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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.440 2008年4月15日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:6,903名(2008年4月14日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:戦略転換迫る外部要因】
●人民元 対米ドル7ドル切る 給料を人民元支給に変えるところも
●「2007年日系企業イメージ調査研究レポート」

┏【金融】
●重慶銀行業「グリーンローン」70億元

┏【国内政策】
●大学生の村職員 理想と現実のギャップは?

┏【国内経済】
●中国内資チェーン物流費用は外資よりも10%高い
●ネットショッピングに信用リスク

┏【経済データ】
●外国為替(4月14日)

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◎◎◎ メールマガジン「中国最新情報」のボランティア翻訳者募集 ◎◎◎
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 弊誌は、1999年創刊以来9年間、430回に及ぶ中国関連の情報を送信し続け、
「まぐまぐ殿堂」「中国情報源」にも紹介された無料メールマガジンです。翻訳、
編集はすべてボランティアによって運営されています。
 今後とも、より高い質の記事・編集を維持するため、中国語の翻訳ボランティア
を募集します。経験不問、未経験者大歓迎です。
 応募希望の方は、簡単な履歴書を下記のアドレスまで御送付ください。
                  中国最新情報編集部 hotnews@jckc.com
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……【特集:戦略転換迫る外部要因】…………………………………………………
●人民元 対米ドル7ドル切る 給料を人民元支給に変えるところも
 人民元を米ドルに両替する為替相場に注目が集まる中、8日、ついに1ドル=7元
の水準を切り、8日の早い段階で初めて1ドル=6.9995元まで上昇したが、上昇幅は
ある程度小さくおさまり、終わり値は1ドル=7.0015元だった。
 米ドルとペッグしている香港ドルは8日、100元=90香港ドルの大台を割り、仲値
は1香港ドル=0.89884元、つまり100香港ドルで90元未満の人民元しか両替できな
くなった。

 人民元の米ドルに対するレートの仲値は年内で既に30回の史上最高を記録してい
る。2007年末のデータで計算すると、2008年以降人民元の累計上昇幅は既に4.33%
に近づいている。
 香港の市場取引従事者は、人民元は引き続き上昇するものと見ており、今回の仲
値もしくはまた7の大台を突破すると考えている。恒生銀行の馮孝忠総経理は取材
に対し、人民元の上昇幅は現状から見ると依然として市場の需給問題いかんだとし
ている。目下、人民元上昇が特に加速するという兆しはない。

〈中国大陸部の香港の高齢者専門サービス老人ホームは人民元決済に〉
 人民元上昇に伴って、多くの香港人から各日用品の値上がりの早さに苦情が漏れ、
また、トイレットペーパー、おむつ等の中国大陸で生産されている日用品も値上が
りの中に含まれるなど、値上がり範囲が非常に広範になっている。
 そして、中国大陸での、香港の高齢者の老人ホーム専門サービスにも経営問題が
発生している。

 東莞のある老人ホームの経営者は記者の取材に対し、当該老人ホームは主に香港
の高齢者のサービスを行っているため、香港ドルでの支払いを受けているが、人民
元高と中国大陸の物価上昇という二重の圧力に直面し、老人ホームの日常的な支出
が増加しているとしている。
 先週、老人ホームは人民元での料金徴収、つまり約1割り増しに改めた。担当者
は、「高齢者にさらなる圧力を与えるように感じるが、やむを得ない事情もある。
もし料金を上げなければ、老人ホームは閉めざるを得なくなるかもしれない。そし
て、老人ホームが閉鎖されれば、これらの香港の高齢者は居場所を失うかもしれな
い」と述べている。
 目下数名の香港人が中国大陸の老人ホームが閉鎖されたために香港に戻ってきて
おり、香港の社会福利署が暫定的にこれらの香港に戻ってきた高齢者を収容している。

 為替レートは香港の慈善事業にも影響を与えている。
 あるボランティア団体によれば、昨年の中国大陸での災害支援、貧困扶助の支出
は予算より1割増になり、組織の経費の中で補う必要が出てきて、その後の業務に
影響が出たと指摘する。

