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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.786 2022年12月3週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:W杯カタール大会と中国的要素】
●ワールドカップ・カタール大会の「中国要素」
●中国留学発展報告(2022)に見る留学トレンド

┏【李年古の日中異文化交流術】
●短編小説「私たちは実家で年を越した」 5

┏【国際】
●アジアが紡いだスポーツの物語とは ワールドカップ・カタール大会

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……【特集:W杯カタール大会と中国的要素】………………………………………
●ワールドカップ・カタール大会の「中国的要素」
 ワールドカップ・カタール大会では、随所に「中国的要素」が見られたが、これ
は中国のサッカーファンにとっては特別なことに映った。
 11月9日、カタール中央銀行は2022年ワールドカップ・カタール大会特別記念紙
幣を発行したが、その図柄には中国企業が建設したワールドカップのメインスタジ
アムも含まれていた。
 2016年11月、中鉄建はルサイルスタジアム建設プロジェクトを落札した。中国企
業が設計施工のゼネコンとしてワールドカップメインスタジアム建設に参加するの
は初めてのことである。このスタジアムは、カタールの首都ドーハから北へ15キロ
のところに位置し、観客9.2万人を収容可能で、2022年ワールドカップの準決勝、
決勝、閉会式等の重要なイベントと試合が行われる。
 ルサイルスタジアムのほか、複数のスタジアムの建設でも中国が参加した。

 中国製のサッカーボール、ユニホーム、バックパック、大会記念のお土産などワ
ールドカップ周辺の商品も現地の専門店舗で販売され、大変な人気になっている。
 中国のジャイアントパンダの京京と四海が10月19日にカタールに到着し、4週間
後の11月17日に一般公開となった。
 また、3人の中国人審判員がワールドカップの審判員リストに名を連ねたが、こ
れは男子サッカーワールドカップで初めてだった。
 また、中国企業計4社がワールドカップ・カタール大会のスポンサーとなり、今
回のワールドカップのために世界最多の約13.95億ドルを投じている。また、中国
のサッカーファンが5000枚から7000枚の大会チケットを購入しており、人々の生活
水準が全体として向上したことを示すことになった。

 しかし、ネットユーザーからは、「パンダさえカタールに行ったのに、サッカー
選手は行かなかった」という声もある。サッカーの中国代表チームは、現在(2022)
年のワールドカップ・カタール大会の地域予選で敗退し、大会参加資格とは得られ
なかった。
〔騰訊網2022年11月22日〕

●中国留学発展報告(2022)に見る留学トレンド
 全球化智庫(CCG)と中国銀行が共同で研究、作成した「中国留学発展報告(2022)」
が、社会科学文献出版社から出版された。
 以下、「中国留学発展報告(2022)」のポイントである。

 第一に、大きな変化がある中でも、留学は依然として増加の勢いを維持している。
 ユネスコの統計予測では、1999―2019年、国をまたいで移動する世界の学生は約2
倍に増加した。

 第二に、留学産業は、依然として留学生受け入れ国の基幹産業の一つである。
 留学目的国はさまざまな措置を打ち出し、留学の発展を支援している。

 第三に、中国は依然として最大の留学生供給国であり、また、インドを代表とす
るアジア諸国の海外留学生が急激に増加している。2019年に中国から海外高等教育
機関に留学した留学生は106万1511人で、2位のインド46万1792人を約60万人上回り、
世界一の座にある。

 第四に、ハイレベルで、実用的な分野の留学生が明らかに増加した。
 大学院で学ぶ留学生の割合は、学部で学ぶ留学生の割合よりも高いが、それは、
新型コロナの流行において、若い年齢の留学が理性的になった、大学院において国
外への移動が多くなったからではないか。

 第五に、中国から海外へ留学する留学生数は依然として増加しており、今後はよ
り多くの中国人留学生がヨーロッパやアジア諸国にシフトする可能性がある。
 「中国留学発展報告(2022)によると、2019―2020年度、中国は依然として最大
の留学生供給国であり、100万人近くの学生が海外の高等教育機関で学ぶ。留学先
の上位5カ国は、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、日本である。
 2020―2021年度、アメリカの中国人留学生は2019―2020年度比14.6%減となり、
ここ10年で初めてのマイナス成長となった。同様に、オーストラリアの中国人留学
者数は2年連続で低下し、2020―2021年度の減少幅はそれぞれ9.9%と11.9%だった。
 今後、留学を計画する中国人学生は留学環境やビザ政策がより友好的な地域に目
を向ける可能性があり、留学需要はヨーロッパやアジア地域にシフトする可能性が
ある。
 世界的なコロナ流行状況が徐々に明らかになれば、アジア地域内の留学には比較
的大きな成長潜在力があると予想され、欧米諸国に留学していた中国人学生は日本、
韓国、シンガポール等にシフトする可能性がある。

