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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.434 2008年3月4日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:6,894名(2008年3月2日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:日本の対中援助の30年】
●日本の対中援助の30年 1
●日本の対中援助の30年 2 雪中送炭

┏【国内経済】
●1月の工業出荷額は前年同期比6.1%上昇
●CEPAが中国内陸部投資を後押し 香港貨物は4.5億元の関税を節約
●長江デルタに「2時間交通網」
●南方の雪災害の経済損失はSARSを上回った

┏【労働】
●昨年の大学新卒者の半数の初任給は1500元を下回る
●第二次農業センサス 1.3億人の農村労働力が出稼ぎに出ている

┏【農業】
●第二次全国農業センサス主要データ 農村住民生活条件

┏【経済データ】
●外国為替(3月2日)

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……【特集:日本の対中援助の30年】…………………………………………………
●日本の対中援助の30年 1
 1979年から今まで、中国は日本から総額約2248億元の開発借款供与及び各種形式
での技術協力、無償援助を得ている。特殊な歴史的原因及び複雑な民族感情が、こ
の巨大な規模の援助行為を大多数の中国人の知るところとさせていない。

 1970年代末、大量の資金が不足していた中国の改革開放当初、世界は中国にまだ
関心が薄かった。そのとき、日本は最初に中国を支持した国の一つだった。
 戦争賠償を放棄したという善意に感謝云々はおいておいても、やはり日中貿易の
客観的なニーズとして、日本が中国に対して開発援助をするというのが初期の日中
関係の一つの象徴であり、それは中国の初期段階のインフラ建設に重大な貢献とな
った。

 1989年以降、日本政府は最初に対中援助を回復した国の一つだった。1997年から
2001年まで、日本の対中借款はピーク期に突入し、2001年には2144億円(約142億
元)の頂点に達した。
 中国経済発展の動きと軌を一にして、30年間、日本の対中国援助は、沿海から内
陸部まで、そして、中国の初期段階でのエネルギー、運輸等のインフラから、農業
プロジェクト、ひいては環境保護、人材育成まで、ほとんど中国発展の各分野、今
現在までで既に200プロジェクト以上に及んでいる。

 円借款のほかにも、日中関係の激動の30年間で、日本は海外協力隊、シニアボラ
ンティアというように、中国に大量のボランティア、専門家を派遣し、それは中国
の文化、教育、衛生、環境保護等の分野にまで行き渡っている。歴史問題によって
互いに相入れない2国間関係ではあったが、援助、貧困扶助、伝染病対策、水資源
利用等の分野で交流の基盤を打ち立てた。

 30年がたち、2007年の日本における対中国の貿易額は2630億米ドルに達し、初め
てアメリカを追い抜き、日本にとって中国は最大の貿易相手国となった。
 今年3月、日本は最後の円借款を中国に供与した後、日本の対中借款供与は終了
する。しかし、日本の対中援助は存在し続けるだろう。〔南方週末2月21日〕

●日本の対中援助の30年 2 雪中送炭
 あと数カ月で国際協力銀行(JBIC)北京代表所の中里太治・副総代表は代表所を
移転させなければならない。

 日本政府の指示により、日本は2008年3月の総額463億円(約31億元)の借款を最
後に、対中円借款の新規供与を停止する。これにより、30年近くに及んだ日本の対
中借款プロジェクトは終了する。
 中里太治・副総代表が籍を置く国際協力銀行が対中円借款を担当していたが、同
行は2008年10月、中国向けに技術協力や無償援助を実施している国際協力機構(JICA)
と統合する。

 国際協力銀行は30年前、対中開発援助(ODA)の実施に伴い、中国に拠点を置い
た。日本の外務省より南方週末に提供されたデータによると、日本は中国に対し、
30年間で総額3兆4000億円(約2248億元)の経済援助を実施してきた。

 日本の対中ODAの範囲は、中国の鉄道、道路、港湾、空港などの経済インフラ建
設のほか、農村開発、環境保護、医療・保健水準の向上など広範にわたる。プロジ
ェクト地域は、中国全国の省、自治区や直轄市に遍在する。
 多くの中国人になじみ深いプロジェクト、例えば、北京地下鉄一号線、北京首都
空港、武漢の長江二橋などのプロジェクトの建設費用にも円借款が利用されていた。
北京地下鉄一号線の例では、円借款が投資総額の20%を占める。

