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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.599 2014年3月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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◎「ビジネス企業研修@中国」http://www.bizchina.jp/
★今週の読者数合計:5,492名(2014年3月3日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:都市化政策の裏返しにある農村をめぐる諸問題】
●農村「空洞化」待ったなし
●最低賃金が22年間で7倍 では幸福度は何倍に?
●農民工就業 中西部地域が持続的な成長

┏【国内経済】
●太原6割のアリペイユーザーはモバイル決済を選択
●2013年中国書籍小売市場報告 実店舗は継続的に衰退

┏【国内政策】
●湖南 民間固定資産投資が62.4%を占める
●「海上シルクロード」建設 共同市場を連動

┏【経済データ】
●外国為替(3月3日)

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……【特集:都市化政策の裏返しにある農村をめぐる諸問題】……………………
●農村「空洞化」待ったなし
 現在、農村は人々の非農化により「もぬけの殻」となり、宅地は普遍的に「古き
を壊さず新しきを建」てることで、新たな住宅建築が徐々に周囲に拡大し、村落用
地の規模拡大や放置廃棄が加速するという一種の「ドーナツ化」というよくない方
向に進化している。
 国家統計局の公布した統計データによると、2011年、全国農民数は2億5278万人
に達し、前年より1055万人増加、4.4%の伸びとなった。そのうち、外出農民工は1
億5863万人で528万人増加、3.4%の伸びであった。

 1.6億の農民工が農村を離れ都市に入るが、このことでどれだけの「空洞村」を
つくり出されているのだろうか。
 学者の推測によれば、現在、中国の6割以上の農村に「空洞化」現象が存在し、
さらなる悲観論者は、中国の農村、特に西部の比較的遅れた地区で、8割以上の農
村に「空洞化」現象が起きていると推測する。
 ある人は、現在の中国農村の現状を「外から見れば村だが中に入ると村ではない。
古い家に人は住んでおらず荒地に雑草が生えている」と表現する。
 昔、青年男子が多くいた農村だが、今、残っている大半が高齢者や子供、留守を
預かる女性で、まさに「386199部隊」(以下の日付の数字を並べた言葉。婦人節3
月8日、子供節6月1日、重陽節9月9日)の大本営である。

 事の起こりを探れば、「空洞村」は実際のところ、中国の工業化、都市化、戸籍
制度、土地制度の二元化の産物である。それは農村土地空洞化や人口空洞化に加え、
農村産業空洞化とインフラ空洞化も含み、本質的には農村地域経済社会の機能全体
の退化である。
 それゆえに、社会学の角度からいえば、「空洞村」は現代中国における旧農業社
会の最後のワンシーンなのである。

 「空洞村」の形成と発展は、1000年持続してきた「老いは養う者を持ち、幼きは
よりどころを持つ」という伝統的家庭倫理構成の大きな衝撃であるほかに、派生的
な一つの社会問題である。

 まず土地の深刻な浪費をつくり出す。
 「空洞村」は土地を占有しており、耕すこともできなければ使用することもでき
ず、土地資源の大きな浪費なのである。

 次に、農村社会の治安を悪化させる。
 大量の青年・壮年労働力が出稼ぎに行き、多くの農村家庭に残るのは皆老人や女
性、子供で、これが犯罪分子がつけ込むすきを残している。

 最後に、農村経済社会の発展を阻んでいる。
 「空洞村」の存在は、農民の居住地を分散させ、村落分布面積を拡大したことで、
農村の水、電気、道などのインフラの統一的建設を困難にし、農村経済のさらなる
発展を先送りにしている。

 このほか、大量に存在する「空洞村」は、農村内の近所もしくは家庭内部に矛盾
やもめごとを引き起こしやすい。
 「空洞村」内部の廃棄宅地は長く使用する者がおらず、近所間の土地境界には曖
昧なところがある。農村土地供給が日増しに逼迫するにつれ、宅地は今後必ず値上
がりするだろうが、そのときには、これらの廃棄宅地が家庭内もしくは各家族間に
矛盾やもめごとを引き起こす可能性がある。

