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電子マガジン・中国最新情報
中国国内各紙の報道をもとに編集部が独自のセンスで選んだ、中国経済全般、政策動 向、産業一般、社会などホットな中国情報満載。日本の報道では物足りない、今の中 国を日本語で読みたい方は必見!
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電子マガジン《中国最新情報》  No.515 2010年9月14日
発行:《中国最新情報》編集部 http://www.bizchina.jp/
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★今週の読者数合計:6,057名(2010年9月13日現在)

━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【特集:養育と介護の負担増 個人の立場と社会の介入】
●子供の養育コスト49万元とは 理性的ではない消費がコストをふやす
●中国介護機関ベッド数不足300万 介護難到来 上

┏【貿易】
●インド・中国両国の貿易額が600億米ドルを超える見込み

┏【教育】
●77%の中学生のかばんは10キロ超 上海5年以内に電子教科書普及へ

┏【社会】
●学生がメーン 夏の鉄道利用客数ピークは60万人を超える

┏【経済データ】
●外国為替(9月13日)

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……【特集:養育と介護の負担増 個人の立場と社会の介入】……………………
●子供の養育コスト49万元とは 理性的ではない消費がコストをふやす
 先般、上海社会科学院家庭研究センターの徐安主任はある取材電話を受けた。
「私は月給3000元の夫の子供を産むべきかどうか」と銘打ったテレビ番組におい
て、司会者が彼女に電話をして尋ねたのだ。
 「あなたの「子供の養育費コスト49万」という研究結果が、多くの若者に子供
を産みたくないと思わせている。あなたの研究は一体どういうことなのか?」

 この質問に対し、徐安主任は間髪入れず「私の研究結果が大衆から誤解され
ている!」と嘆きの声を上げた。
 最近、社会において流行している「孩奴」という言葉、子供の養育の経済コス
トが高過ぎて、若者夫婦が子供の「奴隷」になって育児をすることを余儀なくさ
れてしまうという意味であるが、このような「孩奴恐怖症」について、徐安主
任は、事実関係を明らかにして誤りを正すべきだと述べる。

〈大衆は「49万元」を誤解している〉
 近年、「孩奴」のほか、「房奴」、「車奴」、「〓奴」等が社会的に注目を浴
び、日常生活をリラックスして過ごせない「80後」をまた緊張の糸で縛り上げて
いる。
 ネット上の「孩奴」の定義は、夫婦に子供ができた後、一生すべてを子供のた
めに苦労し、お金を稼ぎ、みずからの価値を失ってしまう生活状態を指す。した
がって、「孩奴」となった人は、病気もできないし、高額な買い物もできないし、
むやみに仕事も変えられない。

 そこで、「私は月給3000元の夫の子供を産むべきかどうか」というようなやり
とりが出てきたのである。
 あるウエブサイトで、「私は月給2500元の貧しい夫の子供は要らないが、間違
っているのだろうか?」という書き込みに熱心なやりとりがあった後、「都市の
低収入者は子供を産めないの?」というやりとりも起こった。その結果、投票に
参加した4200人のネットユーザーのうち「低所得では子供を望めない」に賛成し
たのは総投票数の86.6%を占めた。
 この種の問題の討論の中において、徐安研究員が6年前に研究した結論「1組
の夫婦が子供を出産してから30歳まで育てるのに49万元必要」というのが「重要
根拠」となった。「孩奴」になることを望まない人から見れば、出産後に生まれ
る経済コストは実に高過ぎるのだ。

 これに対し、徐安主任は、大衆は私の研究を誤解していると話す。
 まず最初に、「49万元」というのは、徐匯区において確率抽出法で行った調査
結果であって、この地域の住民の生活水準は上海の平均水準を上回っており、こ
の結論を一般化することはできない。

 第二に、中国の子供の結婚前の衣食住は実家が担っていて、父母がさらに子供
の一部または全部の結婚費用を支払うことを考慮して、研究の統計範囲に子供が
大人になった後の経済コストまで延長して含めたため、金額が多目になった。

