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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.762 2021年9月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:教師ローテーション制導入の衝撃】
●北京、深センで教師ローテーション制実施へ
●教師ローテーション制実行 学区で家を買った保護者に冷や水

┏【李年古の日中異文化交流術】
●コーチングマネジメントの魔法 2
◆「上司の一番の仕事は部下の話を聞くこと」とは正反対の文化風土

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……【特集:教師ローテーション制導入の衝撃】……………………………………
●北京、深センで教師ローテーション制実施へ
 先日、北京と深センが打ち出した新政策により、義務教育段階での教師ローテー
ション制の実施、教師の学校や学区をまたぐ異動制度が正式に開始することが決定
した。

 教師ローテーション制とは何か。簡単に言えば、各学校の教師が異動する、ある
特定の学校で教えることに固定せず、数年ごとに学校を異動しなければならないと
いうことである。
 教師ローテーション制は伝統的な教育モデルを覆す革新的なものであり、その実
行が現在の教育モデルに深い影響を与えることは必至である。
〔教育很精彩2021年8月22日〕

●教師ローテーション制実行 学区で家を買った保護者に冷や水
 中国の一線都市である深センで新たな学校改革が始まり、初めて教師ローテーシ
ョン制を実施する主要都市となった。北京でも先日、この動きに追随し、北京の教
師の学校、学区を越えた異動を実施するという通知が発出された。
 この通知は多くの人々の運命に影響するので、我々はこの通知を具体的に分析し
てみたい。

1 重点クラス、実験クラスを即座に全て禁止
 これまで、高校には重点クラスと一般クラスがあり、学生の成績によってクラス
分けされていた。
 今回の通知では、全ての重点クラス、実験クラスが禁止される。この規定が実施
されると、全ての学生が同じ待遇を受け、同じの教育を受けられるようになり、先
取り教育は行われなくなる。

2 ローテーション制実行で、教師が学校や学区を越えて異動
 教師は6年ごとに学校を異動し、教師のキャリアは約6―7校となる。この異動は
常識を打破するもので、影響はより広範囲に及ぶこととなる。
 これまでの重点学校を象徴するものは学校の厳格な管理と強力な教師力だが、今
回のこの制度により教師の異動が始まれば、ほどなく重点であるかどうかはなくな
り、保護者も名門校に入学させるために頑張る必要はなくなる。
 もちろん、学区を選んで家を買った保護者は、名門校がなくなり、よい教師が特
定の学校に固まることがなくなるので、思いは複雑だろう。

3 基準を超えた先取り補講は厳禁、海外向け教育課程の提供禁止
 校外の補講組織には学校の主要9科目を教えることは認められず、先取り授業だ
けでなく、いかなる海外の教材や教育課程を使用することも厳禁される。

 北京、深センでの通知は単なるシグナルかもしれないが、今後他の省も追随する
かもしれない。
〔甜心説教育2021年8月19日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●コーチングマネジメントの魔法 2
(前号に続く)
◆「上司の一番の仕事は部下の話を聞くこと」とは正反対の文化風土
 十数年前、初めて上海で現地管理者を対象に行ったマネジメント研修で、忘れら
れない失敗の体験をした。

 20名ほどの受講生を前に、僕はたくさん話したい衝動を抑えながら、まず一つの
質問を投げかけた。「日々上司との信頼関係を築くために、何か悩んでいることは
ありますか」。
 すると、会場はまるで爆弾でも投げ込まれたかのように、発言が飛び交った。制
止することもできず、あっという間に昼の食事の時間を迎えた。食卓の隣席にいた
主催側の担当者は僕に向かって皮肉たっぷりに声をかけた。「先生って、午前中に
何もしゃべっていないんじゃないか?」

 このままでは授業料をいただけないという危惧にさらされた僕は、午後も勝手に
しゃべり出した参加者に先手を打った。「日本人向けの研修では、いかに参加者の
口を開かせるかに苦労することが多かったのですが、皆さんの研修では、いかに口
を閉じさせるかに苦労しますよ」。そこで笑いを誘い、やっと教室が静けさを取り
戻した。

 この体験から、中国人の管理者にコーチングマネジメントのスキルを身につけて
もらう必要性を痛感できた。

 だから、日本人の上司は現地の管理者に対して、「立派な上司の一番の仕事は、
部下の話を聞く」という基本スタンスをみずから範を示すことがとても大切だと言
いたい。
 もし、指導者が説得にたけただけで有能と評価されるなら、多くの中国人は恐ら
く生まれつきの管理者であろう。しかし、コミュニケーションにおいては、どれほ
ど相手の話をじっくり聞けるかが重要だ。まず自分の話す量を意識的に半分にして
みること。ぜひ中国人の管理者にはこのようなトレーニングをさせてみよう。
(次号以降に続く)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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