 第六に、留学の専攻は、依然としてSTEM分野とビジネスが好まれ、一部のデリケ
ートな分野は制約を受けるかもしれない。
 ここ数年の学年では、中国からアメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、オースト
ラリアへの留学生は主にSTEMやビジネス、社会科学を専攻し、人文、芸術等の分野
の留学生もふえてきている。現在、中国人留学生の専攻の選択は、受け入れ国のビ
ザ政策の影響を受けている。
〔朗途留学資訊2022年11月11日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●短編小説「私たちは実家で年を越した」 5
(前号より続く)

 依然として姉の姿はなかった。ウィーチャット、電話も来ない。そのため、待ち
切れずつくった八宝飯を蒸し台に載せることができないでいた。姉は朝一番に純磨
坊ブランドの正統派無鉛揚げパンを届けてくれたが、八宝飯の画竜点睛となるトッ
ピングである冬瓜の砂糖づけを忘れていた。

 彼女がこのかわいいベイビーを買い忘れぬよう、私は1カ月前、白雲国際空港で
降機後に14日間隔離のためホテルに放り込まれたその初日から、繰り返し繰り返し
彼女に念を押してきた。重要なことは3回言わなければならないという真理は彼女
には通用しない。だからこそ、1週間前にも電話やウィーチャット、更には音声を
送信し、またビデオ電話でも繰り返し繰り返し、父さんが生前大みそかにつくった
八宝飯の画竜点睛となる食材だからと伝えた。彼女の居住区から左に曲がった先の
売店で売っている冬瓜の砂糖づけはかなりの正統派だ。彼女はわかったわかったわ
かったわよと言い、いつそんなに父さんみたいにくどくど言うようになったのよと
言った。

 ようやくドアが開く音が聞こえた。ちょうどパグがソファ中央に座り込みCCTVの
番組「春節連迎晩会」の盛大なオープニングを鑑賞し始めたところだった。私は姉
の両手が空っぽで、その両腕で愛する2人の弟を抱きしめようとするのを見て絶望
したのだった。姉はまた、ずれたタイミングにずれた方法で私達に、泣いていいの
か笑っていいのかわからない愛情をくれた。より悲しむべきは、姉は持ってくるの
を忘れたのではなく、そもそも買うのを忘れたのだ!

 姉は私におどけた表情を見せ、思いがけないその笑顔が私から恨めしい気持ちを
消し去った。姉は父が逝って以来、記憶力が衰えたと話した。心配事が減ったから
だそうだ。姉は父というこの大きな旗を以て私のふんまんを鎮めた。私の怒りはそ
の瞬間半分になった。私は「わかったわかった、もういいよ」と言った。姉のせい
じゃない。この半年はコロナが発生して、それがまだ続いているし、父さんもいな
くなった。我々子供たちも一回り年を取って、随分とへそ曲がりになった。これま
でに起きてきたさまざまなもめごと、真面目に考えてきたこと一つ一つが取るに足
らないことに思えた。

 両親が逝ってしまったのだ。だから、この世に本気でぶつかるべきことはまだ残
っているのだろうか。
(次号に続く)

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)

……【国際】………………………………………………………………………………
●アジアが紡いだスポーツの物語とは ワールドカップ・カタール大会
 2022FIFAワールドカップ・カタール大会の開幕を目前に迫っている。今年、アジ
アでまた世界的なスポーツ大会が開催される。スポーツは文明や国境を越えた人類
の共通言語である。
 北京冬季オリンピックからワールドカップ・カタール大会まで、アジア諸国はど
のように世界的なスポーツの物語を紡いだのか。ワールドカップ・カタール大会で
はどのような中国的要素があるのか。大規模なスポーツイベントは、人類の文明の
交流と相互理解をどのように促進することができるのか。
 中新社の「東西問」は、駐カタール中国大使の周剣氏に独占インタビューを行った。

 インタビューの概要は以下のとおり。

〈ワールドカップ・カタール大会で際立つ「中国的要素」〉
中新社記者:2022ワールドカップ・カタール大会は、世界中のサッカーファンにと
って大きな祭典ですが、今回のワールドカップとその中にあらわれている中国的要
素についてどう思われますか。