 この点を鑑みると、近年全国の「人民代表大会・政治協商会議」で少なくない代
表委員が提案の中で述べる「空洞村」管理が既に目前に迫っているのだ。
 空洞村を整備すれば生き、生きれば盛り上がり、盛り上がれば発展することは、
実践が証明している。
 現在、中国の農村空洞村の整備には既に一種の典型モデルがある。例えば、河北
省の空洞村整備の4種のモデル、上海市松江区は「調和理念」に基づく宅地置換モ
デル、浙江省〓州市の「三者共建」モデル、天津市の「宅地から家屋への転換」モ
デル、山東省徳州の「両地区同建」モデルなどである。

 しかし、具体的な整備方法について、一部専門学者は、空洞化した村落の空間、
組織、産業の「3つの統合」を推し進め、農村の大きな産業発展を通じて、農民工
を帰郷させ就業させること、同時に、農村宅地使用制度を改革し、宅地を合理的に
流通させ、特に、既存の宅地権利関係を改革し、中国ならではの農村宅地流通市場
を探索し建立することを提案している。〔小康財智2014年2月21日〕
注)〓は、やまへんに「乘」

●最低賃金が22年間で7倍 では幸福度は何倍に?
 今月より、深センの最低賃金標準が月額1808元に引き上げられ、上げ幅は13%に
達する。また、パートタイム就労者の最低賃金標準が時給16.5元となった。
 深セン市人社局は2日、企業がもし最低賃金規定を破ったら、従業員は各級の労
働監察部門に訴えることができると発表した。1992年の月245元の最低賃金標準か
ら22年がたち、深センの最低賃金は7倍になった。(2月3日「南方都市報」)

 この世代は、生まれてから22年間で、最低賃金が7倍になった。彼らの父親の代
と比べると、彼らは社会に出てすぐにこのような高い賃金を受け取ることができる。
これは彼らの親の時代では思いもよらないことだ。
 しかし、当時、彼らの親たちは200元余りの月給であったが、今より幸福であっ
た。当時は、仕事があればちょっとした幸福だった。現在、彼らの子供たちは毎月
1800元以上の給料をもらっているが、深センのような大都市では幸福にはほど遠い。
 2013年、深センの不動産は記録を更新し、平均価格が1平方メートル当たり2万1626
元となった。同じ年、深センの最低賃金標準は月1600元になった。最低賃金をもっ
て深センでマイホームを購入しようなど、夢のまた夢である。

 1992年と比べて、深セン市の最低賃金は7倍になった。当時のことを思えば全く
想像もつかないことである。
 当時、工場は人を探していた。女性は手先が器用で言うことをよく聞くので、優
先的に採用された。しかし、今日、月1808元というのは、中小都市であってもそれ
ほど高くはない。
 当時、200元余りの月給ではやはりマイホームは買えなかったが、当時の人たち
は求めるレベルがそれほど高くなくて、お金は欲しかったが家までは欲しがらなか
った。労働者の文化教養は低く、選択の余地は幾らもなかった。

 当時、企業は従業員が足りており、注文も十分に取れ、心配なく大胆に生産する
ことができた。
 しかし、今は、注文は長期や大口であったものが、小口になり、急な注文に変わ
ってしまった。それなのに給料は上がり、従業員はなかなか見つからない。特に、
90後の従業員はすぐにやめてしまう。
 外資の労働集約型企業の一部は、賃金コストが低いベトナムなどに移転し始めて
いて、珠江デルタは生産方式を変えざるを得ない状態である。

 現在は、最低賃金標準がほぼ毎年上昇しているが、企業は幸福でなく、従業員も
そう特に幸せとは言えない。当面の急務は、幸福感も最低賃金標準と同時に上昇さ
せることである。
 今回の最低賃金標準の引き上げに対して深セン市当局の解釈は、住民の収入と経
済社会発展とを同等に推進するために、低所得者の収入レベルを引き上げ、そして、
深センに労働力をもっと集め、深センの経済発展の需要を十分満たすということだ。
結局、経済発展により賃金上昇を余儀なくされている。
 毎年、春節後は、深センだけでなく、全国の大部分の都市が労働者不足という難
題に直面する。一部の中小都市では大量の労働者が不足している。賃金上昇の理由
は容易に理解できるだろう。