 また、この研究はゼロ歳からの子供の30年間の追跡調査ではないが、2003年の
物価水準を基準としてゼロ歳から30歳までの子供の両親の平均出費を加算して得
られた結果である。
 つまり、今の子供の30歳になったときの両親の実際の出費がこのように高額な
経済コストであるとは限らない。

〈理性的でない出費は少なくない〉
 「さらに重要なことは、49万元というのが平均値であるということだ。さまざ
まな家庭において子供に投入される経済コストの個体差はとても大きいのが事実だ」
 徐安主任はこのように述べ、「現在、多くの保護者が「子供がスタートライ
ンで負けさせてはいけない」と考えるために、理性的ではない消費が多く、子供
を養育するコストの大幅上昇につながっている」とする。

 徐安主任の調査では、小中学生を持つ家庭のうち、家庭教師、補習塾や習い
事で年間最大で1.4万元に達していた家庭があった。
 自分の生活を切り詰めて、金には糸目をつけず子供に生後1カ月のお祝いをし、
豪華な誕生日を行い、学校を選んで、家庭教師を雇い、高額な幼稚園に通い、各
種英才教育をさせ、有名ブランドの服を買い与える保護者も少なくない。
 ある家庭では、子供の着る有名ブランドの服で年間1.5万元、家庭教師、習い
事で年間1.4万元、携帯電話、ネット接続料で0.8万元、お小遣いは最高額では1.2
万元、生後1カ月のお祝いや誕生日で2.8万元、買い与えた住宅、留学の最高費用
は50万元、30万元だった。
 しかし、これらの項目での出費が少なかったり、あるいはゼロである家庭も少
なくない。

 このことは、「1人当たり49万元」の養育コストは基準ラインではなく、実は
多くの出費はあることもあるし、ないこともある、高いときもあれば低いときも
あるということをあらわしている。仮に、両親が子供に対する高過ぎる期待を減
らし、小さいころから子供の自立や勤勉節約の習慣を養えば、その子供の養育の
経済コストは対外的に言われるような高額にはならない。

〈養育コストには伸縮性がある〉
 徐安主任は、別の研究では、家庭の経済出費と子供の学業成績、心身の資質、
健康、社会適応能力との間には顕著な正の関係は見られないとも表明している。
つまり、子供にかける費用が高過ぎないことが、子供の健全な成長と全面的な発
展にはより有利なのである。
 このインタビュー調査で、子供が優秀である家庭の保護者が徐安主任に述べ
たところでは、子供に家庭教師をつけたり、補習塾に通わせたりしなかったが、
小さいころから子供を多くの課外活動に連れていき、さまざまな博物館や美術館
に行き、人との交流を多くし、彼らの観察力や表現力や自立心を養った結果、子
供は強い学習の自覚、自己抑制能力、社会適応性を持つようになったという。

 「この研究結果で言えることは、子供の養育の経済コストには伸縮性があり、
代替可能であるということである」
 したがって、徐安主任は、両親は子供の養育のコスト構造を最適化するべき
で、多かれ少なかれ経済コストを減らし、時間コスト、一時的な感情的なコスト
投入をふやすことを提案する。このようにすれば、「孩奴」に陥らないだけでな
く、子供がさらに健全な成長ができるのだという。
注)〓は、「上」の下に「ト」
〔解放網―新聞晩報2010年8月30日〕

●中国介護機関ベッド数不足300万 介護難到来 上
 伝統的な家庭における介護という重い負担を耐えられないが、介護機関のサー
ビスは逼迫していて空きベッドを探せない。保育所の待機児童の問題に引き続き、
介護難が表面化している。介護施設、サービスの大幅増が当面の急務である。

 ある92歳の高齢者は半身不随で、月壇街道エリアの敬老院の広い廊下に車いす
でいた。彼は立ち上がりたいと騒ぎ出し、そばにいたヘルパーは力を入れて彼を
持ち上げ、彼の足を地面に軽くつけてから、また車いすに座らせた。
 その高齢者は既に行動能力を失っていて、加えて重度の認知症で、終日ヘルパ
ーの介護が必要である。「もしここに連れてこれなかったら、私たち家族では対
処しようもありませんでした」85歳の妻の王さんはやるせない思いでこの様子を
見ていた。

