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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.726 2019年11月4週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:児童生徒の学習活動の行き過ぎを抑制する】
●浙江省 午後9時以降の宿題を拒否できる
●小学生への「監視ヘッドリング」着用 学校に使用停止命令

┏【李年古の日中異文化交流術】
●(その5)日本会社への提案

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……【特集:児童生徒の学習活動の行き過ぎを抑制する】…………………………
●浙江省 午後9時以降の宿題を拒否できる
 今般、浙江省教育庁公式ウェブサイトで「浙江省小中生徒の負担軽減作業実施方
案(パブリックコメント募集稿)」が公表された。方案では、小学生が午後9時、中
学生が午後10時までに宿題を完了することができなかった場合、保護者の署名を経
て、残りの宿題を完了しなくともよいとしている。

〈宿題総量を制御し、睡眠時間を保障〉
 宿題に関して、その総量と時間を厳重に管理する。
 各教科の宿題の総量と時間は学校の学年グループによって統一調整され、宿題の
難易度は授業目標要求を超えてはならず、宿題の時間はクラス内の中レベルの生徒
を参照しなければならない。
 生徒の行う宿題を手配する教師は、精選し、みずから行い、全添削をしなければ
ならず、反復的で懲罰的な課題を手配してはならない。

 小中学校で設立された保護者のウィーチャットグループ又はQQグループ、DingTalk
グループなどはクラス担任が統一管理し、1クラス1グループを超えてはならない。
 生徒の宿題を保護者の宿題に変えたり、保護者に宿題添削を求めたり、保護者グ
ループ内で宿題を手配したりしてはならない。

 休息時間に関しては、生徒の年次に注意を払い、睡眠時間を保障する。
 小学生は午後9時、中学生は午後10時までに宿題を終えることができない場合、
保護者の署名確認により、残りの宿題の完了を拒否することができ、教師はそのよ
うな行為をした生徒を罰してはならない。
 また、週末や休日を補習授業として利用することをかたく禁じ、全省の小中学生
の冬休み、夏休み休暇はそれぞれ3―4週間、7―8週間とし、全省の小中学校の全て
の学年で週末、冬夏休み及び法定休日を利用して、いかなる形式による集中補習の
組織または実質的な組織をしてはならない。

 「方案」は、小学生の朝の登校時間を全面的に8時以降とし、小中学校の朝の授
業時間はそれぞれ8時半と8時以降、寄宿制小中高の夜の消灯時間はそれぞれ21時、
21時半、22時以前とするとしている。
 また、小学校の放課後の校内学童サービスを全面的に実施する。各地の学校は、
季節の変化などの要因に基づいて休息時間を確定する。また、生徒の運動時間を確
保する。小中学生は在学中に1日1時間以上の運動をする。

〈試験制度の規範化と教育改革の深化〉
 「方案」は、小学校1、2年生について、筆記試験を主な評価方法としてはならな
いとしている。
 小学校3―6年生の国語、数学、外国語、理科等の科目は期末試験を手配すること
ができるが、全ての科目に対し中間試験を手配してはならない。
 中学校は、文化科目の中間試験と期末試験を組織することができるが、月次試験
と週次試験を組織してはならない。
 県(市、区)の教育部門は、小学校に対する統一試験を組織してはならない。

 教育部門や学校が小中学生の試験成績とランキングを公表することを厳禁する。
 学校は、高校、大学入試の「決起大会」の開催、高校、大学入試の「合格通知」
の発布、「成績優秀者」や高校、大学入試の「主席合格者」のアピール又は実質的
なアピールをしてはならない。
〔StefanStefan2019年10月30日〕

●小学生への「監視ヘッドリング」着用 学校に使用停止命令
 最近、浙江省金華市金東区孝順鎮中心小学校が、生徒の注意力状況の監視のため
「FOCUSヘッドリング」なる機器を導入し、授業中に生徒に着用させ、かつ関連デ
ータを保護者に送信したことが報じられ、論争を巻き起こした。

 本日、金東区教育局は新京報の記者に対し、この件については既に知っており、
かつ学校へ介入してその使用停止を命じ、また、地区の全ての学校に対し自己調査
を命じており、「監視ヘッドリング」で収集したデータは外へ漏らさず、子供のプ
ライバシーは開示されないと述べた。

 孝順鎮中心小学校の公式サイトには次のような紹介文章がある。ヘッドリングは
教師の教室管理レベルを向上させ、生徒の授業動態をリアルタイムに把握すること
ができ、また、教室レポートを分析することにより、よりターゲットを絞った教育
設計を行うことができる。