 しかし、現在単純な賃金値上げではもう人々は喜ばない。賃金の上昇は速いが、
物価、医療、不動産の上昇についていけるのか?
 賃金を上げれば人がどっと集まった22年前に比べれば、今の労働者は既に大幅な
賃上げを求めてきたし、幸福感の基準も上がってしまった。賃金は上昇させなけれ
ばならないが、同時に幸福感も上昇させなければならない。
 幸福感を賃金とともに上昇させるためには、第一条件として、最低ラインの人民
の生活を保障することにある。都市に住む一人一人が最低ラインの医療、教育、住
居などの福祉が受けられれば、最低賃金上昇が彼らに喜びをもたらすことになる、
そしてより多くの労働力をその都市に呼び込むことができる。
 賃金が上昇しても、幸福感を下げさせてはいけない。〔2014年2月4日東方網〕

●農民工就業 中西部地域が持続的な成長
 国務院農民工工作領導小組弁公室の主任で、人力資源・社会保障部の楊志明副部
長は20日、ここ数年、農民工の60%以上の就業は依然として東部地域であるものの、
東部地域には低成長、マイナス成長まであらわれており、中西部地域が持続的に成
長していると述べた。

 「中西部地域の賃金は東部地域より10%前後低いが、自宅から比較的近く、生活
コストも低く、家族の世話もしやすい等から、就業する魅力は高い」
 「産業の高度化や産業シフトの需要に応え、労働力は東部、中部、西部の間で合
理的な流動が促進され、ある程度は各地域の労働環境の改善と農民工に対する人道
的配慮が促進されている」(楊志明副部長)

 楊志明副部長によると、2013年、全国農民工の総数は2.69億人で、前年比633万
人増となった。そのうち、外出農民工は1.66億人で前年比274万人増。2013年外出
農民工の月給平均は2609元で前年比319元増の13.9%増だった。農民工の収入は既に
農民1人当たり収入の50%を占めている。

 今後ある一定の期間において、中国農民工の総数は供給が需要を上回る現象が存
在するが、就業と募集がともに難しいという構造的矛盾があらわれている。
 一般工の募集難は、農民工の供給の有限性を反映したもので、技術工の募集難は、
産業シフト、高度化プロセスの技能人材不足を反映したものである。

 「根本的に、農業からの労働力の移転はまさに無限から有限へと変化している。
農民工の増加の伸びも鈍化していることは、農業労働力が持続的に大規模な都市移
転をするに伴い、無限ではなくなっているということだ。潜在力があっても、無限
ではない」
 楊志明副部長は、農民工の就業は農民工の全体量に限界があるということから、
就業と雇用問題という構造的矛盾突出へと変化していると見ている。
〔新華網2014年2月20日〕

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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●太原6割のアリペイユーザーはモバイル決済を選択
 最近、多くのネットユーザーがモバイル端末の支付宝銭包(アリペイ財布)を更
新したのは、怖さ半分期待半分で「支付宝(アリペイ)2013年度明細書」を確認し、
2013年に自分が一体どれだけ支付宝を通して消費をしたか、自分がどれだけ金遣い
が荒いレベルなのかを見るためだ。

 1月13日、注目の年度明細書が正式に発表された。支付宝によれば、明細書は、
各ユーザーがみずからの支出状況及び生活の軌跡を理解することができるだけでな
く、みんながネットを使って新しい経済のモデルチェンジ、社会生活及び消費方法
の転換を観察することができる新たな窓口となったとしている。

 ショッピング、支払いにおいて、何事にも支出の少なくない太原市民の平均ネッ
ト支出は7692元で、11月11日の「双11」のたたき出した1日350億元の販売額、当日
の支付宝取引が1.88億件に上った等の周知の数字を除き、2013年ユーザーのネット
での支出(ネット消費、振替、返済、支払等を含む)は万元台を大幅に超えている。
 ネット支出金額の省トップ3は2012年同様だが、ランクに変化が生じている。広
東が浙江を押さえ、2013年ネット支出「最成金」省の称号を奪回し、全国総量の
15.99%を占めた。