 高齢者の周りにはまだ二十数人の車いすに乗った高齢者がいるが、大多数は話
すことも動くこともできない。高齢者の中には、鼻に流動食を入れるためのチュ
ーブを差し込み、頭が前のめりになり、目がうつろである者もいた。
 ここの専門ケア施設は行動能力のない高齢者50人を介護しているが、このケア
施設は依然としてコミュニティーのすべてのニーズを満たしていなかった。この
敬老院には随時50人の高齢者が施設入所を待っているのである。

 郷や鎮において組織的につくられた養老院であろうが、市に属する福利院であ
ろうが、北京の公共介護機関はすべて満員である。たとえ料金が高く、中間から
高級層に位置する北京太陽城高齢者マンションであっても、先日最後の2室を残
すだけで「この週末を過ぎれば、空き室はなくなる」。
 介護サービス機関は3816件あり、ベッド数は6万1823床であり、北京の226.6万
人の高齢者の介護ニーズを満たしようがない。北京のある街道エリアの敬老院で
働く従業員に聞いたところ、高齢者は一般的には2年前後待ってようやく空きベ
ッドが回ってくるのだという。「人が死なないと入れない」

 北京に限らず、中国の各大都市で、養老院の空きベッドを探せない。
 2009年末現在、中国の60歳以上の高齢者の人口は1.67億人に達し、総人口の1
2.5%を占めた。そのうち、80歳以上の高齢者は1899万人で、行動能力のない高齢
者は940万人、一部の行動能力を失った高齢者は1894万人である。

 社会がしっかり準備をしていなかったことは明白である。
 「行動能力のない高齢者が家族を滅ぼす」中国社会科学院社会政策研究センタ
ーの楊団副主任はこのようにコメントした。数年来の家族の小型化の趨勢、現代
化という背景のもと、高齢者だけで暮らす家庭が激増し、伝統的な家庭における
介護という重い負担にはとっくに耐えられなくなっている。

 多くの社会学者は介護施設、サービスの大幅増が当面の急務であると見ている。
 目下、第十二次五カ年計画の31の特別計画が既に基本的に画定しており、国務
院の最後の承認を待っている。その中には、意外にも、これまで注目されていな
かった基本介護サービスシステム建築計画が押し込まれた。この項目は初めて正
式に国家の五カ年計画に入ったものである。
 計画は中央から地方各レベルへの財政資金投入がはっきりしている。中央レベ
ルの資金規模が100億元で、中部、東部、西部に対し比例配分されるが、最終的
な比率はまだ確定していない。

〈介護不足〉
 2009年、中国人の平均寿命は73.05歳である。1人当たり寿命の延長は人体機能
の老化を必然的に伴う。
 全国の行動能力のない、一部の行動能力を失った高齢者は目下3000万人未満で
あるが、老齢人口の増加、寿命が延長するに伴い、数量はさらに持続的に増加する。

 楊団副主任は、介護サービスの提供は正位置と逆位置の2つの正三角形になぞ
らえることができるとしている。
 介護サービスを必要とする高齢者の人口構造は正位置の正三角形であり、行動
能力のない高齢者人口がそのトップに位置する。高齢者向けに提供される介護サ
ービスは逆位置の正三角形であり、トップの部分の高齢者に最も多くの介護サー
ビスを提供する必要がある。

 理論と現実の間にはやはり大きな落差が存在している。2009年末現在、中国全
国の各種高齢者福祉機関は3万8060件、ベッド数は266.2万床である。
 国際的な経験から見ると、先進国の介護サービス機関の1000人当たりのベッド
数は50―70床である。中国における65歳以上の高齢者の1000人当たりのベッド数
は23.5床である。保守的に見積もったとしても、介護機関のベッド不足数は300
万床以上である。
 専門のヘルパーも非常に不足している。全国のすべての機関のヘルパー数は20
万人余りにすぎず、ヘルパー証を持つのはわずか2万人強である。