 1979年12月に当時の日本の首相・大平正芳氏が訪中し、「日本は中国の改革開放
と現代化の建設を支援するため、中国に円借款と技術協力を提供する」と宣言した。
これより前の日中国交正常化に際し、中国は日本に対する戦争賠償責任の追及を放
棄すると宣言していた。
 当時の中国は建国したてで、外貨準備が限られている中、外貨資金の手当て、技
術や大型設備の導入が急務となっていた。低利で長期の円借款で急場をしのげた。

 日本は1980年、中国に正式に円借款を提供した。その1年後には、日本は無償援
助を開始した。資金の割合は、援助の90%が円借款、約10%が無償援助だった。
 円借款の開始と時を同じくして、中里・副代表の先輩に当たる竹内克之氏は1980
年、中国に赴任した。竹内氏は日本海外経済協力基金(国際協力銀行の前身)北京
代表所の初代・首席代表となった。
 後輩から「明るく、精力的」と評される竹内氏は、2期にわたり主席代表を務め、
6年近くを中国で過ごした。竹内氏にとって最も忘れがたいのは、当時中国側が積
極的に実施した「学習班」だという。学習班の内容は、国際競争入札の必要性や有
効な方法などさまざまな課題に及んだ。定期的に業務例会や現場研修なども実施さ
れた。

 両国の協議により、第1回の円借款は1979年から1984年の5か年に分け、協定を締
結した。金額は3309億円で、主に「両港両路」建設――山東省・秦皇島石炭埠頭の
第二期工事、埠頭につながる北京から秦皇島へ通じる鉄道、山東省石臼所港と同
省・袞州をつなぐ石臼鉄道の建設――に充てられた。  
 中里氏によると、国際協力銀行は毎回、中国の五カ年計画をつぶさに検討し、円
借款の割り当てを調整したという。中国政府が策定した「第6次五カ年計画」から
「第9次五カ年計画」まで、円借款は一貫して国の重点建設プロジェクトに充てら
れた。

 戦争賠償責任の追及の放棄という善意に対する感謝としてだけではなく、日中貿
易での客観的な需要もあって、日中経済関係の改善の一つの象徴としての円借款は
既に日中関係の改善の象徴となり、中国経済の急進に早くから貢献した。
 円借款の開始後、歴代の日本首相は訪中に際して、円借款プロジェクトを手土産
にしていた。
 中曽根首相は1984年3月に訪中し、中国の7件のプロジェクトに対して4700億円の
円借款を提供することに同意。また、4年後に訪中した竹下登首相は、1990年から
1995年にかけ、42件のプロジェクトに対して8100億円の円借款を提供することに同
意した。これらの円借款プロジェクトは、埠頭、港湾、鉄道、水力発電、電力、通
信などの分野に及んだ。

 当時26歳の中里太治氏は1992年、海外経済協力基金で勤務するかたわら、北京大
学で中国語を学び、中国各地を訪れていた。このとき、中国西部の貧困と低開発、
特に機械化のレベルや都市建設のおくれが、最も印象に残ったという。
 渇いた大地のように、歴史の動乱を経験した中国は莫大なインフラ建設資金を必
要としていた。円借款は当時の中国にとって、いわゆる「雪中送炭」(最も困って
いるときに、救助の手を差し伸べられること)だった。日本円の対中ODAの総額は、
1994年には、中国のGDPの0.29%に及んだ。
 「中国経済が飛躍的に成長した過程で、日本の対中借款が中国のインフラ建設に
大きく貢献したことに、目を向けなければならない」日本の対中開発援助を長年研
究してきた中国社会科学院日本研究所の金熙徳・副所長は感慨深げにこう述べた。
〔南方週末2月21日〕
(次号に続く)

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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●1月の工業出荷額は前年同期比6.1%上昇
 2008年1月における工業出荷額は前年同期比6.1%上昇し、原材料、燃料、動力購
入価格は8.9%上昇した。
 工業出荷額においては、生産資材出荷額が前年同期比6.5%上昇した。うち、採掘
業は20.5%上昇、原材料業は8.5%上昇、加工業は3.8%上昇した。
 生活資材出荷額は前年比4.6%上昇した。うち、食品は10.4%上昇、衣類は2.2%上
昇、日用品一般は3.0%上昇したが、耐用消費財は0.6%下落した。
〔統計局ウエブサイト2月18日〕

