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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.350 2006年5月16日
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:社会保険制度の周辺整備】
●労働保障部 建設、炭鉱業の農民工を3年以内に100%付保
●社保基金が海外投資を始動 管理規定5月1日施行

┏【金融】
●個人外貨購入額制限緩和 年間2万ドルまで

┏【国内経済】
●5月に登場する新規定
●中国物流コスト高 国有商業流動資本回転率は多国籍企業の10分の1

┏【観光業】
●上海の黄金周 17回の黄金周で旅行業通算320億元の売り上げ
●北京の黄金周 観光客受け入れ史上最高を記録
●急騰していた長距離路線は黄金周後即座にオフシーズン価格へ

┏【環境】
●「沙塵暴」が環境を浄化できるのか?
●三峡水質問題に国家上層部が注目 汚水処理が深刻な重慶

┏【経済データ】
●外国為替(5月15日)

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……【特集:社会保険制度の周辺整備】………………………………………………
●労働保障部 建設、炭鉱業の農民工を3年以内に100%付保
 労働保障部門は3年以内に「平安計画」を始動する。炭鉱、建設業など危険度
の高い企業の農民工を労災保険に加入させるという。中でも炭鉱労働者の保険付
保率を100%にしなければならないとしている。

 4月29日の労働社会保障部の情報によると、労働保障部門は今後3年以内に、農
民工の労災保険の加入を主旨とする「平安計画」を始動。農民工が比較的集中す
る労災事故の危険度が高い炭鉱、建設業などに重点を置き、3年程度ですべての
炭鉱企業、一部建設企業など危険度の高い企業の農民工に、労災保険を付保させ
ることを目標としている。

 このほか、天津、上海、山西など8省市を新たな養老保険(年金保険)の個人
口座の試験地域に加えると発表。これらの地域が詳細を試算しており、完了次第、
計画を提出するという。
 統計によると、第1四半期時点の全国基本養老保険の加入者数は前年比120万人
増の1億7607万人だった。〔新京報4月30日〕

●社保基金が海外投資を始動 管理規定5月1日施行
 全国社会保障基金(社保基金)理事会は4月29日、「全国社会保障基金境外投
資管理暫行規定」を2006年5月1日から施行すると発表。中国社保基金による、
2000億元余の人民元資産の海外投資が正式に始動することになる。
 この規定は財政部、労働保障部、中国人民銀行(中央銀行)が3月14日に批准、
公布されたもので、社保基金による海外投資の規範化をその趣旨としている。

 社保基金の理事会は、海外投資は社保基金の投資手段を拡張する重要な措置で、
分散投資に役立ち、社保基金の投資リターンの維持・向上を促すとしている。現
在のところ「海外投資の準備に関連する作業を鋭意進めている」という。

 社保基金理事会は今年、再投資に利用できる国内資金を約410億元と確定した。
なお、現在保有する海外資金は約15億7000万米ドル。
 社保基金の今年度の資産配分計画によると、各種投資の限度額はそれぞれ、株
式投資の新規投資額として、国内投資が約30億―50億元、海外投資が約5億―8億
米ドル。固定資産への投資額として、国内で約40億―60億元、海外で1億―3億米
ドルとなっている。
 全国社保基金理事会の項懐誠理事長は先ごろ、社保基金が香港で投資口座を開
設したと明らかにした。香港特別行政区政府の関連部門やマーケットはこれを歓
迎している。

 中国政府は2000年8月、「全国社会保障基金」の設立を決定。同時に「全国社
会保障基金理事会」を設立し、全国社会保障基金の管理、運営に当たらせている。
 社保基金は中央政府が集めた社会保障資金であり、国家の重要な戦略準備金。
主として、将来訪れる高齢化のピーク時に必要となる社会保障の補てんに充てる。
 社保基金の資産規模は2005年末時点で2010億2000万元。国庫からの補てん、国
有株売却資金の組み入れ、国務院が認めるその他の方法による資金調達、投資収
益、株式資産などが社保基金の資金源となっている。〔新華網5月1日〕

