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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.775 2022年5月3週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:相互往来とビジネスチャンス】
●ソニー前CEO 日本企業は中国企業に負けた
●お見合いマッチングの難しさ

┏【李年古の日中異文化交流術】
●「関係力」こそ最強のアイテム 1
◆「トップ・プロのボイコット事件」に裏話あり

┏【国際】
●RCEP協力の下で中国は文化の「美美与共―多様性の尊重と調和」をいかに展開させるべきか

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      編集長・李年古の新著 ■2022年3月10日発売■

―――  中国人コンサルタントが伝授する
―――         『カルチャー・ギャップ・マネジメント』  ―――

 入院した社員を社長がお見舞いに行って、社員に逃げられた!
 会議で上司が「では、あなたたちはどう考えますか?」と尋ねたら、大混乱にな
った!
 文化のバックグラウンドが異なれば、人間関係ですれ違ったり、ぶつかったり。
それはお互いの「当たり前」が違うから。
 小さな齟齬のウラには、大きなカルチャー・ストリームの相違が潜んでいる。お
互いが相手の〈見えない流れ〉を知り、どう付き合っていくか。
 日中ビジネスの第一線で活躍する名コンサルタントが、カルチャー・ギャップを
マネジメント(やりくり)する心得を伝授する。

https://www.amazon.co.jp/dp/4834402878/ref=cm_sw_r_oth_api_glt_i_X0JNHG3H7E5KR83X4ZT8

回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回回
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……【特集:相互往来とビジネスチャンス】…………………………………………
●ソニー前CEO 日本企業は中国企業に負けた
 日本の「プレジデントオンライン」サイトの4月13日に掲載された「だから中国
企業に負けるようになった ソニー元CEOが危惧する日本企業の「官僚依存」とい
う大問題」では、官僚依存で日本経済が低迷したころ、中国は安価な土地と労働力
コストをもとに「世界の工場」となり、世界の製造業の主役となったとしている。
 筆者によると、現在の日本が経済の停滞から抜け出せない最大の原因は、戦後の
ものづくり神話から抜け出せていないためだとしている。

 伝統的な製造業の論理は、新しいテクノロジーを自分で開発し、それを使った製
品をつくれば、みんなが夢中になって買ってくれるというものだった。製品がヒッ
トすれば、大量生産してコストを下げて、継続的に利益が出せるようになる。
 しかし、今のインターネットの時代は逆で、製造業はユーザーの声に耳を傾け、
どのような製品やサービスが欲しいかを理解し、既にある技術を組み合わせて研究
開発をすることになる。しかし、多くの日本の製造業企業は、このような研究開発
や製造への考え方の変化に適応できていない。

 筆者は日本でより中国での方が有名で、請われて多くの中国企業のコンサルティ
ングをしている。
 中国では、「OMO」(オンライン・マージズ・ウィズ・オフライン)という言葉
がパワーワードになっている。その意味は、オンラインとオフラインの融合であり、
ハードとITを融合させて、新しいビジネスモデルをつくるということである。
 中国人のビジネスマンは、「中国にはものづくり企業があり、IT企業もある。両
者がぶつかれば大きなビジネスチャンスになる」と筆者に言う。しかし、日本では、
こういうビジネスモデルはほとんど聞かない。日本は現実をより真摯に受けとめて、
製造業の新たな枠組みをつくるべきである。

 筆者がソニーの経営を始めてから今まで、日本の官僚支配の問題は少しも改善さ
れていない。日本には、日本の戦後の高度経済成長の軌跡は通産省(経産省)の主
導によるものだという神話があり、民間企業が官僚の指導を請う構図がつくられ、
この構図が現在まで変わっていない。
 2021年4月には、当時の菅義偉首相が米ファイザー社の最高経営責任者と会談し、
ファイザー社に日本へのワクチン供給をふやすよう要請するということがあった。
本来は厚生労働省がやるべきことであったが、非常時に首相も頭を下げることにな
ったのは、結局、日本には国産ワクチンがなかったからである。

 現在、日本企業が新しいことをしようとするとき、まず公的な判断を仰ぐのでは
なく、政府が何らかの判断を下さなければ、何もしようとしなくなっている。日系
企業が官僚依存を改めなければ、現在直面する問題を解決することは難しいと筆者
は考える。〔環球時報2022年4月15日〕

