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電子マガジン・中国最新情報
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電子マガジン《中国最新情報》  No.394 2007年4月24日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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●李年古ブログ「日中異文化見聞録」で見る中国人の視点
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:右肩上がりの金融機関と独占の不満】
●都市商業銀行114社 昨年136億元の利益 不良債権率4.8%まで減
●建設銀行年次報告 2006年各データ安定的に上昇
●96.8%が独占事業の不当徴収は深刻と回答

┏【国内経済】
●北京カラオケ著作権料の納付開始 銭櫃、麦楽廸KTV企業も交渉中
●ライセンス費用見直し オリンピック記念品が年内にも8―10%のコストダウン
●15%の低所得層 ここ半年で生活レベルダウンを感じる

┏【社会】
●北京離婚調査 結婚生活3年で離婚がトップ 7年が5割

┏【連載:日本人には言えない―中国人の価値観】
●〔第2回〕中国人の伝統的な価値観 「礼」と「仁」

┏【経済データ】
●外国為替(4月23日)

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……【特集:右肩上がりの金融機関と独占の不満】…………………………………
●都市商業銀行114社 昨年136億元の利益 不良債権率4.8%まで減
 2006年末現在、中国の114都市商業銀行の年間の利益は136億元で、資本充足率
は8.48%に達し、各種リスク項目を控除した核心資本充足率は7.35%、不良債権率
は4.8%まで下がった。

 2006年末、全国都市商業銀行の資産総額は2.57兆元で、1999年末よりも2.02兆
元増、364%増となった。
 内訳は、貸出残高は1.37億元、1999年末より1.1兆元、408%増。負債総額は2.45
兆元、1999年末より1.92兆元、362%増。預金残高は2.18兆元、1999年末より1.73
兆元、386%増。資本は1218億元、1999年末より970億元、390%増。
 2006年度のイギリス誌「バンカー」で発表された世界1000大銀行ランキングに
都市商業銀行9社がランクインした。

 昨年、各都市商業銀行は、全国各地域でさまざまな政府レベルの地域連合と業
務提携関係をつくり、多元的な発展の新しい仕組みを構築している。中国国内外
の戦略協力が相次ぎ、現在、都市商業銀行9社では海外の戦略投資者との取引に成
功している。同時に、北京銀行、上海銀行、盛京銀行、深セン市商業銀行、寧波
銀行は金融派生商品の取引を展開している。〔中国証券報4月18日〕

●建設銀行年次報告 2006年各データ安定的に上昇
 「見事だ」関連データを示した後、建設銀行の郭樹清董事長はこのような前置
きをして、建設銀行上場後2回目の年次報告を発表した。

 中国建設銀行股ブン有限公司は18日、香港で2006年度業績を正式に外部に向け
て発表した。
 建設銀行は2006年は上場後初めて丸々1年の経営状況を公表した。建設銀行の税
引き前利益は657.17億元、前年比103.53億元増、増加幅は18.70%であった。税収
優遇を控除した後の純利益は463.19億元、18.02%上昇した。

 年次報告によると、2006年12月31日現在、建設銀行の資産総額は5兆4485.11億
元に達し、前年より8627.69億元増、増加幅は18.81%だった。資本充足率は12.11%
だった。税引き前利益は657.17億元、前年より103.53億元増、増加幅は18.70%だ
った。1株当たり利益(EPS)は0.21元、総資産利益率(ROA)は0.92%、株主資本利益
率(ROE)は15.00%だった。董事会は株主に2006年度現金配当として、株式当たり
0.092元を出すことを提案している。