周剣:ワールドカップ・カタール大会では、中国的要素、中国の貢献が極めて顕著
でした。中国鉄建が建設を請け負ったルサイル・スタジアムは、カタールのランド
マークとなりました。中国電力建設集団有限公司(中国電建)が建設を請け負った
太陽光発電所は、ワールドカップに安定したグリーン電力を供給し、宇通客車の1500
台の新エネルギーバスが各国のサッカーファンに高効率で地球にやさしい移動手段
を提供しています。中国製のサッカー関連グッズ、アクセサリー、記念品が町じゅ
うに飾られ、カタールを華やかに彩っています。
 印象的なのは、ワールドカップ・カタール大会の開幕を前に中国とカタールの友
好親善大使として2頭の愛らしいジャイアントパンダがやってきたことです。中国
的要素は、ワールドカップ・カタール大会に重要な貢献をしています。中国とカタ
ールの両国民の友情を深め、両国の協力のための民意の基盤を固め、中国とカター
ルの両国関係の飛躍的な発展に強力な原動力になったと言えます。

中新社記者:中国とカタールのスポーツ分野での交流や協力は長きにわたって続い
ています。カタールのタミム首長(国家元首)は今年初め、北京冬季オリンピック
の開会式に出席するために中国を訪れ、スポーツ等の人文科学の分野で中国との協
力を強化する意向を示しました。
 中国とカタール両国に共通するスポーツの遺伝子とは何でしょうか。「ポスト冬
季オリンピック」の協力関係や今回のワールドカップ・カタール大会を足がかりに
し、両国は他にどのような協力関係を築くことができるのでしょうか。

周剣:スポーツ交流は、中国とカタールの協力において重要な部分を占めます。両
国の人々はともにスポーツを愛しています。両国は大規模なスポーツイベントを積
極的に開催しており、スポーツ協力のための広く強固な基盤を持っています。
 北京冬季オリンピックとワールドカップ・カタール大会をおとしめようとする一
部勢力の攻撃に直面して、中国とカタールは互いに支え合い、互いに声援を送りま
した。今後もスポーツ界の「偏見」やダブルスタンダードに共同で反対し、国境な
きスポーツ精神を発揚していきたいと考えています。
 来年のアジア競技大会は中国の杭州で、2030年のアジア競技大会はカタールで開
催されることが決定しています。今後も大規模なスポーツイベントの開催が続くと
考えられ、双方はイベントの招致、組織、準備、警備、広報などの分野で相互支援
と協力を強化することができると思います。
 双方は、関係者の交流訪問、選手のトレーニング、産業運営等の分野で交流と協
力を強化することができます。多くの中国人卓球コーチがカタール代表チームのコ
ーチとして活躍しており、カタールの卓球競技の発展に積極的に貢献しています。
カタールは、サッカーのユーストレーニング、選手の帰化、ナショナルチームの構
築、リーグ運営において多くの成功体験と独自の実践を有しており、中国はサッカ
ー分野における交流と協力を発展させることを望んでいます。

〈スポーツ界は「アジアの時間」に突入、アジアの魅力を発信〉
中新社記者:男子ワールドカップ史上、アジアでの開催されるのは2回目で、「ペ
ルシャ湾の真珠」と呼ばれるこの国への理解を深めてもらうことができると思いま
す。大会だけでなく、今回のワールドカップならではの独特な文化にも注目が集ま
っています。
 ワールドカップのような大規模なスポーツ大会が、文明の相互理解に果たす役割
をどのように考えていますか。中国のサッカーファンにどんなワールドカップを体
験してもらいたいですか。

周剣:スポーツは文明と国境を超えた人類共通の言語です。世界中の人々が団結の
旗のもとに集い、ともに共通の目標に向かってたゆまぬ努力を続けることです。大
規模なスポーツ大会は、人間にとって自己超越を追求する場であり、異なる国家や
民族が文化を表現する大舞台であります。それぞれの国の人々が心を通わせるため
の最も直接的で広範で情熱的な媒体です。
 大規模なスポーツ大会に参加することで、競技スポーツのすばらしさを体験する
だけでなく、発展の道筋を知り、文明の雰囲気を楽しみ、ライフスタイルを味わい、
いつわりのない実感を分かち合い、文明の交流と相互理解のあるべき姿である「尊
重と交流の価値」を深く理解することができるのです。
 今年初め、中国と国際社会の共同努力により、北京冬季オリンピック・パラリン
ピックは大成功をおさめ、文明間の交流と相互理解を促進することができました。
ワールドカップ・カタール大会も開幕します。北京冬季オリンピックとワールドカ
ップ・カタール大会の成功は、スポーツの勝利であると同時に、団結の勝利でもあ
ります。また、対立や誤解を解消し、人と人との交流を促進し、問題を抱えた世界
のために団結と協力の聖火を運ぶという重要な役割を担っています。
 また、今回のワールドカップ・カタール大会を通じて、中国のサッカーファンの
皆さんに悠久のアラブの文明、湾岸地域の独特な地理や習慣、自由なアラブのサッ
カースタイルなどを知ってもらえればと思います。

