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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.529 2011年3月29日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:6,004名(2011年3月28日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:東北太平洋沖地震の貿易への影響予測】
●日本の巨大地震の中国の輸入に及ぼす影響
●浙江省義烏 一部店舗で日本の地震の影響
●2010年 対日輸出は輸出額の約8%
●中金公司 地震資産損失は日本のGDPの6%を占める

┏【国内経済】
●2010年 中国空港旅客取扱量史上最高
●寧波は中国国内ECFA貨物輸入最大の拠点
●中国、世界最大の製造国となる

┏【労働】
●広東省の大卒起業者減少 大卒の平均月給1879元

┏【国内政策】
●中国の人口ボーナスは2015年に終了
●政府活動報告 今年GDP目標8%前後

┏【経済データ】
●外国為替(3月28日)

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……【特集:東北太平洋沖地震の貿易への影響予測】………………………………
●日本の巨大地震の中国の輸入に及ぼす影響
 日本の巨大地震による生産、交通の混乱は、日中貿易に影響をもたらすことだ
ろう。中国は日本にとり最大の貿易相手国であり、最大の輸出相手国、最大の輸
入相手国でもある。

 商務部アジア司駐日経済貿易問題専門家チームメンバーの周世倹氏は3月14日、
日本の対中直接投資は日本国内の本部を保持するために減少することが予想され、
その影響が最もはっきり出るのは、日本が対中投資を行っている加工貿易企業で
ある。一部の加工貿易企業は日本資本の多国籍企業のサプライチェーンの一つで
あり、原料あるいは中核部品の調達を日本に依存していると述べた。

 この種のマイナスの影響は即座にはあらわれないと見られる。
 商務部国際貿易経済合作研究院アジア・アフリカ発展研究所の王〓副所長は、
貿易周期を考慮すると、地震の日中貿易に対する影響は、3カ月前後たってから
中国の輸出入データに反映されると予想している。
 商務部の陳徳銘部長は全国両会の合間に、メディアに対し、日本の巨大地震の
日中貿易に対する影響はそれほど大きくないはずで、「いかなる影響も一時的な
ものだ」と述べた。

 中国税関の統計データによると、2010年中国の対日輸出は1210.6億米ドル、対
日輸入は1767.1億米ドル(前年比35%増)、556.5億米ドルの貿易赤字だった。
 このデータは香港での中継を考慮する日本政府の統計と異なる部分がある。日
本の統計では、2010年、(日本の)対中貿易黒字は36.8億米ドルである。

〈加工貿易の輸入に与える影響〉
 今回の巨大地震の被災地は日本の東北に集中しているが、東北は電機、ウエハ
ー等電気製品・鋼鉄、自動車の生産の重要拠点で、災害により中国の今後数カ月
の輸入に打撃を与えることが見込まれる。

 税関総署の2010年の日中貿易の分析報告によると、日本は中国最大の輸入相手
国であり、2010年、中国は日本よりメカトロニクス製品1199.8億を輸入している。
これは同期の対日輸入総額の7割近くを占めている。

 「これら商品の輸入については、加工貿易としての輸入が大部分である」
 周世倹氏は、日本に対する中国の500億米ドル以上の対日貿易赤字から分析す
ると、一部の高級自動車、末端の電子製品の輸入を除けば、対中投資をしている
日本の加工貿易企業は毎年相当数のサプライチェーン川上製品または中核部品を
日本から輸入しているはずだと述べる。

 上記報告では、3000億米ドル近い日中貿易額のうち、7割を超えるものは外商
投資企業によるもので、これらの企業のうち大部分は日本資本の企業であるとも
言及している。
 周世倹氏は、日本の対中直接投資の大部分は製造業分野に投じられ、一般的に
は子会社が親会社から中核設備、部品あるいはサプライチェーン川上の原材料を
輸入し、中国で相対的に安価な労働力を利用してさらに加工製造を行い、最終輸
出をしていると述べる。
 したがって、日本政府の貿易統計データのうち、日中貿易統計の項目で日日貿
易を単独に立てているが、これは実はこの種の日本の対中投資企業が行う貿易の
ことである。