 山西省の状況としては、山西支付宝のオンライン支出金額が全国の約1.14%を占
め、前年比114%の増加となり、そのうち太原ユーザー1人当たりの支出は7692元に
達し、2011年から576元増加した。

 打ち出の小づちとして歓迎され、山西省で157万人を超える人々が余額宝(支付
宝の利息つきネット金融商品)を買っている。
 「今日はまた9元余り稼いだ」。2013年、余額宝の誕生に伴い、多くの太原市民
が毎日モバイル端末で収益をチェックする習慣がついた。財務の仕事に従事する白
氏は昨年、余額宝に5万元余りを預金した。
 データによると、2013年12月31日までのたった半年余りの間に、余額宝の顧客数
は4303万に達し、ユーザーに支払った累計収益は17.9億元に上った。

 統計では、余額宝ユーザーの平均年齢は28歳と若く、そのうち23歳のユーザーが
最も多く、205万人に達している。
 余額宝は低所得者の打ち出の小づちとして、山西省でも同様に人気を博しており、
昨年年末の山西省のユーザー数は157万人、購入申し込み総額は72.3億元に達して
いる。そのうち男女比は1.155:1で、男性の方が女性よりも利用していることがわ
かる。

 夜半に買い物をする「パンダ族」は、草木も眠る時刻にベッドに横になりながら
モバイル端末、タブレットなどで各種の支払いを行う者が多く、支付宝ユーザーの
うち3700万のパンダ族は、午前0時から5時の、皆が寝静まる時刻にモバイル端末で
買い物をしている。

 一線都市での第1位は上海で、5人に1人がパンダ族、二線都市では福州がトップ
で23.1%、スワトウ及び広西チワン自治区崇左市がパンダ族ユーザーの占める割合
が最も高い三線、四線都市となっている。
 太原のパンダ族の比率も15%に達するなど、低くない。

 太原の6割のユーザーは余額宝での支払いを好み、昨年は業界公認のモバイル決
済が進展した1年だった。
 支付宝年度明細があらわしているとおり、昨年1年の間に支付宝銭包を通して行
われた振替は前年同期比33.8倍、支払いは前年同期比13倍、返済は16.2倍の増加と
なっており、支付宝銭包を使いモバイル通信料金のチャージをしたユーザーは79.3%
に達した。

 太原の支付宝銭包ユーザーの2013年1人当たり平均支出総額は8014元で、そのう
ち買い物への支出は667元。ユーザーの63%は支付宝銭包を通じて余額宝への出し入
れを行っており、その比率はPC端末をはるかに上回った。〔太原晩報2014年1月23日〕

●2013年中国書籍小売市場報告 実店舗は継続的に衰退
 先日、北京開巻情報技術有限公司(開巻)は「2013年中国書籍小売市場報告」
(以下「報告」)を発表した。
 中国国内2000軒の実店舗のある書店、20余軒のネット書店と10余軒の図書館に対
する詳細な統計により、2013年の実店舗の小売販売がさらなるマイナス成長をあら
わす数字を示し、ネット書店の発展は勢いがあり、軽く2桁成長を継続したことが
わかった。
 単行書のベストセラー統計によると、文学書と児童書が最も多く売れ、柴静の
「看見」は、年度最もよく売れた書籍であった。

〈一線都市 実店舗はさらに劣勢〉
 2013年の全国書籍小売市場全体の出版物総額(定価ベース)は500億元近くにな
り、そのうち、実店舗の売上高はネット書店の2倍であった。それにもかかわらず、
2者は発展の傾向上、上昇と下降の2つの傾向をあらわしている。
 2012年のネット書店の売上額は120―130億、2013年は160―170億に増加し、少な
くとも30%の伸び率を実現している。
 これと比較して鮮明なのは実店舗で、2012年の売上高は近年初めて減少を示し、
1.05%減になった。今年はさらに深刻で、継続してマイナス成長を示しており、数
字は1.39%減にまでなる。
 統計全体では、ネット書店の速くて猛烈な発展によって、書籍の小売り全体は10%
に近い伸び率を実現している。