 このほか、建設銀行の昨年の手数料及びマージン収入は135.71億元に達し、60.5%
増で増加幅は全国トップとなった。費用収入比率は持続的に下落し、43.97%とな
った。債権の質が持続的に向上、2005年よりも建設銀行の要管理債権は11.84%か
ら9.25%に下落し、不良債権は3.84%から3.29%に下落した。
 純利益が18.02%増加したことについて、郭樹清董事長は業績発表の席上、これ
は税制優遇を外した数字であり、また建設銀行の貸倒引当金カバー率が82.2%にま
でなった状況のもとで費用収入比率が下落しており、したがって、この利益増加
の早さは許容範囲ではあるが、「これを越えたらオーバーヒートする」とした。
 建設銀行は昨年、中核業務の競争力の底上げ戦略に努めた。具体的には、ホー
ルセール中心からホールセールとリテールの両立、伝統的な業務中心から伝統と
新しいものの両立、利息収入主体から利息と手数料収入の両立、国内市場主体か
ら国内と海外の両立である。
 郭樹清董事長は、建設銀行は、銀行保険会社、専門の年金管理会社、資産管理
会社、信託会社等々の申請を含め、多元化経営を進めているとした。

 建設銀行の張建国頭取は、マクロ経済に関係するデータを解説した。それによ
ると、建設銀行の昨年の貸し付け増加幅は銀行業全体のトップにあるが、これは
無謀な貸し付けをしているのではなく、建設銀行が率先して各種改革を進めたこ
とによって、業務を展開する実力が持っているということだとした。
 張建国頭取は、マクロコントロールの影響が相当長時間にわたって存在してお
り、建設銀行は国家の政策の大局全体に貢献するだろうとした。また、投資者が
建設銀行の成長を予測しているため、建設銀行は貸付業務において適度な増加を
維持しているという。
 外部が引き続き注目している建設銀行のA株復帰問題について、張建国頭取は、
建設銀行は中国国内で主に経営しており、今後A株復帰は想定はしているが、今の
段階では未定であるとした。〔金融時報4月18日〕

●96.8%が独占事業の不当徴収は深刻と回答
 中国銀行業協会自律工作委員会常務委員会は4月6日、各会員銀行に対し、人民
元銀行カードの国内ATMでの使用につき、4月20日までにカード利用者から他行利
用手数料の徴収を停止するよう求めることを決議した。

 中国青年報社会調査中心と騰詢新聞中心が協同で実施した最新調査によると、
8,351人の回答者のうち94.5%が、銀行業協会の新たな決定に賛成しており、総じ
て「本来徴収すべきでない費用」との認識を示したという。
 事の本質は、今後0.3元の他行利用手数料を徴収しないということのみにとどま
らない。あるコラムは、「この費用をめぐる徴収と徴収停止から、中国の民衆は
独占業種には十分な警戒が必要だと学んだ」と指摘している。

 中国の銀行は2005年10月、2006年1月1日から他行利用手数料を徴収するとの計
画を連名で発表した。銀行からはカード利用者に対し、費用を徴収することにな
った事情などについて何らの事前説明もなされず、さらに費用の徴収で利益を受
ける主体とのやりとりも一切なかった。
 また、交通銀行は翌2006年5月8日、傘下の太平洋カードについて1回当たり0.3
元を基準に他行利用手数料を徴収するとインターネット上で発表。やがて四大国
有銀行もこれに続き、0.3元が業界内の統一基準になった。

 だが、「事前通知なき徴収」になれてしまっていた銀行は、たった3毛で、民衆
と世論から強烈な反発を買うことになるとは、恐らく全く予想していなかっただ
ろう。
 エコノミストの梁小民氏はあるメディアで発表した文章で、「銀行は一企業と
して利潤を追求する立場にあり、余り強く非難すべきではない」としつつも、
「だが、市場経済は『君子財を愛す、之を取るに道あり』をルールとする。この
「道」とは、効率性を向上させることでよいサービスをより多く提供し収益を上
げること。銀行どの独占企業による費用の不当徴収は、市場経済の「道」に適さ
ない。これは市場化の結果ではなく市場化が徹底されていないことの結果だ」