 広東にある日本資本のダイオード生産工業は3月14日、当企業のウエハース調
達は50%以上が日本からのものであり、地震発生後、電子部品は短期的に供給逼
迫が予想されるとした。
 実際に、世界の第1位と2位の半導体シリコンウエハーメーカーは日本にある。
そのうち信越地方にある世界第1位の大工場があるが、信越地方は被災地に隣接
し、シリコンウエハー工場は既に完全に操業をとめている。日本の多くの電子企
業傘下の工場もしばらく操業をとめている。

 王〓副所長は、地震が日本の生産と輸出停滞を引き起こしているが、中国の上
記の輸入調達に対する影響は今のところ評価するのは難しいとしている。最大の
変数は、中国にある日本資本の企業が台湾等にサプライチェーン上流製品の調達
を移すのか、あるいは輸入が鈍化するのかが依然としてわからないということで
ある。
 そのほか、これまでも一部の日本資本の工場がサプライチェーン上流製品の生
産拠点を移転していることから、「この部分の企業にすれば、中国の加工貿易輸
入も影響は限定的で、輸入元の変化だけである」という。
 税関総署が提供する貿易データによると、2010年、加工貿易の項目で、中国は
日本から616.5億米ドルの商品を輸入しており、それは同期の対日輸入額の3分の1
を占めた。

〈輸出のリスクとチャンス〉
 地震による対日輸出が与えるマイナスの影響は限定的であると見込まれる。
 農産物の大手輸出会社の済南一品集団の曹夢輝CEOは、中国の対日輸出は東シ
ナ海、黄海から日本海を経由して日本の西海岸の大阪、横浜、神戸等に到着する
もので、東部の被災地と比較べれば、生産及び輸送の停滞は一時的なものである
と述べる。曹夢輝CEOは対日輸出貿易に十数年間従事している。

 広東のある大型食品貿易会社の対日貿易担当者は、提携している日本の輸入会
社は東北部に位置していないが、輸入会社のサプライチェーン下流の顧客の一部
は仙台等にあり、地震のため、提携先の日本の輸入会社への2000万円の代金支払
いがおくれているところがあるという。
 「我々の心配はこういうところで、我々の正常な代金回収に間接的な影響があ
りかねない」
 また、最近の中国の対日食品輸出のうち、高級食品の需要は減少すると予測さ
れるが、簡便な食品等の輸出は著しく増加するかもしれないとしている。

 しかし、災害後の生活需要のほかにも、日本の巨大地震は巨大なインフラ需要
があるということをも意味する。
 商務部国際貿易経済合作研究院の梅新育副研究員は、全世界で最大の建材、鋼
鉄の生産国として、世界建設市場最大の国であり、建築工事サービスでランキン
グ上位の輸出国として、中国の関連産業は一定のシェア獲得が望まれると述べる。

 曹夢輝CEOは、さらに長期的に見ると、日本における農林漁業の生産地である
東北地域は今回の津波がもたらした海水の侵入、土壌の塩化を解消するのに少な
くとも5年はかかるとして、このことは中国農産品に今後5―8年間輸出のチャン
スが到来することを意味すると分析している。日本はこれまでも中国にとって最
も主要な食品輸入国である。
注)〓は、さんずいに「楽」。
〔2011年3月15日21世紀経済報道〕

●浙江省義烏 一部店舗で日本の地震の影響
 日本の巨大地震は、浙江省義烏の企業及び経営会社にも巨大な影響を与え、多
くの日本から輸入していた商品が品切れに直面し、幾つかの日本へ輸出する売れ
筋の商品の売れ行きも滞り始めている。

 義烏国際商貿にある楽夢貿易有限公司は、毎月日本からコンテナ1台を輸入し
ている。
 3月11日の日本の巨大地震後、会社の担当者である高龍龍氏は日本のサプライ
ヤーと頻繁に連絡をとり初め、最終的に得た情報では、仙台付近にある工場が震
源からやや近く、すべて水に浸ってしまったという。
 それによると、商品は水につかり、ほぼどうしようもなく、彼らも彼らの損失
を調査しているようだという。