 紹興にある老人ホーム伸手助人協会の黄炳財副総幹事も、昨年は料金徴収基準を
調整しなかったが、今後数カ月後には、人民元による料金徴収に変更し、コスト上
昇を補うかもしれないと示す。
 復康会の林巧香副総裁は、深センで香港人のための老人ホームサービスを提供し
ているが、為替レート上昇に直面し、今人民元での料金支払いにするか、差額を徴
収するかを検討していると示す 。
 救世軍のコミュニティーリレーション部の王国清部長は、中国大陸部の慈善業務
計画は往々にして計画を実行する数年前に賛助を受けているため、計画後に為替レ
ートが上昇してしまえばやることができなくなり、組織の慈善基金から補助するこ
とになると示す。

 また、幾つかの香港企業では中国大陸部の香港人に人民元での給料支給を始めて
いる。
 「為替レートについて、我々は昨年から関心を持っていた」陳さんは香港上場企
業の中国大陸部の支社で仕事をしている。昨年12月期の企業人事部の管理職層会議
が香港で開かれ、「その会議の後、会社が支給する給料の方式が調整され、現在は
一律で人民元支給になった」〔南方都市報4月9日〕

●「2007年日系企業イメージ調査研究レポート」
 ソニー、東芝、トヨタなどの52社の在中日系有名企業に対するレポートで、3分
の2の企業に対する尊敬度は10%以下であった。 発表されたばかりの「2007年日系
企業イメージ調査研究レポート」は、雑誌「中国日企」が北京益派世研資訊有限会
社と共同で行ったものである。
 このレポートは2007年10月1日からの半月間、有効回答数が2089件のアンケート
によるもので、北京、上海、広州、成都、瀋陽などの10の都市で行われた。

 北京益派世研資訊有限会社研究部の梁円総監督はこのレポート結果を意外に感じ
たという。
 「在中日系企業の最新活動」と「社会貢献活動」に対して「知らない」という回
答が44.3%と30.3%であった。「企業の不祥事」について「知らない」と答えた人は
12.3%にすぎなかった」梁円総監督は、これは明らかに「好事門を出ず、悪事千里
を走る」ということわざのとおりだと言う。

〈3分の2の在中日系企業への尊敬度は10%以下〉
 現在、在中日系企業数は2万社以上で、1000万人近くの従業員がいる。日系企業
の中国での投資拡大につれて、その影響力も日増しに高まっている。日系企業のシ
ェアは伝統的な家電産業以外に、自動車、IT、食品飲料、化粧品などで高まり始め
ている。
 その一方、在中日系企業の知名度と尊敬度は相応の評価を受けておらず、企業イ
メージやブランドイメージは頻繁に発生する事件や不祥事報道によって被害をこう
むっている。

 今回のレポートで最高の尊敬を集めたのはソニーで65%、第2位は松下の46.1%、
続いてキヤノン、トヨタ、ホンダが30%以上で、東芝と日立が20%以上であった。
 また、52社の有名日系企業のうち、消費者の尊敬を10%以上集めたのは15社にす
ぎず、その他の37社は10%以下であった。

 調査された企業の知名度は全般的に高く、鮮明な対比をなしている。
 一方、半分以上の日系企業の知名度は50%以上で、ソニー、松下、東芝、日立な
どの知名度は90%以上であった。
 「在中日系企業にとって再考すべき調査結果だ」梁円総監督は、企業の尊敬度は
企業の社会貢献に密接にかかわり、企業の知名度は企業の製品品質と広告宣伝と関
連していると分析している。

〈企業不祥事が日系企業のイメージに強い影響を〉
 また、このレポートによると、企業不祥事が消費者の日系企業に対する評価に強
く影響している。
 ここ数年、在中日系企業の製品で次々と品質問題が起こっている。例えば、2006
年にソニーのノートPC電池による発火爆発事件、2006年のトヨタレイズ(REIZ/日
本名マークX)の油漏れ事件、2005年のホンダの結婚用アコード事件などの不祥事
が相次いでおり、中国消費者の日本製品に対るす信頼は揺らいでいる。
 アンケートで取り上げられた在中日系企業の不祥事に対して、「知らない」とい
う回答はわずか12.3%で、ほとんどの消費者は日系企業の不祥事について詳しく知
っていた。
 梁円総監督は、頻繁に発生する事件は日系企業のブランドイメージに損害を与え
ており、自然と消費者の尊敬度も減っていると見ている。