 中国の伝統に基づけば、お年寄りに対する介護は義務で、多くは家庭が負担を
担っていた。しかし、家庭の介護能力は限界に達していて、社会機関やサービス
の力をかりざるを得なくなってきており、このことが社会の介護サービス不足を
ますます激化させている。
 家庭形態の変化も、この結果を後押しするに至らせている。中国の一人っ子政
策が実施されて30年がたった。初代の一人っ子の保護者が高齢期に入り、中国で
は全面的に「421家庭」時代が到来した。すなわち1組のカップルが4人の高齢者
と1人子供を養うという構図が日増しに主流になってきており、負担が極度に過
重となっている。

 同時に、現在の都市化の波による、人口移動や家庭の小型化も、家庭の旧来の
世代間の養育機能に打撃を与えている。民生部及び中国老齢工作委員会のデータ
によると、都市の高齢者のうち、高齢者だけで暮らす家庭の割合は既に49.7%に
達している。
 農村においては、大量の青壮年が外に出稼ぎに行ってしまい、高齢者、子供、
中年以上の女性が家で留守を守ることが常態化している。中国社会科学院政策研
究センターが2008年に山西、陝西、甘粛の農村で行った調査によれば、70歳以上
の高齢者の半数以上はみずからの面倒をみずからで見るか、配偶者が面倒を見て
いる。

 たとえ家族が介護の義務を果たしたとしても、介護の質は意に沿ったものにも
なっていない。
 社会科学院の「中国農村高齢者介護サービス研究」では、伝統的な家庭の介護
基準は低く、専門性も劣っていることがはっきりしている。
 農村の農繁期では、家族が高齢者に対する介護で過失によるミスや放置を起こ
しやすく、身の回りに子供のいない高齢者はなおざりにされやすく、甚だしきに
至っては、子供が身の回りにいるお年寄りであっても介護放棄に遭遇することも
ある。

 北京心理危機研究及び介入センターの費立鵬執行主任は以前、農村の高齢者の
自殺率は都市高齢者の5倍で、農村の自殺者数は中国の自殺者数の90%を占めるこ
とを明らかにした。
 中国老齢事業発展基金会の李宝庫会長もまた、ある会議の席上で、「中国の農
村の高齢者の自殺率は世界平均水準の4倍から5倍に達している」と紹介し、湖北
省の京山地区では、自殺小屋、自殺穴まで存在するとした。
 相当大部分の高齢者は病気のために子供の迷惑になりたくないために、古い家、
傾斜地、林、川の溝を選んで、静かにみずからの命を絶っている。
(次号に続く)
〔2010年8月30日財新網〕

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……【貿易】………………………………………………………………………………
●インド・中国両国の貿易額が600億米ドルを超える見込み
 「インドと中国の貿易はここ数年来毎年30%の速度で成長しており、今年の両
国の貿易額は600億米ドルまで増加すると予想される」
 インド商工会議所北部地区会頭は27日、中国新聞社の取材に対し、現段階では
インド・中国両国の協力促進をさらに一歩深めることで、双方の相互理解の程度
をより深める必要があると示した。

 インド商工会議所北部地区会頭は次のように述べた。
 過去60年以上の間、さまざまな原因により、インド、中国双方は多くの方面で
互いに補い合った発展をする機会を失っていた。しかし、ここ数年来、両国の多
方面での協力は良好な成績をおさめている。
 最も人々の関心を集めているのは、両国の貿易投資の急激な拡大発展である。
2000年当時のインド・中国貿易はわずか29億米ドルにすぎなかったが、今年1―7
月におけるインド・中国貿易額は354.6億米ドルに達しており、既定の目標を大
幅に上回り、今年600億米ドルに達すると予測されている。

 「インド・中国両国の人口が世界に占める割合は37%であるが、貿易総量は全
世界の10%に満たないし、インド・中国貿易額は世界経済全体の4%にも達しない。
つまり、インド、中国双方には依然として巨大な協力の余地があるということで
ある」
 インド・中国両国は世界において発展速度が最も速い国家であり、必ずやこの
機会をつかんで協力を強化し、ともに発展できるであろうが、しかし、この目標
実現の前提条件は、インド・中国両国の相互了解の増進にある。