 公司としては次の新しい商品を輸入したいが、このような状況に遭遇し、どう
すればいいのだろうか、第一義的には、私たちのもともとの計画どおりに在庫が
あればいいが、もし商品がない場合には、私たちのサプライチェーンはできるだ
け早くほかの地域で補わなければならないとしている。

 記者が2000平方メートル近い楽夢貿易有限公司を見たところ、日本の磁器、家
庭用品等日本の商品が全体商品シェアの60%以上を占めていた。
 高龍龍氏は記者に対し、これまでの販売状況では、日本の精緻な生活用品は都
市住民及び中国国内バイヤーから喜ばれているが、今回の地震で次回の販売には
大きな影響があると予想されるとし、公司としても不測の事態に備え、彼らの今
後の見積価格全体を見てみるというイメージだと述べた。

 相対的には、一部の輸入会社は巨大な影響を受けるか、日本の巨大地震の義烏
の輸出全体に与える影響は決して大きなものではない。
 義烏市対外経済貿易局のデータによると、2010年、義烏の自営の輸出額は28.63
億米ドルで、日本が占める割合は大きくなく、年間わずか700万米ドル強で、輸
出量も相対的に小さい。
 幾つかの現四半期の売れ筋商品が地震後に売れ行きが滞っていることを除けば、
大部分の既に注文した商品には影響は出ていない。〔第一時間2011年3月16日〕

●2010年 対日輸出は輸出額の約8%
 モルガン・スタンレー大中華区シニアエコノミストの王慶氏は、最新の執筆し
たレポートで、目下日本経済がこうむった実際の損失を見積もることはできない
が、我々は日中両国の貿易と直接投資の方面の幾つかの事実を通じて、日本の中
国経済に対する多くの重要点を理解できると指摘した。

 貿易目的地/出発地においては、2010年、日本は依然として中国にとり最も重
要なパートナーの一つである。日本向け輸出の中に占める中国輸出総額は8%前後
であり、中国の13%の輸入は日本からのものである。
 一方、成長の伸びにおいては、2010年の中国の輸出総額31.3%の前年比伸びの
うち、日本の貢献はわずか1.9ポイントにすぎない。また、輸入総額38.9%の前年
比伸びのうち、日本の貢献はわずか4.6ポイントである。

 貿易製品においては、2010年、日中貨物輸出入貿易は主に鉱物、野菜、動物製
品、機械に集中している。中国の対日貿易黒字が最大のものは紡績品で、赤字が
最大のものは機械及び電子設備である。メカトロニクス設備貿易は、中国の対日
輸出入の主要な成長エンジンである。

 大口商品貿易の主要分野においては、2010年、中国の石炭輸出の36%、原油輸
出の21%は日本向けに輸送されたものだが、中国鋼鉄製品輸入の44%及びアルミ製
品輸入の27%は日本からのものである。

 対外直接投資(FDI)においては、日本は2010年対中直接投資4番目の国であり、
FDI総量の4%を占め、そのすぐ後に、香港、イギリス領ヴァージン諸島、シンガ
ポールが続く。日本は中国FDI成長に対し、特にここ数年ははっきりした貢献は
していない。〔新京報2011年3月16日〕

●中金公司 地震資産損失は日本のGDPの6%を占める
 3月16日、中金公司が発表したマクロ専門報告によると、日本の巨大地震後の
資産損失は既にGDPの約6%に相当すると予想されている。
 中金公司の予想では、地震の日本経済に対する影響はGDPの2.5%であり、阪
神・淡路大震災の2%を超え、今までで最も影響が大きい日本の地震であるとして
いる。