●お見合いマッチングの難しさ
 毎年2月から3月にかけてお見合いマッチングがよく話題になるが、これは多少は
春節やバレンタインデーの影響を受けている。年長者の心配や同調圧力で、それま
ではシングルで楽しく過ごしてきた人であっても、抵抗できなかったり、自分を疑
ったりして、お見合いマッチングの流行に流れてしまう人は少なくない。
 2月19日、ユーザーにお見合いマッチングについて嫌なことを話してもらったと
ころ、ユーザーの雅麗さんは、お見合いマッチングは自信を持っている人の人生を
疑わせるという、多くの人が遭遇するジレンマを話してくれた。

 他のユーザーの意見は以下のとおり。
 (@大道無形)今、お見合いマッチングが難しいのは、自己評価が高くて、他人
を見下している人が多いからではないか。

 (@大石胸)お見合いマッチングは商業化された市場であって、期待は持たない
が、男女の会話力を鍛えられれば、好みの基準を定量化できる。

 (@獅子山下)私が出会った人たちは、自分の人生観や人生の追求に物すごく自
信を持っている人ばかり。考え方の一つ一つについて、お互いの考え方が合致する
かどうかをすぐ知りたいが、忙しくて互いを多く知る時間はない(し、その意思も
ない)ので、自分の考え方で他人の考え方や言葉を解釈することになり、結局のと
ころ、忙しいということである。

 (@Kexin、)主に年長者との関係で、写真を見て思うところがなければ行きたく
ないが、年長者が紹介者のメンツが立たないと行かせられることがあった。お見合
いが終わって私は何とも感じなかったが、年長者は条件が合致していると思ったの
か諦めてくれず、私の気持ちを無視してつき合いを続けるように催促してきた。
 お見合いマッチングの運営モデルは基本的に仲介サービスであり、苦痛さは根本
的に情報が非対称であることにある。親類や友人の紹介は往々にして「優秀」と言
われ、プラットフォームでのお勧めは一般的にはマッチングの速さが強調されるが、
第三者評価は自分の好みとはリンクしていない。
 主流のマッチングは数式がはじき出している。理想の相手を紹介する際に、身長
や体重、干支や星座のほか、通常なら学歴、仕事、収入、不動産ですぐにマッチン
グさせる傾向がある。大学内でお相手を探すのは商品取引のように、価格、リスク、
期待を考慮すると話す人もいる。
 計算上、人が他人に恋をする確率は5億分の1、パートナーになる確率は15億分の1
である。こんなに小さな可能性の中で、お見合いマッチングで1人を知っても、そ
の分母を1減らしただけで、計算結果への影響は細微なものにすぎない。最後の決
め手は、実はやはり不思議な縁である。
〔第一財経2022年3月14日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●「関係力」こそ最強のアイテム 1
 2021年、東京オリンピックが開催された。読者はどの競技を最も楽しんだろう
か?意外にも野球や柔道を抑え、卓球が1位だとの各紙の報道は、既に目にしたかも
しれない(調査はSELF株式会社によるスマートフォン・アンケート)。日本卓球界初
の快挙となる混合ダブルスの金メダル獲得など、盛り上がるシーンが多かったこと
が影響しているに違いない。一方、シングルスの金と銀メダルを手に入れた中国人
選手、馬龍と樊振東のパフォーマンスも皆に鮮烈な印象を与えたことだろう。
 実は数年前、この二選手に関する記事が、中国人を驚かせた。
 四川省・成都市で開催した卓球の中国オープンで、男子世界ランキング1―3位の
馬龍、樊振東、許が試合途中、突然棄権したのだ。勝手なボイコットに対し、政
府の体育総局は直ちに厳しい非難声明を発表、「試合放棄はプロ選手の道徳と品行、
国家の栄誉と利益を全く顧ず、観客や試合相手も尊重しない間違った行為だ」と断
じた。
 世界に君臨してきた卓球世界の王者たちは、一体、なぜ自分と国家の利益を捨て
ることも辞さない覚悟で、試合放棄をしたのだろうか。