 インドと中国はいずれも実力のある企業や広範な市場を持っているが、しかし、
長期にわたって両国における相互理解はなく、お互いの間の認識が長年にわたっ
て停滞している。固定観念的な印象や想像に任せ、根本的に互いのニーズや自国
優位性についてはっきりわからない。このような状況に基づく協力では多くの制
約がある。

 したがって、両国は互いに穏やかな交流の枠組みを構築し、各種形式、各レベ
ルでの人員の相互訪問の増加、人員の流動を通じて理解を徐々に強めていくこと
を提案する。
 インドにおいては、商工会議所の幾つかはインド・中国協力促進センター等の
機関が設立し、両国に関心のある企業同士の引き合わせ、貿易協力促進を専門に
している。
 「中国南アジアビジネスフォーラムと南アジア国家商品展は大変よい交流基盤
であり、我々は中国の企業との交流を進められるというだけでなく、さらに中国
の消費者のニーズが何であるかを知ることができ、このようにして、インド企業
が中国市場に参入する方向性を持てる」。
〔中国新聞網2010年8月27日〕

……【教育】………………………………………………………………………………
●77%の中学生のかばんは10キロ超 上海5年以内に電子教科書普及へ
 このほど、「上海は5年以内に電子書籍を普及させる」というニュースが保護
者の盛んな議論を引き起こしている。
 学生のかばんが重過ぎるという問題は既に長年の懸案として根強く、電子書籍
の出現が今のところ問題解決の布石だと見られている。
 このため、本紙はこれからかばんの話題に対して調査を行い、学生の負担を軽
減するよう、かばんの「電子化」を呼びかける。

〈77%の中学生のかばんは10キロ超〉
 昨年、北京の742人の保護者が中学生のかばんの重さに対し、自発的に調査を
行った。
 結果は、4キログラム以下がわずか6.2%、8キログラム以上が24.12%を占めた。
 7―8キログラムが15.36%、6―7キログラムは17.65%、5―6キログラムは19.81%、
4―5キログラムは16.85%だった。

 これまでの上海市1208名の小中学生のかばんに関する調査によると、学生が背
負う重量は平均4.2キログラムで、学生の体重の平均11.1%に相当する。
 かばんを背負って登下校する際、53.1%の小学生と86%の中高生は疲れると感じ、
汗をかき、肩と腰が凝り、背中が痛み、首が凝る等の症状があらわれている。

 専門家は、子供たちにとって8.5キログラムの荷重が脊柱に及ぼす圧力は、20
―25キログラムの荷重が大人の脊柱に及ぼす圧力に相当すると指摘している。
 学生が毎日ずっしりと重いかばんを背負って登校することは、背骨の発達に影
響することは明白で、猫背の現象があらわれている。ひどくなると首や肩の筋肉
を傷め、脊髄神経を傷つけるという。

〈上海は5年以内に電子教科書を普及させる〉
 今回の上海メディアの報道によると、現在、上海市教育委員会は既に電子書籍
の研究と実践を行うことを2010年上海市基礎教育試験的プロジェクトとして位置
づけており、5年以内に中小学校に普及させるよう極力努力すると表明している。

 電子書籍について、北京十五中分校の中学2年生の白さんはとても興味を持っ
ている。彼女のかばんは大体10キログラムあり、毎日背負うのにとても疲れ、1
冊の電子書籍だけ持って登校できるならば大変気が楽だと言う。
 もうすぐ中学1年生を修了する天さんは、夏休みにお母さんが彼女を旅行に連
れて行ってくれるが、宿題が多いのでかばんを背負って遊びに行かなければなら
ない。もし、電子書籍があれば随分便利で、たくさんの本をすべて荷物に入れる
必要はないと話す。