 この「日本の地震の影響は大きい」というレポートでは、日本の震災後の経済
復興状況についても分析している。
 それによると、楽観的に見て、3―6カ月以内に震災復興計画が有効に実施され
れば、日本の年間GDPは0.5%―1.0%に達するとしている。
 震災後の日本経済の状況は、ここ数日のマーケットの回避心理が広範囲に広が
り、株式市場に大幅な調整がなされるに至ったが、同時に企業資金が日本へ回帰
する兆しがはっきりし、地震発生後現在までの日経平均株価は18%下落した。
 1995年の阪神・淡路大震災では、3取引日後に日経平均株価指数は1%下落、1週
間後には8%下落したが、資金が日本に大規模流出することを示すものではなかった。
 16日現在、日本円は米ドルに対して1.8%上昇(1995年の阪神・淡路大震災後は
10%上昇)していることは、企業資金がまさに日本に回帰していることをあらわ
している。
 2010年8月以降、日本の株式市場は14%近く上昇した。しかし、1995年の阪神・
淡路大震災前より11.5%下落している。今回の震災後の株式市場の調整圧力がよ
り大きくなるかもしれず、震災発生後下落が半年近い期間に持続すると見られる。

 中長期的に見ると、日本の震災後の復興は世界経済の刺激要素となるはずであ
る。歴史的な経験で分析すると、アメリカ、EU、中国、アジアその他の新興市場
は利益を受けられる。
 日本の震災復興は輸入の大幅上昇をもたらす。1995年の阪神・淡路大震災の復
興を例にとると、日本の輸入のGDPに占める割合は2%前後上昇し(約1020億米ド
ル)、アメリカ、EU、中国、アジア(中国を除く)の4経済体が得た利益はそれ
ほど差はなかった。
 今回の復興で輸入上昇の程度が1995年当時に比べて低くなければ、例えばGDP2%
上昇であれば、約1200億米ドルである。つまり、2011―12年の4経済体はそれぞ
れ約300億米ドルの利益がある。製品では、1995―96年において、電子機械製品
が40%増、鉱物燃料・製品が約31%増だが、食品輸入の総輸入上昇に対する貢献率
は決して高くなく、わずか5%程度にすぎなかった。

 具体的に日本の地震が中国経済に対する影響は、主に、需要と供給両方面の短
期的な打撃は限定的で、日本経済が徐々に復興するに従って、影響は徐々に直接
的なものへと変わっていく。
 問題のかぎは、短期的な需要と供給の打撃の程度及び持続する時間の長さに対
する判断であるが、これは日本経済の震災後の動きにかかってくる。上記分析に
基づき、中金公司は楽観と悲観の2つの状況での中国経済が受ける波及程度を考
察している。

 楽観的な状況では、震災の日本経済成長に対する影響は小規模で、日本の震災
復興は3―6カ月で行われ、今年のGDPは依然としてプラス成長を維持すると仮定
する。短期的な日本の生産は減少し、中国の輸出需要及び投資需要がマイナスの
影響をもたらすが、影響の程度は限定的である。
 輸出において、2010年、中国の対日輸出は中国の総輸出の7.7%を占めるが、中
国の2010年の31.3%の年間輸出成長率のうちの貢献はわずかに1.8ポイントにすぎ
ない。中国の輸出のここ数年の趨勢から見ると、日本市場の占める割合は減少し
ている。したがって、中国の輸出総量と成長が日本の短期的な輸入減の影響を受
けることはそれほど大きくないはずである。

 投資においては、短期的な中国投資に対する影響は主に日本の対中直接投資の
減少にあらわれる。日本の対中資本の回収及び外部経済の不確定性の増加が中国
大陸の投資鈍化を与えるが、これらの影響は有限的なはずである。
 日本の対中直接投資はここ数年は成長が低く、2010年には4%に達しなかった。
2010年末、日本の対中直接投資の資産残高は340億米ドルで、30%の資産収益率で
計算すると、その資産価値の上昇が中国の当年の固定資産投資に占める割合はわ
ずか3%前後にすぎなかった。

 日本経済の震災後の復興の展開に従って、生産も徐々に回復し、対中輸出と投
資需要にプラスの影響となるが、短期的に供給の打撃を受けるかもしれない。
 目下、中国の加工貿易輸出は中国の輸出の50%を占め、中国が輸入する部品の
約20%は日本からのものである。短期的にこれらの部品供給は地震による損害の
影響を受けるが、中国は日本以外のメーカーで代替できる。
 電子部品の生産周期は短く、日本以外のメーカーが素早く空白を埋められる。
日本の国内生産が徐々に回復するに従って、マイナスの影響も徐々に少なくなっ
ていく。

