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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.615 2014年11月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:5,407名(2014年11月3日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国の社会状況の転換と人心の揺れ】
●8都市の社会信用水準が平均以上に復帰 北京、上海は低い
●転職報告 多くの中国人は1年半で転職を考える

┏【エネルギー】
●中国エネルギー資源埋蔵量大幅増 自給率90%以上に
●中国シェールガス 世界最大の埋蔵量も採掘は困難

┏【観光】
●黄金周 海外旅行は数倍増 国内旅行市場は転換期に

┏【経済データ】
●外国為替(11月3日)

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……【特集:中国の社会状況の転換と人心の揺れ】…………………………………
●8都市の社会信用水準が平均以上に復帰 北京、上海は低い
 8日に発表されたある報告によると、2013年、中国の8都市の公衆全体の社会信用
は「やや信用」レベルに達し、再び合格ラインに戻った。
 報告では、社会信用向上の原因は、政府イメージの上昇、社会欺瞞の減少、メデ
ィアの好変化の3要素があると見ている。

 10月8日、中国社会科学院社会学所及び社会科学文献出版社が共同で「社会意識
白書:中国社会意識研究報告(2014)」発表会を北京で開催した。
 社会信用は社会調和(和諧)の重要指標である。そして、社会信用は公衆の社会
全体、特に政府と社会組織機構に対する信用と賛同を反映したもので、社会安定の
程度、また一面では公衆の政府及び社会組織に対する協力度をも反映する。

 報告プロジェクトチームは2013年11月、北京、ハルビン、上海、鄭州、武漢、広
州、重慶、西安の8都市の公衆の社会信用状況について調査を行った。
 この8都市は中国の東部、中部、西部、東部の四大地域を網羅し、総人口は全国
のわずか7.73%であるが、GDPは15.09%、社会消費品小売総額は17.64%、大学生は
22.73%を占め、全国及び各地域の政治、経済、文化の中心であり、その信用状況は
中国の社会信用発展の縮図及び趨勢である。

 報告によると、中国社会は全面的な転換期に入っており、社会信用も転換をしつ
つある。
 今回の調査で、中国8大都市の公衆の2013年の社会全体の信用レベルは60.9ポイ
ント、前年比1.2ポイント増で「やや信用」レベルに達し、再び合格ライン以上に
戻った。

 信用レベルの程度別に見ると、肯定的な態度として「非常に信用」3.9%、「やや
信用」45.6%、「普通」41.6%で、8.9%の回答者は懐疑的な態度を示し「それほど信
用しない」「非常に信用しない」とした。

 社会全体の信用レベル上昇の直接的なあらわれは、「それほど信用しない」「非
常に信用しない」が減少したことにある。2011年調査に比べ、2013年の一部の市民
は社会信用に対するマイナスの判断を「普通」信用レベルまで戻した。

 地域別に見ると、広州を代表とする市場経済先進地域と、西安を代表する西部地
域では、社会信用状況は比較的よい。北京、上海を代表とする超大都市では、社会
信用状況はややよくない。ハルビン、武漢を代表とする東北、中部の転換地域では、
社会信用は比較的悪い。そのうち、武漢を代表とする大規模インフラで大きく転換
している地域では、社会信用が最も悪い。

 5大業界の信用水準が全面的に上昇し、信用の総水準が底上げされた。
 そのうち、商業業界の信用水準は依然最低であるが、2011年と比べ7.0ポイント
増は5大業界中トップとなった。次は、公共事業部門、社会団体、メディア、政府
部門であった。

 商業業界は依然最も信用を受けていない社会機構となった。
 今回の調査で、商業業界の社会信用の加重平均は56.2ポイントで「不信用」レベ
ルに属し、5大業界中最低だった。
 そして、商業業界中最も信用を受けないのは旅行業と広告業であった。本調査中、
この2業界の社会信用点はそれぞれ48.0ポイント、42.6ポイントで「高い不信用」
の範囲に属し、商業業界中では最後から2位、1位となった。