 それ以外にも、在中日系企業の社会貢献度は高いとは言えず、そのことも企業イ
メージや名誉に影響している。
 15項目の代表的な社会貢献活動において、日系企業が社会活動に貢献しているこ
とを「知らない」という回答は30.3%に上っている。
 「松下が2008年北京オリンピックを協賛している」ことを「知っている」という
回答した割合は36.5%で最も多く、その次は富士通杯の囲碁競技会で認知度は33%。
「東京三菱UFJ銀行国際財団育英奨学金制度」の知名度は最低で、わずか2%にすぎ
なかった。
 この結果でわかるように、日系企業のブランドと企業イメージ関連の広報活動は
よい効果を挙げているとは言えない。

 レポートによると、在中日系企業の社会貢献活動と知名度は比例しており、一般
大衆の在中日系企業の不祥事に対する認知度はとても高くなっている。このことは
不祥事を起こした企業のイメージだけでなく、すべての在中日系企業に対するイメ
ージにかなり大きなダメージを与えている。

〈どうすれば消費者の尊敬を得ることができるのか?〉
 外資系企業の大量中国参入と中国企業の実力上昇に伴い、中国での市場競争は日
増しに激化している。企業は技術上の優位性だけでは消費者の十分な信用を得るこ
とができず、長期的な発展は困難だと言える。
 欧米企業や中国企業と比較して、日系企業の不祥事が消費者に強い影響を与えて
いることは軽視できない。

 在中日本有名企業の尊敬度が低いのは、日中関係が敏感なことと関係があるという。
 レポートでは、日本を「どちらかというと好き」または「好き」と回答したのは
わずか19.2%にすぎない。
 「調査対象者は日本製品を基本的には認めているが、社会貢献や環境保護などの
企業の外部交流に対する評価はかなり低い」梁円総監督は言う。

 企業イメージを高めるために、日系企業は市場調査に力を注ぐべきだと梁円総監
督は提案している。
 広告効果、マーケティング効果、特殊事件などをリアルタイムで調査し、事件発
生後即座に予測される最大範囲での消費者への影響を把握する。そのことが不祥事
に対する評価、予測となり、企業がとるべき解決策と実施計画プランを決定するた
めの直接的な根拠になるという。
 最近では、大規模な広告宣伝や積極的な広報活動、多種多様な社会貢献活動など
でイメージアップを図る日系企業がだんだんふえている。「どのようにして中国で
良好な企業イメージを確立し、中国一般大衆の信頼を得たらいいのか。このことは
在中日系企業が直面している1つの重要な課題」梁円総監督は言う。
〔中国青年報3月31日〕

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―――――――――――――――――――――――――――― 李 年古 著 ―
 日本人には言えない
   中┃国┃人┃の┃価┃値┃観┃  中国人とつきあう68の法則
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……【金融】………………………………………………………………………………
●重慶銀行業「グリーンローン」70億元
 重慶銀監局から得た情報によると、銀行業のエネルギー削減融資のレバレッジ効
果を発揮させるため、重慶銀行業金融機関は「両高」(高汚染、高エネルギー消
費)業界の与信リスクを厳重に警戒すると同時に、「グリーンローン」を強く推し
進める。現在までで、重慶銀行業の環境保護関連産業に対する「グリーンローン」
残高は67億元に達している。

 「グリーンローン」を強く推し進めるため、重慶銀行業では環境保護産業のロー
ン商品への研究開発を強化している。
 興業銀行重慶支店は、国際金融会社の公用事業サービスとリスク管理の方面の先
進技術を導入し、それぞれ高消費生産企業、省エネサービス企業、省エネ設備供給
企業、公共省エネ事業サービス部門に対して多種多様な融資モデルを打ち出している。
 2007年だけで、興業銀行重慶支店は「グリーンローン」4件を実施、その金額は
6900万元に達した。目下、当該銀行の「グリーンローン」審査項目及び準備項目額
はさらに5億元である。