 一部のネットユーザーは、監視ヘッドリングは子供の注意を監視することができ
るが、個人のプライバシーを侵害するおそれがあり、また、子供に心理的な圧力を
与えるのではないかと心配している。

 当該ヘッドリングメーカーである浙江強脳科技有限公司の責任者は記者に対し、
この製品は監視ツールではなく、生徒の集中力アップの訓練を助けるものであり、
「生徒が集中しているかどうかは、人が監視する必要はない」と述べた。
 責任者によると、製品は同社のある取締役が孝順鎮中心小学校に計50台寄贈した
ものである。
 「生徒は毎日着用する必要はなく、週に1、2回、毎回30分のトレーニングである。
ヘッドリング使用前に、生徒は神経フィードバックトレーニングや疾走する車を見
て集中力を高める等の特別なトレーニングコースを受ける。授業に入ったら、教師
は個々の生徒のデータを見ることができず、授業内容の受け入れ度に対するフィー
ドバックとして平均注意力を見ることができるだけである」
〔新京報2019年10月31日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●日中人材の活用に新天地を切り拓く (その5)日本会社への提案
・日本会社はまず、内なる国際化を進めてほしい。「日本の常識」に固持すること
なく、多様性の文化を受け入れる社内の制度的環境と閉鎖的な文化を破ってもらおう。
 例えば、人事評価の体制は、年功序列制や能力主義よりも成果主義の要素へ導入
していくことが必要だと思っている。中国人社員は自己の価値の表現形態である賃
金の高さと昇進の実現が可能であることを会社に強く求めているのだから、その欲
望を満たすように工夫してほしい。
 例えば、今、米トランプ政権から封じ込める政策を受け、世界中の注目を浴びる
華為科技は、1987年に深セン市の住宅の一室で創業し、一代で年間売上高11兆円を
超える中国を代表する企業になったが、それも、徹底した成果主義のお陰なのである。

・中国人社員により早く成果を出させるように、人材育成の期間を多少短縮して一
人前になることをサポートしていこう。彼らにより多くのチャレンジ機会を与え、
より大きなプレッシャーを早い段階で仕掛けよう。
 彼らは、変化とチャレンジに恵まれている中国の同齢者を競争ライバルとして意
識しており、それと同じスピードで自己成長していくことを切に期待している。だ
から、それに満足できる環境をどうつくっていくべきかを課題にしてほしい。

・中国人は日本人よりはるかに権力志向が強い。仕事の自己裁量権を求める傾向が
強い。かわりに、みずからの判断でリスクを冒すことも辞さない覚悟がある。
 上長は、仕事を任せる際、可能である限りその決定権を委譲すると、そのことで
部下のやる気を燃やさせる効果が大きい。達成感もより高くなるので、ぜひ工夫し
てほしい。

・日本の会社は、徹底的にリスクを排除しようとする傾向があるが、中国人は、失
敗のチャンスも含めて与えてもらいたい気持ちが強い。
 彼らは、リスクがあって当たり前だと考え、その「大小」で判断して行動をする。
そのリスク感覚を積極的に生かしながら、より挑戦できる仕事を任せていく選択も
考えてほしい。

・中国人社員は、自分の価値を高めることが優先的に考え、そのために「発展空
間」、自己のキャリアアップを図る意欲が強い。だから、ステップアップの方法と
して転職するというスタンスを持っている可能性が高い。
 会社はそれをとめさせるために、職場で彼らのライフスタイルをサポートして、
就職の早い段階で提示してほしい。又は、社内異動や社内創業などの体制をつくり
上げ、転職や独立せずに、会社でその自分の夢をかなえる道筋を提示してあげると、
会社の魅力が倍増するだろう。

・よい社員は、実はよい上司がつくり上げるものだ。特に属人的な性格を持つ中国
人にとって、会社は上司となり、上司の魅力こそそのまま会社の魅力と感じるのだ
から、よい上司の存在は、中国人社員の会社への帰属感を強めることに大きな意義
を持っている。それをぜひ知ってほしい。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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《編集者コラム――第二海堡》
 久しぶりのバスツアーで、第二海堡に観光に行ってきました。東京湾の中にある
人工島の一つで横須賀の猿島の先にあります。その上陸した場所に別に何か特別な
ものがあるわけじゃないですが、そこに船で到達するレア感がよかったです。そし
て、バスに乗っても船に乗っても、ライブ感のある解説が絶妙で、もうもはやこれ
は話芸ですね。全部聞こうとしていたので頭がぱんぱんになりました。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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