 もう一方の悲観的な状況では、日本の震災復興で受ける放射能汚染及び原発停
止の影響は半年以内に順調に進展することはなく、日本の2011年のGDPはマイナ
ス成長(△1%)となる。
 日本の震災復興の進展は放射能汚染の正常化の進展、電力供給復旧の時間等々
の要素の影響を受けると見られるが、これらにはとても大きな不確定性が存在す
る。〔証券市場週刊2011年3月16日〕

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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●2010年 中国空港旅客取扱量史上最高
 16日、中国民航局が発表した2010年全国空港生産統計公報によると、2010年中
国空港取扱量の各指標項目は史上最高を更新した。そのうち旅客取扱者数は延べ
5億6431.2万人となり、前年比16.1%増となった。
 2010年、中国国内路線で延べ5億1961.8万人(前年比15.7%増)、そのうち中国、
香港、マカオ、台湾路線で延べ1764.5万人(前年比51.3%増)となった。国際路
線は延べ4469.4万人(前年比20.6%増)となった。

 中国民用空港協会の関連担当者は、昨年の空港の旅客取扱者数が史上最高とな
ったのは主に国内民航市場の需要の引き上げが要因であるとした。民航局が先日
発表したデータによると、昨年、民航業の経済効率が史上最高水準を記録し、航
空会社は利潤総額351億元、5倍の成長となった。

 民航局の分析では、すべての開港している空港のうち、年間旅客取扱者数が延
べ100万人以上なのは51空港と前年とほぼ同様で、51空港の旅客取扱者数が全体
に占める割合は95.2%だった。北京、上海、広州の3大都市空港の旅客取扱者数は
全体の33.1%を占めた。

 北京は昨年、ロンドン・ヒースロー空港を超え、世界第2の乗客流量を持つ旅
客空港ハブとなり、世界第1のアトランタ空港との間の差は縮まっている。香港
は世界最大の空港貨物ハブとなっている。
 国際空港協会の分析では、北京の空港旅客流量の大幅増は主に中国経済の急成
長の後押しを受けたものである。2010年、中国GDP成長速度は10.3%でここ3年来
で最高水準を記録し、日本を超えて世界第2の経済体となった。

 国際空港協会が発表したデータによると、5年前、北京空港の世界ランキング
はわずか14位にすぎず、乗客流量は延べ4100万人だった。目下、広州市と上海市
の旅客流量もこの水準に達し、この2つの都市の空港旅客流量はそれぞれ世界2位
以内にランクインしている。〔新京報2011年3月17日〕

●寧波は中国国内ECFA貨物輸入最大の拠点
 寧波税関が16日に発表した統計データによると、中台経済協力枠組み協議(ECFA)
のアーリーハーベストが1月1日に実施されて以降、1―2月の寧波通関点で輸入さ
れた台湾原産のECFA貨物は15.86万トン、金額にして2.4億米ドル、税収優遇額
3861.80万元で、輸入量は同時期の全国のECFA貨物総量の57.24%を占め、全国ト
ップとなった。

 寧波税関の関連担当者によると、寧波は重化学工業基地として化学工業原材料
の需要が大きい。ECFAのアーリーハーベスト実施以降、1月5日に原産地証明を得
た7712トンのアクリルが寧波通関点の初めてのECFA貨物輸入となった。
 この後、化学工業品の輸入量は持続的に拡大し、引き続いて合わせて15.47万
トンが協定税率の化学工業品として寧波から輸入された。そのうちキシレンが9.8
万トン、アクリルが4.86万トンだった。

 このほか、化学工業品の持続的な大量輸入と同時に、寧波通関点では1―2月に
ECFAの協議項目のもと、台湾に利益のある商品品目は既に1月初めの単純な化学
工業品から、化学工業品、紡績品、メカトロニクス製品等3分野36項の8けたの関
税コードの商品にまで拡大した。
 運送方式も海運から空輸に拡大し、2月18日には「互換可能な部品」が空輸で
寧波に到着し、寧波で初めて空輸で輸入されたECFA貨物となった。
 1―2月、寧波通関点の対台湾輸出入貿易総額は16.1億米ドル(前年同期比32%
増)、そのうち輸入は14.9億米ドル(前年同比32.5%増)となった。
〔東南商報2011年3月17日〕