〈独占を背景にした明確な説明のない費用徴収や値上げ問題〉
 今回の調査によると、回答者の96.8%は、独占業種での不当な費用徴収が深刻だ
と受けとめている。不合理な費用徴収と認識されているものの中には以下のよう
なものがある。
1) 携帯電話のローミング費用(86.3%)
2) 固定電話・ADSL・ケーブルテレビなどの各種初期設定費用(85.1%)
3) 銀行カードの年会費(79.6%)
4) 期限前弁済の違約金(66.1%)
5) 銀行口座解約費用(60.6%)
6) 郵便局の小包の統一包装費(58.3%)
7) 公共交通カードのデポジット(54.2%)

 ある回答者は、「必ずしもこうした費用を支払うべきでないと言っているので
はない。徴収方法、徴収額が余りにも横暴で、聞き取り調査が全くなされていな
い。だから、受け入れがたいのだ」と指摘している。「独占とは企業の価格決定
権を意味する。だが、価格決定権を持つということは、自由に価格を決定できる
権力を有するということではない」
 他行利用手数料のように、銀行が連名で一方的に費用徴収の有無、徴収する金
額を通告することについては、銀行が連名で主導権を握り、どんな調査、研究、
分析、聞き取りなど必要な手順を簡単にすべて省略しているという問題点が含ま
れている。

 北京大学経済学院の王躍生教授(博士課程指導教員兼務)は、「問題の核心は、
費用徴収や価格引き上げの是非にあるのではない。費用の徴収や値上げを実施す
る過程でどういう対応がなされているかということだ」と指摘する。
 また、王教授は別の文章の中で、「ある地域では、ケーブルテレビの1月12元の
視聴料が突然50%高い18元に値上げされ、何の説明もなされていない」と紹介して
いる。
 王教授は、こうした問題への対処で、政府が責任逃れできるはずがないと述べ
る。「中でも、自然的な独占市場化傾向はもはや顕著になっている。従前の国有
企業(公共企業)経営で独占的業種だったものが、民営企業による市場化方法経
営に転換された。これによって、政府の責任は以前より小さくなったのではなく
大きくなったのだ」という。
 王教授はさらに、「社会の利益代表として、政府は最大多数の民衆の利益を代
表しなければならない。独占的地位にある個別企業の経営を監督し、企業の利益
と公衆の利益、経済利益と社会利益のバランスをはかることが求められる」と話す。

 こうした論法は、公衆から歓迎されているようだ。今回の調査では、回答者の
89.5%が、まさしく「一部の企業が独占的な地位にあり、約束事項を設けていな
い」ことが、費用の不当徴収などが発生している原因だと指摘している。また、
回答者の81.5%は「政府の関連部門による監督不行き届き」を独占企業による費用
の不当徴収の大きな原因の一つとしている。〔中国青年報4月16日〕
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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
   中┃国┃人┃の┃価┃値┃観┃  中国人とつきあう68の法則
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……【国内経済】…………………………………………………………………………
●北京カラオケ著作権料の納付開始 銭櫃、麦楽廸KTV企業も交渉中
 陝西、山東、雲南など各省ではカラオケ著作権料の徴収が相次いで始まり、北
京では4月14日にもKTV著作権保護が開始される。
 中国音像協会北京連絡所は14日、正式に首都KTV著作権料納付業務開始を発表し
た。英輝煌(北京)国際娯楽クラブ等10社が代表し中国音像協会北京連絡所との
間でカラオケ著作権許可使用協議に調印した。

 中国音像協会北京連絡所の責任者の説明によると、「中国音像協会 カラオケ
業界の著作権使用料徴収に関する公告」に従い、支払うべき著作権料は2007年1月
1日から起算される。
 著作権料の徴収基準は、国家著作権局が2006年に公布した1号公告で確定した
12元/1部屋/1日であった。同時に、北京市1人当たりの消費指数、1人当たりの消
費指数及び1人当たりの文化娯楽消費指数等統計データを参照して、著作権料の徴
収基準を適切に調整した。
 4月1日までに北京で協議を調印し1年分の著作権使用料を納付したKTV業者には、
8元/1部屋/1日の優遇価格が適用される。