●CEPAが中国内陸部投資を後押し 香港貨物は4.5億元の関税を節約
 財政部の廖曉軍副部長は会議に出席した際、2007年の香港から中国内陸部へ輸入
されたゼロ関税貨物は5.6億ドルに達しており、約4.5億元の関税を節約したことを
披露した。

 香港大公報によると、廖曉軍副部長は、香港・マカオ地区の人民代表大会代表、
政協委員に「2007年中央予算執行及び財政工作に関する報告」を報告する際、次の
ように指摘した。
 2007年において、内陸部と香港・マカオ特区はゼロ関税製品の原産地基準につい
て2回交渉し、その種類はそれぞれ香港34種類、マカオ8種類に及んだ。2008年1月1
日より、中国国内がゼロ関税優遇で輸入した品目点数はぞれぞれ香港1503品目、マ
カオ665品目に達した。

 また、税関の統計データでは、昨年内陸部へ輸入された香港のゼロ関税貨物総額
は5.6億米ドルで、関税免除額は4.5億元に達した。マカオのゼロ関税貨物総額は
315.2米ドルで、276.8万米ドルを節約した。

 廖曉軍副部長は2008年工作計画に言及した際に、CEPAの規定に基づき、引き続き
香港・マカオ特区と一緒にゼロ関税製品の原産地基準について協議し、CEPAの実施
状況を密接にフォローし、実施過程において生じた問題を協調して対処し、CEPA協
議の実施を着実に行うようにするとしている。〔中国新聞網2月17日〕

●長江デルタに「2時間交通網」
 浙江省政府ポータルサイトは25日、上海―南京、上海―杭州の都市間鉄道交通の
フィージビリティースタディー報告について、国家発展改革委員会から正式な回答
がなされたとし、今年上半期に着工し、4年以内に完成する見込みであることを明
らかにした。
 同時に批准されたプロジェクトとして、関心が持たれている杭州―南京都市間高
速鉄道プロジェクトがある。
 完成すれば、長江デルタに「2時間高速鉄道交通網」が形成されることになる。

 着工される滬寧都市間鉄道は、既設の滬寧鉄道と基本的に平行するもので、上海
を出発し、昆山、蘇州、無錫、常州、丹陽、鎮江を経て、南京に至る、全長300キ
ロメートルである。このプロジェクトの投資総額は394.5億元で、鉄道部、江蘇省、
上海市の共同出資で建設される。

 滬寧都市間鉄道は複線、最高時速は時速300キロ、旅客営業のみとする。
 計画によると、滬寧都市間鉄道建設後には高密度の公共交通営業を実施し、最短
の発車間隔を3分、24時間稼働、各駅停車と大中都市に直行する急行営業を行う。
 滬寧都市間鉄道建設後、上海―南京の直行列車は最速で72分とし、目下の最速の
車両よりもさらに40分以上短縮する。

 鉄道部門は、滬寧都市間鉄道のほか、滬杭都市間鉄道も上半期内に着工するとし
ている。このほか、鉄道部門はさらに、常州―蘇州、蘇州―嘉興、杭州―寧波等都
市間鉄道交通線を建設するとしている。
 2012年ごろには、長江デルタには上海、南京、杭州を中心とする「2時間交通
圏」が基本的に形成される。〔上海証券報2月26日〕

●南方の雪災害の経済損失はSARSを上回った
 香港「文匯報」の報道では、民政部から得た情報で、南方の最近の氷雪災害で既
に1516.5億元の直接的な経済損失が発生したという。目下の為替レートで計算する
と、雪災害が中国にもたらした経済損失は既に5年前のSARSの1278.6億元を上回っ
ている。この2つの災害がもたらした重大な生命財産損失は国際社会の大きな関心
を集めている。

 新華社が24日に報じた民政部の李立国副部長のコメントによれば、南方で最近発
生した低温雨雪氷凍災害で129人が死亡、4人が行方不明、166万人が緊急避難した。
また、農作物の被災面積は1.78億ムー、家屋の倒壊が48.5万戸、災害による直接的
な経済損失は1516.5億元である。