●中国、世界最大の製造国となる
 アメリカ経済コンサルティング会社HISグローバル・インサイトが15日発表し
た研究によれば、2010年、中国はアメリカを超え、製造業生産高が世界最高の国
家となった。

 2010年世界製造業産出額は10.078兆米ドルに達し、2009年と比較して9.7%の伸
びとなり、世界の製造業が衰退から回復していることが示された。中国の製造業
生産高は世界の19.8%を占めており、アメリカの19.4%を若干超えている。
 中国は低い労働力コストと強力な外部投資、また経済の急拡張においてアメリ
カより優位な立場にある。

 中国はかつて19世紀中期に世界最大の製造国という地位を占めていたが、その
後イギリスが産業革命推進のもとで工業品の世界最大の製造国となり、50年近く
その座に君臨してきた。その後、アメリカが世界最大の製造国となり、1世紀以
上もの間トップの座に君臨してきた。〔新京報2011年3月15日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●広東省の大卒起業者減少 大卒の平均月給1879元
 2011年広東省大学卒業生就職活動会議が2月28日に広州で開催された。
 会議では、昨年の広東省の大学卒業生(大学院生を含む)の全体の就業率が
97.33%に達し、全国トップになったことが明らかになった。

 今年、広東省の卒業生数は39万人に達し、他省から広東省に求職したり、過去
就業を見合わせていたりした学生が加わり、60万人が広東省の求職戦線に身を投
じることになる。
 広東省教育庁の羅偉其庁長は、2011年の広東省の大学卒業生の就職情勢は依然
として厳しいと打ち明けた。
 広東省の宋海副省長は会議で、卒業生を末端の現場へ就業するよう導くことと、
卒業生が自主的に起業するよう推進することが今年の就職活動の重点であると指
摘した。

〈教育、衛生、社会保障などで卒業生の就職減少〉
 会議で公布された「2010年広東省普通大学卒業生就職活動白書(本専科)」に
よると、昨年、広東省の大学卒業生の全体の就業率は97.51%で、そのうち、本科
卒業生の就業率は96.81%、専科卒業生は98.10%だった。
 昨年の本科卒業生のうち、工学分野と経済学分野の卒業生の就職率は最高で、
哲学分野と医学分野の卒業生の就職率は最低だった。
 専科卒業生のうち、水利分野と生物化学、薬品分野の卒業生の就職率が最も高
く、法律分野と芸術デザイン、マスコミ分野の卒業生の就職率は最も低かった。

 産業別に見ると、製造業は昨年の卒業生の就職が最も集中した業界で、既に就
業した卒業生数の24.9%を占め、2009年より1万人増加した。
 また、金融業とICT、コンピューターサービスとソフトウエア業に従事する卒
業生の就業の増加が比較的大きかった。逆に、教育業に従事する卒業生の減少が
最も多く、その次は、衛生、社会保障、社会福祉業に従事する卒業生であった。

〈珠江デルタでの就業が9割 広東、深セン、東莞の増加最多〉
 昨年の広東省の卒業生は主に省内で就業している。特に、珠江デルタ地域の9
都市で就業した卒業生数の89.38%を占めた。
 2009年と比較して、広州、深セン、東莞地域で就業する卒業生の増加が最も多
かった。茂名、雲浮、または他省に就業する卒業生の減少が最も多かった。

〈平均月給1879元 男性は女性より77元多く稼ぐ〉
 2010年の大学卒業生の平均給料は月1879元で、2009年に比べて198元増加した。
 そのうち、本科卒業生の平均月給は2250元で、2009年に比べて142元増加した。
専科卒業生は1592元で、2009年に比べて180元増加した。

 広東省21の地級都市で就業した卒業生のうち、深センの平均給料が最も高く、
月2120元、その次は、広州で月1932元だった。掲陽が最も低く、月わずか1567元
だった。

