CI Image
 
電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
登録  解除    メールアドレス  

特集内容一覧へ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育・文化ウオッチ@中国最新情報 No.754 2021年4月5週号
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
登録/解除:http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛3】
●閑魚、TikTok、探探 アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛 3

┏【李年古の日中異文化交流術】
●日本のベテランドライバー中国で運転を学ぶ 下

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……【特集:アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛3】…………………
●閑魚、TikTok、探探 アプリを介した今どきの若者の「非典型」恋愛 3
(前号より続く)
◆初回で当たりの人に出会い、ネット恋愛からオフラインへ
(ナレーター:棉木、職業:学生、使用アプリ:探探)
 私はこれまで探探を利用したことはなく、広告を出しまくっているのは知ってい
たが、正式に利用することになったのはある奇妙なプロセスからだった。

 学生会が主催で映画祭を企画していた。学生会の会長が、どんな手段であっても
映画業界の人と知り合いになって、映画作品を出品してもらえと言うので、豆瓣や
微博などさまざまなSNSで人探しをしていたが、あるとき、クラスメイトから探探
の方が人脈の開拓には割とよいかもしれないと聞き、早速登録した。映画関連であ
れば全て「いいね」をしていて、彼はその中の一人だった。

 彼は、私と同じ学校の先輩で、私より8歳年上だった。学校はとっくに卒業して
いたが、彼の支援を受けて映画業界の関係者と知り合い、円滑に任務を完了した。
 彼と知り合ったのは大体5月ごろで、6月末に私が彼のちょっとしたことを手伝い、
7月初めには彼に宿題を助けてもらった。
 そんな感じでお互いのちょっとした手伝いをするやりとりが続き、私たちは次第
に仲よしになっていった。ネット恋愛がオフラインの真実の恋愛に発展することが
できるのは、互いの助け合いから始まるのだと思う。永遠に遠慮していては、きっ
と永遠に何も始まらない。

 あるとき、彼が、こんなにたくさん手伝ってるんだから、食事くらいおごってく
れてもいいよね?と言い、初めて会うことになった。
 初対面の彼の印象は、やはり私の想像とは少し違っていた。実際の年齢は25、6
のはずだが、私と大して変わらない気がした。目が小さくて、ある種向こう見ずな
感じがした。

 私たちは2人とも感情の扱いに関しては比較的慎重で、すぐに「おまえ・あな
た」のような関係になるのではなく、どちらも受身的な感じだった。初めて会った
ときに関係の確認はしなかったが、ある種恋人未満、友達以上な関係のつき合いに
なっていて、それからよく誘い合って遊ぶようになった。

 宿舎内の女子がみんな恋愛していたとき、みんなが私に、彼との関係はどのあた
りまで行ったかを聞いてきた。実は正式な関係として確定していないと答えたとこ
ろ、彼女らはそれはおかしい!と言っていた。
 私もこれまでの関係に何らかの説明があるべきだと思い、ある日、長い文章を書
いて、私たちの関係は何なのかと尋ねた。彼は冷静に、君は既に僕のカノジョだ
ろ?と答えた。何というか、この人はとてもずるいと思った。

 私たちが本当の意味で安定したのは、昨年のクリスマスに猫を飼い始めたことが
重要だった。二人の間に共通の話題ができて、まるで自分たちが家族のような感覚
になって、彼の憂うつさもそのころから次第によくなっていった。
 新型コロナの感染期間中、私たちはずっと離れており、そのときはいつもけんか
をしていた。遠距離恋愛は疲れ過ぎて、別れようかとも思い、また探探を利用して
みたが、とてもつまらなかった。

 猫が彼のそばにいたので、私は毎日彼と猫とビデオチャットができた。小米(私
たちの猫の名前)がいなかったら、私たちは離れ離れで持ちこたえられなかっただ
ろう。
 その後、彼は私の街へ飛んできたので、私がこのことを彼に話すと、彼は超自信
満々に言った。OK、イケメンとチャットしてみろよ、花畑を渡ってくれば、一番香
る花は俺だとわかるからと。
 探探を利用する前、私は、嘲笑、無関心、野次馬根性で傍観していた。でも、私
もここから彼氏をゲットし、つき合い始めてもうすぐ3年になる。

 実際、私たちが探探で出会ったことがたまに気になることはある。出会った当時、
彼は既に会員になっていたので、つき合いたてのころ、私はよく彼にそれについて
尋ねた。
 つき合うようになってからわかったのは、彼はそのころ事業がうまくいっておら
ず、北京で一人でいることがとても孤独で、会員になっていい出会いを探したいと
いうことだった。彼も探探を通じてより多くの友達と交流をしたいと思っていたこ
とは理解できる。

 探探の利用には確かに偏見があるが、交流する価値のある人も確かにいる。ただ
し、ソーシャルソフトは玉石混淆であることも私はよくわかっている。利用の前提
は、自分で見分ける能力を持つことだ。
(この号で終わり)
〔Tech星球2021年2月14日〕