 注目すべき点としては、社会信用の向上は、政府イメージの向上、社会欺瞞の減
少、メディアの好変化の三大原因に起因することだ。

1) 政府イメージがよくなり、社会信用水準が高まった。
 政府信用と社会信用とは高い関連がある。調査では、全体の制度信用体系におい
て、政府信用の社会信用に対する貢献が最も高かった。中国共産党第十八次全国代
表大会(2012年)以来、政府業務方法の改善で政府の社会信用が上昇している。
 このほか、政府業務方法の変更は公務員のイメージを改善させている。調査のう
ち、回答者が公務員の代表的な存在とする裁判官、警察、官僚の職域信用ポイント
が、それぞれ社会信用全体のポイント水準を上回り、それが加点する役割を果たした。

2) 社会機構の欺瞞が明らかに減少した。
 今回の調査の社会機構の欺瞞として、広告、不動産開発企業あるいは仲介、食品
業界、薬品業界、政府業務従事者の汚職不作為、マーケットやスーパーの販売員、
公共メディアの報道、社会団体の8種類を調査した。8種類平均の欺瞞深刻度は53.6
ポイントで「深刻」な範囲に属すが、2011年よりも7.1ポイント減少した。

3) メディア報道におけるプラス情報とマイナス情報の偏りがまちまちで、受け手
の社会信用水準に影響を与えているが、メディアの好変化は社会信用の向上に寄与
している。
 近年来、中国伝統メディアが普通の人の職業生活に大きく誌面を割いて報道して
いることが、社会における積極的な影響をもたらしている。
 同時に、新しいメディアに対する監督や管理においては、デマや伝聞等の虚偽ニ
ュースを取り締まると同時に、言論を封殺せず、真の虚偽を顕在化させ、公衆の心
情を発信させることで、公衆の猜疑心を減らし、社会信用を改善させている。
〔中国新聞網2014年10月8日〕

●転職報告 多くの中国人は1年半で転職を考える
 世界最大級のビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービス、リンク
トイン(LinkedIn)は10月20日、「中国従業員転職報告」を発布し、中国の従業員
の転職頻度はアメリカを大きく上回り、大部分の人が1年半で転職の準備を行うと
発表した。

 中国の従業員の平均勤務期間は34カ月であり、アメリカの56カ月と比べると約2
年短い。また、この34カ月には転職チャンスを考え始め、最終的に解約を行う過程
が含まれる。つまり、中国の従業員がある企業で安定した仕事を行うのは1年半足
らずであり、それを過ぎるとすぐに転職の準備を開始するということになる。

 中国では、ビジネスサービス(弁護士事務所、会計士事務所、コンサルティング
会社等)、金融・保険及びインターネット会社での平均在職期間が最も短く、転職
回数は最高となっており、従業員の流動性が最も大きい3業界となっている。
 調査を受けた人の約88%が、チャンスがあれば転職を考えると回答している。

 前程無憂(51job)の首席人力資源専門家の馮麗娟氏は、次のように語る。
 「離職率の高低と年齢層は大きな関係がある。1960年、1970年代生まれの、家庭
が比較的安定している年代の転職リズムは割合に遅く、安全性への考慮が多く、受
動的な転職の例が多く見られる。
 一方、1990年代生まれは、仕事における興味、共感を追求し、友情と人間関係を
重視している。彼らにとって仕事とは楽しく行えるかということが最も重要であり、
楽しくなければやめてしまうというような状況が非常に容易に発生する」

 リンクトインの分析によると、中国の産業構造調整の早いことが、多くの企業の
時間と資源の調整を難しくし、企業は有効な内部人事体系の養成を捨て、より高い
ポジションや給与を提供することによって外部人材の吸引することになれている。
このことで、中国の従業員は往々にして我慢できず、頻繁に転職をすることになる。

 馮麗娟氏は次のように述べる。
 「年齢が若ければ若いほど、離職のコストは低くなり、離職率の上昇につなが
る」、「2013年の調査結果において、新卒の46%が、就職問題は父母が解決するも
のだと思っている。これは彼らの仕事に対する忠誠の度合いを低める原因となり、
仕事に対する長期的な思考を持つことを難しくさせている。また、卒業後も就職し
ない人たちの比率も増加中である」