……【金融】………………………………………………………………………………
●個人外貨購入額制限緩和 年間2万ドルまで
 中国外国為替管理局の関連規定によって、5月1日から、中国大陸部住民は1人
当たり年間2万ドルまで外貨を購入することができて、外国為替局はその用途に
ついて審査しない。
 この規定及び黄金周の到来を受けて、海外への旅行客は次から次へと銀行に外
貨を購入し、多くの銀行は外貨購入の業務量が倍増した。
 北京では、四大国有銀行の外貨購入業務量は軒並み増加した。外貨購入する住
民が以前より3―4割多くなり、そのほとんどは海外旅行のための準備であった。

 これまで海外旅行、ビジネス視察、親族訪問などで、出国期間が半年以上の場
合、外貨購入制限額は8000ドルで、出国期間が半年以内の場合、外貨購入制限額
は5000ドルだった。
 外国に留学する場合の外貨購入基準は、留学する学校の授業料全額と生活費が
年間2万ドルまでであった。

 5月1日以降、中国大陸部住民の個人外貨購入に対する年間購入総額が統一され、
1人当たり2万ドルまでとなった。また外貨購入手続に簡略化され、かつての使用
目的事実証明書類の提示から、現在は本人身分証明書と用途の申告だけで買うこ
とができるようになった。
 2万ドルの外貨購入制限額で足りない場合は、必要根拠を示せば、銀行審査後
必要な金額を引き続き買うことができる。

 個人で購入する外貨は本人の国内銀行の外貨預金口座に預け入れ、外国に送金
することもできる。そして、為替手形、トラベラーズチェック、クレジットカー
ドなどの形で外国に持ち出すことができる。1人当たり1回で2000ドルまでの外貨
現金を引き出せる。 〔新華網5月1日〕

……【国内経済】…………………………………………………………………………
●5月に登場する新規定
 7日間も休日があるが、やはりお知らせしなければならない。
 比較的我々と関係の深い10数項目の新しい規定が5月からスタートする。その
具体的な内容を見てみよう。

1) チャイナ・ユニオンペイカード――他銀行のサービスを利用する場合、0.2元
の手数料がかかる
 5月8日から、個人が、それぞれのユニオンペイカードを発行した銀行以外の銀
行で残高照会をした場合に、そのカードを発行した銀行側に中国銀連(チャイ
ナ・ユニオンペイ)が0.2元の手数料を徴収することが決定した。
 この手数料を個人消費者に負担させるか否かは、それぞれのカード発行銀行の
決定に委ねられるという。

2) ゼリー菓子――安全表示及び成分表示の義務化
 5月1日からゼリー菓子に新規定を設けられた。これは、ゼリーのパッケージの
見やすい位置に、白色あるいは黄色のラベルの上に3ミリ以上の大きさの赤い文
字で、食品の「安全警告表示」と「召し上がり方」を記載しなければならないと
いうものである。
 この他にも、「3歳以下のお子様はお召し上がりにならないでください」「一
気に飲み込まないでください」「お年寄りや児童は、大人がいる前でお召し上が
りください」、などを記載する義務があるという。
 また、プリンという名前で売り出されるゼリー菓子は「乳成分を含む」と明記
し、果汁ゼリーは果汁の含有量を、果肉ゼリーは果肉の含有量をそれぞれ示さな
ければならなくなった。

3) 果物――色、形、重さによってランクづけされる
 北京市は5月から、国際基準を参考にして制定した「果物のランク分け」を実
施し始めた。これは、果物を特級、1級、2級、そして等外品の4級にランク分け
して売り出すものである。
 ランクづけされる果物は安全基準や色の基準、または有機青果の基準に達しな
ければならず、その上で、形や重さなどの基準によってランクづけされる。
 主にリンゴ、梨、柿、サクランボなど40数品目がその対象で、主に北京市の大
手デパートや大規模な市場で売り出される。
 ランク分けが行われると、人々は果物を買うときに手で測ったり、目で選別し
たりする必要がなくなり、果物のランク表示を見るだけでその質がわかるように
なるという。
〔中央電視台(第一時間)4月29日〕

