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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.686 2017年12月18日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【お知らせ】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 「中国最新情報」は年末年始に伴い、休刊します。
 次回配信は2018年1月23日の予定です。

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:中国の課題を解決する技術とイノベーション】
●シェア自転車デポジット問題 信用で免除がトレンドに
●暖房に原子力を使う?低温原子力熱供給技術は実用可能

┏【国内政策】
●中国の所得格差縮小 2年前倒しで高所得国家のハードルを越える

┏【経済データ】
●外国為替(12月18日)

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……【特集:中国の課題を解決する技術とイノベーション】………………………
●シェア自転車デポジット問題 信用で免除がトレンドに
 最近、一部のシェア自転車企業が経営不振で事業を停止し、ユーザーの資金管理、
企業運営サービス等の問題で影響が続いた。
 中国消費者協会と一部の地方消費者協会は大量の消費者の苦情を受け、その状況
を報告した。12月5日、中国消費者協会は、モバイク、ofo、永安行、優拝、哈羅単
車、拝客出行、小藍等7社のシェア自転車企業代表を公開で事情聴取し、デポジッ
トと前払金の管理、自転車投入と運営維持等の問題点について議論を行った。

〈中国消費者協会はデポジット免除を提案〉
 現在、シェア自転車には、デポジット免除利用とデポジット支払い利用の2方式
がある。前者は消費者の第三者信用評価ポイントを参考にし、一定値を超えていれ
ばデポジットを免除にする。後者は、一般にデポジットを銀行に置き、専門管理す
る。消費者のデポジットや前払金残高は返金可能だが、企業によって返金期限、金
額、消費者への支払い方式、残高割合が異なる。

 中国消費者協会は事情聴取の席上、以下のように指摘した。
 シェア自転車は公共性、利便性があり、環境に優しい外出、便利な外出を促進す
る。企業は「インターネットのレンタル自転車発展の奨励、規範化に関する指導意
見」の要求を厳格に実行し、できるだけデポジット免除によって自転車レンタルサ
ービスを提供するべきである。
 消費者から受け取ったデポジットや前払金は、企業は、安全で透明性のある管理
方式で、資金の安全を確保するとともに、サービス意識を向上させ、消費者の苦情
や相談に応じ、消費者の訴えに迅速に対応し、消費者の疑問に即座に対応するべき
である。
 政府の関連部門も有効な措置を講じ、シェア自転車企業の健全で秩序ある発展を
促進し、さらに多くの消費者が安心して快適な消費、安全な環境に優しい外出がで
きるよう先導すべきである。

 シェア自転車企業代表は、日常の巡回検査、消費者へのフィードバック、車両状
態モニタリング等の手段を通じて、さらに車両検査・修理、保養や投入、配置を強
化し、消費者により便利に使ってもらうようにしたいとし、そして、人民銀行、銀
監会等金融部門と積極的に連絡を強化し、窓口指導や監督管理を自発的に受け、消
費者のデポジットや前払金の安全を確保することを示した。
 一部企業は既に交通運輸、都市管理、公安ネット管理等の職能部門と意思疎通や
連携を図っており、自転車の投入、公共の秩序維持・保護、情報安全等方面の業務
を行いつつある。

〈信用でデポジット免除は今後のトレンド〉
 中国消費者協会がシェア自転車企業から事情聴取した際、内部関係者が、市場拡
張コストが高どまりし、モバイクやofoの2社の資金がピンチで、デポジットを資金
不足の補填に流用し始め、その総額は60億元に達し、自転車工業や関連企業等のサ
プライヤーへの支払いもしばらくとまっていると暴露した。

 大まかな統計では、9月から、業界再編により、少なくとも既に6社のシェア自転
車企業が倒産し、ユーザーのデポジット損失は10億元以上となった。保守的な推計
でも、目下シェア自転車のデポジット残高は約100億元と、デポジット問題の整理
は焦眉の急となっている。