 また、有名映像音楽会社及び契約を締結した歌手は、既に中国音像協会に委託
して合法的な権益を維持している。歌手の中には、劉徳華、張学友、周傑倫等著
名歌手がいる。
 目下、著作権料を納付したのは、中小規模のKTV業者である。うち、銭櫃、麦楽
廸等知名度の高いKTV企業は第一期に契約した企業リストに入っていない。
 中国音像協会の王化鵬副会長は、現在、中国音像協会は、銭櫃、麦楽廸と支払
いの内容について協議中であり、かつ、これらの企業からの使用料納付に関する
見通しは非常に楽観的であると披露した。
 北京首都豪情娯楽有限公司の王立為総経理は、カラオケ著作権料の徴収は大局
の赴くところであり、合法的に正式な歌曲を使用できれば、経営者も心中安心で
きるのではと示した。

 中国音像協会は統一管理を図るため全国統一の送金口座を開設しており、各地
域のカラオケ著作権使用料はこの口座に振り込むこととなっている。地方連絡所
は、カラオケ経営者の送金の控えをとり、入金到着の確認後10日以内に、経営者
に「カラオケ経営業界著作権使用許可証」を発行する。
 なお、現在、新疆、重慶、湖南等地域でも著作権使用料の徴収作業が積極的に
展開されている。〔中国青年報4月14日〕

●ライセンス費用見直し オリンピック記念品が年内にも8―10%のコストダウン
 今後、消費者が「福娃」に遭遇するための「コスト」がますます下がるだろう。
 11日、2007中国ライセンス展第9回ライセンス加盟総会の記者会見で得た情報に
よると、北京オリンピック委員会は限定版ではないオリンピック記念品の値段を
引き下げる。下げ幅は8―10%。
 年内には、消費者がより手ごろな価格で「福娃」を自宅に持って帰ることがで
きるようになる。

〈ライセンス費用6―8%の引き下げ〉
 「これまでは商品販売価格の10%をライセンス費用として徴収していたが、今年
は一部ライセンス商品のライセンス費用を6―8%に下方修正した」北京オリンピッ
ク委員会市場開発部特許経営処の唐永宏処長はこう語った。
 同時にまた、北京オリンピック委員会はライセンス生産企業と小売企業に一部
の利益譲渡を要求している。この2点により、一部のライセンス商品の価格の下げ
幅が8―10%に達する可能性がある。

 「値下げ幅は大きいものになる」唐永宏処長はこのように述べ、今回の値下げ
の動きは、当初の市場調査研究や当局と専門家による検証も経ているとした。値
下げは市民に還元され、さらに多くの人がオリンピック記念品を購入することが
できるようになるだろう。

 シドニー、アテネのオリンピックで積み重ねてきた経験に基づくと、オリンピ
ック開催前4年間のうち、初めの2年間はライセンス商品の売り上げが全体の20%に
すぎず、後の2年間、オリンピックが近づくにつれ売り上げも80%以上に上昇して
いく。
 現在、北京オリンピック商品の売り上げ状況は予想を大きく上回り、予想売上
高の半分以上を超えている。今年から来年にかけて売上高はさらに大幅に増加す
る見通しだ。

〈限定品の価格はそのまま〉
 限定版ではない一般的な商品は8―10%程度値段が引き下げられる中で、価格の
比較的高い「限定版」はその限りではない。
 北京オリンピック委員会当局関係者は「コレクション需要に考慮し、当初の消
費者の利益を保護するため、限定版の価格は引き下げない」と明確に示した。こ
れまでに開発されたオリンピックライセンス商品は4000種類以上で、そのうち限
定版は300種類以上ある。

 大きさの違う「福娃」の縫いぐるみ、「福娃」の絵が入ったカバン、箸、スプ
ーン、ノートを初めキーホルダー、指輪、イヤリングなどのすばらしいオリンピ
ック関連商品が人々の関心を集めている。しかし、最も売れ行きが好調なのは品
質がよくて値段も手ごろなおもちゃである。値下げ後は、1セット228元の「福
娃」は約20元安となる。