 開巻は、観測している書店を都市区分に従い、北京、上海、広州、深センを「一
線都市書店」の代表、その他の直轄市及び一部の計画単列市を「二線都市書店」の
代表、その他の重点都市の構成を「三線都市書店」として、異なる種別の書店の販
売経営状況をそれぞれ統計にしている。
 2013年、一線都市書店は6.46%減、二線都市書店と三線都市書店はそれぞれ0.02%
増、2.54%増の成長が見られた。これによると、オンライン物流配送システムが成
熟した都市と地域であればあるほど実際の書店の成長は遅く、別の角度からは、ネ
ット書店が実店舗に切実な衝撃を与えていると説明することができる。

〈文学、児童書は最も売れ筋〉
 「報告」が発表したリスト「2013年大衆向きベストセラートップ30」によると、
年度トップの書籍は、ジャーナリスト、柴静の伝記「看見」だった。記者が「看
見」を出版した広西師範大学出版社理想国に問い合わせたところ、目下「看見」の
販売量は300万冊を突破したという。

 売り上げトップ10の書籍のうち、児童書は6冊を占める。
 「看見」を除けば、リチャード・ワイズマンの「正能量」(邦題は「その科学が
あなたを変える」)は同様にトップレベルにあり、「正能量」(ポジティブエネル
ギー)は2013年の流行語にもなった。
 その他トップ10に入っている2冊は傳高義の「小平時代」と朱鎔基の「朱鎔基
上海講話実録」である。
 2013年ベストセラートップ30の書籍のうち、成人フィクションは依然として地位
が弱く、3冊のみである。内訳は、郭敬明の「小時代」シリーズの1、2、3である。
楊紅桜、曹文軒、瀋石渓など児童文学作家も同様に書籍がランク入りしている。

 感情・啓発分野の書籍も非常によく売れていて、「正能量」を除くと、張小嫺の
「謝謝〓愛過我」、劉同の「誰的青春不迷茫」と楊瀾の「幸福要回答」は全てラン
キングに上がっている。
 特筆すべきは、児童小説作家、雷欧幻像の「査理九世」シリーズで、2013年の書
籍売り上げトップ10の4位を占め、売り上げトップ30の書籍のうち15冊は皆このシ
リーズである。このシリーズの書籍は廉価でわずか15元であるが、確実な販売量か
らベストセラーの半数を占めている。作者の雷欧幻像も、これにより、2013年度末
に発表された作家長者番付のトップ10に入った。

 2012年と比較し、昨年の全体的な分野のうち、児童、教育補助、伝記分野のみで
書籍が増加し、その他分野の書籍は押しなべて販売量が縮小している。
 そのうち、児童書は6%の増加を実現し、その他分野の書籍の群を抜いている。実
店舗の販路、ネット書店の販路にかかわらず、文学書と児童書のベストセラーは最
も人気がある書籍である。
 しかし、実店舗のルートの児童書ベストセラーは児童文学と児童アニメが主であ
るのに対し、ネット書店の児童書ベストセラーは低年齢層向けアニメ絵本が主である。
 文学書は実店舗でランク入りする数がネット書店より明らかに高く、ネット書店
ではメンタルヘルス分野と経営分野の書籍がランク入りする数が実店舗より高い。

 2013年に販売した126万タイトルの書籍のうち、売り上げリストのトップ5%の書
籍は小売市場で59%を超えるシェアに貢献している。これは、ベストセラーが既に
中国の書籍小売市場の発展の重要な力となっていることを説明している。
〔新華網2014年1月29日〕
注)〓は、にんべんに「尓」

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●湖南 民間固定資産投資が62.4%を占める
 湖南省統計局が1月27日に発表したデータによると、2013年、政府が民間固定資
産投資を強力に後押しし、多くの民間固定資産投資分野のプロジェクトが市場に開
放された結果、民間固定資産投資は活性化し、その総量規模は拡大し、湖南省の固
定資産投資の比較的速い成長を押し上げるのに大きく寄与した。