 業界専門家は、シェア自転車企業を代表とするシェアエコノミーは急成長する初
期にあり、自身の運営モデルや政府管理モデルは模索段階にあると指摘する。
 デポジットを例にとると、企業によってデポジットの額や管理、使用方法につい
てもさまざまなで、統一的な業界規範がない。例えば、モバイクはデポジットを管
理する招商銀行と協力、ofoはデポジットを専門の第三者機関に委託管理してもら
っている。

 「金融分野において、デポジット管理と委託管理は大きく異なる。委託管理は銀
行にあるユーザーのデポジットを返金する用途だけだが、デポジット管理はリスク
に備える小口のお金の管理ということにすぎない」
 法曹界関係者によると、製品をレンタルする場合、デポジットは法律では質権の
設定であり、使用時の保障、使用後は返還するものであって、そうしなければ金融
サービスにおける不当利益に属する。シェア自転車企業は、自己資金とユーザーの
デポジット、前払金を厳格に区分するべきで、返金制度を改善し、経営リスクを消
費者に転嫁できないようにするべきであるという。

 価値ある提案は、デポジット免除がシェア自転車業界の今後のトレンドになると
いうことである。
 現在、アント・フィナンシャル傘下のゴマ信用、微信が、シェア自転車企業と協
力し、信用でデポジット免除するモデルを推進している。ゴマ信用の胡滔総経理は
「デポジットは業者に有利だが、リスクを消費者に転嫁している、信用でデポジッ
トを免除することが唯一の解決方法である」と述べた。
 ゴマ信用はまず10億元を先行投資し、保険、経営奨励等の方法を取り入れて、多
くの業者が信用がよいユーザーにはデポジット支払いを免除させることを推進して
いる。今後1年で、さらにリスク、保険、ローン、賞罰等の多元的な能力を取り入
れ、デポジットを免除したい業者に多方面のサポートをする。シェアエコノミーの
ほか、最初の重点投資業界には、不動産、ホテル等のデポジットが一般的にある分
野が含まれる。

 業界関係者によると、信用でデポジットを免除することを広げられれば、シェア
エコノミーだけでなく、レンタルエコノミーも信用ブームが到来するのではないか
としている。
〔上海金融報2017年12月8日〕

●暖房に原子力を使う?低温原子力熱供給技術は実用可能
 (要約)最近はやっている笑い話がある。それは、南方人は以前、冬になると北
方は非常に寒いとずっと言っていたが、北方人は寒さに強いわけではなく、後でや
っとわかったのは、北方では冬には暖房がきいていて、南方よりも快適だった――
だから、この2年、南方では暖房への声が強くなっている。

 ここから見てとれることは、人々の暖房ニーズは普遍的ということだ。しかし、
標準的な石炭による暖房は環境汚染を深刻化させている。この矛盾に対し、石炭の
代替燃料として、新たにクリーンで暖がとれるエネルギーを探すことは待ったなし
である。

 原子力は、安全、クリーンなエネルギーとして、地域の熱供給において徐々に人
々に認知されつつある。
 11月28日、中国核工業集団公司は正式に、実用可能な地域熱供給の「燕竜」プー
ル式低温熱供給炉を自主研究開発したと発表した。これで、原子力の熱供給が冬場
の暖房の新しい選択肢になる。

〈スモッグ解消の新しい道〉
 習近平総書記は、広範な人々の暖房業務に特別な関心を持っている。
 2016年12月21日、中央財経指導者グループの第14回会議において「北方地域の冬
季のクリーン暖房の推進」の重要指示を発し、クリーン化目標、ガスにふさわしい
ものはガスを使い、電気にふさわしいものは電気を使うことを指摘した。
 中国共産党第十九次全国代表大会の報告でも、「美しい」を社会主義現代化強国
建設の重要目標として、美しい中国をつくる決意と意欲を表明した。

 「都市化の進展に伴い、熱供給面積は毎年5%―10%の速度で少しずつ増加し、多
くの地域では熱源が逼迫する問題に直面している。これと同時に、中国の北方地域
の熱供給の熱源は主に化石エネルギーで、これが現地のスモッグをつくり出す非常
に重要な原因の一つである。このため、原子力を使った熱供給は熱源逼迫を解決、
クリーンな熱供給を実現し、都市の発展、環境保護にとり非常に重要な意義があ
る」中国工程院の江億院士は指摘する。