●中国物流コスト高 国有商業流動資本回転率は多国籍企業の10分の1
 中国の物流コストが高いことが流通効率を低下させている。現在、国有商業流
動資本の年均回転数が2.3回に対して、ウォルマート、カルフールなど多国籍小
売り企業の流動資本年均回転数は20―30回に達している。
 商務部の情報によると、現在、国内小売り企業の売上総利益率は10%ぐらいし
かない。これに対してカルフールグループの全世界での売上総利益率は22.9%に
達し、中国での売上総利益率は19%に達している。

 それから、中国農村部の流通システムの遅れが、農民の生産発展と生活水準の
向上に直接影響している。
 農家1万世帯に対する調査結果よると、42%はみずから農産物を販売して、45%
は個人商店に売っており、注文書を通して販売活動を行う農家は2.7%にすぎない。
 生産現場と販売市場を結ぶ農産物流通組織の組織化程度が低いため、農産物の
販売コストが高く、効率が低い。同時に、流通能力の深刻な不足が、一部の農産
物、特に野菜、果物などが速やかに販売できないか、冷蔵できずに腐り、大量の
経済損失をもたらしている。〔新華網5月5日〕

……【観光業】……………………………………………………………………………
●上海の黄金周 17回の黄金周で旅行業通算320億元の売り上げ
 終わったばかりの労働節の黄金周で、上海が受け入れた観光客と上海の観光収
入は史上最高を更新した。2000年の国慶節の黄金周以降、大型休暇である黄金周
は17あり、その中で上海が受け入れた観光客は通算で延べ5429.17万人、観光収
入は319.72億元となった。

 今回の黄金周において上海が受け入れた観光客は延べ425.44万人で、前年の労
働節の黄金周より11.6%増、観光収入は27.3億元で、前年比14.7%、団体出国観光
は1227件で延べ2万3483万人で、それぞれ前年比25.85%、27%増となった。
 休暇の旅行は内需を押し上げる効果が一層明確になった。〔第一財経日報5月8日〕

●北京の黄金周 観光客受け入れ史上最高を記録
 北京市の労働節黄金周における国内旅客は延べ448万人と史上最高となった。
黄金周における北京の観光総収入は39.2億元で、前年同期比12.2%増となった。

 北京市休暇旅行工作指導チーム事務室が7日に発表したデータによると、黄金
周の北京旅行は人気があり、各種の旅行業が増加している。前年同期に比べ北京
旅行会社が受け入れた北京への観光客は10%増以上、団体観光が20%増、団体出国
観光は40%増となった。
 5月1日からの7日間で、北京の主要観光地20カ所が受け入れた観光客は前年同
期比6%増となった。そのうち八達嶺長城は史上最高水準となり、故宮も2001年の
労働節の黄金周の史上最高値に近づいた。北京の宿泊施設の平均稼動率は1ポイ
ント増となった。

 北京観光局の責任者によると、今年の労働節の黄金周の観光市場は全体的に安
定している中にもレベルアップをしており、観光商品も豊富になり、一人当たり
の観光消費も増加し、観光の売り上げ利益も良好であるという。
 この7日間で、北京以外の地域から北京に来た観光客の一人当たり消費は1835
元で、前年同期比8%増となった。このうち、ショッピングと景勝地の観光での消
費支出の比率が明らかに高くなった。また、北京市の観光客の一人当たり消費支
出は124元で、前年同期比12.7%増となり、飲食、娯楽での消費が主に多かった。
〔第一財経日報5月8日〕

●急騰していた長距離路線は黄金周後即座にオフシーズン価格へ
 8日、王さんは海南島の三亜へと4泊5日の観光へと旅立った。日にちが悪いこ
とをうまく利用したことで大きなメリットを得られた。労働節の黄金周の期間中
の旅行代金と比較して、8日の価格は最高値だった3300元超から2000元前後と、
1300元も下落している。