〈年末までに販売ネットワークが2000店舗〉
 限定版ではない商品の値下げのほか、北京オリンピック委員会では販売ネット
ワーク建設のスケジュールを発表した。今年中に店舗を現在の700店から2000店に
増加させ、加盟店を許可し、支店を発展させて店舗増を加速させる。2008年のオ
リンピック開催時には販売店舗を1万店近くまで伸ばす。
 「小売ルールができ、北京オリンピック委員会はできるだけ早く発表する」と
唐永宏処長は語る。現行の計画では、多くの関心を持つ企業に加入してもらうた
めに、小売店舗登録は資金制限を定めないが、小売店の店舗数は特約販売店の店
舗数の半分を超えないようにするという。また、今のところライセンス商品販売
は個人に開放はされていない。
〔北京日報4月11日〕

●15%の低所得層 ここ半年で生活レベルダウンを感じる
 80.1%の都市住民が現在の生活に満足している。その一方、家計の月収が1500元
以下の所得層の生活満足度は減少傾向にあり、生活に不満を抱いている人の割合
は3分の1に達している。
 コンサルタント会社のイプソス社の最新の調査によると、80.1%の都市住民が、
今の生活レベルは半年前よりもアップしていると感じているという。

 今回の調査は、北京、上海、広州、天津、瀋陽、青島、秦皇島の7都市で、電話
による無作為で15歳から60歳までの間の2248人の常住住民に個別調査を行ったも
のである。
 沿海都市3都市(青島、秦皇島、上海)の住民の生活満足度は最も高く、85%を
上回った。超大都市では、上海の住民の生活満足度は北京(77.7%)、広州(75.8%)
より高かった。
 過去半年で、住民の生活の質が明らかにアップしたという回答が多かったのは
青島で、57.8%の青島住民が「生活がある程度改善された」と考えており、生活レ
ベルがダウンしたと答えたのはわずか3.6%だった。
 瀋陽と秦皇島の住民も「自分としてはよいと感じている」としており、生活が
どんどん「よくなる」(52%)という割合が「悪くなる」(43%)という割合を9ポ
イント上回った。
 調査を行った超大都市のうち、北京、上海等都市では、「よくなる」「悪くな
る」の割合は均衡していて、広州ではわずか28.6%の住民が生活はある程度向上す
ると考えるのみだった。

 今回の調査で、7都市の住民は、今後半年の生活に対し「よくなるはず」と比較
的自信を持っており、各所得層とも楽観的に考える人の割合は40%を超えた。
 そうはいうものの、低所得者の生活の質は依然として懸念されるものである。
家計月収が1500元以下の所得層の生活満足度は減少傾向にあり、生活に不満を抱
いている人の割合は3分の1に達している。
 同時に、低所得層の今後の生活に対する自信はそれほどでもなく、わずか低所
得層の42%が今後の生活状況を楽観するのみであった。

 一方、調査結果ではっきり示されたものは、所得が高い人ほど生活の満足度も
高く、家計月収が6000元以上の住民の生活の満足度は90%近く、衣食に心配がない
という状況を反映している。このほか、これらの層の61%の人は将来はもっとよく
なるはずと信じている。
 半年前と比較すると、家計所得が低い人ほどますます悲観的に考えている。家
計月収が1500元を下回る住民のうちわずか35%が生活レベルがある程度アップする
と考えるだけで、それは、月収が8000元を上回る層(56.1%)に遠く及ばない。
 また、15%の低収入層(1500元以下)は自分の生活レベルが半年前よりダウンし
ていると感じているが、一方で悲観的な予測をしている高所得層はわずか2%だった。

 近年の教育改革と大学の募集定員拡大に伴い、教育費用も日に日に上昇している。
 今回の調査では、全体的に、都市住民の教育費用に対する不満は50%を超えてい
た。そのうち天津住民の教育費用に対する不満は最も高く57.1%だった。
 注目すべきことは、調査を行った7都市のうち、秦皇島と青島の2市の住民は全
体的に教育費用に満足しており、彼らの生活の質に対する全体的な満足度も相対
的に高かった。このようにしてみると、教育費用の満足度は住民の全体の生活の
満足度の重要な要素の一つであると言えそうだ。