 大まかな統計では、昨年、公衆、企業及び国外における中国に対する慈善事業で
集まった金銭、物品の総額は309億元に達し、2006年と比較して大幅増となった。
 多くの民衆は今回の雪災害と2003年のSARS流行と比較している。この2つの災害
は国際社会の大きな関心を集めたもので、重大な生命財産損失をもたらした。
〔新快報2月25日〕

……【労働】………………………………………………………………………………
●昨年の大学新卒者の半数の初任給は1500元を下回る
 北京大学教育経済研究所、高等教育研究所は先日、「2007年大学卒業生就業状
況」の調査結果を発表した。それによると、2007年の新卒者の就職率は70%に達し、
新卒者の平均月給は1798元であるが、新卒者の半数が1500元以下であり、新卒者の
就職率では、4年生大学生は高等専門学校生に及ばなかった。

 この調査は、北京大学の「高等教育規模拡展と労働力市場」プロジェクトチーム
が2003年6月と2005年6月に全国大学卒業生就職状況についてアンケート調査を実施
したのに続き、2007年6月に全国的な範囲で3回目となるアンケート調査を実施した
ものである。
 調査によると、2007年新卒者の卒業時に就職先が決まっている割合は40.4%で、
進学または出国が決まっている割合は16.8%、起業または伝統的な就業形態ではな
い就職の割合が13.7%で、この3者の合計が70.9%に達した。

 2007年の新卒者で、就職の意思はあるが決まっていない高専及び高等職業学校生
は24.3%、大学生は23%、修士課程の学生は12.1%、博士課程の学生は10.1%だった。
 高学歴の低学歴に対する競争優位は減少しつつある。就職の意思はあるが決まっ
ていないという指標から見れば、高専の卒業生の就職の難しさは依然として大きい
が、就職率から見れば、高専生は、就職先確定、自由職業、起業、その他伝統的な
就業形態ではない就職の割合が大学生よりも高く、大学生は進学、出国において相
対的に優位なだけだった。

 プロジェクトチームの統計結果では、大学新卒者の半数の月給は1500元以上である。
 そして、新卒者50%の月給は1000―2000元の間にあり、新卒者80%の月給は800―
3000元の間にある。新卒者90%の月給は700―4500元の間にある。
 2007年の大学新卒者の平均月給は1798元で、2005年比で210元増加している。
 職場の性質、仕事のタイプ、就職地によって、初任給にも差異が生じている。直
轄市あるいは省都の平均収入が最も高く、2074元だった。〔人民網 2月21日〕

●第二次農業センサス 1.3億人の農村労働力が出稼ぎに出ている
 第一次農業センサスから10年、三農の実情を調査した中国農業の最新統計データ
が明らかになった。
 2月21日、国務院第二回全国農業センサス指導者グループ事務室、国家統計局が
初めて第二回全国農業センサス結果の主なデータを公表した。今回の結果で、目下
の中国農業、農村、農民の基本状況が明らかになった。

 第二次農業センサスは2006年に正式に着手された。これは1996年の第一次農業セ
ンサス後の、三農発展の最新事情であり、農業大国中国の国情や国力、マクロ経済、
社会政策立案の判断に極めて重要である。
 国務院農業センサス事務室と国家統計局によると、そのほか、農業基本状況及び
生産条件、農村インフラ建設及び基本社会サービス、農村住民生活条件、農村労働
力資源と就業、耕地分布及び分類を内容とした公報について、5回にわたって詳細
なデータを発表する。

〈農村における公共施設が明らかに改善〉
 都市の整ったインフラや公共サービス体系が、農村住民に都市をあこがれさせる。
統計結果では、これらは農村でも改善を見せている。

 まず、国家の農村への大量の財政投入により、道路、通信、住居等インフラ建設
に明らかな効果が出ている。
 例えば、2006年末で、中国全国の95.5%の村及び82.6%の自然村に自動車が通れる
道路が開通し、98.7%の村及び98.3%の自然村に電気が通り、97.6%の村及び93.7%の
自然村に電話が開通し、97.6%の村ではテレビ番組が見られるようになっている。
 2006年末、中国全国の9.6%の郷鎮地域内には列車駅があり、46.1%の郷鎮内には
二級レベル以上の自動車が通れる道路が通り、81.1%の郷鎮には郵便局があり、
88.4%の郷鎮には金融機関がある。