 統計によると、中国の北方で暖をとる範囲は国土面積の60%以上を占め、暖をと
る人口は7億以上に達する。
 統計局のデータによると、2000―2013年、中国の都市の集中熱供給面積は年々増
加し、2000年11.10億平方メートルが、2013年57.17億平方メートルに増加した。農
村都市化に伴い、2020年には129億平方メートルに達すると予想される。

 目下、中国の集中暖房の熱源は依然としてコジェネレーションとボイラー室が主
体で、使用する燃料は依然として石炭主体で、石炭燃焼による排出物は北方地域の
冬季のスモッグの主要原因となっている。
 「全体的に見て、北方の暖をとるエネルギー構造は単一で、効率は高くない。北
方の石炭燃焼で暖をとる面積は総面積の83%を占め、天然ガス、電気、地熱エネル
ギー等クリーンエネルギーはわずか17%にすぎない。
 都市地域での集中式暖房は半分にすぎず、広大な農村等では基本的にばらばらに
石炭燃焼をしている。そのうち、ばらばらでの石炭燃焼の年間消費は約2億トン標
準炭で、暖をとるために使う石炭は全体の半分を占め、使用効率は低く、排出圧力
は大きい」
 国家のエネルギー局の劉宝華副局長は、化石エネルギーの熱供給より、原子力低
炭素熱供給は北方の冬季の暖房汚染問題を解決するチャンスを提供するとしている。

 では、原子力熱供給の社会に与えるメリットはどれだけのものなのだろうか。中
国電力発展促進会原子力分会の副会長兼秘書長の田力氏はあるデータを提供する。
 それによると、化石エネルギーに比べて、原子力熱供給の低炭素、クリーンさが
環境保護に与えるメリットは大きい。
 熱効率が1基400MWの原子力熱供給所は、約1500万平方メートルの冬季集中暖房の
需要を満たし、年間約32万トンの石炭燃焼あるいは1億6000万立方メートルのガス
燃焼を代替し、石炭燃焼よりも、ばい煙3200トン、二酸化炭素32万トン、窒素酸化
物2000トン、灰10万トンの排出削減になる。
 また、天然ガスに比べ、二酸化炭素26万トン、窒素酸化物1000トンの排出削減に
なる。その上、最も関心を持たれる放射性物質の排出は石炭燃焼の約2%にすぎない。

〈技術蓄積が成熟〉
 原子力熱供給は新しいコンセプトというわけではなく、その発展の歴史は1960―
70年代にさかのぼる。
 世界に目を向けると、原子力を使った熱供給は決して真新しいことではない。国
際的に、原子力熱供給分野の研究、応用の展開は比較的早くからなされ、海外の大
型原子炉は都市地域の暖房として用いられ、技術においては非常に成熟している。

 原子力熱供給は主に2方式がある。1つが、原子力発電所の発電と同時に生成され
る排出熱を利用する、熱併給原子力発電所である。熱併給原子力発電所の原子炉を
つくる手間は多く、原子力発電所は関連法規標準が求める居住エリアから離れた地
点に建設地を選定することが求められ、発展には一定程度限界がある。
 2つが、専門の小型低温熱供給炉の建設で、低圧の蒸気と高温の水を提供するの
みの、低温原子力熱供給所である。このタイプの原子炉の手間は少なく、安全性が
あり、都市近くに建設できる。

 今現在、原子力発電所の技術の応用は一定規模を有しており、世界にある57の原
子炉は発電と同時に発生する水の熱や蒸気を地域の熱供給に利用している。
 そのうち、熱供給に用いる原子炉型は、加圧水型原子炉、重水炉、黒鉛炉、高速
増殖炉がある。主に、寒冷な東欧に分布する。
 専用の低温原子力熱供給炉については、カナダ、ドイツ、フランスで有効な研究
と開発が展開されている。専用低温原子力熱供給所技術は既に実用段階に入っている。