……【李年古の日中異文化交流術】……………………………………………………
●日本のベテランドライバー中国で運転を学ぶ 下
(前号より続く)
 いいだろう、私が無知だとしよう。でも、だからといって、決して恐れをなくせ
るわけじゃない。だから、急ブレーキは私が大事にする最後の救命用のお守りなの
である。
 傍らにいる弟の叫び声は、私がブレーキを踏むたびにますます高くなってきた。
一人のお年寄りが突然道路を横切り私が急ブレーキをかけたところで、彼の怒号は
懇願に変わり、路傍に車を停めるよう言った。

 彼は胸に手を当てしばらく黙った後、私に尋ねた。「うそついてないよね?日本
で20年間運転していたんだよね?」
 私は弁解した。「俺だって合点いってないよ。今のお年寄り、今日まで生きてい
たの奇跡じゃない?」
 彼はますます腹を立てている。「日本で本当に事故を起こしてないよね?」
 私だって爆発した。「いやいや、日本でもずっと無事故のベテランドライバーだ
よ?!ベテランドライバーだからこそ、中国での運転がすごく難しい。大道路にこ
んなにもたくさん横断歩道があって、それなのに信号が全くないなんてことをどう
やって想像するんだ? 日本だったら絶対にあり得ない!それに、黄信号が3回点滅
しただけで赤になるなんて、わかるわけがないだろう? 日本だったら、ずっと点
滅してようやく赤になるんだから。あと、電動自転車のやつら。当たり屋の専門業
者みたいなのなんて、日本にはいないし……」

 「日本日本と、いいかげん日本を忘れたらどうだ?!」私が愚かにも日本を言い
わけに使ったことに、弟は最も強く反発した。
 「考えたことある?日本と同じ面積の都市で、人と車は日本よりずっと多いんだ
よ。もし、全ての横断歩道に信号がついていたら、車は走れない。信号を待つ車と
人で道はいっぱいだよ」
 「みんなが交通マナーを守れば、少なくとも今よりは大分よくなるんじゃない
か?」
 弟は冷笑して返した。「僕だって、これまで海外数十か国に行っているんだ。じ
ゃあ、日本の車文化はいつ始まった? 中国は90年代中期にようやく自家用車が普
及し始めたんだ。今の日本と中国を引き合いに出して運転マナーを比べるなんてあ
り得ない。中国よりも遅れているエジプトに行ったことがあるけど、そこで運転し
たら、ブレーキはもっと激しくなるんじゃないの?」
 私は何も言えなくなった。

 彼は息を吐き、突然黙った。私はまた席を交代することになったと思った。身を
起こしたところで、思いがけず彼が突然提案してきた。
 「兄さん、こうしない?意識を変えようよ。運転したら遅かれ早かれ事故が起こ
るなんて思わないでさ、人をひかないことだけに気をつけて。事故はOKとするのは
どう?」
 そうか、そんな教え方があったか!私はその瞬間あっけにとられた。
 「ここと日本の一番の大きな違いは速度だよね。見てよ。市内で運転している人
達、みんな結構、速度は遅いでしょ。だから、人をひきさえしなければ、事故が起
きてもそんなに大したことにはならない。今の人達は昔とかなり違うよ。昔だった
ら、車は一生かけて貯めたお金で買っていたから、ぶつけたらすごい大きな訴訟問
題になったけど、今は事故が起きても各自が現場の写真を撮ったら、あとは落ち着
いて賠償の話を始めるし、話し終わったら、警察はもう必要ない。だから、安心し
て大胆に運転すればいいよ」

 これを聞いて私は長い夢から覚めたかのようだった。それまでぴんと張っていた
身体中の力が一気に抜けた。きっと彼は、私の問題が運転テクニックではなく、心
理的なものであることに気づいたのだろう。

 私たちはそのまま進んだ。気持ちが落ち着いてきたところで、ようやく私は中国
の百度によるナビがまるで、いにしえの美しい伝説であるかのごとき存在だという
ことに気がついた。日本の車に搭載されているナビやグーグルのナビとは雲泥の差
だ。彼女の麗しいナビを聞いてほしい。
 「前方に監視カメラがあります。交通違反カードの発生数が多目です。運転に気
をつけてください」
 「前方第3、4レーンを走行し、右前方に進んでください。ご注意を!右折ではな
くて、右前方に直進です」
 「ルートを変更しますか? 「小度(Xiaodu)、小度(Xiaodu)、ルートを変更
したいです」と言えば、いつでも新しいルートを選びますよ」……まるで私の車上
にたたずむ自由の女神であるかのように、高く掲げた望遠鏡が迷える子羊に絶え間
なくナビゲートしているのである。

 ようやく安全に目的地に到着した。この道のりにおける最大のレッスン、それは、
日本を忘れる!ことであった。
 そのとおり。日本は全ての人にとって、最も綿密に安全基準が練られたサービス
を提供している。けれども、一旦そこを離れると、まるで柵の中で飼育されてきた
兎が虎や狼の吠える原始林に放り込まれたかのように、私たちは世界で最も脆弱な
生命体になってしまうのだ。

(このコーナーは、日中異文化コミュニケーションの経験を中心テーマとした文章
を紹介していきます。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
●ツイッター https://twitter.com/bizchina_jckc
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻訳:竹内はる菜 澤田裕子 楊桃
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

改頁:(1) 2 »