 次に、農村社会事業により、農民の通学、通院条件の利便が向上している。
 例えば、中国全国の87.6%の村には3キロメートル以内に小学校があり、69.4%の
村には5キロメートル以内に中学校があり、71.2%の村には5キロメートル以内に病
院あるいは診療所があり、76.1%の村には医師免許を持った医者がおり、74.3%の村
には診療室等がある。

 以上のようなインフラ建設に引きかえ、別の公共施設の状況はまだ楽観できない
ものがある。例えば、農村の公衆衛生である。
 データによると、中国全国の24.5%の村の飲用水は集中浄化処理を経ており、15.8%
の村ではごみの集中処理を実施しており、33.5%の村ではメタンガスタンクがあり、
20.6%の村ではトイレの改善がなされている。

 また、先日、衛生部が発表した第1回農村飲用水・環境衛生大規模調査結果にお
いて、農村の衛生状況は困難に直面していることが明らかになっている。例えば、
衛生トイレの普及率は23.83%で、そのうち無害化衛生トイレの普及率は22.74%、ト
イレがある住宅の割合は17.82%だった。
 この調査研究の結論は、農村の飲用水は基本的な衛生安全に達しておらず、指標
を44.36%超過しているというものだった。

〈労働力構造に異変発生〉
 農村からの労働力の移転が続き、それが中国経済の急速な成長を支えている。目
下の労働力の総量、構造を把握することは、国情の重要な部分である。

 統計結果では、農村の労働従事者構造は変化している。2006年末、農村の労働者
は4.8億人で、内訳は、第一次産業従事者が70.8%、第二次産業従事者が15.6%、第
三次産業従事者が13.6%だった。第一次産業従事比率は1996年に比べて5ポイント減
少した。

 次に、目下の農村の総労働力資源についてである。
 統計結果によると、2006年末の農村の常住人口のうち労働力総資源は5.3億人、
農村世帯戸籍の労働力のうち当該郷鎮から離れて出稼ぎをしている労働者が1.3億
人で、そのうち、男性が64%、40歳以下が82.1%、中学及びそれ以上の学歴を持つ者
が80.1%、当該県以外で出稼ぎをする割合が80.8%を占めた。

 統計データで農村労働力総資源が明らかになったとはいえ、経済学者が一般的に
関心を持っているのは「中国には現在どれだけの余剰労働力がいるのか」であり、
現在発表された結果の中にはまだこれが見えてこない。
 「専門家の通常の試算では、中国農業には2億人の労働力が必要である」2月21日、
国務院発展研究センター農村経済研究部の韓俊向部長は記者に対し、これらの問題
に対する答えは、今後さらに発表される詳細なセンサスデータを見てほしい旨示し
た。

 これまで、専門家たちは、中国の農村余剰労働力の総数は既に多くはなく、労働
力コストは上昇傾向で、これは一部の地方では既にあらわれているとしている。

 労働社会保障部は21日、武漢、重慶、成都、西安等の中西部地域企業の雇用調査
結果を発表した。
 それによると、82%の企業は2008年に当該企業の人件費コストが前年よりも上昇
するだろうとしていて、その平均上昇幅は12.2%だった。
 企業は2008年の新たに雇用する従業員の平均賃金は月額1048元と予想しており、
2007年に比べて企業は新たに雇用する従業員の平均賃金が33%増加すると予想して
いる。

 そして、労働社会保障部が作成した研究推計では、中国では既に移転した余剰労
働力は1億人おり、残りの1.06億人の余剰労働力が移転される必要があるとしている。

 また、国務院発展研究センターの調査では、中国全国の30歳以下の農村の青年労
働力の余剰割合は17.28%である。経済状況が相対的に発展し、交通が便利な沿海地
域においては、つまり、一部の村落では80%の若者が出稼ぎしているということで
あり、青年労働力は既に基本的には移転している。中西部地域においては、青年労
働力の余剰割合はやや高目で約20%から30%である。
 この全国56県、166郷鎮、2749村落に及ぶ調査ではさらに、半分以上の農村労働
力が既に非農業及び郷鎮に移転しており、常に出稼ぎしている労働力の割合は既に
4分の1に近く、そして、常に出稼ぎしている農村労働力のうち一家挙げて出稼ぎを
している割合は3分の1に近く、特に中西部地域では顕著であるとしている。
〔21世紀経済報道2月22日〕