◆「トップ・プロのボイコット事件」に裏話あり
 その理由は、中国人の卓球ファンなら誰でも知っている。これより前、体育総局
が組織改革という名目で、監督を異動させた。それに対する抗議なのだ。監督の名
は劉国梁、男子卓球総監督で、選手たちの敬愛を一身に受けていたことは言うまで
もない。
 当局による事実上の解任を受けて、異動当日の夜、男子選手たちは一斉にSNSを
通じて「今は試合を進める気がない。ただ、劉監督を思うばかりだ」という緊急声
明を発表した。
 もちろん、この声明発表もリスクを伴う。選手たちもそれを重々承知だ。間違い
なく「上」から「厳重に処分」され、そればかりか、人生をかけて手に入れた栄誉
と利益を一瞬のうちに失うかもしれない。皆、覚悟の上のことなのだ。
 この一件「過激」に思える行動こそ、先に述べてきた中国人の「属人」的な考え
方、個人同士の「義理」を重んじる価値観のあらわれである。選手たちにとって、
監督は家族。兄貴か父親であり、親分だ。そんな存在を守るために、皆自分の損得
を捨ててでも闘う。そう思ったに違いない。
 興味深いのは、今度の出来事に対する一般市民の反応だ。サイト上で検索してみ
ると、多くの人々はこの世界トップ・スリーの選手の行動を、「兵諫」と捉えて応
援している。「兵諫」とは兵士による主への諫言のことだが、敬愛する将軍が冷遇
されたときの兵士の行動として、たとえそれが「棄権」という手段であったとして
も、心情的に理解できるわけだ。
 ここに中国人のある共通した価値観を垣間見ることができる。前項にも挙げた孟
子の「君臣有義」に加え、いま一つ司馬遷の「史記」から例を挙げれば、刺客列伝
中「士為知己者死」、すなわち「士は自分を認めてくれた者のために死す」がそれ
である。人生を棒に振ってもよいという抗議の中に、この名言が今なお生きている
ことが分かるだろう。(次号に続く)
(李年古著『カルチャー・ギャップ・マネジメント』p35〜p37より)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)

……【国際】………………………………………………………………………………
●RCEP協力の下で中国は文化の「美美与共―多様性の尊重と調和」をいかに展開させるべきか
 地理的に近い中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国は、ますます緊密になる
交流と協力のもとで、「あなたの中に私がある、私の中にあなたがある」というよ
うに双方の文化が融和している。例えば、独特な風味を持つASEANの食品が中国広
西チワン族自治区憑祥市の中越国境鉄道税関を通じて輸入され中国各地に広がり、
袋入りのルオス麺(タニシ風味の麺)などの中国食品もまたASEAN諸国で好評を博
している。

 「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)の発効に伴い、中国ASEAN博覧会(略
称「東博会」)ではRCEPエリアが増設されるなどサービス範囲がRCEP加盟国に拡大
され、双方の文化交流がますます緊密になる。中国とRCEP加盟国との経済貿易協力
の緊密化が高まる背景のもとで、人文交流をいかに充実させ、文化間の「多様性の
尊重と調和」を展開していくか。
 広西社会科学院東南アジア研究所副所長兼広西社会科学院東南アジア国別研究革
新チームの主席専門家である雷小華氏が中新社の「東西問」の独占インタビューに
応じ、このテーマについて解説してくれた。
 インタビューの概要は以下のとおりである。

中新社記者:中国ASEAN自由貿易地域(CAFTA)の発足は、双方の文化交流にどのよ
うな影響を与えたのでしょうか。

雷小華:中国ASEAN自由貿易地域の発足以来10年間で、中国とASEANの間で90%以上
の7000品目を超す商品の関税が撤廃されました。これにより、子供向け玩具、放送
映像器材、文化番組、テレビドラマ、映画、アニメーションなどのサービス貿易が
活発化しました。
 現在、中国の対ASEAN投資の方向性は、従来型のインフラ分野から観光地、観光
サービスプラットフォーム、放送や映像などの文化インフラ分野のほか、さらに文
化系の企画や作品制作への参加へと徐々に変化しつつあります。このことが、ASEAN
諸国の文化インフラ整備のレベルを一定程度引き上げ、文化商品を多彩にしています。
 同時に、中国とASEANは、互いに最も重要な観光地の一つになっています。特に、
新型コロナウイルスによるパンデミックが起こる前の2019年には、中国とASEANの
双方向の人的交流が延べ6500万人を超え、中国と東南アジア間のフライトが週約4500
便、ASEAN諸国への中国人観光客が延べ3907万人となり、過去最高を記録しました。
 文化商品の貿易拡大、文化インフラ整備のレベルアップ及び双方向の人流の急速
な増大に伴い、中国とASEANの文化の融和を支える世論の基盤はますます強固なも
のになってきています。