 「以前重視されていた企業文化は、現在の1990年代生まれの従業員にとって大し
た影響力を持たなくなり、断片化した生活様式のもと、団体として物事を完成させ
ることを好まなくなっている。
 ただし、これは管理不能ということではなく、企業管理の要諦の一つとして、従
業員が会社のために努力することを奨励し、本人の要求と企業の要求を合体させ、
モチベーションポイントを見つけることができれば、どのような年代の従業員であ
っても、次第に忠誠度もアップするであろう」(馮麗娟氏)
〔東方早報2014年10月22日〕

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……【エネルギー】………………………………………………………………………
●中国エネルギー資源埋蔵量大幅増 自給率90%以上に
 中国国土資源部がこのほど発表した「中国鉱産資源報告(2014)」によれば、
2013年に新たに確認された石油の埋蔵量は10.83億トン、天然ガスは6159.11億立方
メートルに上り、大幅な増加を実現した。

 同報告は、中国が実施している「鉱産資源探査突破戦略行動」が高い成果を上げ
ていると指摘した。
 過去3年間で鉱産資源探査に投じられた資金は累計3500億元以上、このうちの8割
以上が民間資金によって賄われた。2013年新たに確認された大中規模の埋蔵地は451
カ所、その多くが主要鉱産物資源の埋蔵地であり、「戦略行動」の実施前に比べ、
45主要鉱産資源のうち、石炭(10.7%増)、天然ガス(22.8%増)、鉄鉱(9.8%増)、
銅鉱(13.3%増)、ボーキサイト(7.2%増)、金鉱(30.7%増)を初めとする37鉱産
物資源の埋蔵量が増加した。

 また、2013年中国における一次エネルギー生産量は前年比2.4%増の34.0億トン
(標準炭換算)、消費量は前年比3.7%増の37.5億トン(標準炭換算)に達し、エネ
ルギー自給率は前年比1.3%減の90.7%であった。中国は世界最大のエネルギー生産、
消費国である。

 中国のエネルギー構造は絶えず改善されており、天然ガス等のクリーンエネルギ
ーの比率が高まってきている。2013年のエネルギー生産の内訳は原炭75.6%、原油
8.9%、天然ガス4.6%、水力・原子力・風力発電10.9%。エネルギー消費の内訳は石
炭66.0%、石油18.4%、天然ガス5.8%、水力・原子力・風力発電9.8%。
〔中国財経報2014年10月22日〕

●中国シェールガス 世界最大の埋蔵量も採掘は困難
 米シンクタンク、世界エネルギー研究所(WRI)の最新の研究によって、中国の
シェールガスの埋蔵量が米国のほぼ2倍に相当する30兆立方メートル以上と世界最
大であることが明らかとなった。
 しかし、世界最大のシェールガス、世界第三のシェールオイル資源国でありなが
ら、水資源の不足によって、中国がそれらを採掘することは非常に困難となっている。

 エネルギー消費大国である中国にとって、シェールガスの埋蔵量が世界第一位と
いうのは間違いなく朗報である。
 国際エネルギー機関(IEA)は、2035年までに中国の天然ガス消費量は現在の5倍
にまで増加するとの見通しを示し、また、現時点における中国のエネルギー消費は
その7割を石炭が占めているが、石炭による発電への依存が深刻な大気汚染を招い
ていると指摘した。

 しかし、WRIは朗報をもたらすと同時に、中国に冷や水を浴びせた。いわく「中
国のシェールガス資源の5分の3以上が水資源の不足した地域に位置している」。
 シェールガスの採掘には水が必要不可欠である。シェールガスの主な採掘方法は、
百万リットル単位の水を砂粒状物質(プロパント)や化学薬品と共に坑井の注入し、
水圧によって岩盤を割り、シェールガスを取り出すというものである(水圧破砕
(ハイドロフラッキング)法)。
 持続可能な資源管理を研究するNGOとして、WRIは米国における値を示し、坑井掘
削には20―250万トン、水圧破砕(ハイドロフラッキング)には700―2300万トンも
の水が必要であると指摘した。

 採掘に使用した廃水の全てが永久に消失する訳ではない。坑井掘削と水圧破砕
(ハイドロフラッキング)の過程において、10分の1から4分の3の廃水が地表に流
れるが、これには有毒化学薬品が含まれている。採掘企業はこれらの廃水を回収し
再利用、あるいは排水タンクに入れたり、直接地表へと流したりする。もしも適切
な処理がなされなければ、現地の地下水を汚染し、水資源の供給にかかるリスクを
一層拡大させる恐れがある。
 WRIは「この問題に悩まされているのは中国ばかりではなく、シェールオイル、
ガス埋蔵地の多くが水資源の極めて乏しい地域に位置しているが、中国は中でもこ
の問題が深刻な国の一つである。」としている。