 「グリーンローン」推進と同時に、重慶銀行業は「両高」業界の退出を強化し、
2007年だけで「両高」業界への融資2.04億元を回収した。
 農業銀行重慶市支店は、「両高」企業融資退出圧縮計画を制定し、そのうち2007
年は1058万元を退出、今年は4818万元を退出するとしている。ローン実施において
は、環境政策に合致しない顧客に対して、ほかの項目がどんなによくても評価しな
い「一票否決制」を実施した。〔新華網4月7日〕

……【国内政策】…………………………………………………………………………
●大学生の村職員 理想と現実のギャップは?
 理想と現実の差は、どのくらいあるのだろう。
 あるメディアが4月6日に、「権力が制限された厄介な地位」と題し、大学生の村
職員をめぐる問題を報じた。村の政策決定には基本的にかかわりを持たず、実現手
段のないさまざまなアイデアを出す。あるいは、仕事がなく、配属先で日中何もせ
ず過ごす者もいる。ほかにも、大学院の入試や公務員試験に向けた勉強に没頭する
者もいるという。
 どう考えるかはともかく、報道の中で「休暇を過ごしているよう」とやゆされた
大学生村職員に比べれば、目を輝かせ、アイデアを出す大学生村職員は賞賛に値す
る。だが、率直に言って、有力者でなければ、協会の設立や観光キャンペーンの開
催といった重要な事柄には、おそらくなすすべもないだろう。

 6日には、あるメディアは北京大学が学生を中心に組織した模擬村長選挙につい
て取り上げた。
 この「村長」の演説は確かに情熱的だが、彼らの考えを聞けば、おのずと村役場
の大学生職員が村で「大失敗」する原因がわかる。
 村長選の演説の中で語られた話を幾つか紹介すると、次のとおりだ――「私は、
我が村独特のちまきを無形文化遺産に申請したいと考えています」、「経済発展、
社会保障、教育と文化産業の立体的枠組みを完成させます」。
 模擬選挙に参加した学生のうち何人が農村出身者で、何人が地方へ戻るつもりか
はわからない。だが、彼ら学生たちが実際に村長選挙に参加するときには、畑から
来た現実の村民達と対面する。高い志であっても、机上の空論の大風呂敷を広げた
ような道理が受け入れられるだろうか。

 学生たちが本物の村長にプレゼンテーションのやり方をマスターさせることは難
しいことではない。だが、村長たちが学生たちにこうしたプレゼンテーションでは
何を書くべきかを教えることは難しい。
 社会に出たばかりの新人である大学生は、ブレーンストーミングや理屈を論ずる
のに比べ、実際の村の状況を把握することは難しいが、それは余りにも重要なこと
だ。大学生の村役場の職員が、最初からいきなり村長の役割についたとしたら、そ
の理想はガラスに描かれた風景のように、田舎道を歩いているうちにぶつかってつ
まずき、粉々に砕け散ってしまうだろう。

 多くの地方では、大学生村職員を何回かに分けて受け入れ育成する農学院を設立
しているという。学生たちに一定の間、ハウス栽培やメタンガスの家庭利用など、
現代農業の知識を学んでもらうことで、大学生村職員の農業や農民についての知識
や理解を補う。
 だが、コンピューター、歴史や国語を学んだ農業を専門としない大学生をたった
7日間の特訓だけで、ハウス栽培やメタンガス田の探査に行かせることに無理はな
いだろうか?