……【農業】………………………………………………………………………………
●第二次全国農業センサス主要データ 農村住民生活条件
 第二次全国農業センサスは、農村住民2億2108万戸の生活条件に対して調査を行
ったものである。主要結果は、以下のとおり。

1) 住宅
 2006年末、農村住民の平均1戸当たりの住宅面積は128平方メートルである。
 99.3%の世帯は自宅を保有している。住宅の保有数は、1軒が2億450万戸(92.5%)、
2軒が1421万戸(6.4%)、3軒が77万戸(0.4%)だった。
 住宅タイプは平屋が主体となっている。平屋が1億4774万戸(66.8%)、2階建て
以上が6750万戸(30.5%)、その他のタイプの住宅が584万戸(2.7%)だった。
 住宅構造は、れんがと木、れんがとコンクリートが主体となっている。れんがと
木の住宅は9799万戸(44.3%)、れんがとコンクリートは8706万戸(39.4%)、鉄筋
コンクリートは1335万戸(6%)、竹、草と土、土の住宅は2124万戸(9.6%)、その
他は144万戸(0.7%)だった。

▽住宅状況
 全国 東部地域 中部地域 西部地域 東北地域
▼1世帯当たり住宅面積(平方メートル) 127.7 135.9 133.5 122.2 80.0

▼住宅保有数割合(%)     
1軒 92.5  89.0  93.4  95.2  95.3
2軒 6.4  9.6  5.9  4.0  2.5
3軒及びそれ以上 0.4  0.6  0.3  0.2  0.1
なし 0.7  0.8  0.4  0.6  2.1

▼住宅タイプ別割合(%)     
2階建て以上 30.5  32.3  34.1  31.0  2.2
平屋 66.8  66.5  62.1  65.4  96.8
その他 2.7  1.2  3.8  3.6  1.0

▼住宅構造別割合(%)     
鉄筋コンクリート 6.0  7.9  7.5  2.9  2.4
れんがとコンクリート 39.4  43.2  47.9  29.5  23.4
れんがと木 44.3  45.5  39.7  44.4  58.7
竹、草と土、土 9.6  3.1  4.4  21.8  15.3
その他 0.7  0.3  0.5  1.4  0.2

2) 飲用水
 2265万世帯、10.3%は飲用水を得るのが難しい。
 水道管を使用している世帯は1億754万戸(48.6%)、飲用水が浄化処理されてい
る世帯は5101万戸(23.1%)、深井戸の水を飲用している世帯は9231万戸(41.8%)、
浅井戸の水を飲用している世帯は6151万戸(27.8%)、河川または湖の水を飲用し
ている世帯は619万戸(2.8%)、池の水を飲用している世帯は303万戸(1.4%)、雨
水を飲用している世帯は316万戸(1.4%)、その他の水源を利用している世帯は387
万戸(1.7%)だった。

▽飲用水状況(単位%)
 全国 東部地域 中部地域 西部地域 東北地域
飲用水を得るのが難しい世帯割合 10.3  2.8  9.6  22.2  1.3
水道管を使っている世帯割合 48.6  71.1  28.5  42.9  41.3

▼飲用水の水源別構成     
浄化処理 23.1  44.2  8.8  13.3  15.0
深井戸 41.8  37.6  53.4  27.5  75.9
浅井戸 27.8  15.3  31.7  43.6  9.0
河川や湖水 2.8  1.4  2.0  6.0  0.1
池 1.4  0.4  1.6  2.6  0.0
雨水 1.4  0.1  1.1  3.7  0.0
その他 1.7  1.0  1.4  3.3  0.0

3) 炊事用エネルギー源
 農民住民の炊事用エネルギー源のうち、主に薪を使用している世帯は1億3318万
戸(60.2%)、石炭は5762万戸(26.1%)、ガスあるいは天然ガスは2642万戸(11.9%)、
メタンガスは145万戸(0.7%)、電気は182万戸(0.8%)、その他が59万戸(0.3%)
だった。

