークルへ
 覚えておくべきは、あなたの大きな市場を定義しないことだ。この世界と時代
には本当に大きな市場の製品はなく、正真正銘のよい製品ならば、小さな市場は
大きな市場にも影響する。
 大きな市場を探している「すごい人々」は母体となる市場を探している。衣料
品業界ならば、探しているのは衣料品の大きな市場である。しかし、明らかなの
は、この母体市場で同時にニッチ感を出せれば、勝つチャンスがあることだ。
 したがって、いわゆる大衆市場は、実際には製品を大衆化することではない。
消費習慣が大衆化した製品のうち非常にニッチ化したものを選択することで、同
一の特徴を持つ製品類に固定するができ、このサークルの話題を急速に分裂変化
させることができる。

7) オンラインの帰属意識をオフラインの親密さへ
 仮想感覚は私たちの心理的要求だが、実際の着地能力と実際を把握する能力と
訴求点では、若者は私たちをはるかに超えているというのが今後のトレンドである。
 皆オンライン上の体験とオフラインの究極の情景という両方をつかんでいる、
これらは両方とも非常に重要である。もしあなたがオンラインのみでしかないな
ら、片方の足でオフラインを支える方法を見つけてほしい、それでビジネスの生
態系としての完全性を確保できる。
(次号に続く)
〔聯商網2019年12月30日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●2020年春節に帰省した際の見聞 下
(前号よりに続く)
〈25日(初一) 長沙での滞在〉
▽ニュースを受けての人々の様子
 午前中、お掃除のおばさんがやってきた。私がこのホテルにも武漢人が泊まっ
ているかどうかと尋ねると、「昨日から武漢の身分証を持つ人は入居不可能にな
っています。上級部門から既にそのような通知が入ってきたので」と教えてくれ、
さらに声を小さく抑えて、「ただし、数日前に武漢人が1人泊まっていたことが
わかったので、今はその階の全ての部屋を消毒して、誰も宿泊できないように厳
重管理しています」と打ち明けてくれた。
 新年のお祝いのつもりで、おばさんに100元を渡したが、彼女はまるでばい菌
を払うかのようにかたくなに断った。最後に、マスクを外して「謝謝」と一礼を
してくれた。これからの日々では、マスクを外して相手に礼を言うのは、中国人
の最大級のお礼をあらわす行動になるだろう、私はふと思った。

 午後、実家に行く。途中、乗っていたタクシーの運転手は、マスク姿で、しか
もすぐ窓を開けた。窓の裏側には「マスクをつけて下さい」というメッセージが
貼られている。「この時期で、身の安全に心配していますか?」と雑談をしたら、
「もちろんです。午前中に乗った数人は病院関連の人で、彼女らは、市内の湘雅
医院が武漢からの患者を受け入れる準備を始めたと教えてくれました」と答えた。
 実家の団地に入ろうとしたら、警備員はいきなり体温計を持ち出し、私の額に
当てた。ピリピリした空気から、この都市で一夜にして広がったことを実感できた。

▽家族だけでもこれだけの打撃
 夕食の話題も新型肺炎についてに集中していた。
 まず、民宿を5軒ほど経営している兄弟の子供は、3月まで満室の予約が入っ
ていたにもかかわらず、ここ数日で全てキャンセルになったと教えてくれた。
「春節期間は書き入れどきなのに、こんなひどい状況になるとは全く予想できな
かった」と。
 これに対し、兄弟は、「それは仕方ない。私の方がもっと悲惨だ。経営してい
る旅行会社は、顧客に予約金を返却しなければならない。しかも、旅行規定に決
めた範囲を超えるほど返金することになる。業界の上部がそのように指導をして
きたからさ」。
 さらに、兄弟の奥さんは、すぐにその話を遮断した。「私の方はもっとひどい
ですよ。春節を終えてすぐ開園したかった新しい保育所は、いつになったらスタ
ートできるかが全く予想がつかなくなった。しかも、昨日、別の幼稚園の保護者
からは、武漢出身の子を退園させてくれという願書を送ってきた。その子は2年
前に入園した子。武漢出身というだけでこんなひどい目に遭うなんて、理不尽な
ことですわ」。
 新年早々の夕食は、そんな最後の晩餐みたいな話題からスタートした。