中新社記者:今年の世界的なスポーツ大会である北京冬季オリンピックとワールド
カップ・カタール大会は、いずれもアジアの国が主催しました。アジアの国々が協
力して世界に向けてスポーツについて発信していくにはどうしたらいいと思いますか。

周剣:近年、アジアで「重量級」のスポーツ大会が開催されることが多くなり、世
界のスポーツ界は「アジアの時間」に突入しました。これは、アジアが発展と協力
について影響力を持つ立場になり、意気揚々と自信に満ちた態度で世界に向けてア
ジアの声を発信していることを反映しているのです。アジア諸国は、ワールドカッ
プやアジア競技大会を初めとする大規模なスポーツ大会を契機に、アジアのことを
積極的に発信し、アジアをアピールしていかなければなりません。
 アジアの平和を愛する心を伝える必要があるのです。アジア文明には平和を重ん
じる伝統があります。私たちは、スポーツをきっかけとして、友好を促進し、対立
を解消し、全ての国が仲よくつき合い、誠意を持って接することを堅持します。そ
れぞれの国情に合った発展の道を模索することを互いに支持し、覇権主義やパワ
ー・ハラスメントに断固反対し、共通の故郷を守ります。
 アジアが協力して発展する物語を語らなければなりません。アジア復興と繁栄の
大きな流れが押し寄せています。スポーツを土台として、開放性と包括性を堅持し、
発展と振興を支え、互恵的協力関係を強化し、発展の機会を分かち合い、「分断と
断絶」に共同で反対し、経済の融合的発展を促進しアジアの人々がより幸せな生活
を送れるようにします。
 アジアの包括的で親密な物語を語らなければなりません。アジアは人類文明の重
要な発祥地です。私たちは、スポーツをかけ橋として、包括的な文明間の相互学習
を強化し、アジアの価値観を発揚します。スポーツ問題の政治化に反対し、イデオ
ロギーによる分裂と対立に反対し、非西洋文明に対する歪曲と中傷に反対し、アジ
ア文明と世界文明にとってよりよい未来を共同で創造していかなければなりません。

〈カタールへの「ビックプレゼント」ジャイアントパンダは環境に適応〉
中新社記者:今回のワールドカップ・カタール大会の決勝戦が行われるルサイル・
スタジアムは中国企業が建設したものですが、なぜこのスタジアムが「中国建設」
の海外名刺になったのでしょうか。

周剣:異彩を放すルサイル・スタジアムは、カタール及び中東地域における「中国
建設」のランドマーク的プロジェクトとなりました。
 ルサイル・スタジアムでは、今回のワールドカップ・カタール大会の決勝戦や閉
会式など主要なイベントが行われ、FIFAワールドカップ優勝トロフィーが掲げられ
る歴史的瞬間が見られます。ワールドカップ・カタール大会にとって最も重要な競
技場であるカタールの「鳥の巣」が成功裏に完成したことは、ワールドカップ・カ
タール大会に対する中国の「贈り物」であり、大会成功に対する揺るぎない支持を
示したものであると言えます。
 ルサイル・スタジアムの建設は、中国企業が初めてワールドカップスタジアムの
建設にゼネコンとして参加したものです。高水準のデザインと高品質の施工の完璧
な融合を実現したことは、中国とカタールの実務協力における最も重要で最大かつ
最高水準のプロジェクトであり、両国間の「一帯一路」の質の高い共同建設のモデ
ルとなるものです。
 ルサイル・スタジアムは、昨年新たに発行された10カタール・リヤル紙幣に採用
されました。また、カタール中央銀行は、ワールドカップ・カタール大会の特別版
記念紙幣を発行しましたが、この紙幣セットに再びルサイル・スタジアムが登場し、
カタールのルサイル・スタジアムに対する認知度の高さを示しています。