 湖南省の民間固定資産投資は、去年、1兆1477.53億元で29.9%の成長率だった。
これは対前年比3.8%の伸びで、湖南省における固定資産投資の62.4%の割合を占め
た。投資成長への貢献度は69.5%で、湖南省の投資成長を18.1%押し上げた。

 データによると、民間固定資産投資プロジェクトは急増し、2013年、湖南省の民
間固定資産投資の施工プロジェクトは2万3956件、前年比18%増で、全体の施行プロ
ジェクトの66.8%を占めた。そのうち、2014年、新規着工プロジェクトは1万9952件
で、17.9%の増加となった。
 固定資産投資全体での本年の新規着工プロジェクトは2.2%の増加で、新規着工プ
ロジェクトの69.6%を占めた。

 湖南省の民間固定資産投資は主に製造業と不動産業に集中しており、これらの合
計で民間固定資産投資の70%の割合を占めた。
 2013年、湖南省における製造業の民間固定資産投資は5598.73億元を達成し、前
年比31.4%の成長で、民間固定資産投資の48.8%の割合を占めた。不動産業の民間固
定資産投資は2441.29億元に達し、23.6%の成長、民間固定資産投資の21.3%の割合
を占めた。

 新興産業に対する民間投資の資金も大幅にふえており、特にIT業界、コンピュー
ターやソフトウエア、金融業など新興産業がそろって急速な成長を遂げており、そ
の成長率は平均50%を上回った。

 2013年、湖南省の民間固定資産投資における実際額は1兆3710.33億元で、前年比
28.6%の増加。そのうち、国内貸付金は955.98億元で26.8%の増加だが、実際額のわ
ずか7%を占めた。企業の自己資金は9863.97億元で31.1%の増加、実際額は71.9%を
占めた。そのほかの資金は1833.12億元、20.9%の増加で、実際額は13.4%を占めた。
〔湖南日報2014年1月27日〕

●「海上シルクロード」建設 共同市場を連動
 2014年、中国の「海上シルクロード」構想に対して、沿線各国は前向きな反応を
示した。その昔、富と繁栄をもたらした海上交通が、新時代において、再び中国と
一衣帯水の間柄にある沿線諸国に対して新たな活力をもたらすことが期待されている。

 2013年、中国の習近平国家主席はインドネシアにおいて基調講演を行い、中国は
ASEAN諸国との海上における協力関係を強め、21世紀「海上シルクロード」を建設
する意向であることを示した。
 新年が明け、中国は早々にインド、スリランカ両国に呼びかけ「海上シルクロー
ド」構想に対して両国の前向きな反応を得た。

 「海上シルクロード」の建設は、中国指導者の戦略的な選択だ。インタビューに
応じた多くの専門家は、「海上シルクロード」建設によって、ASEAN、南アジア、
西アジア、北アフリカ、ヨーロッパ等各経済グループの市場拠点が結ばれ、数十億
人市場が形成され、今後「量的拡大」から「質的向上」へと経済成長パターンが転
換されるに際して、高い次元において各国との利益の共有、融合が実現されると考
えている。

 「海上シルクロードの復興は歴史との符合の再認識である」北京大学南アジア研
究センターの姜景奎主任はこのように語った。
 もとより、この海上シルクロード構想はASEAN圏において初めて提唱されたもの
であるが、これはゴールではない。その昔、海上シルクロードは海を越えてヨーロ
ッパとアジアを結ぶ大動脈であった。
 2014年2月、中国外交部は初めて「海上シルクロード」の主旨を詳細に示し、古
きシルクロード特有の「互いに学び、かがみとする」理念と価値を再認識するとと
もに、新時代の要素を加えることで、各国の発展と繁栄を実現するとした。

 それでは、海上シルクロードは沿線各国に一体何をもたらすのであろうか?