 調査のうち、所得の高い都市住民ほど教育費用に対する満足度はより低く、人
々が通常考えるであろう所得の低い人ほど教育費用に対してより敏感に感じてい
るのではという予想とは正反対な結果となった。
 家計月収が8000元を上回る住民のうち、6割以上の人は教育費用に不満を示して
いるが、低所得層(家計月収1500元以下)の不満度は各所得層の中で最も低かっ
た(46.1%)。

 研究者は、その原因は、各所得階層の教育ニーズにその典型的な特徴があるか
らではないかと分析している。
 低所得層の要求は比較的低く、「教育にはそれほどお金を費やさない」という
のが彼らの最も現実的な要求である。
 しかし、比較的富裕な都市家庭では、「教育の投入と教育の効果は正比例」と
いうことが念頭にある。そのため、高所得家庭は普通、教育関連の投入が多けれ
ば多いほど、子供の将来が光り輝くものになると考えており、教育の「貴族化」
という特徴が一部であらわれ、各費用が極めて高くなっている。

 医療においては、調査データでは57%の人が病院の態度に不満を示している。
 北京、青島、瀋陽、天津の4都市のうち、それぞれ6割前後の住民が病院に不満
を持っており、上海、広州、秦皇島等の都市でも半分以上の住民が似たように不
満を示している。
〔中国青年報4月16日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●北京離婚調査 結婚生活3年で破綻がトップ 7年が5割
〈民政部門 結婚後3年で離婚がトップ 離婚「之痒」短縮 7年が3年に〉
 「私たち、離婚します!」以前の婚姻では、結婚7年目が「七年之痒」とされ、
最もよく結婚生活が破綻する年だと言われてきたが、現在は「三年之痒」に取っ
てかわられている。
 最近、記者が北京市の5つの区の人民法院及び市民政局管理処の2006年離婚デー
タからわかったところによると、結婚3年目のカップルが最も離婚しやすい。家事
の考え方の対立、安直な結婚と安直な離婚、生活の不一致が、離婚を招く主要な
要因である。

〈現状 結婚3年目の離婚が最も多い〉
 先般、記者が北京市の5つの区の人民法院から得たデータのうち、ランダムに
2006年の人民法院が判決を下した離婚訴訟300件をピックアップしてみた。
 その統計と調査によれば、計140組のカップルが結婚7年以内で離婚しており、
割合にして46%だった。しかし、この140組の離婚カップルのうち、27組は結婚3年
目で離婚していて、その数は最も多かった。次が結婚7年目で20組だった。
 市民政局婚姻管理処の2006年離婚登記データを分析すると、昨年、北京市では
2万4952組のカップルが離婚登記を済ませた。結婚7年以内の離婚は40.2%を占めた
が、そのうち結婚3年目での離婚が2259組に達し、最も多かった。結婚7年目の離
婚は1100組で、6位だった。

〈分析 婚姻に対して成り行き任せで安直〉
 このような統計結果は間違いなく人を驚かせる。昨今の婚姻はどのようにして
こんなふうな弱いものになりかわってしまったのだろうか?
 北京大学社会学の夏学〓教授は、社会経済の発展に伴い、人々はますますハイ
クオリティーな結婚生活を求めるようになり、だれもが自分自身が我慢していく
ということを望まず、くっついては別れていくというのが大部分の人の結婚観と
なっていると考えている。
 同時に、多くの若年者の婚姻に対する態度が比較的成り行きに任せるというも
のであって、婚姻をままごとのように見ていて、生活では自己中心的に振る舞い、
安直な結婚と安直な離婚を招いている。これらが「七年之痒」が「三年之痒」に
なった原因であるとしている。