 中国は1981年に低温原子力熱供給炉の研究が唱えられ、30年余りの研究を経て、
既に実用的に応用できる低温熱供給技術を有している。
 「低温熱供給炉は長期的に低温で運転でき、安全性が高く、技術が成熟しており、
システムが簡易で、運転が安定し、設置面積が小さい等のメリットを持ち、さらに、
建設コストが低く、運転保守が便利である」中国科学院の王乃彦院士は述べる。
 現在、中国では既に多くのプール型原子炉が建設されている。例えば、中国原子
能科学研究院の49―2炉、小型の中性子源原子炉、CARR炉等、運転したことがある
ものを累計すると既に300基を上回る。

 王乃彦院士によると、深プール型低温熱供給炉は常圧、低温で運転するため、水
の容積が大きく、静的余熱除去方式を採用し、正常運転と事故時においても、炉本
体の圧力が高くならず、冷却機能喪失や炉心露出せず、かつ炉心溶融の可能性は基
本的にゼロである。
 したがって、とても高い固有の安全性があり、プラント外で対応するものはない。
加えて、低温熱供給炉の系統は簡易で、炉心と設備は取り外しや処理がしやすく、
プールは遮蔽効果が高く、人々が最も関心を持つ安全性も有効に保障できる。

〈プール型原子炉が最良〉
 「燕竜」プール式低温熱供給炉が発表された同じ日、プール式低温熱供給炉「デ
モ検証―モデル工程―商業普及」の3段階の発展戦略の第一歩として、中国核工業
集団は中国原子能科学研究院で、熱供給デモプロジェクトであるプール型軽水炉
(49―2炉)として、同院(オフィスビル2棟、49―2炉建屋1基を含む)部分のオフ
ィスビルの熱供給、デモの効果、操作研究能力を有し168時間安全に熱供給を行った。

 「これはプール型炉の熱供給の実行可能性と安全性を十分検証し、中核集団の原
子力熱供給技術分野で重要な進展を得たことを象徴し、後続のプール型低温熱供給
炉の型式設計の研究開発に有力な技術的裏づけを提供するものである」中国核工業
集団公司科技情報化部の銭天林主任は述べる。

 「燕竜」は、中核集団のプール型研究炉の50年余り安全運転の基礎のもと、北方
の都市の暖房需要に対して開発した一種の安全な経済、環境保護に優しい原子炉製
品である。
 その原理は、原子炉の炉心を常圧の水のプールの深いところに置き、水槽の静水
圧を利用して炉心の排出水温を上げ、熱供給するものである。熱は2段階の交換後
に、熱供給回路に渡し、熱ネットワークを通して多くの家庭に送る。
 推計では、400MWの「燕竜」の低温熱供給炉1基で、暖房面積は約2000万平方メー
トルに達し、3LDK・20万戸に相当する。

 「プール型炉は世界で最初につくられた炉型で、現在最も多く応用されている炉
型である」
 原子能院の副シニアエンジニアで、プール型低熱供給炉総設計師の柯国土氏によ
ると、プール型熱供給炉の原形はプール型研究炉で、現在、世界で200基以上のプ
ール型原子炉が建設され、1万炉年以上の安全運転時間が累積されている。

 「これらの安全運転時間は最も貴重な財産で、中国も既に10以上のプール型原子
炉を建設し、累積安全運転は300炉年を超えている」
 柯国土氏によると、技術成熟、安全性の高い炉型として、「燕竜」はゼロ炉心溶
融、ゼロ排出、廃炉容易で、投資額が少ない等の圧倒的な特徴があり、原子炉の多
くの安全障壁の基礎の上で、圧力が比較的高い隔離回路を増設し、放射能と熱の隔
離を確保する。

 このほか、プール型低温熱供給炉の建設地は柔軟に選べ、内陸、沿海ともに可能
で、使用寿命は60年である。経済的にも、ガスよりもはるかに優位で、石炭や熱電
併給より経済的によく、かつ原子炉は徹底的に廃炉でき、建屋跡地はクリーンに再
利用できる。

 「ここ2年の着実な努力を経て、型番研究開発設計は順調に進捗し、今年末に初
歩設計業務を完成し、来年第1四半期に初歩安全分析報告を作成し、2018年工事開
始の条件を具備できれば、2020年の暖房を使用する季節に原子力熱供給目標を満た
せる」
 中国核工業集団公司の銭智民総経理によると、「燕竜」開発と同時に、安全、経
済、安定運転の関連標準をつくり、全国ないしは世界に広めるとしている。
〔中国経済網2017年12月8日〕