 東南アジアが古くより「海上シルクロード」の重要拠点であることを例としても、
その一端がうかがえる。共同市場を打ち立てたことにより、現在中国はASEANの最
大貿易相手国に、そしてASEANは中国第三の貿易相手国となっている。
 2013年、中国・ASEANの貿易額は10年前に比べ5倍以上の4436.1億米ドルに達し、
累計投資総額は1000億米ドルを突破、成長率はいまだ他をリードしている。

 未来に目を向ければ、中国・ASEAN間の経済貿易がさらなる進歩を遂げる「ダイ
ヤモンドの10年」は目前だ。中国国務院の李克強総理は第13回中国ASEAN博覧会に
おいて、「海上シルクロード」の歴史的栄光について言及した。

 最も直感的に言えば、中国・ASEAN間の無理のない互恵的な貿易がアップグレー
ドするということである。
 「これまでの中国・ASEAN間の経済貿易の発展の軸が「量的拡大」にあったとす
るなら、未来の軸は「質的向上」にある」
 外交学院の蘇浩教授は、中国・ASEAN間において、生産と販売がつながって深く
結びついた完成された産業チェーンを形成することによって、中国・ASEANの経済
は密接に連携し、互いに支え合うことができると見ている。
 実際、中国は中国・ASEAN間で新たなサービス貿易交渉を行うことを提唱してお
り、2020年までに中国・ASEAN間の貿易額を1兆ドルに引き上げ、今後8年間で相互
投資をさらに1500億ドルふやすとしている。

 このほか、地理的、技術的能力を相互に補完する視点から、中国、ASEAN、南ア
ジア、ひいてはさらに広い地域が現在推進している道路、鉄道、水運、航空、通信、
エネルギー等分野におけるネットワークの連結も有望である。
 現在、中国政府はアジアインフラ投資銀行を設立し、ASEAN諸国のインフラ建設
と中国ASEAN間の越境協力プロジェクトに対し、優先的に融資、支持することを提
案している。
 「海上シルクロード」沿線各国は、それぞれ天賦の優位性と発展ニーズを持って
おり、構想の共有と協力体制の円滑化によって1+1=2以上の効果が得られることが
予想される。

 もちろん、他の国々も過去2年間、この青い海が穏やかではなかったことに気づ
いている。そのため、各方面の協力構想に対して懸念を持っている者もいる。
 しかし、多くの専門家は、古代シルクロードが貿易を促進するとともに、それぞ
れの価値観に対する理解を深めたように、海上シルクロードの復興によって問題を
直視し、障害が取り除けるとしている。

 中国にとって「海上シルクロード」構想は絵空事ではない。中国共産党第18期中
央委員会第3回全体会議の、改革の全面深化に関する「行動綱領」においても、海
上シルクロードの建設推進は公然と掲げられている。
 2014年、政府も「海上シルクロード」建設を年間業務に初めて加え、戦略計画の
制定を急ぐよう求めた。四川、広西、海南等十数省市区が既に動き始め、海・陸上
シルクロード建設の機会を競い合っている。

 歴史と地理が、海上シルクロード沿線各国に切っても切れない絆を与えた。海上
シルクロードの活力を新たに奮い立たせ、それぞれの利益を深く融合させ、戦略的
信頼関係を強化して初めて、ともに繁栄し、発展するための力が提供される。
〔中国新聞網2014年2月21日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行3月3日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.0391   611.9    78.84  843.05
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
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《編集者コラム――中国ニュース》
 最近のヤフーニュースを見ていたら、それがニュースなのかは謎ですが、日本体
験記的な話を見るようになりました。しかも、数年前に別の媒体が翻訳していた秀
逸なエピソードを発掘してなのか、違う媒体で再度翻訳されているものを何件も発
見してしまいました。我ながら変なところで記憶力がいいものです。
 中国のニュースというのは、昔の記事からコピペして新しい記事をつくることも
ありな気もしているので、そういう技法が日本語で展開されているのかもしれませ
んが、日本でそれは見たくなかったなと思いました。
 ただ、今でも日常をつぶやきではなく、それなりの文章として残しているものな
のかと思うことがあって、中国も微博とか微信とかで短文が多くなって、翻訳して
コンテンツとして見せるほどの量のある文章を探せないのかな、今は新しく生み出
されるコンテンツを探すのは実は大変になっているのかなとかも思います。どうで
しょう。
 来週でこのメールマガジンも600号になります。といっても、特段何か企画を考
えていないので、次回も多分今回と同じ感じのメールマガジンになると思います。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子 奥谷道弘 楊桃 村瀬明美
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