 それから、夏学〓教授は、若年者の問題解決の手法にも欠陥があり、さらに若
年者の青春期が高年齢化していることが、生理的には成熟していても、精神的に
は乳離れができていない、このようなことが必然的に多くの矛盾を引き起こして
いると指摘する。
 婚姻が蜜月期を経て不安定な時期を迎えた後、カップル双方がお互いにお互い
を譲り合わなければ、本当に小さなことでも結婚が危機になりやすい。こういう
とき、双方の気持ちを大切にするべきで、双方がお互いに尊重し、問題の解決策
を探し出すか、問題を解決し強固なきずなを築くチャンスを逃せば、もうもとに
は戻らなくなる。

 離婚訴訟の原因は、以下のとおり。(140組のカップルによる統計)
1) 家庭生活のささいなこと(48組、34%)
2) 安直な結婚と安直な離婚(32組、23%)
3) 生活の不一致(27組、19%)
4) 経済的矛盾(6組、5%)
その他(27組、19%)

〈婚姻関連データ〉
▽北京市民政局2006年離婚登記データ
ランキング 結婚登記年 結婚期間 離婚カップル数(組)
1 2004年 3年 2259組
2 2005年 2年 1878組
3 2003年 4年 1538組
4 2001年 6年 1185組
5 2002年 5年 1102組
6 2000年 7年 1100組

▽北京市民政局2006年離婚登記を受理した2万4952組の離婚データ
970組――結婚して1年もたたないうちに離婚
52組――結婚して1カ月もたたないうちに終結
2日――最短の婚姻関係はわずか2日間
11組――百年に1回の縁起のいい日と言われた2006年6月6日に結婚した人のうち、
11組が既に離婚登記を行い、そのうち最短の婚姻期間は23日だった。

〈離婚原因ランキング〉
▽2006年
1) 家庭生活のささいなこと
2) 安直な結婚と安直な離婚
3) 生活の不一致
4) 経済的矛盾
5) その他(家庭内暴力、性生活の不調和、ギャンブルやアルコール中毒などよく
 ない嗜好等)

▽2005年
1) 不倫
2) 家庭内暴力
3) 経済的矛盾
4) 生活の不一致
5) その他(嫁しゅうとめの関係、性生活の不調和等)
(2006年のランキングは、記者が140組の法院の離婚カップルの統計をもとに作成
したもので、2005年のランキングは、当紙が当時120組の法院の離婚カップルをも
とに統計を行ったもの)
〔法制晩報4月9日〕
注)〓は、「亦」の下に「金」

……【連載:日本人には言えない―中国人の価値観】………………………………
 現在、日系企業の日中異文化理解の企業研修の第一線で活躍している、当メー
ルマガジンの編集長・李年古による「中国人の価値観」をテーマにした連載をお
おむね月2回の頻度で掲載します。
 大好評をいただいた著書『中国人との交渉術』からはや5年、この連載のベー
スにもなっています著書『日本人には言えない―中国人の価値観』もあわせてご
らんください。

●〔第2回〕中国人の伝統的な価値観 「礼」と「仁」
 中国人を理解する近道は、中国人の価値観をつかむことである。

 「中国には、いま三つの世紀が並存している。『一九世紀の内陸部』『二〇世
紀の沿海部』『二一世紀のハイテクゾーン』が成り立っている『小世界』だ」。

 まさに中国の混沌さを的中している表現だろう。経済と社会の価値観とをむす
びつけるのは早計だが、こんな違った環境で生活を営む人々の考え方を、一言で
語るのはやはり限界があるだろう。

 しかし中国人である以上、中国人らしい遺伝子が時代を超えて受け継がれてい
る。現代の中国人の多様性を認めながら、彼らの考え方のルーツを探っていけば、
その遺伝子の特徴を突きとめることができるだろう。そしてその価値観のルーツ
は、やはり中国の伝統的な価値観にたどり着くだろう。

 つまり、二千年にわたって中国社会を支配してきた封建主義的な価値観(儒教
中心の価値観)と社会主義的な価値観(共産主義イデオロギー主導の価値観)、
資本主義的な価値観(個人主義、競争意識が中心となる価値観)とが相互に混ざ
り合い、寄せ集められている。現在の中国では、伝統的な価値観が崩れたにもか
かわらず、それに取って代わる価値観がいまだに確立されず、人々の考え方が多
様化し、その方向性がはっきりと定まらない混乱期にあるといえる。

