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電子マガジン・中国最新情報
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教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.737 2020年6月3週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:データ経済時代における商品や企業のあり方】
●イマジネーション大会 大物が語る未来とは?

┏【李年古の日中異文化交流術】
●(その3)日本企業の強みと中国の現状とを合わせた接ぎ木方法を探るべき

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……【特集:データ経済時代における商品や企業のあり方】………………………
●イマジネーション大会 大物が語る未来とは?
 全てのものが相互につながれば、デジタル化はバーチャルネットワーク世界から
リアルな工業にまで広がり始め、全てがデータ化される。データ世界が広がれば、
イノベーションの効率もロケットのような速さとなるだろう。このような新たな流
れの中で、未来のイノベーションはどこに向かうのか、未知なるすばらしさはどう
デザインされ実現されるのだろうか。

 このほど「すばらしい世界をデザインする」ことをテーマとするLKK2019第2回イ
マジネーション大会が北京で開催された。会場には約1500名の企業家及び業界の大
物ゲストが集まり、参加者は、新時代における産業変革やデザインが企業と製品に
与える重要な意義を目にすることになった。

〈洛可可創新設計集団(LKK) 李毅超総裁〉
 単一機能製品は今日では生存が難しくなっている。単一機能製品の背後で、きめ
細やかなサービスや研究開発、サプラーチェーンとつながっている。背後にいろい
ろあるから、製品の研究開発が複雑化し、周期も長くなる。LKKが着目するのは、
製品のデザインそれ自体でなく、製品の背後にある「デザイン+研究開発サプライ
チェーン」である。
 インダストリアルインターネットがユーザーに提供できるのは安価な製品ではな
く、オンリーワンの製品である。中国がインダストリアルインターネットで成し遂
げた功績は過去の個人向けインターネットにおける功績よりも大きい。今後10年は
創造がテーマの10年となる。

〈アリババグループ 劉松副総裁〉
 ビッグデータとAIがもたらしたデータインテリジェンスをイマジネーションとか
け合わせた際に生まれるのは、差別化やスマート化といった新たなオリジナリティ
ーであるとか、全く新しいものであるとか、各種新サービスの創造にとどまらない。
そして、より重要なのは、改めて未来を想像し創造することである。
 個人向けインターネットとインダストリアルインターネット間で必要なのは、イ
ンターネットと研究開発サプライチェーンを「つなぐ」ことである。個人向けイン
ターネットのニーズと新世代の消費者に対する理解を、デザイナーのイマジネーシ
ョンやデータインテリジェンス、研究開発サプライチェーンの知識共有、そして人
々の協力とつないで、インダストリアルインターネットを強化し高度化する、イン
ダストリアルインターネットがイマジネーションを現実にする。今日、アリクラウ
ドや釘釘等のデータインテリジェンス企業は、このプロセスでビッグデータ・AI・
組織のデジタル化を得ている。

〈阿里釘釘 陳航CEO〉
 デジタル経済時代に最も重要なことは企業がデジタル化することである。デジタ
ル化企業になる鍵は、その企業が必ずデジタル化した業務形態を持っていることに
ある。デジタル企業になる過程では、企業自体の人員や業務における変化は必要で
ない。企業の運営管理の方法が全てデジタル化していることが最も重要である。
 多くの伝統企業は多くのソフト面を整えることで効率性を上げている。しかし、
実際にはプロセスと細かい業務のパターン化にすぎず、決してデジタル化されてい
るわけではない。社員を作業ラインにはめこみ、機械と流れ作業の中で働くことは、
社員の生産能力が真に解放されているわけでは決してない。
 デジタル化企業の本質は、業務のオンライン化とデジタルオンライン化を実現し、
最終的にフラットで透明性のある管理方式を実現することである。

〈LKK 賈偉董事長〉
 LKKの目標は、10年以内に1000万人のデザイナーとつながり、エンジニア、ハー
ドウェア・ソフトウェアエンジニアともつながり、そしてLKKが1つのプラットフォ
ームをつくっていくことである。未来のデザイナーは一社の占有でなく、世界のユ
ーザーのために働き、未来はソーシャライズされたイノベーションの時代で、美し
さと興味がコアとなる創造力の時代となり、LKKの夢は更に大きく成長するだろう。
 よい商品とは何か。見た目がよく、有用で、求めやすいことである。
〔中国高新技術産業導報2020年5月13日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●「精細化管理」時代の到来と日本企業の困惑(その3)
◆日本企業の強みと中国の現状とを合わせた接ぎ木方法を探るべき
(前号より続く)
 二つ目の壁は、中国のビジネス環境や顧客ニーズに対する的確な理解ができるか
どうかである。

 これも、中国人の経営者との飲みニケーションで気づかされたヒントの一つである。
 小売り経営者の一人は、こう語る。現地に進出した日系のセブンイレブンやファ
ミリーマートは、確かに日本流の管理を徹底的に貫いた。こまめな店舗サービスを
重視し、以下に丁寧な接客術を身につけるか、社員に力を入れて教育を行っている。
 しかし、半信半疑な社員は少なくない。彼らが接する中国人顧客が便利店で一番
に求めているのは、丁寧さよりもスピーディーな対応そのものである。「極端に言
えば、店員が少し乱暴なサービスでも、手早く済ませた方が顧客の期待を満たせる」。

 彼の話をうなずきながら、IT関連の社長は別の視点から言葉をつけ加える。「一
度、日系のスーパーで、日本人マネジャーが、仕事中に携帯をいじっている店員を
厳しく注意している光景を見たことがある。日本人の目からすれば、そんな店員は
もう人間失格みたいな働きぶりだと映ったと思う。しかし、中国人の経営者からす
れば、社員教育にそんなにもコストをかけて苦労するよりも、新しいサービス手法
を考えた方がよほど時代の要請に合う。中国人の発想は逆で、つまり、社員教育よ
りも、いかに社員をなくしていくか、そこに着目している。オンライン小売やAI技
術手段を使った無人店舗を一気につくったのは、その発想の結果である」。

 確かにそのような発想法は中国の現状に合っているかもしれない、僕も賛成だ。
生活リズムが速くなるにつれ、特に若い世代の消費者は、物を買うと同時に、「時
間」を買う傾向が特に強い。つまり、利便性を優先させる傾向が見える。だから、
日本企業は、日本式の管理を発揮させたいのなら、中国の市場と消費者心理に合わ
せ、注力点もアプローチ方法も調整すべきだろう。
 製品やサービスの品質を管理するためには、人員の育成は従来とかかわらず重要
なことだが、しかし、日本に比べて倍速で変わっていく中国の現状と消費者のニー
ズを考えると、日本式の管理法は現状とのうまい接ぎ木方法を探るべきである。
 例えば、丁寧なサービスを求めるよりも、顧客のビッグデータの分析をいかに丁
寧に、精密に行っていくか。日本式の品質管理手法がそのようなところに最も力を
入れれば、真価を発揮できることになるだろう。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
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(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
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