 正確には、現在の農村が最も必要としているのは村長ではなく、技術者だ。最も
市場価値が高いのは、高等農業院校の農業を専門とする人材だ。
 あるデータによると、大学生の村職員の専攻は農業とはかけ離れている。農学の
素地のある学生はわずか4%で、理学、文学、教育学、経営などを専攻する学生が67%
を占める。
 こうした場違いな大学生が村職員になるため、志を持つ学生は身動きがとれない
と感じる一方、理想のない学生は配属後に次のキャリアへの踏み台にしたり試験勉
強のための通過点にするなど、優遇政策による怠慢が生じている。

 毎年の雇用拡大を背景に、大学生が仕事を求めて出稼ぎに行くという風潮の中、
農村は人材を必要としているが、ある人は仕事がなく、ある事業は人手不足に陥っ
ている。だが、仕事のない人か必ずしも人手不足の事業に配属されるとは限らない。
 何の準備もせず本番に臨むよりも、大学卒業後に村職員になる、つまり、教職員
の奨学金制度が教職員になることを奨励する政策をとっているのと同様に、農業学
生の奨学金制度を設け、より多くの農村出身の農業を学ぶ大学生に対し農村に戻っ
て任官するよう奨励すれば、農村家庭の教育費負担が減り、数合わせだけの職員も
減る。さもなければ、大学生村職員の不満を受け入れるのではなく、大学生村職員
を農村が希望しない事情を受け入れるべきだ。〔北京商報4月7日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●中国内資チェーン物流費用は外資よりも10%高い
 人件費、運送費等のコストがやや低い中、中国国内のチェーン企業の物流費用コ
ストは外資よりも10ポイント上回っている。専門家やチェーン企業は、企業規模が
拡大し続けると同時に、供給チェーンの統合や細分化が早急に解決を要する問題と
なっていると示している。

 主に流通市場の供給チェーンプラン提供を行っている富基融通公司は8日、茂進
系統公司を買収し、流通業界の供給チェーンソリューション市場においてさらに優
位な位置に立つ。
 中国チェーン経営協会情報部の楊青松主任は記者会見で、「中国チェーン企業の
規模は年々拡大しているが、もし供給チェーンの統合が十分でなければ、最前線の
売り場の支持は得られず、供給チェーンの社会化レベルが低いことが企業発展の障
害になる」と指摘する。

 楊青松主任は、中国の企業間電子データ交換(EDI)接続は現在、依然としてま
だできていないが、日本では20年前には既にEDI接続がなされていた。このことが
チェーン企業の物流配送コストを相当程度増大させることになっていると強調する。

 供給チェーンの社会化レベルが低いということ以外でも、供給チェーンの細分化
も、チェーン企業の発展において解決が必要な問題である。
 京客隆の高京生副総経理によると、京客隆が首聯を買収した後、管理する店が増
大し、配送センターの配送範囲が半径50キロメートルから70キロメートルに拡大し
た。同時にまた、これらの店はコンビニエンスストア、スーパーマーケットといっ
た異なる業態を含み、配送センターの機能も、例えば生鮮、ドライフルーツ等商品
の配送過程の区分、及びコンビニエンスストアとスーパーマーケットの異なる配送
時間等々で細分化したという。
 お店のネットワークが大きくなった影響で、京客隆は今年、既存の生鮮基地70カ
所を基礎にして、生鮮物流を少なくとも2倍増にし、商品の配送需要を満たすため、
そのほか内資チェーンも物流から来る圧力に直面する。〔北京商報4月9日〕

●ネットショッピングに信用リスク
 今日、ネットショッピングは多くの若者の生活の中に浸透している。アジア最大
のC2Cショッピングサイトである淘宝網では、毎日900万人近い人が閲覧し、それは
600近いカルフールやウォルマートのような大型スーパーの人の出入りに相当する。
目下、中国全国で4640万人のネットユーザーがネットショッピングをしており、
2007年には一人当たり1000元のネットショッピングで費やした。
 一方、中国のネット小売の法律、信用体系はまだ健全ではなく、ネット小売には
経営が規範的ではなく、承諾不履行といった現象も発生しており、信頼・信用問題
はネットショッピング発展における最大のボトルネックとなっている。