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……【国内政策】…………………………………………………………………………
●中国の所得格差縮小 2年前倒しで高所得国家のハードルを越える
 英フィナンシャル・タイムズの12月5日の報道によると、社会保障投資の増加、
農村収入の急上昇等の要素が影響し、中国の所得格差が2008年以降縮小している部
分がある。

 オランダ資産管理会社NNインベストメントパートナーズの新興市場高級ストラテ
ジーマネジャーのMaarten-Jan Bakkum氏は、教育、医療の大規模投資、貧しい地域
や農村地域の「巨額補助プロジェクト」がここ数年所得格差を改善した原因と指摘
する。

 世界銀行発展研究集団の高級顧問のFrancisco Ferreiras氏は、中国の一部の状
況は「従来の沿海製造業ベルト地域において、賃金水準が大幅に上昇し、製造業の
活動が内陸の比較的貧しい地域に移転した」とし、これが所得が比較的低い地域の
賃金水準を上昇させたとしている。

 マシューズのアジア投資ストラテジストの羅福万氏はこの見方に同意しており、
「ここ数年来、経済が比較的貧しい地域の所得の伸びが比較的豊かな地域を上回り、
他の地域は先頭に追いつこうとしつつある」と述べた。

 政府の政策も役割を発揮している。羅福万氏によると、「ここ十年来、中国各地
の最低賃金水準は毎年2桁の速度で成長し、同時に大量の資金投入が社会保障体系
になされた。ここ5年では、教育、医療、環境方面での支出は毎年10%以上の速度で
伸びている」

 モルガンスタンレーのエコノミストChetan Ahya氏は、中国の農村所得も急上昇
しているとしている。
 それによると、農村所得の急上昇は、モルガンスタンレーの現在の予測では、中
国は2025年、世界銀行が制定した1人当たり1.37万米ドルの高所得国家のハードル
を越えるとされているが、2年前倒しされるのではないかとしている。

 世界銀行の研究によると、1820年から1990年代まで、世界的に所得格差の程度は
徐々に上昇したが、その後は減少に転じている。その要因は新興市場の崛起で、貧
しい国の賃金の伸びが西側の豊かな国家のそれを上回ったからである。

 報道によると、所得格差の減少は、それ自身に重要な意義があるだけでなく、資
産市場に影響を与える可能性がある。
 例えば、中国では、政府は製造業と輸出への過度な依存から脱却し、さらに多く
の国内消費主導の社会へと転換することを試みている。
 Maarten-Jan Bakkumによると、「成長構造が急速に変化を続け、さらに多くの家
庭消費に転換した。家庭消費は既に国内総生産(GDP)の50%以上となり、輸出にと
ってかわって、資本資産投資も固定資産投資の主力な推進力となっている」
 また、比較的貧しい人は比較的豊かな人よりも高い消費傾向があることに鑑み、
所得格差の改善はこのトレンドを強化するはずで、そして中国政府が公共医療の改
善し、社会保険体系を強化するといった努力をしたことも、低所得者が信用してお
金を使うことにつながった。
 また、「所得格差の改善は、中国の消費と経済成長にとりますます重要な推進力
となっている」と指摘する。
〔参考消息2017年12月6日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                         (中国人民銀行12月18日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     5.8713  661.62    84.69  777.07
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――来年もよろしくお願いします》
 ことしのコンテンツは、数を競うというよりもコンセプトを競う内容が多く、翻
訳するための概念をつかむのに時間がかかった気がします。大げさに書いているの
かもしれませんが、日本よりも進んでいると実感するものもふえました。中国主導
になれば何かオセロでひっくり返されるようなこともあるかもしれないですが、そ
れをさらにひっくり返せる日本であってほしいとも思っています。ことしの心残り
は、中国に行くことをしなかったことです。来年はどこでもいいので行ってみたい
です。
 次回は1月末の予定です。来年もまたよろしくお願いします。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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