 記者が8日、上海市の各大手旅行会社に問い合わせたところ、黄金周以後の国
内長距離旅行価格は軒並み下落しており、5月10日には黄金周前の価格水準まで
下落するものと見られるという。
 労働節の黄金周以後、張家界、九寨溝、昆明、麗江等の国内の人気路線の価格
はそれぞれ大幅に下落している。昆明、大理、麗江の往復飛行機を利用する6日
間のツアーの価格は黄金周期間中は4900元であるが、現在は3520元と1400元も下
落している。チベット7日間ツアー、九寨溝、峨眉、楽山ツアーの価格も1000元
下落している。山西の喬家大院へのツアーや北京ツアーの価格もそれぞれ400元、
500元以上下落している。

 専門家によると、労働節の黄金周期間に人々が集中して休暇を取ることで消費
が集中し、それに伴って大型休暇後は観光者数が減少し、市場が即座にオフシー
ズンに突入するという。近年では観光市場では毎年大型休暇後に旅行価格の大暴
落が起こることが既に市場の慣例となっている。
 このような現象が発生する主な原因は、大型休暇における航空機やホテルの価
格が大幅に上昇することにある。そして、大型休暇以降は即座に下落することで、
観光長距離路線には暴落現象が発生している。

 記者によると、労働節の黄金周後の昆明までの航空機価格は3割安くなり、上
海から海南への航空機価格は4割、桂林に至ってはもう1枚買えそうで、太原は800
元以上の下落、その他の景勝地への航空券の価格も軒並み大幅に下落している。
ある旅行社は、現地のホテルの宿泊費用も近いうちに明らかに下落するとしてい
る。
 国内の短距離路線の価格も下落しているが、その下落幅は比較的小さく、100
元以内にとどまっている。一部路線では黄金周期間中の価格に近い水準にある。

 労働節の黄金周後は出国観光の一部の人気路線の価格変化は大きく、東南アジ
ア観光、香港・マカオ観光は大幅下落している。
 航空券価格の下落の影響を受けているのは、主にタイ、プーケット観光の旅行
価格が黄金周期間においては4200元であったのが、現在では2600元前後で美しい
タイの観光ができることになっている。香港観光の価格も大幅に下落しており、
一部の旅行会社の香港4日間ツアーの価格は黄金周期間中の2500元から888元へと
下落し、その下落率は60%にも達している。
 そのほか、ヨーロッパ観光、オーストラリア観光、ロシア観光の価格は緩やか
に下落しており、値下げ幅は小さくなっている。〔中国網5月9日〕

……【環境】………………………………………………………………………………
●「沙塵暴」が環境を浄化できるのか?
 「人に対する影響はさておき、沙塵暴は自然界では特別な作用がある。沙塵暴
(激しい黄砂現象)は環境を浄化し、海洋へ栄養やミネラルを運んでいる」。最
近、華北電力大学が開催した「グリーン大教室」において、中国科学院の専門家
である王如松教授がこのように述べている。

 沙塵暴というと、人々は外出していても目をあけられないし、全身が砂だらけ
になってしまうことを想像するだろう。
 みんながみんな、沙塵暴とは人為的な環境破壊によって引き起こされたものだ
と考えているが、実は、沙塵暴の存在は既に長きにわたって存在していて、その
要因は2つあると考えられている。一つは、自然的な要素、もう一つが人為的な
環境破壊がもたらしたものである。
 王如松教授は、「実は、沙塵暴は環境を浄化できるし、砂は海水に栄養分を与
えている」と語る。
 王如松教授によると、沙塵暴が吹き荒れる時期は、砂が空気中における不純物
を吸着し、空気洗浄に寄与している。また、砂に含まれる多くのミネラルが海洋
に運ばれ、海水のプランクトンの大量の栄養分となっているという。
〔南方都市報5月8日〕