〈昨年のネット苦情は8425万件 デジタル製品、アクセサリー被害が深刻〉
 少し前、北京の楊さんはデジタルカメラを買おうと思い、ネットでデジタル製品
の販売情報を探し、偶然あるデジタルサイトを見つけた。そこで販売されているデ
ジタル製品の価格はどれもとても安いのだ。楊さんがそのお店に連絡をとったとこ
ろ、そのお店は、どれも密輸品だから安いと解説し、楊さんに商品の引き渡しは先
払いであるとした。
 楊さんがお店の指定された口座に1100元を振り込んだ後、相手のお店は、注文が
少ないから商品を引き渡せない、5000元以上にしてほしいと求めるので、仕方ない
ので、楊さんは人を誘って一緒に注文することにした。2度目にお金を振り込んだ
後、お店は商品を工商部門に没収されてしまったので、楊さんに税金分を支払うよ
うに求め、税金がそろえば2時間で商品を引き渡せると言った。急いで商品が欲し
い楊さんは、またお金を振り込んだ。しかし、お店は商品を引き渡さず、また彼に
関税を支払うように言った。楊さんはとうとう怒り、お金を払い戻すように求めた。
お店は、払い戻すことはできるが、年末の会社の決算時まで待ってほしいと言った。
 楊さんはそこで、やっと自分がだまされていることに気づいた。試しにお店のウ
エブサイトのICP登録番号を調べたところ、もともと登記もされていないし、ウエ
ブサイトで公開されている電話番号もうそだったのだ。

 楊先生と似たような事態に遭遇した人は少なくない。中国消費者協会の最新発表
したデータ統計では、2007年、中国全国のインターネット苦情は8425万件に達し、
前年比6.7%増だった。

 ネットショッピングに存在する主要な問題は、以下のとおりのものがある。
1) 低価格によって消費者を惑わす。
2) 消費者に市場ではあり得ないあるいは困難で不思議な効能がある商品をでっち
 上げる。
3) にせの懸賞情報で消費者をだます。
4) 消費者の買掛金をだまし取るかあるいは消費者に先払いを要求する。
5) 制限を設けたり、人に責任を転嫁して事態をおくらせ、返品を困難にする。
6) 幾つかの取引サイトでは管理監督の責任や義務を履行していない。

 統計によると、消費者のネットショッピングの苦情が集中しているのは、主にデ
ジタル製品、アクセサリー、化粧品、服飾、図書・オーディオビジュアルである。

〈取引額は小さいが権利保障コストは高い〉
 少なくないネットショッピングヘビーユーザーに言わせれば、ネットショッピン
グは手っ取り早くて実益があるが、権利保障が困難であるという現実に直面せざる
を得ないという。

 最近、北京にあるコンサルタント会社の呉さんは不運なことに出会った。彼女は
125元でネットで化粧品を購入した。しかし、取引後に受け取ったものは割れたガ
ラスだった。
 仕事が忙しいので町をぶらつく時間も少なく、呉さんが持っている日用品のほと
んどはネットショッピングによるものだ。少し前、呉さんは淘宝網で125元の化粧
品を購入した。いつも取引しているので値切ってみたところ、お店は速達で送るこ
とにしてくれ、呉さんは15元の郵便代を節約できた。その日の晩、呉さんはさわや
かな気持ちで125元を「支付宝」口座に振り込んだ。
 3日後、化粧品は上海から北京に速達で届いた。呉さんは先に開封して商品を見
ることを求めたが、配達員は、まずサインをしてから開封することを求めてくる。
なぜならサインをしていないのならば、その小包はあて先人のものではないという
規則だからだ。仕方なく、呉さんは小包を見た、包みには破損箇所はないので、サ
インをした。配達員はサインをした伝票を持って去っていった。
 しかし、呉さんは包みをあけ、あぜんとしてしまった。中身の化粧品の瓶は割れ、
すべて流れ出てしまっていたのだ。呉さんはすぐさまお店と速達会社に連絡をとっ
た。しかし、両者とも「本人が受領したのだから」と責任を転嫁し、呉さんはただ
ただ泣き寝入りするしかなかった。