中新社記者:ワールドカップ・カタール大会の開幕を前に、2頭のジャイアントパ
ンダ「京京(ジンジン)」と「四海(スーハイ)」がドーハに到着しました。中国
とカタールのジャイアントパンダ共同研究の特別な意義は何でしょうか。ジンジン
とスーハイの「海外駐在」生活の日々はどうですか。おもしろいエピソードがあり
ましたら教えてください。

周剣:10月19日、2頭の愛らしいジャイアントパンダがドーハに到着しました。こ
れは、中国とカタールとの関係の歴史において画期的な出来事でした。中国とカタ
ールのジャイアントパンダの共同研究は、習近平国家主席とタミム首長との間に成
立した重要な合意事項であり、湾岸諸国での初めての協力プロジェクトでもありま
す。これは両国の首脳が中国とカタールの関係を非常に重要視していることを示し
ています。.
 中国の国宝であるジャイアントパンダの到着は、ワールドカップ・カタール大会
の前夜祭と重なりました。これは中国の人々のワールドカップ・カタール大会に対
するすばらしい祝福であり、大会成功に中国的要素を加えることができました。ジ
ャイアントパンダがやってきたことは、両国の真の友好を深め、中国とカタールの
友好の新しいシンボルとなることは間違いないでしょう。
 私の知る限り、2頭とも非常によく適応しています。「ジンジン」は外向的な性
格で新しい環境に完全に適応しています。「スーハイ」は内向的な性格で、適応度
は80%から90%です。21日間の検疫を終えた2頭のパンダは、11月9日から展示場での
環境に適応し始め、動き回れるより広いスペースがふえました。「ジンジン」は新
居の池が、「スーハイ」は新居の大きな木が特に気に入っているようです。
 興味深いのは、「海外駐在」をしているにもかかわらず、四川なまりの中国語し
か認識できないということです。飼育員が共通語で名前を呼んでも無視しますが、
四川なまりで呼ぶとすぐに駆け寄ってきます。カタールのスタッフは、2頭の日常
生活に気を配りながら、四川方言の習得に励んでいます。これも、ジャイアントパ
ンダが両国の文化交流を促進している一つのあかしだと思います。

〈中国とカタールとの人々のふれあいのよき手本に〉
中新社記者:中国とカタールは来年、国交樹立35周年を迎えます。両国はどのよう
に「一帯一路」の共同建設と「国家ビジョン2030」の連携を深め、両国民により多
くの幸福をもたらすべきでしょうか。中国とカタールがともに運命共同体を構築す
ることは、地域や世界にとってどのような意義を持つでしょうか。

周剣:今後5年間は、中国が社会主義現代化国家を全面的に建設するためのスター
トを切る重要な時期であり、カタールが「国家ビジョン2030」の実現を推進する重
要な段階でもあります。来年の国交樹立35周年を契機に、中国とカタールの関係が
新たな一歩を踏み出し、さらに上のレベルに押し上げることを推進しなければなり
ません。
 互いを信頼し、支え合うよき兄弟でありたいものです。政治的な相互信頼は、常
に中国とカタールの戦略的パートナーシップの鮮明な背景となっています。お互い
の核心的な利益に関する問題についてはお互い支持し合い、互いの国情に合った発
展の道を自主的に探ることを支持し、発展途上国の共通の利益を守っていかなけれ
ばなりません。
 私たちはウイン・ウインの共同発展のよきパートナーになりたいと考えておりま
す。中国とカタールの産業は、資源を相互補完し、発展理念が類似し、利益が緊密
に結合しています。カタールにおけるグローバルな開発イニシアティブの実施を加
速させなければなりません。長期的に安定した中国とカタールのエネルギーパート
ナーシップを構築し、より多くの中国企業がカタールへ投資することを奨励し、カ
タールが中国への投資を拡大することを歓迎します。
 私たちは、包括的な相互学習、そして人と人との触れ合いのよい手本とならなけ
ればなりません。中国はカタールと協力して、文化、教育、観光の分野での協力を
拡大し、中国とカタールの文化協力のための新たなプラットフォームをつくりたい
と考えています。「文明優越論」「文明衝突論」に反対し、人類運命共同体の構築
に向けともに努力していきます。
 中国とカタールの運命共同体の構築は、戦禍の絶えない中東地域と激動し変化す
る世界に、さらなる安定と前向きなエネルギーを注入するものだと確信しています。
それは、国際社会が手を携えて、人類の平和と発展という崇高な目的に新たな貢献
をするよう鼓舞することでしょう。
〔中新社2022年11月20日〕
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
●ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃 村井好子
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