●三峡水質問題に国家上層部が注目 汚水処理が深刻な重慶
 軍装で身を包み、北京人民大会堂表彰台の上に立っている舒為群教授は、まば
ゆいばかりである。
 4月21日、2006年度の地球賞で、舒為群教授をリーダーとする「中国人民解放
軍第三軍医大学の環境衛生学教学研究室」が団体賞を受賞した。この環境保護賞
が設立してから、軍隊部門がこの賞を獲得したのは初めてである。

 舒為群教授グループの受賞は、8年間の三峡ダム地区の水質に対する研究によ
るものである。この研究は影響が広範囲にわたるため、中国上層部の強い関心を
集めた。舒為群教授のグループが受賞した当日、温家宝首相は重慶に赴き、視察
をしている。そして、三峡ダム地区の飲用水問題について、首相は強い関心を持
つようになった。
 「三峡ダム地区の90%近くは重慶にあり、ダム地区の水質環境が安全になって
初めてダム地区全体の社会経済発展の安全を保障することができるのです」26日
夜、第三軍医大学環境衛生学の舒為群教授は取材に対して以上のように答えてい
る。

〈8年間の調査〉
 世界最大の人工ダムであり、半密閉されている三峡ダムの貯水後の水質問題に
ついては、以前から専門家が注意を促していた。
 舒為群教授によると、三峡ダム地区に貯水された後、水流の速度が弱まり、ダ
ム地区内の自浄能力も落ちている。そのため、総人口が3100万人に達するこの地
域では、生態系と人々の健康リスクに強い関心が持たれるようになった。

 1998年から、舒為群教授のグループは、このことに対する研究を展開している。
 重慶の主要な市街区域の嘉陵江と長江の水中には、非揮発性有機汚染物だけで
101種類、そのほかに多くの有機塩素化合物、エステル類、ケトン類、フェノー
ル類、複素環式化合物、ベンゼンとその誘導体などが発見されている。
 「我々の研究成果は党中央指導者の強い関心を集め、国家は水環境汚染管理を
進めた」舒為群教授はこのように述べている。
 2005年2月、国家発展改革委員は国家環境保護総局、建設部、科学技術省など
の7省庁を招集し、重慶で専門座談会を開き、管理の整理改善のための一連の方
案を出している。

 ダム地区の水質安全問題は、以前から温家宝首相が気にかけている問題である。
今年4月21日から24日まで、温家宝首相は重慶を視察している。
 温家宝首相は、重慶において現地飲用水問題がまだ解決されていないことを認
識し、三峡ダム地区の移住者の後期援助と新農村建設、農村の道路と飲用水を特
に重視し、統一計画での解決を強化するという。
 農業座談会で、温家宝首相は、ダム地区4大問題のうちの1つ、すなわち「ダム
地区の移住者問題、飲用水問題」について再度強調している。

〈重慶の努力〉
 三峡ダム地区の水質汚染が重慶市と関係がないわけではない。
 「現在重慶の経済は急速に発展しており、環境に対する影響は巨大です。汚染
事故は頻繁に起こっており、環境はかなり厳しいものになっています」重慶市の
余遠牧副市長は、主城区の大気汚染の予防対策と三峡ダム地区の水質環境保護は、
今年度の重慶市の環境保護における二大重点であると語る。

 重慶市は中西部の重要工業基地、交通中枢、貿易港であり、現在の生態系の環
境汚染は既に非常に深刻である。
 1999年度の全国46カ所の重点都市環境総合整備定量審査ランキングでは、重慶
は悪い方から4番目である。全国地区の持続可能な発展環境維持システム指数で
も、重慶は全国の各省市の最後から3番目である。
 重慶市の環境問題では、主に汚水排出量が大きいにもかかわらず都市の汚水処
理率は低く、水質汚染問題が突出した状況である。

 今年の全国「両会(全国人民大会と人民政治協商会議全国委員会)」で、重慶
代表団の多くの代表が三峡の水質環境保護を喚起する議案や提案を提出している。
 重慶市環境保護局の曹光輝局長によると、生態の環境保護と建設業務は1997年
に重慶が直轄市となったときに中央から指示のあった重慶市4大重要事項のうち
の1つだという。