 しかし、この価値観の混乱ぶりをみてみると、伝統的な価値観の隠然たる影響
力があることが見て取れる。二千年にもわたる伝統的な価値観は、中国人の精神
構造を形づくり、また文化という土壌を形成して、さまざまな影響をいまなお根
強く中国人におよぼしているといってよいだろう。

1 儒教の価値観の核心は「礼」と「仁」
 儒教思想の中枢をなすキーワードに、「礼」と「仁」がある。
 「礼」は、礼儀。現代風にいいかえれば「社会規範」そのものにあたる。しか
し、中国の歴史上の多くの礼儀は、一言でいえば「人間の欲望を制約するため」
につくられたものだと断言してよい。

 ここでいう「礼」は、法律のような強制的な社会規範ではなく、主に「道徳規
範」を指す。荀子は礼の価値をあらゆる価値観の上に君臨させた。

 礼儀は、人間の生まれつきの「欲望」を押さえつけようとしているから、個人
にとっては「苦痛」になることも多い。その結果、人々の反発をまねきやすい。
その反発を抑えることに儒教の伝道者は一番苦労してきたにちがいない。礼儀と
いうにがい薬は、体によい薬だよと子供に飲ませるため、儒教の伝道師たちはい
ろいろと工夫し、「礼儀」をみずから求めようとする「アメ」に包装した。つま
り、「礼義」を外圧的なものではなく、「内在的な道徳理念」にさせるため、
「仁」という概念をもちだした。これはのちに儒教の核心の概念となっている。

 こうして、儒教は、人間の欲望をコントロールする「礼儀」を、家族愛という
人情から出てくるもっとも自然な気持ち、最高の美徳へと切りかえることに成功
した。さらに愛を最高目標とした「社会規範」によって、「礼儀」は個人や社会
のあるべき価値観として権威づけられた。
 「礼儀」は、権威と人情を兼ね備えていたため、儒教は時代の変化、政権の交
代を乗り越えて、二千年にわたって中国人の心をとらえるものとなった。

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                        (中国人民銀行4月23日16:00)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.4974  772.9    98.9    1050.64
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――地図帳の表記》
 学校で使っているような地図帳が欲しかったので、わざわざ教科書を売ってい
る本屋さんに行って買ってきました。今の地図帳というのは、中国の地名は片仮
名・現地読み中心で表記され、漢字よりも大きく示されているんですね。地図帳
というと帝国書院と二宮書店が有名どころだと思うんですが、どちらも片仮名表
記が優先される傾向にあります。
 この表記は一般的なんでしょうか。「ペキン」「ナンキン」「シーアン」ぐら
いならば、北京、南京、西安とわかるかもしれませんが、「テンチン」「ハンチ
ョウ」「コワンチョウ」「シェンチェン」「チョンツー」ともなれば、どの都市
なのかよくわかりません。
 今の段階では、私の中では漢字は日本語読みした方が多くの人に聞き入れやす
いという結論に達していて、(中国語がわかる人たちの場合は別として、)天津
は「てんしん」、杭州は「こうしゅう」、広州も「こうしゅう」、深〓は「しん
せん」、成都は「せいと」と読み、杭州と広州についてはそれぞれ混同しないよ
うに独自の注釈をつけたり工夫したりということをしています。
 漢字を使う日本と中国はそれぞれの漢字で固有名詞を覚え、それぞれ漢字の呼
び方を使ってということでコンセンサスがとれていると思っていて、中国人も含
めて日本語で会話がなされる際は日本語の漢字読みで通用するものだと信じてい
るのですが、地図でのあの片仮名表記の妙な存在感がかなり気になるのです。(ま)
注)〓は、つちへんに「川」
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.phpano=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:戴小芳 奥谷道弘 リン
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