 中国南部の水資源は潤沢だが、シェールオイル、ガス埋蔵地は主に四川盆地やタ
リム盆地といった水資源の極めて不足している北部に集中しており、採掘には大き
な壁が立ちふさがっている。
 さらに悪いことに、埋蔵量の多い地域は全て人口の密集地であり、企業は採掘す
るに当たって、灌漑用水のみならず、工業用水や生活用水とも水源を奪い合わねば
ならない。
 処理が不適切であれば、シェールオイル、ガス資源の採掘は水不足と水質汚染の
二重の災難をもたらす。〔ウォールストリート見聞2014年9月4日〕

……【観光】………………………………………………………………………………
●黄金周 海外旅行は数倍増 国内旅行市場は転換期に
 「黄金周」制度が導入され15年目、国内旅行市場に初めて「停滞」状況が出現し
た。相対的に海外旅行は大いに盛り上がる様子が見られ、前年同期比の数倍となり、
国内旅行市場と異なる流れとなっている。

 10月1日から7日に全国で観測された124の観光地で合わせて延べ3169.2万人の旅
行客を受け入れ、前年同期比より3.8%増加し、入場料収入は16.04億元で、前年同
期比から2.43%減少した。

 各大手旅行会社のデータによれば、海外旅行は中国人旅行客の新たなトレンドと
なっている。
 旅行サイト「ロバママ」関連データによれば、各国の中国人旅行客に対するビザ
優遇政策などの要因によって、今年の海外旅行市場は非常に白熱し、前年同期と比
較し、予約数は3倍に増加した。

 「国家が旅行政策を進め、出国に便利なビザ免除やフライト数を増加させるなど
の朗報により、今年、中国人旅行客が国内から出て「黄金周」を過ごす意向は非常
に強かった。携程を通じた予約データから、海外旅行客数は国慶節旅行者総数の半
分を占め、最高記録を更新した」携程旅行網の関係責任者は語る。

 上海旅行部門のデータによれば、海外旅行、特に個人手配旅行者数は急速に伸び
ている。9月30日から10月6日の間に上海虹橋空港と浦東空港出入国検査場より出国
した総人数は延べ31.6万人に達し、前年同期比から16.8%増加した。

 銀聯国際が8日に発布した最新国外取引データによれば、中国人旅行客の海外
「ショッピング」能力は強大だ。香港市場を除き、銀聯カードは国外の取引金額と
取引件数はそれぞれ14%と55%増加し、高速成長を持続している。
 韓国、日本、タイは中国人旅行客の三大目的国である。銀聯国際のデータによれ
ば日本、韓国、台湾のカード決済の伸び幅は平均60%以上を保持している。
 同時に、中国人旅行客の出国目的地の選択肢はますます増加し、EU諸国周遊、ア
メリカ、オセアニアのディープな観光旅行等が幅広く支持を得ている。ギリシャ、
スリランカ、ニュージーランドなど新しい旅行目的地における銀聯カード取引量は
数倍の伸びとなった。

 注目に値するのは、中国人旅行客による海外旅行は団体旅行から個人手配旅行へ
と変化が見られ、純粋なショッピングから知性と余暇のトレンドへと回帰している
ことである。
 銀聯国際の統計では、長期休暇期間に海外で滞在・飲食、余暇娯楽といった種の
消費を行う銀聯カードの取引は急速にショッピングを上回り、特に東南アジア地区
では、銀聯カードの使用範囲は徐々に観光旅行業者から、スーパーやガソリンスタ
ンドなどに拡大している。〔第一財経日報2014年10月9日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行11月4日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     5.4474  615.25    79.33  766.96
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――手づくり》
 文化の日のあった週末は、ボランティアで文化祭イベントのブース企画と運営を
手作り感満載でやっていたら、えらくくたびれてしまいました。パソコンでいろい
ろ作成して印刷できる時代になったとはいえ、手づくりはやっぱり手間がかかり過
ぎました。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 楊桃 村瀬明美
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