 実際に、中消協の統計したネット苦情は8000万件以上に達している。しかし、呉
さんのように、紛争が発生した後に立証困難で泣き寝入りする数はもっと多い。
 中国電子ビジネス法律ネットワーク専門家の喬聡軍さんによると、ネットショッ
ピングの特徴は地域をまたぎ、バーチャル、少額取引ということである。かつまた、
工商、情報産業、公安等複数の部門が連携管理しているが、専門の法律が未整備で
あることから、ネットショッピング苦情案件を処理するにはいつも行政コストが高
くつく厄介な存在である。このような状況はここ数年の自転車盗難の横行に非常に
よく似ている。
 現在のセキュリティー体制では限界があるという状況では、大きいものだけ取り
締まり、小さいものは野放しというのも一つのやむを得ない選択肢ではある。した
がって、消費者に言わせれば、事前の防犯を強化し、不慮の事件の発生を予防し、
事後に事態を追求するよりもはるかに現実的な意義を持つかもしれない。

〈まず「相手」を調査してからネットショッピングを〉
 「ふだん高額な商品を買うとき、みんなが知っているような信頼のおけるお店に
行くでしょう、実は、ネットショッピングも一緒ですよ」こう話すのは、北京電子
ビジネス協会の林亜秘書長だ。彼女は、信頼のおけるお店を選択することが安全な
ネットショッピングの第一歩だと考えている。

 では、一般消費者は、どのような方法でお店の信頼情報を探せばいいのだろうか?
 林亜秘書長は、ネットショッピングユーザーは情報産業部のICP登録番号(www.
miibeian.gov.cn)、北京市工商企業情報公衆コンサルティングサービスシステム
「名索網」(www.mingsuo.com)、ネットワーク取引保障センター(www.315online.
com.cn)に登録するなどでお店の関連情報を調べて、お店が信頼できるかどうかを
判断できると話す。
 一般的には、これらの3社の認証を持つウエブサイトは高い信用度がある。問題
が起こっても、直ちに相手と連絡をとることができ、解決方法を見出せる。しかし、
相手に登録番号がない、あるいはネット上にある情報が合致しないお店は、警戒す
るべきである。

 喬聡軍さんは、消費者のネットショッピングリスクの防止は、お店の質を吟味す
るほかに、明らかに市場価格よりも低い多くの商品にも留意したいという。それは、
利益率から考えると過大な価格ギャップが起きることはあり得ないからだ。経験が
証明しているように、市場価格が1万元の商品がネット上で1000元で売られていれ
ば、それは十中八九はにせものである。

 それから、専門家は、消費者にできるだけ代金引き換えか、第三者を挟んだ決済
等で商品取引をすることにして、ネットショッピングの安全を担保することも提案
している。
 また、万一、ネットショッピング詐欺等の問題に遭うことがあれば、同じような
経験を持つ被害者と協力し、現地のネットワーク警察に通報、「オンライン取引保
障センター」の苦情告発センターに告発してもいいし、実際に詐欺情報を公表すれ
ば、多くの人に注意を促し、さらなる被害を防ぐことになるとしている。
〔北京商報3月27日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                       (中国人民銀行4月14日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     6.9003  699.93   89.83   1097.63
関連ページ:http://www.boc.cn/
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《編集者コラム――穀物高騰》
 メールマガジンには掲載しなかったのですが、最近は外国で米価が高騰している
そうですね。最初は私が中国語をうまく読めていなくて誤読しているだけだと思い
込んでいたのですが、日本の新聞記事にもそういう内容のものを見たので、本当だ
ということにやっと気がつきました。
 穀物の価格高騰といっても米は大丈夫だろうと思って油断していましたが、なく
なるときはあっという間になくなるわけで、やはり日本での来るべき米の不作や価
格高騰に備えて米は早目に押さえることが必要ですね。
 そこで、早速近所の和菓子屋が副業として売っている目玉商品、茨城県産コシヒ
カリ10キロ3770円を買いにいきました。ただ、その和菓子屋は倉庫に茨城県産コシ
ヒカリ10キロをたくさん持っていて、お買い得な割に余り売れていない様子でした。
 私自身がこの10キロを食べきるころには多分秋か冬が到来しているはずですが、
ともあれ、今年に米騒動があっても、そこそこ無難に乗り切れそうです。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―) http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで) http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:リン 呂君 澤田裕子
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