 二中分校の鈕小樺校長は、現在、かばんが重いのには、昨今の教科書の質が向
上しているという重要な原因があると見ている。
 「2000年代以前の教科書はみな判型が小さく、厚さもとても薄かった。今の教
科書はすべて判型が大きく、アート印刷紙にカラー印刷しているのもある。これ
が教科書の重さを増加させている」
 鈕校長は、もし、電子教科書が紙の教科書に取ってかわることができるならば、
学生の負担は必ずや軽減するものと考えている。

〈電子教科書の普及では出版社が最も「傷を受ける」〉
 業界の専門家は、電子書籍には多くの利点があるが、実際に普及させるには多
くの障害がある、そのうち最大の障害は出版社によるものだろうと考えている。

 ある統計データが示すところ、現在、中国の学生は3.2億人に達しており、毎
年必要な教科書と宿題ノートは合計360億冊にまで達し、その総額は1000億元を
上回る。
 さらに、北京市の小中学生は120万人いて、すべての学生が毎年100元を書籍代
として必要だと計算すると、1年間の教科書だけで費用は1億2000万元にも達する。
この巨大な市場を出版社が簡単に放棄することはあり得ない。

 二中分校の鈕小樺校長は、電子教科書を普及させるには、まず学生にふさわし
いよう価格設定されるべきだと考えている。
 まず、現在の電子書籍の価格水準は一様でなく、5000元から数百元まで各種の
タイプがあること。
 次に、学生は書籍上にメモをとる必要があるという問題を解決しなければなら
ないこと。
 第三は、学生が目を用いることの健康を保障しなければならないことである。
 鈕小樺校長は、学生のうちの何人かはうまく操作できない可能性があり、電子
書籍はまず補助教材から試験的に普及するかもしれないと話す。

〈国外では電子教科書を使用した先例がある〉
 中国国外では、既に電子書籍を使用した先例がある。
 シンガポールでは、10年前に資料情報をメモリーに保存、記録、閲覧する電子
教科書を開発している。幾つかの電子カードスロットがあり、教科書カード、宿
題カードと字典カードを挿入でき、電子メールを受信、発信することもでき、世
界のどの地区の学生とも学習で得た収穫について交流ができるという。
〔北京晩報2010年7月14日〕

……【社会】………………………………………………………………………………
●学生がメーン 夏の鉄道利用客数ピークは60万人を超える
 29日の北京西駅、北京駅など4大鉄道駅では今年の夏の鉄道利用客数のピーク
となり、1日で60万人を超えた。

〈夏のピークは学生が主な要因〉
 28日、北京西駅は夏のピークを迎え、29日北京西駅の利用客数は30.5万人を超
えた。また、北京南駅の利用客数は29万人を超え、これに北京北駅の利用客を加
え、29日の4駅の利用客合計は60万人を超えた。
 このピークは大学、専門学校の学生が主体だが、農民工、旅行客、週末帰省客
などが重なり、本日30日に至っている。

 29日午後1時には、北京西駅広場一帯は人の海となった。着いたばかりの利用
客が北1番出口や2番出口からどっと吐き出された。また、駅に進む利用客はたち
まち3つの検査所にあふれた。列は広場まで伸び、その長さは4、50メートルにも
達した。
 北京西駅の電光掲示板には大連、ハルピン、武漢、西安、ウルムチ、広州、深
セン等の1週間分の1等、2等、寝台すべてが売り切れであることが表示された。

 北京西駅の責任者は、夏季の北京西駅平均利用客数は25万人前後だが、8月中
下旬にはUターン客が集中し始めること、また29日が学校が始まる前の最後の週
末であったことが相まって、利用客が朝から膨れ上がったと語った。

〈北京西駅のすべての窓口で学生切符を販売〉
 利用客のピークに対応すべく、北京西駅のすべての販売窓口で学生切符を販売
するとともに、特に新入大学生のために6つの専門窓口を設けた。北広場の15、16、
25、26窓口及び南広場の1、18窓口の6つで、ここでは新入生切符のみが販売され
る。入学通知書を提示し、切符を買うことができる。