〈26日(初二) 深センにて友人と〉
▽駅での出迎え
 午後早々出発する高鐵に乗り、深センへ向かった。普通ならば、春節の最中な
ので、駅にいる人影も少ないはずだったが、いつよりも倍ぐらいの乗客が見えた。
周辺を見渡す限りでは、マスクをつけていない人はほとんどいない。「これまで
はマスクをつけた人を避けてきたが、今はマスクをつけない人を避けている」と
いうネット上の書き込みを思い出していた。それまでは、マスクをつけた人とい
うのは香港のデモの参加者を指していたのだから、大陸の中国人が聞くとその意
味が酌み取れる。
 高鐵は満席の状況。3時間ほどを経て、深センに無事に着いた。友人の黄さん
とその子供が私たちを車で迎えに来てくれていた。スーツケースを車に載せよう
としたとき、友人の子供が待ったをかけ、自家製の消毒水をスーツケースにかけ
た。そして、私の体の隅々までスプレーしてから、やっと車を発車させた。
 黄さんのマンションのエレベーターに乗ると、友人の子供は、全ての階のボダ
ンにまずスプレーをかけてから行く先のボタンを指先で押した。地雷でも踏むか
のような真剣な顔だった。「金属に付着したウイルスは4時間ほど生きられるか
ら、特に要注意です」と説明してくれた。
 黄さんの子供も3日前に帰国したばかりだった。ウクライナの有名な大学を卒
業して、美術関連の修士課程を目指している。留学しながらファッション業界で
創業し、非常に有望なニュービジネスを手がけている。今回の帰国では、丸1カ
月滞在し、スケジュールをびっしり埋めていたが、ウクライナ空港に着いてから
新型肺炎の緊急事態を知り、全ての企画が空中分解となった。深センに着いてか
ら直ちにウクライナの友人に1万個のマスクを発注し、ウクライナ行きを1週間後
に繰り上げた。新型肺炎の実態がもし1日でも早く公表されていたら、このよう
な形で多くの中国人の日程を変えさせていただろう。

▽友人宅にて
 黄さんの家に入ると、食卓が10皿ほどの料理で埋め尽くされていた。私の心を
酔わせるような料理のにおいが部屋の狭い空間を充満させていた。実は、こんな
時期だから、誰も家から一歩も出たくない気持ちはわかっている。だから、高鐵
に乗り、黄さんから「駅に迎えに行く。夕食は家で一緒にどうか」という連絡が
入った時に、私は3回も強く断った。一回ずつ口調を強く答えたのに、黄さんも
それに合わせて、相談の余地を与えないような態度を見せた。
 実際に会ってから、黄さん一家がどれほど感染に神経質になっているかがわか
り、だからこそなおさら、私を迎え入れてくれたことに感動を覚えていた。高鐵
に乗り感染しているかもしれない人を迎え入れるリスクさえ度外視する、その理
由はただ一つ、こんな時期こそ、自分の友を温かく迎え入れるべきだと考えた、
実行したに違いないのだ。
 そして、これだけにとどまらず、食事が終わったら、用意していたマスクや消
毒水やミネラルウオーターや果物を私に持たせて、マンションまで送ってくれた。
こんな友人がいる限り、中国でどんなにひどいことが起きたとしても、心を強く
いることができるだろうと感じていた。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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《編集者コラム――コロナ情勢》
 新型コロナウイルス感染症の拡大における日本国内の状況とかいう話が、最近
はコロナ情勢とか省略されていたりして、日々どんどん言葉が短縮され、それが
わかるようになっているところですね。目下のコロナ情勢は収束(終息?)が見
えていない状況ではありますが、読者様もお元気にお過ごしください。個人的に
は、目下継続中の年度末の最繁忙期のことが不安です。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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