 調査によると、ここ数年、重慶は積極的に中央関連部門や湖北省と協力し、相
前後して「三峡ダム地区及び上流の水汚染予防計画」などの法規と一連の政策措
置を打ち出している。同時に、重点的にダム地区水質汚染と地質災害の「2大特
定項目」管理を強化している。
 「三峡ダム地区の水質環境は比較的敏感で、汚染度の高い化学工業プロジェク
トについて、私たちは重慶の発展を認可せず、製紙業の発展にも厳しい制限を加
えています」と曹光輝局長は言う。

 実際に三峡ダム地区の水質保全のため、2003年に貯水される以前、国は40数億
元を投入して、三峡ダム地区のすべての県政府のある町に少なくとも1カ所以上
の汚水処理場が建設し、高密度の汚水処理場施策を行っている。
 「しかし、現在の汚水処理率は20%だけです」と舒為群教授は言う。

〈飲用水新標準制定への動き〉
 「三峡ダム地区及び上流の水汚染予防計画」により、2010年までにダム地区と
その上流は、主に水流のコントロールにより、全体でほぼ国家地表水質環境品質
2類標準に達し、ダム地区の生態環境は明らかに改善している。

 「しかし、現行の飲用水国家標準「生活飲用水の衛生的標準」は明らかにレベ
ルが低過ぎます」
 舒為群教授によると、衛生部が1985年に制定された国家標準のチェック項目は
35件で、そのうち有機汚染物は2件、農薬も2件にすぎない。
 「この基準の水を飲んで伝染病になることはありません。しかし、人工合成さ
れた化学物質に対する汚染のチェックはできていません」

 昨年の全国「両会」で、数十人の専門家が共同で提案を起草し、関連部門にで
きるだけ早く新しい「生活飲用水衛生的標準」とその検査方法を制定することを
提起している。
 「この新標準のたたき台は既にでき上がっており、業界内で意見を求めている
ところです」舒為群教授は、この新標準でのチェック項目は比較的多く、幾つか
有機物に対しても制限を加えると語っている。

 しかし、三峡水質問題の影響は水質基準問題だけではないことは明らかである。
夏之寧さんによると、長江流域保護には統一的な法制が不足し、三峡ダム地区の
汚水とゴミ処理プロジェクトを行う経費が足りず、ダム地区の環境モニタリング
能力が弱いという。
 これらはすべて三峡水質整備の難題となっている。〔第一財経日報4月27日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                       (中国人民銀行5月15日19:01)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     7.2784  799.82  103.16   1033.49
関連ページ:http://www.bank-of-china.com/
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《編集者コラム――中国人と間違えられる》
 今週末は長野の善光寺に遊びに行ってきました。善光寺の仲見世を歩いている
と、何と見知らぬ女性が親しげに「Ni Hao」と声をかけてきました。
 編集者(ま)と書いていると、よくボスの会社の関係者には別の(ま)さんと
誤解されるようなのですが、私はその方とは別人の日本人でして、当然日本語で
会話していました。しかもこの日は台湾人を連れて歩いていました。にもかかわ
らず、彼女は横にいる台湾人には見向きもせず、あろうことか日本人である私に
いきなり中国語で話しかけてきたのでした。
 そこで私も彼女を無視していれば、彼女も私が中国語が通じない日本人だと即
座にわかったのかもしれないのですが、私があいさつを返してしまったがために、
かえって彼女を混乱させてしまうことになってしまいました。
 彼女は久しぶりに中国語を話せる人と会いたかったという中国人女性でしたが、
もちろん私がどれだけ中国語ができないかはわかってもらえたはずで、がっかり
させて申しわけなかったです。(ま)
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●バックナンバーの入手(記事検索も行えます)
(200号以降 2003/2/18―)
 http://www.bizchina.jp/modules/nweek/
(199号まで)
 http://www.jckc.com/nweek/view.php?no=1
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編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:劉志軍 戴小芳 アヤ 郭暁楠 奥谷道弘 リン 後藤せいか
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