〈1人の学生に7人の付き添い〉
 北京西駅の切符売り場、各窓口の電子掲示版上には「学生切符販売」と表示さ
れている。15号窓口は新入生専門窓口であり、入学通知書を手にした学生や家族
が窓口から反対側の壁まで列をなしている。多くの学生は1枚の学生切符と2枚の
普通切符を購入している。家族を同伴して入学手続をするからである。

 首都大学新入生サービス拠点も新入生を伴った家族であふれていた。40余りの
大学のサービス拠点が設置されている。
 中央財経大学の責任者である学生は、応対した学生数はわからないが、午前中
だけでも大型バス17台を手配したと語った。また、中国石油大学学生の陳さんは、
午後3時までで、北京西駅で507名の学生に応対した、家族を合わせると960名だ
ったと語った。

 多くの学生は1人で来るのではない。天津から来たある学生は付き添いの家族
が7人いたとサービス拠点の学生は教えてくれた。男子学生の父親、母親、おじ、
おばなどが付き添い、合わせて8名でやって来たのである。
 一方、西安より子供の手続のために来た張さんは、家のことはすべてほったら
かし、子供が初めて家を出るので、少し心配なこともあり、学校の雰囲気も見て
みようと思って来たと話した。

〈北京西駅関連臨時列車〉
▽9月2日―6日 北京発フフホト L131便
▽9月3日―7日 北京発通遼 L133便
▽9月2日―30日 北京発上海 (隔日)K313便
▽9月1日、3日 北京発上海 T35便
▽8月31日、9月2日、5日 北京発ウルムチ L27便
▽8月29日、30日 北京発鳥西 L27便
▽9月5日 北京発南寧 L57便
〔新京報2010年8月30日〕

……【経済データ】………………………………………………………………………
●中国の外国為替レート(仲値)
                          (中国人民銀行9月14日)
外貨名  100日本円  100米ドル  100香港ドル  100ユーロ
     8.0153  675.09    86.92  862.56
関連ページ:http://www.boc.cn/sourcedb/whpj/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《編集者コラム――別れ》
 7月の最後の日、その週末はボランティアに出かけていました。隅田川の花火
大会があったせいか、浅草でのボランティアには関係者がだれも来なくて、家に
クーラーがないというリーダーのお年寄りとずっと暑さ対策の雑談をして過ごし
ていました。そして、8月は休みだから、また1カ月後に会いましょうと約束して
別れました。先週、9月初めにまた行ったところが――その彼女が亡くなったこ
とを知らされました。
 もともとは、ボランティア仲間がひとり暮らしの彼女に何度電話をかけても通
じないため、その異変に気づいたのだそうです。照会を受けた公団が部屋のかぎ
をあけに行ったときには、既に亡くなってから2週間以上がたっていたというこ
とでした。私が話を聞いたときには、遠い親戚が葬儀を済ませ、部屋を片づけ終
わった後でした。
 個人情報保護が声高に言われる中、仕事先でも親戚でもない人間に自治体や公
団が彼女の情報を教えてくれるわけもなく、地元に住むボランティア仲間のおじ
さんがいろいろ調べても、彼女がどうやって亡くなったかをすぐに知ることがで
きなかったそうです。結局、検死をした警察が一番親身だったそうで、遺骨があ
る寺を教えてくれたそうです。その後、そのおじさんがその寺にこっそり上がり
込み彼女の位牌を見つけて、やっと死亡日がわかったといいます。
 位牌の死亡日を見る限り、あの暑い暑いと話をした4日後には亡くなっていた
とのこと。いつも身ぎれいにしてやってくる彼女が2週間以上自分の部屋で倒れ
ている様子を想像するのはつらく、暑い暑いという言葉とともに思い出されます。
何とも寂しい別れになってしまいました。(ま)
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●「ビジネス企業研修@中国」 http://www.bizchina.jp/
●バッグナンバーの入手
(83号以降 2000/9/25―) http://www.bizchina.jp/ja/nweek/
●《中国最新情報――編集者コラム》http://ameblo.jp/jckc-colum/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集長:李年古/副編集長:前野貴子 特別協力:劉莉生
翻 訳:リン 神谷輝雄 竹内はる菜 荒木千春 澤田裕子
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