 2010年に大学卒業生が従事する平均給料が最も高い5業種は、順にタバコ製品
業、銀行業、R&D、国家機構、黒色金属採鉱選別業であった。
 給料が最も低い5業種は、順にプラスチック製品業、金属製品業、紡織業、印
刷業・メディア複製、工芸品及びその他の製造業であった。

 2010年広東省の大学の男性卒業生の平均月給は女性より77元多かった。

〈自主起業者は減少 本科卒業生の出国者は増加〉
 広東省の大学卒業生で自主起業した人数は減少し、昨年は広東全省で1596人の
みで、2009年に比べ543人減少した。
 起業した卒業生のうち、広州で起業するという選択が最も多く、自主起業者の
37.16%を占めた。その次が深センで8.21%を占めた。

 昨年の本科卒業生のうち、出国して留学することを選んだのは2306人で、2009
年に比べ597人増加した。しかし、出国を選ぶ専科卒業生はわずか133人で、2009
年に比べ45人減少した。
〔中国新聞網2011年3月1日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国の人口ボーナスは2015年に終了
 中国社科院、人口・労働経済研究所の蔡昉所長は14日「中国マクロ経済の見通
しに関するハイレベルフォーラム」において、中国は現在、既に低出生率国家で
あり、中国の労働年齢人口は2015年までに増加がとまるため、第12次五カ年計画
がターニングポイントになると指摘した。

 「未富先老」(豊かになる前に年をとる)の防止を初め、中国は経済発展方式
を転換させて成長軌道に乗せなければならないと同時に、段階的発展に適応させ、
本来あるモデルとつなげ、その潜在力の発揮を前提に産業構造調整を実現して
「中所得国のわな」を避けなければならない。

 蔡昉所長は、第12次五カ年計画の時期に我が国が直面する最大の問題は「未富
先老」だとする。
 比較的低い発展段階で発生する高齢化がもたらす一つの挑戦とは、我が国の人
口構造変化が十分な労働力を供給しないということである。推測では、2015年に
は中国の人口ボーナスは終了すると言われる。〔証券時報2011年3月15日〕

●政府活動報告 今年GDP目標8%前後
 新華社は15日、温家宝総理より、3月5日第11期全国人民代表大会第4回会議に
おけるすべての政府活動報告の全文発表する権利を与えられた。

 2011年、我が国国民の経済社会発展の主要予測目標は、GDPの8%増加、経済構
造のさらなる最適化、CPI上昇率を総水準の4%前後に調整、都市の新規就職率900
万人以上増加、都市の登録失業率4.6%以内の調整、国際収支の継続的な改善である。

 全体として考慮すべき点は、経済発展方式の転換で良好な環境を創造するため、
各方面を誘導して、経済構造調整の加速、発展の質と効率の向上に重点を置き、
就業増加、国民生活の改善、調和のとれた社会の促進を図ることである。

 上述目標の実現には、マクロ経済政策の連続性や安定性を保ち、方向性、活発
性、有効性を高め、安定的な経済発展の加速の保持や経済構造調整、インフレ予
測管理の関係に対処し、経済の大波乱を防ぐよう物価全体の安定をさらに注視す
ることである。〔証券日報2011年3月16日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行3月28日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     8.0419  655.18    84.18  921.28
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――漁港》
 中国の文章を読んでいて、一体日本や中国の貿易相手国は何なんだろうと思っ
てしまいました。わかりにくい文章を提供してしまって済みません。
 財務省と中国税関の大まかなランキングを載せておきます。
▽日本の貿易相手国上位5位(2010年)
 輸入――中国、米国、オーストラリア、サウジアラビア、UAE
 輸出――中国、米国、韓国、台湾、香港
▽中国の貿易相手国上位5位(2009年)
 輸入――日本、EU、ASEAN、韓国、台湾
 輸出――EU、米国、香港、ASEAN、日本

 週末は千葉の鋸山という見晴らしのいいところを観光してきました。遠くに三
浦半島も見えて美しいはずなのに、漁港や港湾やその背後に広がる集落を見ると
どうもあの津波の映像とかが思い出されてきました。テレビの見過ぎですね。し
ばらくは漁港は高台から見おろさない方がいいのかもしれません。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘
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