中新社記者:中国ASEAN自由貿易地域の発足は、中国人の食卓にどのような変化を
もたらしたでしょうか。

雷小華:中国の経済発展と強大な国内需要は、特に国内の大市場を主軸とし、内循
環(国内市場)と外循環(海外市場)を互いに活発化させるという新しい発展の枠
組みの構築は、ASEAN諸国の輸出、特に農産物と旬の果物に関して、大きなチャン
スをもたらしました。
 ベトナムは、9種類の果物の中国向け輸出が既に可能となり、さらに7種類が交渉
中です。今年の春節には、タイ産のドリアン、マンゴスチンやベトナム産のジャッ
クフルーツ、ドラゴンフルーツそのほか大量の水産物が広西チワン族自治区を通じ
て中国市場に入ってきました。
 ASEAN諸国の良質で安価な商品は、中国の消費者の食卓を豊かにしただけでなく、
当初は高価だった果物も次第に手が届く価格になり、ドリアン、マンゴスチン、ジ
ャックフルーツなどは中国の一般市民の食卓に上る珍しくない果物になっていった
のです。

中新社記者:中国とASEANの文化的類似性、共通性は、自由貿易地域(FTA)の締結
にどのような役割を果たしましたか。

雷小華:中国とASEANは地理的に近く、民俗的にも共通点が多いので、互いに親し
みがあり、余り気兼ねすることなく最適な方法でコミュニケーションができます。
これが、双方の信頼性を高め、FTAの枠組みのもとで全方位的でハイレベルの協力
を推進するのに役立っています。
 同時に、文化的な類似性や共通性があるため、双方のコミュニケーションに言葉
の壁が少なく、意思疎通が容易でスムーズであり、双方の人的交流や経済貿易協力
にプラスになっています。中国とASEANが互いに最大の観光地であるのもこのおか
げです。
 さらに、文化的な類似性、共通性により、双方が互いの風俗や習慣に精通するこ
とができます。それによって、企業が現地での市場調査を行い、各国の消費者のニ
ーズに合った市場性のある製品の生産やプロモーションができるので、互いの市場
を開拓して製品の市場シェアを拡大するのに有益です。

中新社記者:中国とASEANには長い人文交流の歴史がありますが、人文交流を通じ
て進めてきた経済貿易協力の経験は、RCEPの設立にどのような示唆を与えましたか。

雷小華:第一に、相互尊重と相互学習です。中国は、近隣各国と良好な関係を築き、
パートナーとして、互いに信頼し尊重し合う誠実な友人、戦略的なパートナーであ
ることを提唱しています。中国とASEANの間に「和して同ぜず」「小異を残して大
同につく」という状況が生まれたのは、相互尊重があるからです。中国とASEANの
歴史や文化は多様で包容力があり、特色があります。人々の交流の長い歴史は衰え
ることなく、社会の各界からの幅広い参加が交流チャンネルを持続的に拡大させて
います。それにより、各分野の交流は緊密で活発になり、人々の交流もますます頻
繁になり、交流によって特色あるブランドが絶えずあらわれています。「親戚も友
人も頻繁な交流により親近感が生まれ、相互理解が深まる」という道理は、RCEP参
加国との協力関係にも当てはまります。
 第二に、華僑華人による橋渡し役、つなぎ役としての役割が十分発揮されるよう
になったことです。ASEAN諸国には多くの華僑華人がおり、現地の経済発展を促進
させるだけでなく、人々の中国文化に対する認識や理解も促し、中国文化の影響力
を高めています。
 第三に、持続的に人と人の交流という基盤を固めていくことです。中国とASEAN
は、教育、観光等の人文交流の規模が大きく、これらは相互関係を深化、強化する
ための基盤となっています。