▽炊事に主に使われるエネルギー源タイプ割合(%)
 全国 東部地域 中部地域 西部地域 東北地域
薪 60.2  53.1  56.9  66.2  88.2
石炭 26.1  18.5  38.4  27.1  7.4
ガス、天然ガス 11.9  27.2  3.8  3.2  4.0
メタンガス 0.7  0.2  0.7  1.3  0.1
電気 0.8  1.0  0.2  1.3  0.3
その他 0.3  0.0  0.0  0.9  0.0

4) 衛生設備
 水洗トイレを使用しているのが2838万戸(12.8%)、くみ取り式トイレが9796万
戸(44.3%)、簡易トイレまたはトイレなしが9474万戸(42.9%)だった。

▽家庭における衛生設備タイプ(単位%)
 全国 東部地域 中部地域 西部地域 東北地域
水洗トイレ 12.8  26.0  6.0  6.2  1.3
くみ取り式トイレ 44.3  38.3  54.1  40.6  49.2
簡易トイレまたはトイレなし 42.9  35.7  39.9  53.2  49.5

5) 耐用消費財
 農村住民の100戸当たり平均のテレビ保有台数は87.3台、固定電話は51.9台、携
帯電話は69.8台、コンピューターは2.2台、オートバイは38.2台、生活用の自動車
は3.4台だった。

▽主要耐用消費財保有台数(100戸当たり)
 全国 東部地域 中部地域 西部地域 東北地域
テレビ 87.3  97.5  85.1  74.5  97.1
固定電話 51.9  68.2  45.9  35.1  64.4
携帯電話 69.8  86.1  68.7  52.3  63.7
コンピューター 2.2  4.8  0.9  0.6  1.0
オートバイ 38.2  50.9  36.0  25.6  34.3
生活用自動車 3.4  5.1  2.6  2.2  2.6

〈注〉
1) 住宅
 一般に屋根があり、周囲を壁で囲まれ、風雨を防ぎ、人が居住するための建物の
こと。各地の生活実情にあわせ、居住可能な洞穴式住居、竹の家、パオ、テント、
フェルト製テント、船なども含まれる。

2) 住宅面積
 自宅用、賃貸、空室の建設面積を含む、世帯が保有するすべての住宅の建設面積
を指す。

3) 飲用水獲得の困難
 主に、取水箇所への到達距離が1キロメートルあるいは標高差100メートル、通常
で年間渇水日数が70日以上あるいは1回当たりの取水時間が30分以上かかる状況を
指す。また、村幹部や農民世帯へ供給される水の濁り、水質が基準を超過する等の
現象も含まれる。

4) 炊事用エネルギー源
 世帯の家庭における炊事に使用される主要なエネルギー源。

5) 四大地域
 東部地域――北京市、天津市、河北省、上海市、江蘇省、浙江省、福建省、山東
省、広東省、海南省。
 中部地域――山西省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省。
 西部地域――内モンゴル自治区、広西チワン族自治区、重慶市、四川省、貴州省、
雲南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新疆ウイグ
ル自治区。
 東北地域――遼寧省、吉林省、黒龍江省。
〔国家統計局2月26日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行3月2日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.8972  710.58    91.34  1081.08
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――日本・中国青年親善交流事業》
 毎度ながらにしつこいのですが、またまたことしも内閣府で実施している「日
本・中国青年親善交流事業」の募集案内が来ているので、宣伝します。
 「日本・中国青年親善交流事業」は、9月に20日間ほど中国に派遣されて各地で
友好親善活動を行うというものです。30歳までの一般団員25名と、「おおむね」25
―35 歳までの渉外団員(通訳)2名を募集しています。
(サイトはこちらです)http://www8.cao.go.jp/youth/kouryu/data/china.html
 このメールマガジン関連で御連絡をいただく読者様の特徴から考えると、ここに
募集を載せても該当者は少なく、そもそも中国人だったり中国にいたりしてこの手
の親善交流には関係ない方が多いように思いますが、よろしければ周りの30歳以下
の海外見聞が少ない日本人の若者に御紹介ください。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―) http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで) http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:戴小芳 奥谷道弘 リン 神谷輝雄 呂君 澤田裕子
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