中新社記者:中国とRCEP加盟国の経済貿易や文化の面での相違や補完関係について
はいかがでしょうか。中国文化はどのようにすればRCEP加盟国に向けてよりよい働
きかけができるのでしょうか。文化間の「多様性の尊重と調和」はどのように展開
されているのでしょうか。

雷小華:中国とRCEP加盟国とは政治体制、宗教、イデオロギーなどの面で大きく異
なっています。中国文化と文化間の「多様性の尊重と調和」を広めるには関係者が
一緒に努力する必要があります。
 第一に、より緊密な戦略的パートーナーシップを構築することです。地域情勢が
ますます複雑になり、加盟国の関係を域外の国が干渉してくる中で、中国はRCEP諸
国との対話と協力という大局的な方向性を堅持し、誠実なコミュニケーションを通
じて理解と信頼を促し、違いは違いとして尊重しながら共通点を探って不一致と論
争を適切に処理することです。ハイレベルの交流、接触、政策的意思疎通を強化し、
各レベルでの相互訪問を拡大し、ガバナンス経験の共有を促進し、東アジア協力の
持続的発展を確保することです。
 第二に、互いの文化の違いを寛大な心で受けとめることです。文化の違いを正し
く扱い尊重し、寛大に、互いの文化の卓越性を認め合うのです。それぞれの国の中
国文化の受け手について、各国の政治体制、文化背景、風俗習慣、宗教信仰などに
応じて複数に分け、「一国一政策」を展開し、文化産業における協力を強化し、文
化産業の包括的発展を奨励します。
 第三に、市場調査を強化し、消費者のニーズに合った文化商品を開発することで
す。違いがあるからこそ、市場調査をして各国の国民性や消費習慣を十分に理解し
た上で各国のニーズに合わせた商品づくりをする必要があります。例えば、より多
くの現地のプロモーションプラットフォームやイメージキャラクターを活用して、
文化商品のプロモーションを行うなどです。

中新社記者:広西チワン族自治区南寧市で開催される「東博会」は、中国とASEAN
との間の文化交流及び文化貿易の「南寧チャンネル」となっています。RCEP発効後、
「東博会」のサービス範囲がRCEP加盟国へと拡大されると、将来的に南寧が中国と
RCEP加盟国との文化的融和の中心になるでしょうか。

雷小華:将来的に、南寧は中国とRCEP加盟国との文化的融和において重要な役割を
果たすことができるでしょう。
 第一に、中国ASEAN博覧会のプラットフォーム機能を上手に利用することです。
プラットフォームを中国ASEAN「10+1」向けのサービスからRCEP加盟国向けのサー
ビスへと拡大し、サービス貿易の特別展示エリアを開設し、文化貿易の規模をさら
に拡大させ、文化インフラへの投資レベルを引き上げることです。
 第二に、ハイレベルな対話プラットフォームとしての機能を強化します。中国と
RCEP加盟国の国交樹立記念周年行事を開催し、RCEP加盟国との「友人の輪」を強固
なものにし、「中国ASEAN文化フォーラム」、「中国ASEAN博覧会文化展」、「中国
ASEAN博覧会アニメーションゲーム展」など多角的なイベントを開催し、かつRCEP
加盟国にも拡大します。これらは中国とRCEP加盟国との人文交流の促進に重要な役
割を果たすでしょう。
 第三に、人文交流を更に深めることです。「ASEAN文化週間」、「美しい中国」
などの文化交流のブランド化したイベントを継続的に開催します。従来型の人文交
流の基盤を強化した上で、科学技術、公衆衛生、環境保護、国際的な貧困の削減、
デジタル経済など新しい分野での協力を拡大させます。
 第四に、RCEP加盟国に向けた広西チワン族自治区の国際的なコミュニケーション
力を向上させます。革新的なコミュニケーション方式とコンテンツを通じて、「中
国の物語」と「中国イメージ」を「南寧チャンネル」によって、RCEP諸国に広め、
より多くの人々が、包括的で立体的な生き生きとした中国を理解してもらえるよう
にします。
〔中国新聞網2022年3月16日〕
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
●ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃 村井好子
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